訂正有価証券報告書-第8期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/07/05 13:24
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(1) 経営成績等の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米国では雇用環境の良好な状態が続き、景気は堅調さを維持している一方、欧州では景気減速への懸念が高まっている。中国では米国を発信源とする通商問題がエスカレートしており、北朝鮮情勢や中東を中心とした地政学リスクや英国のEU離脱問題が混迷の度を深める等、世界経済の先行きの不透明感が増しつつある。その中でわが国経済は、輸出が伸び悩んだものの、雇用環境の改善を背景に底堅さを維持した。
当社グループを取り巻く事業環境は、造船事業においては“船腹及び建造設備の過剰”という構造が依然として継続し、厳しい状況が続いている。バルクキャリアーの海運市況は、2018年内はゆるやかな回復基調にあったものの、2019年は年明け以降弱含みで推移している。
このような状況下、当社の新造船では、NOx排出3次規制やH-CSR(新共通構造規則)の新規則を適用し燃費性能を向上させた新82千重量トン型パナマックス・バルクキャリアーと新64千重量トン型スプラマックス・バルクキャリアーに加え、幅広・浅喫水で大容量化を図った新規制適用の41千重量トン型ハンディサイズ・バルクキャリアーを開発し、営業を展開している。一方、一般商船以外にフェリーに続き特殊船や作業船などの営業を展開することで、建造メニューの多角化にも取り組んでいる。新造船を補完すべく取り組んできたマリン・修繕船は、住友精化㈱(セイカエンジニアリング㈱を吸収合併)と共同開発を行っている舶用LNG燃料供給システムの販売拡大に努めており、成約実績が上がりつつある。また、LPGタンクについては、現在の大阪製造所(大阪府大阪市)に加え水島製造所(岡山県倉敷市)でも製造することを決定し、事業強化の準備を進めている。
これまで陸上事業及びレジャー事業を当社グループの「第二のコアビジネス」として位置付け、事業の多角化に取り組んで来たが、これを一層強化することがグループ全体の経営安定化のための喫緊の課題と考え、陸上事業とレジャー事業の2つの事業会社グループを2018年4月2日に統合し、M&Tグループ(Machinery&Technology Group)として再編するとともに、同グループを統括・支援する会社としてサノヤスMTG㈱を同日設立した。続いて、6月の定時株主総会においてM&Tグループ各社の株式をサノヤスMTG㈱に移転させる「吸収分割契約」について承認を得て会社分割を実行し、7月2日をもって効力が発生した。また、2018年10月31日に、M&Tグループに属する子会社の内、産業機械製造を主業とし、メンテナンス等のサービスに注力するサノヤス・エンジニアリング㈱と㈱大鋳(2019年4月1日に合併)、サノヤス建機㈱(2020年4月1日に合併予定)の3社を統合し、新会社を機能別組織に再編することにより、経営の効率化や人財の最適配置の一層の推進を図るとともに、既存工場の共同利用によりシナジーを追求する等、事業構造を強化・拡充することを決定した。更に、2018年11月29日に、グループ内のIT化推進を目的として、ソフトウェアの開発及び計算・情報処理業務の受託を営むM&Tグループの㈱サノテックに所属するシステムエンジニアをサノヤスグループ各社に全体最適視点から効果的に配置すること、及び同社とM&Tグループのサノヤス・ビジネスパートナー㈱を2019年4月1日に合併することを決定した。
M&T事業では底堅い内外需を背景に、建設工事用エレベーターの販売・レンタル、空調・給排水工事の設計及び施工、化粧品等製造用真空乳化装置・攪拌機の販売、遊園機械の販売等が堅調に推移した。精密機械加工を主業としているサノヤス精密工業㈱の関西地区内3生産拠点を本社のある兵庫県三田市に集約し、生産効率の一層の向上を図る目的で新工場の建設を進めていたが、2019年3月に二期工事が完成し、移転が完了した。
これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高は前期比688百万円(1.5%)増加の48,144百万円となり、営業利益は1,272百万円(前期は3,160百万円の営業損失)、経常利益は1,326百万円(前期は3,145百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,383百万円(前期は4,260百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となった。
セグメントの経営成績は次のとおりである。
なお当連結会計年度から、報告セグメントを従来の「造船事業」「陸上事業」「レジャー事業」の3区分から「造船事業」「M&T事業」の2区分に変更している。また、前連結会計年度の「M&T事業」の実績については作成することが困難なため、前期比の記載をしていない。
(造船事業)
新造船は上記の通り、需給の飽和状態が恒常化し、依然として船価の回復が見られない中で受注活動に努めた結果、新82千重量トン型パナマックス・バルクキャリアー6隻を受注した。一方、82千重量トン型パナマックス・バルクキャリアー3隻と89千重量トン型ポストパナマックス・バルクキャリアー1隻、60千重量トン型スプラマックス・バルクキャリアー1隻、88千重量トン型石炭専用船1隻の計6隻を引渡したので、受注隻数残高は16隻となった。受注は市況動向を見極めながら臨機応変に対応することを優先し、受注残高を約2.5年分確保する営業方針に沿って引き続き注力していく。また、マリン・修繕船は、LPGタンクの製造が伸び悩んだが、修繕船等が順調に進捗した。この結果、新造船にマリン・修繕船及びプラントを含めた造船事業全体の受注残高は、工事進行基準による金額にして40,820百万円となった。
造船事業の売上高は、前期比859百万円(2.9%)減少の28,411百万円となった。また、鋼材価格の高騰等の要因があるものの、前連結会計年度末から円安が進行したことにより今後製造する米ドル建受注済新造船の円換算売上見込額が増加した結果、各船の採算が改善し、前連結会計年度末の受注工事損失引当金を取り崩したこと等により、営業利益は203百万円(前期は3,463百万円の営業損失)となった。
(M&T事業)
M&T事業においては、首都圏を中心とした建設工事の活況を背景に、建設工事用エレベーターの販売・レンタルが伸長し、空調・給排水工事の設計及び施工は、これまで手薄だった首都圏での営業活動強化により好調だった。また、インバウンドと輸出が牽引する化粧品市場の拡大により、化粧品等製造用の真空乳化装置・攪拌機の販売が大きく伸び、既存顧客からの受注に加え、国内外の新規顧客獲得にも成果があった。訪日観光客の増加等により遊園地への来場者が増加する中、既設置機械の更新需要等を的確に捕捉・対応した結果、国内の遊園機械の販売が好調に推移した。新規事業では、海岸に近い施設への津波避難用救命艇の販売に注力し、受注に繋がった。また、ボラード(テロ対策用車止め装置)を始めとしたテロ対策用商品の販売にも注力した。この結果、受注残高は6,796百万円となった。売上高は19,732百万円、営業利益は1,363百万円となった。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べて1,366百万円減少し、41,112百万円となった。これは主に、受取手形及び売掛金が1,806百万円、有価証券が500百万円それぞれ増加したものの、現金及び預金が2,911百万円、その他流動資産が315百万円、電子記録債権が270百万円、仕掛品が213百万円それぞれ減少したこと等によるものである。
当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べて840百万円増加し、25,997百万円となった。これは主に、無形固定資産が116百万円減少したものの、有形固定資産が766百万円、投資有価証券が281百万円それぞれ増加したこと等によるものである。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べて1,028百万円減少し、31,229百万円となった。これは主に、前受金が747百万円、その他流動負債が347百万円それぞれ増加したものの、受注工事損失引当金が2,101百万円減少したこと等によるものである。
当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末に比べて704百万円減少し、21,226百万円となった。これは主に、退職給付に係る負債が192百万円増加したものの、長期借入金が989百万円減少したこと等によるものである。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて1,207百万円増加し、14,654百万円となった。これは主に、利益剰余金が1,383百万円増加したこと等によるものである。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ2,901百万円減少し、19,323百万円となった。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度末に比べ8,502百万円減少し、298百万円の収入となった。主な収入は、減価償却費1,690百万円、税金等調整前当期純利益1,562百万円、前受金の増加666百万円であり、一方、主な支出は、受注工事損失引当金の減少2,101百万円、売上債権の増加1,544百万円である。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度末に比べ1,049百万円減少し、3,154百万円の支出となった。これは主に、有形固定資産の取得による支出2,787百万円等である。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度末に比べ1,633百万円増加し、135百万円の支出となった。主な支出は、長期借入金の返済による支出13,467百万円、配当金の支払額162百万円であり、一方、主な収入は、長期借入れによる収入12,100百万円、セール・アンド・リースバックによる収入1,343百万円である。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
造船事業28,2070.7
M&T事業12,093-
合計40,3013.3

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去していない。
2 金額は期間中に発生した製造原価で示している。
3 上記の金額には、消費税等は含まれていない。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
セグメントの名称受注高受注残高
金額(百万円)前年同期比(%)金額(百万円)前年同期比(%)
造船事業29,866202.640,8204.7
M&T事業13,7666.36,7969.0
合計43,63291.247,6165.2

(注) 1 M&T事業の機械レンタル及びレジャー事業の遊園地運営は受注高及び受注残高に含めていない。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていない。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
造船事業28,411△2.9
M&T事業19,7328.5
合計48,1441.5

(注) 1 当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりである。
相手先前連結会計年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
DIAMOND STAR SHIPPING PTE.LTD.8,24217.4--
LEPTA SHIPPING CO.,LTD5,23311.05,95212.4

2 DIAMOND STAR SHIPPING PTE.LTD.については、当連結会計年度において10%未満のため記載を省略している。
3 上記金額には、消費税等は含まれていない。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高は前期比688百万円(1.5%)増加の48,144百万円となり、営業利益は1,272百万円(前期は3,160百万円の営業損失)、経常利益は1,326百万円(前期は3,145百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,383百万円(前期は4,260百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となった。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、外国為替相場の変動がある。造船事業において売上の大半を占める新造船は、海外向けの輸出比率が高く、米ドル建ての契約が大宗を占めており、円相場の変動リスクに晒されている。一定のルールに基づき為替予約を行うことで為替リスクヘッジに努めているが、年単位の期先に亘る米ドル建て債権を全額ヘッジすることは行っていない。また、原材料、資材、エネルギー価格の変動も経営成績に重要な影響を与える要因の一つである。原材料の大きな部分を占める鋼材価格の変動については、資材調達部門において価格交渉に努めており、加えて効率化等の原価低減活動で吸収すべく努めている。
当社グループにとって、安定的な長期運転資金を確保することが経営課題の一つである。当社の全額出資子会社であるサノヤス造船㈱は、既存シンジケートローン契約(2019年12月30日返済期限)について、新たにシンジケートローン契約(借入金額9,200百万円)を締結し、2018年10月31日に借換を行った。これにより、最終返済期限が2021年12月30日となり、一部期限一括返済のトランシェを設けたことにより年間返済額が減少し、またコベナンツ(サノヤス造船㈱及び当社の誓約条項)は、今後の事業環境のボラティリティの高さに対して柔軟に対応できるものとなった。
近年、若年層の減少やわが国の景気が堅調に継続していることから、雇用環境が売手市場になり、安定的な人財確保が難しくなっている。また、当社グループにおいては、ベテランから中堅・若手への技能伝承も課題の一つである。この課題の解決策の一つとして、2019年4月より60歳定年を65歳に延長する「65歳定年制度」を導入することとした。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度末に比べ8,502百万円減少し、298百万円の収入となった。営業活動によるキャッシュ・フローは、売上高の増減等の影響を受けるが、当社グループは、造船事業において新造船の引渡しにより、売上債権と現金及び預金の間で多額の振り替えが発生するため、引渡しの進捗等による連結会計年度間の期ずれ影響が大きい。前連結会計年度における売上債権は7,336百万円の減少、当連結会計年度における売上債権は1,544百万円の増加と大きく変動している。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度末に比べ1,049百万円減少し、3,154百万円の支出となった。有形固定資産の取得による支出2,787百万円が主要因である。造船事業では、前々連結会計年度までに大型の設備更新はほぼ完了し、当連結会計年度では製造原価の圧縮に資する省力化設備の導入を進めた。M&T事業では、精密機械加工を主業とするサノヤス精密工業㈱の本社(兵庫県三田市)に建設していた新工場が完成した。また、ショットブラストマシン等を製造販売する㈱大鋳(大阪府高槻市。2019年4月1日付でサノヤス・エンジニアリング㈱と合併)は、宮崎工場の隣接地を取得し、工場を約1.5倍に拡張した。遊園機械製造では、パレットタウン大観覧車(東京都江東区)のイルミネーションをLED電飾に切り換える改修工事を実施した。 財務活動によるキャッシュ・フローは、安定的な長期運転資金を確保するため、上述の通り新たにシンジケートローン契約を締結したことや前々連結会計年度に造船事業で実施した設備投資について、前々連結会計年度にリース調達に切り替えるとともに、調達資金を当連結会計年度に受け取るセール・アンド・リースバックを取り組んだこと等により、前連結会計年度末に比べ1,633百万円増加し、135百万円の支出となった。 この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、19,323百万円と前連結会計年度末に比べ2,901百万円減少した。一方、当連結会計年度末の有利子負債残高は22,771百万円となり、前連結会計年度末に比べ884百万円減少した。安定的な長期運転資金を確保する一方、資金効率の検討が必要と認識している。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりである。
(造船事業)
新造船は、需給の飽和状態が恒常化し、依然として船価の回復が見られない中で受注活動に努めた結果、新82千重量トン型パナマックス・バルクキャリアー6隻を受注した。一方、82千重量トン型パナマックス・バルクキャリアー3隻と89千重量トン型ポストパナマックス・バルクキャリアー1隻、60千重量トン型スプラマックス・バルクキャリアー1隻、88千重量トン型石炭専用船1隻の計6隻を引渡したので、受注隻数残高は16隻となった。船価が低迷する状況下で、受注は市況動向を見極めながら臨機応変に対応することを優先し、受注残高を約2.5年分確保する営業方針に沿って引き続き注力する。また、新造船事業を補完すべく取り組んできたマリン・修繕船は、LPGタンクの製造が伸び悩んだが、修繕船等が順調に進捗した。
(M&T事業)
M&T事業においては、首都圏を中心とした建設工事の活況を背景に、建設工事用エレベーターの販売・レンタルが伸長し、空調・給排水工事の設計及び施工は、これまで手薄だった首都圏での営業活動強化により好調だった。また、インバウンドと輸出が牽引する化粧品市場の拡大により、化粧品等製造用の真空乳化装置・攪拌機の販売が大きく伸び、既存顧客からの受注に加え、国内外の新規顧客獲得にも成果があった。訪日観光客の増加等により遊園地への来場者が増加する中、既設置機械の更新需要等を的確に捕捉・対応した結果、国内の遊園機械の販売が好調に推移した。新規事業では、海岸に近い施設への津波避難用救命艇の販売に注力し、受注に繋がった。また、ボラード(テロ対策用車止め装置)を始めとしたテロ対策用商品の販売にも注力した。

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