有価証券報告書-第9期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/29 11:53
【資料】
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【項目】
127項目

対処すべき課題

当連結会計年度において当社グループは、前年度に引き続き不動産賃貸事業、貸金事業に経営資源を集中し、業容の拡大及び収益力の強化に取り組んでまいりました。その結果、パチンコホール企業及びそれ以外の優良事業会社を賃借人とする収益不動産を222億14百万円(前期末比34.0%増)まで取得することができ、総資産は276億84百万円(前期末比42.0%増)まで増加しました。
しかしながら、2017年5月19日に発表した中期経営計画に対して当連結会計年度の実績は、売上高においてはほぼ計画通りとなりましたが、営業利益、経常利益、当期純利益において乖離する結果となりました。
中期経営計画の差異の分析を踏まえ、第二次中期経営計画に向けて、以下の点において強化及び対処していきたいと考えております。
①中期経営計画との差異について
(単位:百万円)
2019年3月期
(計画)
2019年3月期
(実績)
2020年3月期
(計画)
2020年3月期
(実績)
売上高1,0501,1581,7501,724
営業利益6106431,2501,069
経常利益4204331,000613
当期純利益340408800565

当社グループは、当連結会計年度におきましても、不動産事業及び貸金事業を中心に事業基盤を拡大してまいりました。
不動産事業におきましては、パチンコホール企業及びそれ以外の優良事業会社を賃借人とする長期保有資産の取得を進め、山口県、岡山県、北海道、大阪府及び千葉県に収益不動産を取得しました。
しかしながら、当初に予定した額までの収益不動産が取得出来なかったことに加えて当初取得予定の時期からずれたことにより利益を逸失したこと、自己資本にて当初想定していた調達を他人資本にて代用したことにより金利差額分だけ営業外費用が増加したことなどにより営業利益以下が計画より下回りました。
資産の取得におきましては、「売り物」を常時複数(実際の買い物件の10倍程度)検討しており、中には取得想定価額が当社の合格水準に達していたとしても、さらに安く購入できる可能性のある限り(他社のBIDが入る、またはウリ案件でなくなってしまう)、限界まで交渉することで極限まで株主の利益を追求しております。
従って、仮に取得時期が想定よりも大幅に遅れ、かつ一時的な金融コストがかかっても値下がり幅がそれらの負をはるかに上回る経済合理性があれば、今期のように取得時期の遅れによって逸失利益が発生することもあります。
今後におきましては、4月期首の資産を基準にして、それを一年間運用する前提で業績予想を作成することにより、大幅な乖離がおきないように対処いたします。
貸金事業におきましては、パチンコホール企業及びそれ以外の優良事業会社への短期貸付を基本とし、不動産だけでなく企業価値を見据えた評価を行い、適切な保全を図り、これまで同様に細心の注意を払って貸付を行ってまいります。また、貸金事業で培った経験を活かし、ソーシャルレンディング事業への展開を図り、投資家の皆様に喜ばれる案件を増やし、事業の拡大化を図ってまいります。
M&A・コンサルティング事業におきましては、貸金事業から派生するM&A・コンサルティング事業を積極的に行ってまいります。
②コーポレート・ガバナンスの充実
当社は、企業価値を向上させ、株主利益を最大化するとともに、ステークホルダーと良好な関係を築いていくためには、コーポレート・ガバナンスの確立が不可欠であると認識しております。当社では、当社グループのコーポレート・ガバナンスのあり方について、独立役員2名を選任して客観的かつ中立的な視点から経営監視をお願いすることなどにより、コーポレート・ガバナンスの充実を図っておりますが、社外取締役・社外監査役への情報提供のより一層の充実を図るなど、今後も、持株会社としてグループ各社のコーポレート・ガバナンスを徹底することで、連結経営の基盤強化、企業体質の健全性を高めてまいります。
③資金調達力の強化
当社グループが収益力を強化し、強固な経営基盤を形成するためには、安定的な事業資金の調達が必須であります。
当社は、2017年2月に発行した第2回新株予約権の行使、2019年1月に発行した新株式及び第3回新株予約権の発行及び行使による資金調達、金融機関及び投資家による資金調達を行ってまいりましたが、引き続き、事業の拡大を進めていくために、金融機関及び投資家からの借入、あるいはエクイティファイナンスなどによる調達手段の多様化を図ってまいります。
④低コスト体制の徹底
企業間競争が進む中で、低コスト体制の徹底は極めて重要な課題と認識しております。当社グループでは引き続きコスト管理に注力を続け、低コスト体制の強化に取り組んでまいります。
⑤人材の確保・育成
業績の回復、業容の拡大及び経営体質の強化を図っていく上で、優秀な人材の確保・育成は極めて重要なものと認識しております。そこで、当社グループは、社員のスキル育成のための効果的な仕組みを構築するとともに、将来コアとなる優秀な人材については積極的に確保を図ってまいります。