有価証券報告書-第18期(平成28年7月1日-平成29年6月30日)

【提出】
2017/09/27 15:14
【資料】
PDFをみる
【項目】
113項目

業績等の概要

(1) 業績
当社グループは平成28年8月3日発表の中期経営計画に基づき、当連結会計年度を可能性を拡大するフェーズと定め、事業領域の拡大と組織の構築に注力しております。期初より各セグメントにおいて投資を強化しており、第1四半期には人員増に備えた本社増床を行いました。また、後述の通り、海外の美容に関する事業を展開する企業3社の株式を取得し子会社化することを決定しており、当該株式等の取得資金および取得資金のために借り入れた資金の返済に充当するため、6月に海外募集による新株式の発行を行っており、約36億円の資金調達を実施いたしました。
以上の結果、当連結会計年度(平成28年7月1日~平成29年6月30日)の業績は次の通りとなりました。
売上高 18,888百万円(前年同期比 32.2%増)
営業利益 1,465百万円(前年同期比 16.3%減)
経常利益 1,299百万円(前年同期比 21.6%減)
税金等調整前当期純利益 1,635百万円(前年同期比 10.7%減)※
親会社株主に帰属する当期純利益 1,076百万円(前年同期比 15.5%減)※
※第3四半期連結会計期間において、投資有価証券の売却益として特別利益283百万円を計上しております。
前第1四半期連結会計期間において、海外子会社の売却益として特別利益177百万円を計上しております。
各セグメントの業績につきましては、以下のとおりです。なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等) セグメント情報 」の「2.報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。
(以下、「2 生産、受注及び販売の状況」及び「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」においても同じ。)
①On Platform事業
当セグメントには、当社が運営する美容系総合ポータルサイト「@cosme(アットコスメ)」を基盤とした各種サービスが属しており、広告をはじめとするBtoBサービスと一般ユーザー向けのBtoCサービス双方を展開しております。
当連結会計年度におきましては、「@cosme」のブランディング広告やバナー広告、BtoB課金などのBtoBサービスが成長しました。BtoCサービスにおきましては、プレミアム会員のプロモーションを抑制している中においても堅調に推移いたしました。
また、当連結会計年度においては、サービス企画・開発体制の一本化による効率的な運営体制の構築を目的として、サロン向けの事業を展開する株式会社アイスタイルビューティソリューションズを吸収合併することを決定(効力発生日は平成29年7月1日)したほか、化粧品メーカー以外のクライアントの開拓やスマートフォン向けアプリの全面リニューアルを6月に実施するなど、中長期を見据えた施策を実施いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は以下のとおりとなりました。
売上高 6,840百万円(前年同期比 16.8%増)
セグメント利益 2,551百万円(前年同期比 20.0%増)
②Beauty Service事業
当セグメントには、国内における化粧品ECサイトの運営、化粧品専門店「@cosme store(アットコスメストア)」の運営や、プライベートブランドの企画・開発・販売が属しております。
ECにおきましては、ポイントやクーポンを活用したキャンペーンの実施や取扱商品の強化などにより、売上が好調に推移いたしました。
国内の店舗におきましては、当第4四半期連結会計期間において、4月に中京地区初出店となる「名古屋タカシマヤ ゲートタワーモール店」をオープンいたしました。それにより、店舗数は期初から13店舗増(M&Aにより取得した4店舗含む)の24店舗となりました。
またプライベートブランド「@cosme nippon」におきましては、4月に第2弾となる商品「阿蘇の馬のたてがみ油」を使用したハンドケアシリーズとして、「ハンドウォッシュ」や「ハンドローション」、「ハンド&ネイル美容液」の3商品を発売いたしました。プライベートブランドは、当社グループの国内外のECサイトや店舗での販売の他、日本や中国、米国での卸売も実施しております。
一方、各事業の成長により売上は大きく増加しておりますが、新規出店に伴うコスト増や新規事業への取り組みにより、費用も増加しております。
以上の結果、当連結会計年度の業績は以下のとおりとなりました。
売上高 8,784百万円(前年同期比 49.7%増)
セグメント利益 229百万円(前年同期比 48.4%減)
③Global事業
当セグメントには、日本国外で展開するサービスが属しております。
中国における越境ECにつきましては、出店しているECサイト1社において物流方法が変更となり、その対応のため通年で3.5ヶ月間ほど販売を休止いたしましたが、他のチャネルの売上が伸長したことにより増収となりました。
また、当第4四半期連結会計期間においては初の海外店舗を台湾にオープンしております。海外1号店となる微風広場台北駅店を5月に台北駅舎内にオープンし、6月には台北の微風信義店と台中の勤美誠品店をオープンいたしました。
その他、美容に関する事業を展開する企業3社※1の株式を取得し子会社化することを決定いたしました。これは、中長期を見据え、当社が保有している「商品データ」や「クチコミデータ」、「ユーザーデータ」などの美容に関するさまざまな情報と各社が保有するデータを統合し、世界中の美容に関する情報を集約したGlobal One Databaseの構築等を目的としたものです。また、これによりM&A関連費用を計上しております。
以上の結果、当連結会計年度の業績は以下のとおりとなりました。
なお、当連結会計年度の期中平均為替レートは1香港ドル14.05円(前期比1.01円の円高)です。
売上高 2,959百万円(前年同期比 18.9%増)
セグメント利益 133百万円(前年同期比 50.9%減)
※1 下記の3社
・Hermo Creative(M)Sdn. Bhd.(マレーシアで化粧品ECサイト「Hermo」を運営)※2
・i-TRUE Communications Inc.(台湾で美容系総合ポータルサイト「UrCosme」を運営)※2
・MUA Inc.(米国で美容系総合ポータルサイト「MakeupAlley」を運営)※3
※2 平成29年6月期末において貸借対照表を連結しており、平成30年6月期の第1四半期より損益計算書を連結
※3 平成30年6月期第1四半期より貸借対照表、損益計算書を連結
④その他事業
当セグメントには、美容部員等を派遣する人材派遣事業と、創業間もない企業も含め幅広い成長ステージの企業に投資する投資育成事業が属しております。
当連結会計年度におきましては、人材派遣事業が着実に成長し、増収となりました。また、投資育成事業における一部の営業投資有価証券において引当金を計上しておりましたが、第2四半期連結会計期間に31百万円の戻し入れを行っております。
以上の結果、当連結会計年度の業績は以下のとおりとなりました。
売上高 304百万円(前年同期比 340.0%増)
セグメント利益 39百万円(前年同期 セグメント損失 91百万円)
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べ2,849百万円増加し、残高は6,169百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は、637百万円(前年同期は1,001百万円の収入)であります。
この主な要因は、法人税等の支払額750百万円等があったものの、税金等調整前当期純利益の計上1,635百万円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用された資金は、3,271百万円(前年同期は1,343百万円の支出)であります。
この主な要因は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出2,024百万円、無形固定資産の取得による支出768百万円、貸付けによる支出517百万円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果得られた資金は、5,505百万円(前年同期は1,145百万円の収入)であります。
この主な要因は、長期借入金の返済による支出1,182百万円等があったものの、長期借入れによる収入3,040百万円、株式の発行による収入3,731百万円等があったことによるものであります。