有価証券報告書-第50期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 11:00
【資料】
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【項目】
115項目

業績等の概要

(1)業績
(当期の経営成績)
当連結会計年度における我が国の経済は、企業収益は底堅さを維持したものの個人消費は弱含みが続き、足踏み状態にありました。
当社グループの事業基盤となる福島県の経済は、東日本大震災からの復旧・復興への取り組み等により、企業収益や個人消費が緩やかな回復基調にありました。
このような環境下、当社グループでは、知名度・ブランド力の向上のためにテレビ・ラジオコマーシャルやWeb広告等によるプロモーション活動を積極的に行いました。また、平成27年7月1日付けで有限会社牛久葬儀社(茨城県牛久市)を完全子会社化いたしました。しかしながら、顧客ニーズの多様化や競合他社との競争激化等、当社事業環境をとりまく環境は依然として厳しい状況にあり、当連結会計年度における当社グループの売上高は11,160百万円(前連結会計年度比3.0%減)、営業利益は421百万円(同22.8%減)、経常利益は591百万円(同14.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は354百万円(同33.0%減)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであり、売上高については、セグメント間の内部売上高を除き記載しております。
なお、当社は事業子会社の経営統括を主たる目的とする純粋持株会社であり、各連結子会社からの不動産賃貸料収入、経営管理料収入及び配当金を主たる収益としております。一方で、各セグメント(各連結子会社)の営業費用には、当社に対する不動産賃借料及び経営管理料が計上されております。
① 葬祭事業
当社グループが展開している営業エリアにおいて、死亡者数は微増傾向にあるものの、同業他社との競争は激化しております。また、顧客ニーズの変化等により、小規模葬儀の割合が増加傾向にあります。
このような状況の下、「健康」や「終活」をテーマとしたセミナーの開催や葬祭会館周辺地域への訪問活動、葬儀施行後のアフターフォロー訪問を強化し互助会等の会員数増加に努めました。また、平成27年7月1日より有限会社牛久葬儀社を連結の範囲に含めたことにより、売上高は5,304百万円(前連結会計年度比4.4%増)、営業利益は295百万円(同10.1%増)となりました。
② 石材卸売事業
当社グループが展開している営業エリアにおいて、墓石需要の低迷が継続しました。また、墓石の小型化や、永代供養塔への埋葬需要増加等により、石材使用量は減少傾向が強まっております。
このような状況の下、高品質石種の提案、インド産石材やベトナム加工石材等の差別化商品の販売促進に注力いたしましたが、販売数量の増加には至りませんでした。その結果、売上高は1,516百万円(前連結会計年度比4.3%減)、営業利益は25百万円(同28.4%減)となりました。
③ 石材小売事業
当社グループが展開している営業エリアにおいて、墓石需要の低迷が継続しましたが、復興に関連した改葬の動きが見られました。一方で、「墓じまい」に見られるように、埋葬や供養に関する意識が変化してまいりました。
このような状況の下、インド産石材墓石や、寺院への永代供養塔等の販売に注力いたしましたが、墓石の新規建立件数は前年を下回りました。また、外注加工費等の削減に取り組みました。その結果、売上高は1,297百万円(前連結会計年度比7.2%減)、営業利益は32百万円(同24.9%増)となりました。
④ 婚礼事業
当社グループが展開している営業エリアにおいて、婚礼組数が減少傾向にあるなか同業他社の出店もあり、競争が激化しました。
このような状況の下、リスティング広告やホームページのリニューアル等Web戦略の強化、外訪営業による集客力のアップに努めました。しかしながら、婚礼施行件数は前年を下回り、施行単価も婚礼の小規模化の影響で減少しました。その結果、売上高は2,322百万円(前連結会計年度比16.3%減)、営業損失は152百万円(前連結会計年度は16百万円の営業利益)となりました。
⑤ 生花事業
当社グループが展開している営業エリアにおいて、生花需要は低調に推移しました。このような状況の下、得意先への訪問営業と葬儀社を中心とする新規開拓に努める一方、将来の事業展開に備え、社員を増員し育成につとめました。その結果、売上高は572百万円(前連結会計年度比2.3%増)、営業利益は111百万円(同2.7%減)となりました。
⑥ 互助会事業
互助会事業につきましては、互助会代理店による会員募集活動の強化に加え、グループ誕生10周年記念キャンペーンを実施し、会員数の増加を図りました。しかしながら、不動産賃貸収入が減少した結果、売上高は1百万円(前連結会計年度比63.1%減)、営業損失は74百万円(前連結会計年度は74百万円の営業損失)となりました。
⑦ 介護事業
介護事業につきましては、医療機関・居宅介護支援事業所との連携強化等の営業活動に注力した結果、3月にはサービス付高齢者向け住宅の入居率が100%となりました。その結果、売上高は68百万円(前連結会計年度比204.7%増)、営業損失は3百万円(前連結会計年度は43百万円の営業損失)となりました。
⑧ その他
その他の装販部門につきましては、高級棺等の販売に注力するとともに、取引先の新規開拓に取り組みました。その結果、売上高は74百万円(前連結会計年度比8.1%減)、営業損失は3百万円(前連結会計年度は7百万円の営業損失)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ183百万円増加し、1,139百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は597百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益502百万円、減価償却費599百万円、減損損失113百万円、未払消費税等の減少額147百万円、有限会社牛久葬儀社の旧役員に係る役員退職慰労引当金の減少額237百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は206百万円となりました。これは主に定期預金の預入による支出1,070百万円、有形固定資産の取得による支出316百万円、貸付けによる支出192百万円、定期預金の払戻による収入1,084百万円及び投資有価証券の償還による収入390百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は206百万円となりました。これは主に長期借入れによる収入900百万円、短期借入の純増額100百万円、長期借入金の返済による支出1,076百万円、配当金の支払額115百万円等によるものです。