有価証券報告書-第50期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 11:00
【資料】
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【項目】
115項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2)財政状態の分析
資産、負債及び純資産の状況
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ1,082百万円増加し5,112百万円となりました。これは主に前払式特定取引前受金保全のための国債の償還期限が1年以内となったことによる有価証券の増加及びその他(短期貸付金)の増加等によるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べ1,134百万円減少し16,197百万円となりました。これは主に前払式特定取引前受金保全のための国債の償還期限が1年以内となったことによる投資有価証券の減少及び減価償却費計上による建物及び構築物の減少等によるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ2百万円減少し2,274百万円となりました。これは主に短期借入金が増加した一方でその他(未払消費税等)の減少等によるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末に比べ256百万円減少し10,771百万円となりました。これは主に長期借入金の返済及び前払式特定取引前受金の減少等によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ207百万円増加し8,263百万円となりました。これは主に配当金の支払いによる減少及び親会社株主に帰属する当期純利益354百万円に伴う利益剰余金の増加によるものです。
(3)経営成績の分析
(売上高)
葬祭事業では、セミナーの開催や葬祭会館周辺地域への訪問活動、葬儀施行後のアフターフォロー訪問を強化し互助会等の会員数増加に努めた結果、売上高は増加しました。石材卸売事業では、高品質石種の提案、インド産石材やベトナム加工石材等の差別化商品の販売促進に注力しましたが、墓石需要の低迷等により、売上高は減少しました。石材小売事業では、インド産石材墓石や寺院への永代供養塔等の販売に注力しましたが、墓石需要の低迷等により、売上高は減少しました。婚礼事業では、リスティング広告やホームページのリニューアル等Web戦略の強化、外訪営業による集客アップに努めましたが、婚礼の小規模化に伴う施行単価の減少及び施行件数減少により、売上高は減少しました。生花事業では、生花需要が低迷する中、得意先への訪問営業と葬儀社を中心とする新規開拓に努めた結果、売上高は増加しました。介護事業では、医療機関・居宅介護支援事業所との連携強化等の営業活動を強化したことにより、売上高は増加しました。
この結果、売上高は11,160百万円(前連結会計年度比3.0%減)となりました。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は7,638百万円(前連結会計年度比3.5%減)となりました。これは婚礼事業の施行数減少に伴い商品仕入高、外注加工費等の変動費が減少したことが主な要因です。
この結果、売上総利益は3,522百万円(前連結会計年度比1.8%減)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は3,100百万円(前連結会計年度比1.9%増)となりました。これは平成27年7月1日付けで有限会社牛久葬儀社の全株式を取得したことに伴い取得関連費用が発生したほか、人件費等の固定費の増加が主な要因です。
この結果、営業利益は421百万円(前連結会計年度比22.8%減)となりました。
(営業外収益及び営業外費用、経常利益)
営業外収益は262百万円(前連結会計年度比2.0%減)となりました。これは互助会事業の前受金月掛中断収入及び掛金解約手数料が減少した一方、為替差益及び貸倒引当金戻入額が増加したことが主な要因です。
営業外費用は92百万円(前連結会計年度比23.7%減)となりました。これは借入金利の低下等により支払利息が減少したほか、為替レートが円高で推移したことにより為替差損が減少したことが主な要因です。
この結果、経常利益は591百万円(前連結会計年度比14.6%減)となりました。
(特別利益及び特別損失)
特別利益は固定資産売却益15百万円、保険解約返戻金6百万円及び原発事故損害補償金5百万円を計上したことにより28百万円となりました。
特別損失は葬祭会館改装工事に伴う固定資産除却損2百万円を計上したほか、婚礼会場及び葬祭会館について減損損失113百万円を計上したことにより117百万円となりました。
この結果、特別損益は89百万円の損失(純額)となりました。
(法人税等合計額、親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税等合計額は前連結会計年度比87百万円減少し、148百万円となりました。
以上により、親会社株主に帰属する当期純利益は174百万円減の354百万円(前連結会計年度比33.0%減)となりました。
(4)キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ183百万円増加し、1,139百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は597百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益502百万円、減価償却費599百万円、減損損失113百万円、未払消費税等の減少額147百万円、有限会社牛久葬儀社の旧役員に係る役員退職慰労引当金の減少額237百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は206百万円となりました。これは主に定期預金の預入による支出1,070百万円、有形固定資産の取得による支出316百万円、貸付けによる支出192百万円、定期預金の払戻による収入1,084百万円及び投資有価証券の償還による収入390百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は206百万円となりました。これは主に長期借入れによる収入900百万円、短期借入の純増額100百万円、長期借入金の返済による支出1,076百万円、配当金の支払額115百万円等によるものです。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
平成24年3月期平成25年3月期平成26年3月期平成27年3月期平成28年3月期
自己資本比率(%)33.440.033.237.738.8
時価ベースの自己資本比率(%)-32.518.316.114.8
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)3.62.55.02.35.8
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)19.825.214.626.014.0

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1 いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2 平成24年3月期の時価ベースの自己資本比率につきましては、非上場であったため記載しておりません。
3 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
4 キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
5 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
6 利払いは連結キャッシュ・フロー計算書の「利息の支払額」を使用しております。
(5)経営戦略の現状と今後の方針
当連結会計年度におきましては、有限会社牛久葬儀社を子会社化し、葬祭事業の営業エリア拡大を図りました。また、既存のグループ提携企業特典を刷新し、外訪営業活動に注力いたしました。
各事業につきましては、次の施策を講じてまいりました。
・葬祭事業は地域営業の推進、Web系葬儀紹介会社との提携拡大。
・石材卸売事業は高品質・高機能商品の継続的販売、インド・ベトナム加工製品の仕入れ強化。
・石材小売事業は郡山支店のリニューアル、インド材の販売強化と寺院との取引推進。
・婚礼事業はWeb戦略・外訪営業の強化。
・生花事業は葬儀社関連先への新規開拓。
・互助会事業はイベント・セミナー開催による会員募集の積極推進。
・介護事業(サービス付き高齢者向け住宅)は居宅介護支援事業所及び病院との連携強化。
今後の方針としては、事業の選択と集中による経営資源の再配分を行い、既存事業の収益力向上を図るとともに、有限会社牛久葬儀社を拠点とした関東地区での葬祭事業等のエリア拡大にも努めてまいります。また、新たな事業の立ち上げについても検討を行い、早期実現への道筋を模索してまいります。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループが営むそれぞれの事業において、加速する少子高齢化への対応は重要な課題と認識しております。少子化に伴う婚礼需要の減少、高齢化による介護、葬祭事業等の需要増加が見込まれる一方、異業種からの業界参入による競争激化も予想されます。また、時流の変化により儀式や埋葬の形態の変化が加速し、お客様個々のニーズが更に多様化していくことも考えられます。
こうした厳しい経営環境の中、当社グループでは高品質のサービス・商品の提供を維持し、新たな顧客層の開拓を強化し業容を拡大してまいります。そのためにも既往の商品群に加え、お客様の細かなニーズに対応しうる魅力ある商品の開発を行い、広告宣伝等販売促進の強化を図ってまいります。更により多くのお客様に当社グループを利用していただくため、営業エリア拡大や友好的M&A等を推進していく所存であります。
これらを実現するためにも、サービスと商品の高度な品質管理体制をより堅確にするとともに、優秀な人材の確保と育成に注力し商品の創造力を醸成してまいります。
また、当社グループは様々なステークホルダーに対する責務を負っていることを認識し、平成27年6月より適用されたコーポレートガバナンス・コードの趣旨に則り、実効的なガバナンスを実現することで企業価値の向上に努めてまいります。