有価証券報告書-第54期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益、所得・雇用情勢の改善が継続し、緩やかな回復基調で推移しておりましたが、米中貿易摩擦問題や海外経済の減速、消費税率引上げ後の消費マインドの動向などにより、先行き不透明な状況が続きました。加えて、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、国内外の経済に与える影響への不安が広がっております。当社グループの事業基盤となる福島県の経済は、個人消費や雇用の改善等、緩やかな持ち直しの動きが継続しましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、極めて不確実性の高い状況となっております。
このような環境下、当社グループでは2019年5月に新中期経営計画(2020年3月期~2022年3月期)を発表し、「『使う力』を駆使して『稼ぐ力』を創出」、「成長分野への資源集中」、「生産性追求と働く環境の整備」の3つの基本方針を掲げました。この基本方針に基づき、「成長分野への資源集中」、「生産性追求」、「人財開発と働く環境の整備」を重点施策として、グループ全体に係るBPR推進、葬祭・婚礼・互助会事業に係るシステム刷新、人財開発の強化等を進めました。また、働きがいを高める環境づくりの一環として、社員の健康保持・増進に取り組む健康経営や柔軟な勤務体系の導入等を実施しました。更に、新分野・海外への資源投入として、ベトナムにおける霊園マネジメント会社の持分法適用会社化の決定と、墓石加工販売会社であるカンノ・トレーディング・ベトナム有限会社(ベトナム・ホーチミン市)の連結子会社化を行いました。
当連結会計年度の当社グループの経営成績は、葬祭事業で増収となったものの、石材・婚礼・生花事業の減収等により売上高は10,473百万円(前連結会計年度比2.3%減)となりました。一方で、仕入高等の売上原価が低減したことや経費圧縮に努めたこと等により営業利益は582百万円(同14.2%増)、経常利益は742百万円(同46.7%増)となりました。しかしながら、中国における石材事業に関する前渡金評価損等の特別損失の計上や、新型コロナウイルス感染症の今後の業績への影響を鑑みた繰延税金資産の取崩し及び法人税等調整額の増加等により、親会社株主に帰属する当期純利益は222百万円(同20.9%減)となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症の当社グループへの影響に関しましては、葬祭事業並びに婚礼事業における施行規模の縮小や延期・中止、石材事業における商品供給の遅延、生花事業における需要低迷等が見込まれております。
セグメント別の経営成績は次のとおりであり、売上高についてはセグメント間の内部売上高または振替高を除き記載しております。
なお当社は、事業子会社の経営統括を主たる目的とする純粋持株会社であり、各連結子会社からの不動産賃貸料収入、経営管理料収入及び配当金を主たる収益としております。一方で、各セグメント(各連結子会社)の営業費用には、当社に対する不動産賃借料及び経営管理料が計上されております。
また、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前連結会計年度比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。
(葬祭事業)
葬祭事業につきましては、営業エリアの死亡者数は増加傾向にあるものの、直葬や家族葬等の小規模葬儀の割合が増加しております。また、同業他社との競争が激しい状況で続きました。このような状況の下、葬儀・終活に係るセミナー・イベントの開催、営業推進・会員募集の強化等を図りました。更に営業力強化のためのWeb戦略の抜本的見直し、収益力強化のためのローコストオペレーション構築、一部商品プランの見直し等を実施しました。その結果、小規模化による単価低下は見られたものの、既存会館の葬儀施行件数が増加したことに加え、2018年12月に完全子会社化した株式会社北関東互助センターの業績も寄与したこと等により、売上高は6,059百万円(前連結会計年度比4.6%増)、営業利益は443百万円(同66.8%増)となりました。
(石材事業)
石材事業につきましては、洋型墓石の需要増や墓地区画面積の縮小等により、墓石の小型化及び石材使用量の減少が進んでおります。また、屋内納骨堂や合祀墓、自然葬等、埋葬方法が多様化しております。このような状況の下、営業部門の再編と営業手法の見直し、販売促進キャンペーンの実施や屋内納骨堂の販売強化等に努めました。しかしながら、販売数量の減少に加え、新型コロナウイルス感染症の影響による商品供給の遅延が発生したこと等により、売上高は2,094百万円(前連結会計年度比8.7%減)、営業利益は23百万円(同53.4%減)となりました。
(婚礼事業)
婚礼事業につきましては、婚礼施行件数が減少傾向にある中、婚礼ニーズの変化や同業他社との競争により、厳しい事業環境が継続しました。このような状況の下、広告宣伝の見直し、婚礼・宴会の紹介営業、提案力・接客力の強化等、来館数の確保と成約率の向上に努めましたが、婚礼施行件数の増加には至りませんでした。また、小規模化による単価低下に加え、新型コロナウイルス感染症の影響による婚礼・宴会の延期や中止が発生したこと等により、売上高は1,555百万円(前連結会計年度比15.0%減)、営業損失は171百万円(前連結会計年度は89百万円の営業損失)となりました。
(生花事業)
生花事業につきましては、葬儀の小規模化に伴い生花需要は低調に推移しました。このような状況の下、生花店や葬儀社等への訪問営業等、新規取引先の開拓と既存取引先への深耕に注力しました。また、既存取引市場や物流の見直し等の経費圧縮に努めました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響により生花需要の低迷に拍車がかかったこと等により、売上高は589百万円(前連結会計年度比7.2%減)、営業利益は142百万円(同6.5%減)となりました。
(互助会事業)
互助会事業につきましては、互助会会員による葬儀及び婚礼の施行件数増加を図るため、新規会員の募集や施行後の再加入促進等の会員数増加に努めました。その結果、売上高は8百万円(前連結会計年度比496.8%増)、営業損失は10百万円(前連結会計年度は14百万円の営業損失)となりました。
(その他)
その他の介護部門につきましては、サービス付き高齢者向け住宅の入居率の維持に努めました。その他の装販部門につきましては、新規見込先や既存取引先への訪問営業を継続しました。その結果、売上高は161百万円(前連結会計年度比0.5%増)、営業損失は0百万円(前連結会計年度は0百万円の営業損失)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ694百万円増加し、2,556百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,136百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益545百万円、減価償却費436百万円、前渡金評価損169百万円及び売上債権の減少額100百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は243百万円となりました。これは主に定期預金の払戻による収入1,159百万円、定期預金の預入による支出877百万円、有形固定資産の取得による支出186百万円及び投資有価証券の償還による収入100百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は679百万円となりました。これは主に長期借入金の返済による支出561百万円、配当金の支払額115百万円によるものです。
③生産、受注及び販売、施行件数の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
石材事業にて一部建築受注請負がありますが、金額が少額なため記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における各セグメントの販売実績は、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間の内部売上高を除いております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 最近2連結会計年度の主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d.施行件数の実績
当社グループのセグメントのうち主な事業である葬祭事業及び婚礼事業に係る葬儀、婚礼施行件数の当連結会計年度における実績は次のとおりであります。
(葬祭事業)
(注) 催事における葬儀施行件数は、株式会社JAライフクリエイト福島との業務受託契約による施行件数であります。
(婚礼事業)
(注) 上記施行件数については、パーティー・宴会等の施行件数は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の認識及び分析
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は20,411百万円(前連結会計年度比2.1%減)となりました。
流動資産は4,920百万円(同15.1%増)となりました。これは主に現金及び預金が444百万円増加及び有価証券が260百万円増加したことによるものです。
固定資産は15,491百万円(同6.6%減)となりました。これは主に前払式特定取引前受金保全のための国債の償還期限が1年以内になったこと等により投資有価証券が380百万円減少、減価償却費計上により建物及び構築物が201百万円減少及び繰延税金資産の取崩により191百万円減少したことによるものです。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は11,368百万円(前連結会計年度比4.5%減)となりました。
流動負債は1,652百万円(同10.7%減)となりました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が225百万円減少したことによるものです。
固定負債は9,716百万円(同3.4%減)となりました。これは主に長期借入金が335百万円減少したことによるものです。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は9,043百万円(前連結会計年度比1.0%増)となりました。これは主に、利益剰余金が107百万円増加したことによるものです。
b.経営成績の認識及び分析
(売上高)
葬祭事業では、小規模化による単価低下は見られたものの、既存会館の葬儀施行件数が増加したことに加え、2018年12月に完全子会社化した株式会社北関東互助センターの業績も寄与したことにより売上高は増加しました。しかしながら、石材・婚礼・生花事業では販売数や施行件数の減少に加え、新型コロナウイルス感染症の影響による商品供給の遅延、婚礼・宴会の延期や中止、生花需要の低迷等により、売上高が減少しました。この結果、売上高は10,473百万円(前連結会計年度比2.3%減)となりました。
(売上原価、売上総利益)
石材・婚礼事業での仕入高の減少、婚礼事業での業務委託費の削減やグループ全体での原価低減等に努めたことにより、売上原価は7,067百万円(前連結会計年度比3.3%減)となりました。この結果、売上総利益は3,405百万円(同0.0%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
各セグメントにおいて経費圧縮に努め、広告宣伝費や業務委託費等が減少したこと等により、販売費及び一般管理費は2,822百万円(前連結会計年度比2.5%減)となりました。この結果、営業利益は582百万円(同14.2%増)となりました。
(営業外収益及び営業外費用、経常利益)
営業外収益は181百万円(前連結会計年度比6.2%増)となりました。営業外費用は持分法による投資損失を計上したこと等により21百万円(同87.8%減)となりました。営業外費用の大幅な減少は、前連結会計年度に貸倒引当金繰入額を計上していたためです。この結果、経常利益は742百万円(同46.7%増)となりました。
(特別利益及び特別損失)
特別利益は固定資産売却益の発生等により46百万円(前連結会計年度比19.0%減)となりました。特別損失は前渡金評価損を計上したこと等により243百万円(同53.0%増)となりました。この結果、特別損益は197百万円の損失(純額)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額は、繰延税金資産の取崩による法人税等調整額の増加等により321百万円(前連結会計年度比161.2%増)となりました。
以上により、親会社株主に帰属する当期純利益は58百万円減の222百万円(同20.9%減)となりました。
c.財政状態及び経営成績等の状況に関する検討内容
当社グループは「第2.事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)目標とする経営指標」に記載のとおり、連結売上高経常利益率10%以上を目標としております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2.事業の状況」の「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「2事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当該要因への対応として、当連結会計年度におきましては「稼ぐ力」を創出し、業容を拡大するため、下記を実施しました。
・グループ全体に係るBPR推進
・葬祭・婚礼・互助会事業に係るシステム刷新
・人財開発の強化
・健康経営や柔軟な勤務体系の導入
・ベトナムにおける霊園マネジメント会社の持分法適用会社化の決定
・ベトナムにおける墓石加工販売会社(カンノ・トレーディング・ベトナム有限会社)の連結子会社化
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は「1.経営成績等の状況の概要 (1)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
その結果、当連結会計年度の連結売上高経常利益率は前連結会計年度から2.4ポイント増加し7.1%となりました。 今後の方針としては、当社グループはビジネスのパラダイムシフトを推し進めるとともに、経営資源の適正配分を実行し、未来へのトランスフォーメーションを図ってまいります。また、BPRの推進や未来型テクノロジーの積極的導入等、生産性の追求に係る取組みを進めてまいります。更に、リーダー人財の育成や働きがいを高める環境づくり等、人財開発と働く環境の整備に努めます。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
「1.経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの分析」に記載のとおりです。
b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金につきましては、自己資金及び金融機関からの短期借入れ(当座借越)を基本としており、設備資金やその他投資案件等に係る資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入れを基本としております。なお、新型コロナウイルス感染症の影響で、当社グループのキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性はありますが、現金及び現金同等物の高い水準の残高や当座借越契約の締結により、十分な手許現預金の水準を確保できる状況にあります。
また、当社グループは、資金の効率的な活用と金融費用の削減を目的として、グループ内の資金調達・資金管理の一元化を行い、グループ全体の資金効率化を進めております。当社グループは、健全な財政体質、継続的な営業活動によるキャッシュ・フロー創出能力により、今後も事業成長を確保する手許流動性を高める資金調達や、個別投資案件への資金調達は可能と考えております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要な事項につきましては合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に下記の会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断等に影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症に伴う当社グループの業績に関して、現時点においては収束時期を確実に見通せる状況にありませんが、当該感染症による影響は2021年3月まで続くものと仮定して、繰延税金資産の回収可能性及び固定資産の減損会計等の会計上の見積りを行っております。ただし、これらの見積りや仮定は、不確実性が存在するため、実際の結果とは異なる場合があります。
a.固定資産の減損
固定資産については、資産または資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に、その差額を減損損失に計上しております。回収可能価額は、資産または資産グループの時価から処分費用見込額を控除した正味売却価額と割引後将来キャッシュ・フローとして算定される使用価値のいずれか大きい方としていることから、固定資産の使用方法を変更した場合もしくは不動産取引相場やその他経営環境が変動した場合には、減損損失の計上が必要になる可能性があります。
b.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価に際して、将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少した場合は、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益、所得・雇用情勢の改善が継続し、緩やかな回復基調で推移しておりましたが、米中貿易摩擦問題や海外経済の減速、消費税率引上げ後の消費マインドの動向などにより、先行き不透明な状況が続きました。加えて、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、国内外の経済に与える影響への不安が広がっております。当社グループの事業基盤となる福島県の経済は、個人消費や雇用の改善等、緩やかな持ち直しの動きが継続しましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、極めて不確実性の高い状況となっております。
このような環境下、当社グループでは2019年5月に新中期経営計画(2020年3月期~2022年3月期)を発表し、「『使う力』を駆使して『稼ぐ力』を創出」、「成長分野への資源集中」、「生産性追求と働く環境の整備」の3つの基本方針を掲げました。この基本方針に基づき、「成長分野への資源集中」、「生産性追求」、「人財開発と働く環境の整備」を重点施策として、グループ全体に係るBPR推進、葬祭・婚礼・互助会事業に係るシステム刷新、人財開発の強化等を進めました。また、働きがいを高める環境づくりの一環として、社員の健康保持・増進に取り組む健康経営や柔軟な勤務体系の導入等を実施しました。更に、新分野・海外への資源投入として、ベトナムにおける霊園マネジメント会社の持分法適用会社化の決定と、墓石加工販売会社であるカンノ・トレーディング・ベトナム有限会社(ベトナム・ホーチミン市)の連結子会社化を行いました。
当連結会計年度の当社グループの経営成績は、葬祭事業で増収となったものの、石材・婚礼・生花事業の減収等により売上高は10,473百万円(前連結会計年度比2.3%減)となりました。一方で、仕入高等の売上原価が低減したことや経費圧縮に努めたこと等により営業利益は582百万円(同14.2%増)、経常利益は742百万円(同46.7%増)となりました。しかしながら、中国における石材事業に関する前渡金評価損等の特別損失の計上や、新型コロナウイルス感染症の今後の業績への影響を鑑みた繰延税金資産の取崩し及び法人税等調整額の増加等により、親会社株主に帰属する当期純利益は222百万円(同20.9%減)となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症の当社グループへの影響に関しましては、葬祭事業並びに婚礼事業における施行規模の縮小や延期・中止、石材事業における商品供給の遅延、生花事業における需要低迷等が見込まれております。
セグメント別の経営成績は次のとおりであり、売上高についてはセグメント間の内部売上高または振替高を除き記載しております。
なお当社は、事業子会社の経営統括を主たる目的とする純粋持株会社であり、各連結子会社からの不動産賃貸料収入、経営管理料収入及び配当金を主たる収益としております。一方で、各セグメント(各連結子会社)の営業費用には、当社に対する不動産賃借料及び経営管理料が計上されております。
また、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前連結会計年度比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。
(葬祭事業)
葬祭事業につきましては、営業エリアの死亡者数は増加傾向にあるものの、直葬や家族葬等の小規模葬儀の割合が増加しております。また、同業他社との競争が激しい状況で続きました。このような状況の下、葬儀・終活に係るセミナー・イベントの開催、営業推進・会員募集の強化等を図りました。更に営業力強化のためのWeb戦略の抜本的見直し、収益力強化のためのローコストオペレーション構築、一部商品プランの見直し等を実施しました。その結果、小規模化による単価低下は見られたものの、既存会館の葬儀施行件数が増加したことに加え、2018年12月に完全子会社化した株式会社北関東互助センターの業績も寄与したこと等により、売上高は6,059百万円(前連結会計年度比4.6%増)、営業利益は443百万円(同66.8%増)となりました。
(石材事業)
石材事業につきましては、洋型墓石の需要増や墓地区画面積の縮小等により、墓石の小型化及び石材使用量の減少が進んでおります。また、屋内納骨堂や合祀墓、自然葬等、埋葬方法が多様化しております。このような状況の下、営業部門の再編と営業手法の見直し、販売促進キャンペーンの実施や屋内納骨堂の販売強化等に努めました。しかしながら、販売数量の減少に加え、新型コロナウイルス感染症の影響による商品供給の遅延が発生したこと等により、売上高は2,094百万円(前連結会計年度比8.7%減)、営業利益は23百万円(同53.4%減)となりました。
(婚礼事業)
婚礼事業につきましては、婚礼施行件数が減少傾向にある中、婚礼ニーズの変化や同業他社との競争により、厳しい事業環境が継続しました。このような状況の下、広告宣伝の見直し、婚礼・宴会の紹介営業、提案力・接客力の強化等、来館数の確保と成約率の向上に努めましたが、婚礼施行件数の増加には至りませんでした。また、小規模化による単価低下に加え、新型コロナウイルス感染症の影響による婚礼・宴会の延期や中止が発生したこと等により、売上高は1,555百万円(前連結会計年度比15.0%減)、営業損失は171百万円(前連結会計年度は89百万円の営業損失)となりました。
(生花事業)
生花事業につきましては、葬儀の小規模化に伴い生花需要は低調に推移しました。このような状況の下、生花店や葬儀社等への訪問営業等、新規取引先の開拓と既存取引先への深耕に注力しました。また、既存取引市場や物流の見直し等の経費圧縮に努めました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響により生花需要の低迷に拍車がかかったこと等により、売上高は589百万円(前連結会計年度比7.2%減)、営業利益は142百万円(同6.5%減)となりました。
(互助会事業)
互助会事業につきましては、互助会会員による葬儀及び婚礼の施行件数増加を図るため、新規会員の募集や施行後の再加入促進等の会員数増加に努めました。その結果、売上高は8百万円(前連結会計年度比496.8%増)、営業損失は10百万円(前連結会計年度は14百万円の営業損失)となりました。
(その他)
その他の介護部門につきましては、サービス付き高齢者向け住宅の入居率の維持に努めました。その他の装販部門につきましては、新規見込先や既存取引先への訪問営業を継続しました。その結果、売上高は161百万円(前連結会計年度比0.5%増)、営業損失は0百万円(前連結会計年度は0百万円の営業損失)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ694百万円増加し、2,556百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,136百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益545百万円、減価償却費436百万円、前渡金評価損169百万円及び売上債権の減少額100百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は243百万円となりました。これは主に定期預金の払戻による収入1,159百万円、定期預金の預入による支出877百万円、有形固定資産の取得による支出186百万円及び投資有価証券の償還による収入100百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は679百万円となりました。これは主に長期借入金の返済による支出561百万円、配当金の支払額115百万円によるものです。
③生産、受注及び販売、施行件数の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
石材事業にて一部建築受注請負がありますが、金額が少額なため記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における各セグメントの販売実績は、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | |
| 販売高(千円) | 前年同期比(%) | |
| 葬祭事業 | 6,059,150 | 104.6 |
| 石材事業 | 2,094,261 | 91.3 |
| 婚礼事業 | 1,555,341 | 85.0 |
| 生花事業 | 589,417 | 92.8 |
| 互助会事業 | 8,839 | 596.8 |
| 報告セグメント計 | 10,307,010 | 97.7 |
| その他 | 161,461 | 100.5 |
| 全社 | 4,680 | 144.8 |
| 合計 | 10,473,151 | 97.7 |
(注)1 セグメント間の内部売上高を除いております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 最近2連結会計年度の主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| ㈱JAライフクリエイト福島 | 1,362,699 | 12.7 | 1,322,369 | 12.6 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d.施行件数の実績
当社グループのセグメントのうち主な事業である葬祭事業及び婚礼事業に係る葬儀、婚礼施行件数の当連結会計年度における実績は次のとおりであります。
(葬祭事業)
| 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 葬儀施行件数(件) | ||
| 福島県 | 2,354 | |
| 茨城県・栃木県 | 665 | |
| 催事 | 2,072 | |
| 合計 | 5,091 | |
(注) 催事における葬儀施行件数は、株式会社JAライフクリエイト福島との業務受託契約による施行件数であります。
(婚礼事業)
| 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 婚礼施行件数(件) | ||
| 福島県 | 408 | |
(注) 上記施行件数については、パーティー・宴会等の施行件数は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の認識及び分析
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は20,411百万円(前連結会計年度比2.1%減)となりました。
流動資産は4,920百万円(同15.1%増)となりました。これは主に現金及び預金が444百万円増加及び有価証券が260百万円増加したことによるものです。
固定資産は15,491百万円(同6.6%減)となりました。これは主に前払式特定取引前受金保全のための国債の償還期限が1年以内になったこと等により投資有価証券が380百万円減少、減価償却費計上により建物及び構築物が201百万円減少及び繰延税金資産の取崩により191百万円減少したことによるものです。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は11,368百万円(前連結会計年度比4.5%減)となりました。
流動負債は1,652百万円(同10.7%減)となりました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が225百万円減少したことによるものです。
固定負債は9,716百万円(同3.4%減)となりました。これは主に長期借入金が335百万円減少したことによるものです。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は9,043百万円(前連結会計年度比1.0%増)となりました。これは主に、利益剰余金が107百万円増加したことによるものです。
b.経営成績の認識及び分析
(売上高)
葬祭事業では、小規模化による単価低下は見られたものの、既存会館の葬儀施行件数が増加したことに加え、2018年12月に完全子会社化した株式会社北関東互助センターの業績も寄与したことにより売上高は増加しました。しかしながら、石材・婚礼・生花事業では販売数や施行件数の減少に加え、新型コロナウイルス感染症の影響による商品供給の遅延、婚礼・宴会の延期や中止、生花需要の低迷等により、売上高が減少しました。この結果、売上高は10,473百万円(前連結会計年度比2.3%減)となりました。
(売上原価、売上総利益)
石材・婚礼事業での仕入高の減少、婚礼事業での業務委託費の削減やグループ全体での原価低減等に努めたことにより、売上原価は7,067百万円(前連結会計年度比3.3%減)となりました。この結果、売上総利益は3,405百万円(同0.0%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
各セグメントにおいて経費圧縮に努め、広告宣伝費や業務委託費等が減少したこと等により、販売費及び一般管理費は2,822百万円(前連結会計年度比2.5%減)となりました。この結果、営業利益は582百万円(同14.2%増)となりました。
(営業外収益及び営業外費用、経常利益)
営業外収益は181百万円(前連結会計年度比6.2%増)となりました。営業外費用は持分法による投資損失を計上したこと等により21百万円(同87.8%減)となりました。営業外費用の大幅な減少は、前連結会計年度に貸倒引当金繰入額を計上していたためです。この結果、経常利益は742百万円(同46.7%増)となりました。
(特別利益及び特別損失)
特別利益は固定資産売却益の発生等により46百万円(前連結会計年度比19.0%減)となりました。特別損失は前渡金評価損を計上したこと等により243百万円(同53.0%増)となりました。この結果、特別損益は197百万円の損失(純額)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額は、繰延税金資産の取崩による法人税等調整額の増加等により321百万円(前連結会計年度比161.2%増)となりました。
以上により、親会社株主に帰属する当期純利益は58百万円減の222百万円(同20.9%減)となりました。
c.財政状態及び経営成績等の状況に関する検討内容
当社グループは「第2.事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)目標とする経営指標」に記載のとおり、連結売上高経常利益率10%以上を目標としております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2.事業の状況」の「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「2事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当該要因への対応として、当連結会計年度におきましては「稼ぐ力」を創出し、業容を拡大するため、下記を実施しました。
・グループ全体に係るBPR推進
・葬祭・婚礼・互助会事業に係るシステム刷新
・人財開発の強化
・健康経営や柔軟な勤務体系の導入
・ベトナムにおける霊園マネジメント会社の持分法適用会社化の決定
・ベトナムにおける墓石加工販売会社(カンノ・トレーディング・ベトナム有限会社)の連結子会社化
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は「1.経営成績等の状況の概要 (1)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
その結果、当連結会計年度の連結売上高経常利益率は前連結会計年度から2.4ポイント増加し7.1%となりました。 今後の方針としては、当社グループはビジネスのパラダイムシフトを推し進めるとともに、経営資源の適正配分を実行し、未来へのトランスフォーメーションを図ってまいります。また、BPRの推進や未来型テクノロジーの積極的導入等、生産性の追求に係る取組みを進めてまいります。更に、リーダー人財の育成や働きがいを高める環境づくり等、人財開発と働く環境の整備に努めます。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
「1.経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの分析」に記載のとおりです。
b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金につきましては、自己資金及び金融機関からの短期借入れ(当座借越)を基本としており、設備資金やその他投資案件等に係る資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入れを基本としております。なお、新型コロナウイルス感染症の影響で、当社グループのキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性はありますが、現金及び現金同等物の高い水準の残高や当座借越契約の締結により、十分な手許現預金の水準を確保できる状況にあります。
また、当社グループは、資金の効率的な活用と金融費用の削減を目的として、グループ内の資金調達・資金管理の一元化を行い、グループ全体の資金効率化を進めております。当社グループは、健全な財政体質、継続的な営業活動によるキャッシュ・フロー創出能力により、今後も事業成長を確保する手許流動性を高める資金調達や、個別投資案件への資金調達は可能と考えております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要な事項につきましては合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に下記の会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断等に影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症に伴う当社グループの業績に関して、現時点においては収束時期を確実に見通せる状況にありませんが、当該感染症による影響は2021年3月まで続くものと仮定して、繰延税金資産の回収可能性及び固定資産の減損会計等の会計上の見積りを行っております。ただし、これらの見積りや仮定は、不確実性が存在するため、実際の結果とは異なる場合があります。
a.固定資産の減損
固定資産については、資産または資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に、その差額を減損損失に計上しております。回収可能価額は、資産または資産グループの時価から処分費用見込額を控除した正味売却価額と割引後将来キャッシュ・フローとして算定される使用価値のいずれか大きい方としていることから、固定資産の使用方法を変更した場合もしくは不動産取引相場やその他経営環境が変動した場合には、減損損失の計上が必要になる可能性があります。
b.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価に際して、将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少した場合は、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。