有価証券報告書-第15期(平成29年1月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/03/29 16:24
【資料】
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【項目】
103項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度における我が国経済は、企業の業績や雇用情勢の改善などにより、景気は緩やかな回復基調が続いております。一方で、米国新政権の政策や欧州の政治リスク、東アジアの地政学的リスクが与える影響の懸念などもあり、景気の先行きは不透明な状況が続いています。
当社グループの主要事業の業績に影響を与える海外出国者数につきましては、景気回復の影響等により2017年のほぼ全ての月において対前年同月比で増加し、2017年全体では17,889千人で前年比4.5%増となりました(日本政府観光局(JNTO)調べ)。
海外からの訪日外客数は、航空路線の拡充やクルーズ船寄港数の増加、ビザの緩和に加え、これまでの継続的な訪日旅行プロモーション等により、前年比19.3%増で過去最高の28,691千人となりました(日本政府観光局(JNTO)調べ)。
当社の主要業務である海外における日本人顧客向けの医療アシスタンスサービスにとって海外出国者数の増加は好環境であり、事業法人向けアシスタンスサービス、留学生危機管理サービス、セキュリティ・アシスタンスサービスの提供は堅調に推移しました。
海外旅行保険の付帯サービスに関しては上期は請求業務の企業間競争、テロ等の影響による欧州での売上低迷により売上が伸びませんでしたが、下期は売上が前年同期比でプラスとなり底打ちの兆しが見られます。
また、外国人患者受入を実施する国際医療事業についても日本の高度医療に対する認知度の向上と外国人受入医療機関の増加を受けて着実に実績をあげております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は2,567百万円(前期比2.3%増)と増収になりました。
一方で、業務量増加に対応した要員増に伴う人件費の増加等により、当連結会計年度の売上原価は1,954百万円(前期比4.8%増)、販売費及び一般管理費が550百万円(前期比11.4%増)となり、営業利益は62百万円(前期比58.3%減)、経常利益は38百万円(前期比67.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は25百万円(前期比60.6%減)となりました。
セグメントの状況は次のとおりであります。
(医療アシスタンス事業)
(ⅰ)海外旅行保険の付帯サービス
海外旅行保険の付帯サービスに関しては請求業務の不振を脱すべく取引先・医療機関等に対するアプローチを積極的に実施することで収益回復に努めた結果、下期は売上が前年同期比でプラスとなりました。
(ⅱ)事業法人向けアシスタンスサービス、留学生危機管理サービス、セキュリティ・アシスタンスサービス
当社は企業・大学が求める海外リスク管理サービスを総合的に提供することでリスクマネジメントの負担軽減、コスト抑制を図るワンストップサービスを提供しています。昨今の企業や大学の海外における危機管理意識の高まりを受け、サービスの利用が増え、企業・大学に対する売上高は増加しています。
(ⅲ)国際医療事業
国際医療事業につきましては現地におけるプロモーション活動や関連業種との連携を進めております。11月にはSNSサービスによる情報提供としてFacebookに加え中国グループ会社でWeChatにおける情報配信を始めております。
上述のとおり、患者受入環境の好転と相まって患者受入数は着実に増加しました。
官公庁等からの受注事業として11月に厚生労働省の平成29年補助事業「医療機関における外国人患者受入れ環境整備事業」における電話医療通訳サービス利用促進事業者と医療通訳養成支援間接事業の実施団体に選定され、12月には一般財団法人沖縄観光コンベンションビューローからインバウンド対応緊急医療体制整備事業を受託しました。
また、海外からの訪日外客数の増加に伴い、外国人に病気や怪我など不測の事態が起こった場合のスムーズな医療提供ニーズが高まっており、国内医療機関と協力してアシスタンスサービスを提供する緊急対応型アシスタンスに関しても需要が増加しています。
当セグメントの費用に関しましては、ビジネス拡大のための人材・設備投資により増加しました。また、昨今の採用難により採用コストや人件費単価が増加しました。
これらの結果、医療アシスタンス事業の売上高は2,100百万円(前期比1.7%増)、セグメント利益は359百万円(前期比10.7%減)となりました。
(ライフアシスタンス事業)
ライフアシスタンス事業においては新規契約の締結や当社サービスへの需要が増加し、売上高は堅調に推移しました。一方で増大する顧客対応業務に対応するべく人員採用を進め人件費が増加しました。
この結果、ライフアシスタンス事業の売上高は466百万円(前期比5.3%増)、セグメント利益は95百万円(前期比24.5%減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ62百万円減少し、894百万円
となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・インフローは、151百万円(前連結会計年度は421百万円のキ
ャッシュ・インフロー)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益を38百万円計上しましたが、減価
償却費を74百万円計上したことに加え、売上債権の30百万円の減少、未払金29百万円の増加、前受収益19百万円の増
加、法人税等の52百万円の支払によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・アウトフローは、183百万円(前連結会計年度は46百万円の
キャッシュ・アウトフロー)となりました。この主な要因は、定期預金の預入による支出58百万円、無形固定資産の
取得による支出54百万円、有形固定資産の取得による支出41百万円、貸付けによる支出22百万円、敷金及び保証金の
差入による支出17百万円、定期預金の払戻による収入8百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・アウトフローは、24百万円(前連結会計年度は104百万円のキャッシュ・アウトフロー)となりました。この主な要因は、長期借入金の返済による支出71百万円、長期借入れによる収入58百万円、配当金の支払による支出が12百万円あったことによるものであります。