有価証券報告書-第6期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/28 15:47
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有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社経営の基本方針
当社グループは、「ステークホルダーの期待に応え、広く社会に貢献する企業グループを目指すこと。」及び、「高潔な倫理観と柔軟な発想をもって、全力で事業目的を達成すること。」を会社の基本理念としております。
この基本理念の下、安定的な収益を確保できる事業基盤を確立し、持続的な企業価値の向上とステークホルダーに付加価値を提供することを目指しております。また、事業活動を通じ幅広い人材を育成すると共に、経済合理性と強い倫理観を併せ持った企業活動及び社会活動を行ってまいりたいと考えております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは資本政策の重要性を十分認識し、株主資本を効率的に活用することによって、強固な財務基盤を構築し、併せ期間収益の安定的確保を目指してまいりたいと考えています。
持続的成長性を計る手段として継続的な「株主資本の増加」を第一に考え、加えて「フリーキャッシュ創造力」及びROE(株主資本利益率)についても重視してまいります。
また、アセット・マネジメント事業においては上記に加え運用資産残高の推移を重視しております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、従来、経営資源を資産運用業(アセット・マネジメント事業及びディーリング事業)に集中してきましたが、企業グループとしての事業基盤の強化と市場環境に左右されない安定した収益の確保を目指し、再生可能エネルギー関連事業及び電力取引関連事業への参入を決定し、その取組みを積極的に進めております。
このような中、平成29年3月期に2020年(平成32年3月期)の当社グループのあるべき姿を定め、以下の骨子のとおり、今後4年間の中期ビジョン「Innovation & Governance for 2020」を策定し、平成30年3月期に2年目を終えました。平成30年3月期は中期ビジョン達成のために役職員全員が「自走(じそう)できる人財&集団」となるべく、人財育成に必要な経営資源を十分に配分することとしております。
中期ビジョン「Innovation & Governance for 2020」
① 株主還元と再投資による成長力の強化とバランスを重視した経営を行います。
② 4事業を通じて社会に貢献できる企業を目指します。
③ 当社グループは積極的にイノベーションに取組み、それを支えるガバナンス体制の充実を目指します。
(イノベーション)
1. 従来型の概念にとらわれることなく、新たな事業の発掘と既存事業の進化と深化により、社会的意義のあ
る新たな価値を創造
2. 異なる組織及び機能との融合により、新たな知見を獲得し独自性を発揮
3. 自発的な人材の育成と人材を活かす組織を構築し、会社と社会に幅広い変革を推進
4. あらゆるステークホルダーからの信頼の確保
(ガバナンス)
1. 業務執行体制と取締役会の監督機能を強化
2. 迅速且つ牽制の効いた機関決定
3. バランスシートマネジメントを重視
(4) 会社の対処すべき課題
当社グループは今後更なる事業及び収益の拡大を図るために、以下の課題に取り組んでまいります。
① 継続的な経常利益と当期純利益の確保並びに株主資本の増加
前述のとおり、平成29年3月期において、持続的な企業価値の向上に向けて、2020年3月期の当社グループのあるべき姿を定め、今後4年間の中期ビジョン「Innovation & Governance for 2020」を策定しました。
同ビジョン1年目である平成29年3月期は、アセット・マネジメント事業で前年比増収増益を達成しましたが、その他3事業は想定通りのセグメント利益を確保できず、当社連結決算は前年度比大幅な減収減益となりました。
平成28年10月に実施した子会社株式の一部譲渡による収益は、「連結財務諸表に関する会計基準」により、連結財務諸表においては期間収益として認識しないこととなった一方で、弁護士報酬や監査法人への報酬、及び財務諸表では収益計上していることに伴う事業税付加価値割の負担増加分等の関連費用の合計額を、連結損益計算書に約30百万円計上しております。上記子会社株式の一部譲渡を経て、連結での「非支配株主持分」を含む純資産額は、平成28年3月期末の約45億円から約60億円に、また株主資本も、同様に約45億円から約53億円に増加しました。2年目である平成30年3月期は、再生可能エネルギー関連事業において従来より推進している投資事業ポートフォリオの入替の一環として高知県奈半利町の太陽光発電設備を譲渡しました。当該譲渡益は特別利益に計上されているため、本事業のセグメント損益に含まれておりませんが、実質的に本事業の収益と認識しております。また、アセット・マネジメント事業においても継続的にセグメント利益を確保できており、株主資本は、前連結会計年度末の約53億円から約54億円に増加しています。
当社グループは、会社の基本理念及び中期ビジョンに基づき、引き続き事業展開の優先度、経営資源の適正な配分と各事業会社の設定目標の進捗管理強化、人財育成等を通じて、平成31年3月期以降も、継続してこの課題を十分に認識し、対処してまいります。
② 経営資源の効率的な配分及びリスクの効果的な管理
上記の目標達成のためには、当社グループの目指す姿を共有し、事業展開のスピードアップを図り経営効率を上げていかなければなりません。平成24年10月1日付の組織再編以降、各事業会社の管理業務は新設持株会社である当社に集約され、当社グループ全体の管理業務の効率化及び管理コストの削減を図ると共に、各事業において必要なファイア・ウォール(業務隔壁)については引き続き徹底しつつ、各々の事業会社の迅速な意思決定を可能とする体制を構築しております。また、中期ビジョンの目指す姿の達成に向け、持株会社はグループ事業を支援する専門家集団として、グループ内の事業を積極的にサポートすると共に、人財育成に注力し、引き続き経営資源の効率的な配分及びリスクの効果的な管理に取り組んでまいります。
③ アセット・マネジメント事業における顧客本位の事業展開と収益基盤の拡充
アストマックス投信投資顧問株式会社(以下、「ASTAM社」という。)は平成25年3月期の投資運用会社2社の買収を経て、事業規模拡大を図ってまいりました。運用資産残高は平成25年3月末の1,437億円から5年後の平成30年3月末は3,942億円へと増加しました。引き続き、運用資産残高の拡大を図るべく、本事業の事業基盤を拡充してまいります。
また、平成28年10月にはASTAM社株式の33.4%をヤフー株式会社(以下、「Yahoo! JAPAN」という。)に譲渡し、資本・業務提携を行い、当社グループは国民の長期資産形成に資する投資運用事業に本格的に乗り出しました。今後も、機関投資家向けの投資運用業の品質の一層の向上に加え、投資家の皆様の長期資産形成に貢献できる投資運用会社としての態勢を構築してまいります。
④ ディーリング事業の一層の効率化
ディーリング事業は、ここ数年にわたり、取引対象の拡大や取引インフラを整備し収益源の多様化と収益力の拡大を目指してまいりましたが、平成30年3月期においても売上総利益(営業収益から売上原価を差し引いた収益)は確保できたものの、2年連続で販売管理費を賄うことはできず、2期連続でセグメント損失となりました。当事業は市場環境に左右される側面があり、現状の取引対象市場における市場規模は従来に比べ縮小してきている事実は否めないことから、管理部門の業務効率化や情報端末の削減、オフィススペース等の見直し等をより積極的に行い、コストの低減を図ってまいりました。引き続き上記施策につぃて継続的に取り組み、加えて平成30年3月に中国原油市場が海外へ開放されたこと及び平成31年3月期には東京商品取引所に電力先物が上場される予定であることも十分に視野に入れ、資本効率の向上を目指した事業展開を図ってまいります。また、リスク管理手法の高度化と管理体制の効率化を両立させ、更に低コストで十分な管理運営を行う体制の構築を推進して収益率を高め、利益率の好転を図ります。
⑤ 再生可能エネルギー関連事業における事業基盤の拡充
再生可能エネルギー関連事業においては、再生可能エネルギー関連事業の発掘、開発、アレンジメント及び投資並びに農業生産法人への出資を行っております。
当社グループとしては今後も「発電事業に投資し自ら発電事業を営むと共に、全部または一部をファンド化する等の事業展開により投資資金の早期回収を行い、再投資を行う。」というビジネス展開をベースに事業を推進していく方針です。太陽光発電事業のみならず、地熱等の再生可能エネルギー事業の展開も進めており、これらの取組みを通じて中長期的に安定した事業基盤を早期に確立していきたいと考えております。既に当社グループでは平成30年3月末時点で、太陽光発電設備を約21メガワット開発、その内約10.2メガワットを保有し、これらとは別に約4.5メガワットの案件を開発しております。天候に左右されることはあるものの、既に当社グループが保有する太陽光発電所からの売電収益は当事業の黒字化を実現可能とする水準になりました。
地熱発電事業については、既に宮崎県において調査井2本の掘削及びその内1本の仮噴気試験を完了し、長期に亘る事業ではありますが、着実に前進してきております。一方、大分県で進めていた小規模地熱発電については今期掘削したところ良好な結果を得ることが出来ず断念することになりました。地熱事業は太陽光発電に比べリスクが高いことも認識してはおりますが、再生可能エネルギー事業の新たな中核の一つとなる様、潜在的なリスク検証も含め、着実に取組んでまいります。
⑥ 電力取引関連事業における事業基盤の確立
電力取引関連事業は、電力小売全面自由化を契機に平成29年3月期より再生可能エネルギー関連事業から独立したセグメントにいたしました。米国のEnergy Service Group, LLC(Energy Service Group, Inc.から改組。以下、「ESG社」という。)と電力小売事業者向けのシステムの国内独占販売契約を締結し、同システムの日本仕様化及び販売を進めてまいりましたが、電力小売全面自由化から1年が経った平成30年3月期は、本格的なシステム導入や既に高圧で実績のある会社がシステムの入替等を検討する素地も整い、当事業にとって顧客基盤を拡大できる時期でありました。結果として一定規模の顧客基盤を構築でき、平成30年3月期下期においては月次ベースでは単月黒字化を達成した時期もあるなど、通年での赤字幅は大幅に圧縮されました。また、予定されていた東京商品取引所での電力先物の上場は、平成30年秋を予定しており、電力の調達手段においてもディーリング事業で培ったノウハウが貢献し得るものと考えております。電力取引関連事業としての黒字化が計画より遅れておりますが、前述の事業機会を確実にとらえ、事業年度を通して黒字転換するためにも、引き続き安定した顧客基盤の拡充を図り、収益力の拡大を目指し、事業基盤の確立に努めてまいります。
⑦ コンプライアンスの徹底
上場企業としてグループ内に顧客資産の運用に携わる事業会社を擁する当社グループは、極めて公共性の高いビジネスの担い手であると強く認識しております。よって役職員一人一人に高いモラルが求められており、当社グループの全役職員に対して社内規程で法令等の遵守を求めると共に、誓約書を提出させております。コンプライアンスについては、継続的な啓蒙活動とチェックが必要であり、引き続きその徹底を図ってまいります。
⑧ 情報管理の徹底
当社グループでは、各事業会社で、商品先物市場及び金融商品市場等において、アセット・マネジメント事業とディーリング事業を行っております。両事業は以前よりオフィスを物理的に隔離し、ICカードキーにより入室者を限定する等、相互に立ち入りができないオフィス管理体制を取っておりましたが、より両事業における情報遮断等を徹底すべく、平成24年10月にはそれぞれの事業を別会社化いたしました。また、両事業の取引データを含む業務上の全てのデータにはアクセス権を設定し、サーバーも物理的に別々のものとする等、厳格なファイア・ウォール体制を築いております。しかしながら、上記コンプライアンスの徹底同様、このファイア・ウォール体制についても役職員の高い意識が重要であるとの認識のもと、今後も継続して役職員の啓蒙、意識の醸成に努めてまいります。
(注)ファイア・ウォールとは、元来は、米国における銀行業務と証券業務を分離するための業務隔壁を指します。また、証券会社の引受部門やM&A部門と、株式部門のディーラーや営業部門との間における未公開情報の交換を防ぎ、インサイダー取引等を未然防止するための隔壁は「チャイニーズ・ウォール」とも呼ばれています。
⑨ 新たな事業への挑戦
当社グループでは、既に、平成30年3月期における個人投資家説明会資料等で説明させて頂いておりますとおり、大学発ベンチャーファンド関連事業及び地方創生事業への取り組みも開始しております。まだ新たな事業セグメントにはなっていませんが、社会的要請及び時代の方向性に即した新たな事業への参入も検討してまいります。

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