有価証券報告書-第26期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/29 16:35
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133項目

有報資料

当社グループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、「バイオで価値を創造する-こども・家族・社会をつつむケアを目指して-」を企業理念に掲げ、「こどもの力になること、こどもが力になれること」を経営ビジョンとして、バイオ医薬品の研究開発で培ったノウハウ等を最大限活用し、バイオシミラー事業および細胞治療事業(再生医療)の2つの事業領域において研究開発を推進しています。
バイオシミラー事業では、より多くの患者様が安心して継続的な治療が受けられる環境の実現を目指しています。また、細胞治療事業においては、特に小児疾患や希少疾患に苦しんでおられる患者様やそのご家族、更には治療に携わる医療従事者の方々を支える革新的な治療法の開発に取り組んでいます。
(2) 経営環境
「第1 企業の概況 3 事業の内容 (1)事業環境」に記載しております。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
バイオ医薬品の研究開発には膨大な時間と費用を必要とし、収益計上ができるようになるまでの期間が非常に長いため、短期的な経営指標による実績評価を行うことは一般的に適していません。そのため、当社グループにおいては、研究開発型バイオベンチャーとして、バイオシミラー事業および細胞治療事業(再生医療)のそれぞれの事業特性に応じた中長期的かつ客観的な経営指標を設定しています。
バイオシミラー事業においては、既に4製品が上市されており、現在はパートナー製薬企業への同製品の原薬等供給による販売収益、およびパートナー製薬企業による同製品の販売実績に応じたロイヤリティ収益を収益源としております。今後は既存製品の安定供給体制強化および収益性改善に向けた開発に加え、更なる収益成長に向けた新規バイオシミラーの開発にも積極的に取り組んでいく方針です。本事業の推進においては、開発投資と収益のバランスを見極めながら、事業単独での継続的な収益確保を経営目標として定め、事業を推進しております。
一方で、細胞治療事業では、特に最重要適応症である脳性麻痺に対する細胞治療製品の研究、臨床開発ならびにSQ-SHED製造プロセス開発に注力しており、研究開発投資が先行する事業ステージにあります。こうした状況の下、主に脳性麻痺に関連する研究開発工程ごとに中長期的な開発投資計画を策定し、その進捗・達成状況を経営指標としています。
なお、バイオシミラー事業と細胞治療事業を含む当社グループ全体としては、事業の着実な推進と安定的な連結営業黒字化の実現を目指し、構造改革等を通じた事業間の連携強化、業務効率化、人的資源の最適化等にも取り組んでいます。
(4) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
① 上市済みバイオシミラーの安定供給体制の構築および収益性の改善と、新規バイオシミラーの開発
バイオシミラー事業において、当社は上市済みバイオシミラーの原薬等をパートナー製薬企業に供給しておりますが、一部製品では需要が当初想定を大幅に上回って推移しており、供給能力の拡張を含む供給体制の再構築、および供給増に付随して増加する製造運転資金の最適化が課題となっています。また、日本の薬価制度では、上市時のバイオシミラーの薬価は原則として先行品の70%に設定される上、流通段階における取引価格の実勢の影響を受け、年次の改定においてその薬価が低下する一方、原薬製造を行う海外委託先国における物価上昇や為替市場における円相場の下落により製造費用は増加しており、売上単価の低下と原価上昇が同時に進行することで当社の利益率に影響を及ぼしています。これらに対応し収益性を改善するためには、さらなる原価低減策の推進やパートナー製薬企業に対する供給価格等の調整も必要です。
バイオシミラー事業のさらなる成長に向けては、既存バイオシミラーの安定供給体制の強化・維持による市場シェア拡大および収益性向上を図りつつ、新規バイオシミラーの継続的な開発・拡充が重要課題であり、既に複数品目の細胞株構築を進めております。加えて、安定供給体制を構築・強化するべく、厚生労働省の助成事業に基づいて、Alfenax Biologics株式会社を通じて国内製造施設の建設を開始し、バイオシミラーの開発から製造・供給までをカバーする国内初のサプライチェーン構築による安定供給の実現を目指しています。
また、事業価値最大化に向けては、日本市場への依存からの脱却も重要な課題です。上市済みおよび新規バイオシミラーの双方について、パートナー製薬企業との協業を通じた海外市場への展開に積極的に取り組みます。特に新規バイオシミラーについては、グローバル展開を前提に、既に国内外複数のパートナー候補製薬企業との間で共同事業化に向けた協議が進んでいます。グローバル展開により、バイオシミラー原薬等の販売量の最大化と当該販売量に合わせて拡大した製造プロセスの採用による製造原価の低減に加え、海外売上収益と海外製造費支出の相殺による為替変動リスクの緩和を目指します。
今後は、こうした取り組みを通じて、限られた資金と人材をより効率的に活用し、継続的な成長を実現できる事業モデルへの変革を推進してまいります。
② 細胞治療製品等の研究および臨床開発
研究開発投資が先行する事業ステージにある細胞治療事業(再生医療)においては、投下資金とのバランスを強く意識した、効率的かつ適正な研究開発投資の実行が重要な課題となっています。当社グループは、SQ-SHEDを基盤とする複数の開発パイプラインについて、基礎研究から非臨床、臨床開発までを段階的に進める中、開発初期段階からパートナー企業との連携を図ることで、当社グループとしての開発費負担および開発リスクの低減を図る方針です。
また、世界的に十分な治療法がない疾患に対する医薬品の創出を目指す細胞治療事業において、国内外での臨床開発を視野に入れた臨床開発体制の構築および推進も重要な経営課題です。加えて、将来の商用化を見据え、製造プロセスの適正化やパートナー企業・CDMO等との協業を通じた製造基盤の整備を進めることで、安定供給とコスト効率の両立を図り、実用化を見据えた治療薬開発を推進し、細胞治療事業の中長期的な事業価値の最大化に取り組んでいきます。
③ 開発品ポートフォリオの最適化
当社グループはバイオシミラー事業および細胞治療事業(再生医療)で複数の開発品目を保有しており、限られた経営資源を効率的に投下して最大限の成果を創出すべく、パートナー製薬企業等や業務委託先との協業の下、各開発品の開発を着実に推進しております。一方で、バイオシミラーおよび再生医療等製品を取り巻く環境は、市場動向、技術革新や各疾患領域における標準治療法、さらには競合他社の開発状況等、日々変化しており、開発品目の選択と重点化の重要性が一層高まっています。
特に細胞治療事業においては、研究開発投資が先行する事業特性を踏まえ、脳性麻痺を最重要適応症として再定義し、当該領域へ経営資源を戦略的に集中投下する方針へと転換しています。これにより、開発リスクおよび資金負担を適切に管理しつつ、事業化の蓋然性が高いテーマを中心に、パートナー企業と連携し、開発の進捗に応じた意思決定・投資判断の下、開発を推進してまいります。
当社グループは、これら社内外の様々な要因を総合的に勘案し、開発品目の優先順位の見直しや、新規テーマの立ち上げ、開発中止の判断等を適切に行い、開発ポートフォリオの最適化を継続的に図ってまいります。
④ 高品質な原薬等の安定供給体制の確立
バイオシミラーや細胞治療(再生医療)を事業化する上で、高品質な原薬等の安定供給は極めて重要な要素です。当社は、バイオシミラー事業において、高品質な原薬の製造プロセス開発と安定供給体制の確立・維持に長年取り組んでおり、これまで日本国内において承認されているバイオシミラー23製品中4製品の開発と3製品の安定供給に携わってまいりました。これは、バイオベンチャーとしては類を見ない実績であり、当社の強みを形成する重要な基盤となっています。このようにバイオシミラー事業で蓄積した製造技術・品質管理等の豊富な知見・ノウハウ等を細胞治療事業に横展開することで、バイオシミラー原薬等のみならず、細胞治療製品においても、高品質な原薬の製造プロセス開発・製造体制の早期確立を目指しております。また、これにより、当社グループにおける開発品目の優位性を確立し、ひいては事業価値最大化を図ってまいります。
⑤ 提携による事業推進
開発品目の開発・事業化を着実に推進するためには、当社グループの強みである製造プロセス開発・原薬製造に関する知見・ノウハウ等を基盤としつつ、開発段階や品目特性に応じて最適なパートナー企業、CDMO、臨床試験受託機関等との連携体制を構築・活用していくことが必須です。こうした外部パートナーとの協業により、専門性の補完や開発機能の拡張を図るとともに、開発リスクの分散や資金負担の平準化を実現し、開発の確度とスピードの両立を目指してまいります。今後も、バイオシミラー事業における新規バイオシミラーの開発や、細胞治療事業における革新的な治療法の創出に向けて、戦略的なパートナリング活動を通じた事業推進を継続し、持続的な成長と企業価値の向上を図ってまいります。
⑥ コンプライアンス・リスク管理体制およびコーポレート・ガバナンスの強化
当社グループがパートナー企業等との提携関係を構築・維持し、円滑に研究開発活動を推進していくためには、社会的信用の維持・向上が不可欠です。当社の取引先は金融機関、上場企業や公的研究機関といった高い社会的信頼性を有する組織が多く、こうした企業や機関と信頼に基づく健全な取引関係を維持していくためには、当社グループの信用力が重要となります。このような認識の下、当社グループは小規模な組織ではありますが、コンプライアンス意識の醸成とリスク管理体制の強化に継続的に取り組んでおります。また、全てのステークホルダーに対して組織的かつ的確に対応できる体制を構築するため、コーポレート・ガバナンスの改善を進め、経営の公正性・透明性を高めてまいります。

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