有価証券報告書-第29期(2025/04/01-2026/03/31)
④指標及び目標
6つのマテリアリティに関する主な取組は以下の通りです。
※1 国内の事業所及び事務所
※2 国内B2Cの3ブランド(Oisix、大地を守る会、らでぃっしゅぼーや)のプライベートブランド商品
※3 生産地や製造元で発生するフードロスを「川上のフードロス」と定義
※4 PB商品の製造委託先のうち、年間取引額が上位10社以内のサプライヤー
※5 連結子会社である株式会社とくし丸の移動販売事業
※6 開発途上国の子どもたちに学校給食を届けるための寄付がついた商品を販売する取組
※7 困窮するひとり親家庭の食支援を行うフードバンク・プラットフォーム
※8 課長職・店長職相当以上の役職者
(2)環境・気候変動への取組
①ガバナンス
「(1)サステナビリティ全般 ①ガバナンス」をご参照ください。
②戦略
当社グループの事業は、豊かな自然環境の上に成り立っており、気候変動をはじめとする自然環境の変化は当社グループの業績に様々な影響を及ぼします。このため、当社ではTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言を踏まえ、シナリオ分析を実施しました。
気候変動については、2100年に産業革命前から1.5℃気温が上昇するシナリオ(1.5℃シナリオ)と、4℃上昇するシナリオ(4℃シナリオ)に基づき2030年時点での気候変動によるリスクと機会を検討しました。前提としたシナリオと抽出したリスク、機会は次表のとおりです。
a. 前提としている主なシナリオ
b. 気候変動リスクと機会
(リスク)
※財務影響度の金額イメージ(大:20億円以上、中:1~20億円、小:1億円未満)
※影響度は、当連結会計年度末現在において取得可能な情報をもとに算定しうる範囲で記載
※定量評価は、2030年時点まで2026年3月期と同様の事業規模拡大が続いていることを前提に評価
(機会)
③リスク管理
気候変動に関するリスク管理は、「(1)サステナビリティ全般 ③リスク管理」に記載のとおりです。
④指標及び目標
当社グループは、気候変動リスクと機会への対応の一環として、温室効果ガス排出量、フードロス及び商品資材の削減に関し、以下の指標及び目標を設定しております。指標及び目標を定める際には、パリ協定やGHGプロトコル等を参照しております。
◆温室効果ガス排出削減の全社目標(比較対象:2022年3月比)
◆温室効果ガス排出量推移
排出量:CO2排出総量[t-COze]
原単位:CO2排出総量原単位(売上高あたり)[t-COze/百万円]
※算定方法:排出量の算定はGHGプロトコルに基づく。
(※1):事業業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス等)
(※2):他社から供給された電気・熱・上記の使用に伴う間接排出
(※3):スコープ1、スコープ2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)
※各期のGHG算定における組織境界(バウンダリ)は、算定期初における財務支配力基準を採用し、オイシックス・ラ・大地株式会社単体及び以下の対象子会社を算定範囲として設定。
(※4):グループ会社(Three Limes,Inc.・株式会社フルーツバスケット・株式会社とくし丸)
(※5):グループ会社(シダックス株式会社及びその子会社、Three Limes,Inc.・株式会社フルーツバスケット・株式会社とくし丸)
(※6):グループ会社(シダックスコントラクトフードサービス株式会社、シダックスフードサービス株式会社、エス・ロジックス株式会社、シダックス大新東ヒューマンサービス株式会社)
◆フードロス削減量
品質に問題はないものの、形や色が原因で規格外となってしまい、通常の流通にはのらない野菜を「ふぞろいRadish」と名付けて販売する取り組みや、見栄えや食感の悪さなどから食品として未活用だった食材をアップサイクルし、新しい商品にアップグレードすることをコンセプトとする「Upcycle by Oisix」等ブランド商品の販売を通じて、川上でのフードロス削減(生産地や製造元で発生するフードロスの削減)に取り組んでいます。
◆商品資材の削減
Oisixブランドにおける、リサイクル用紙使用率100%の段ボール活用や可変型段ボールの導入によるプラスチック緩衝材の削減、Kit Oisix外装へのバイオマス素材の採用やプラスチック包装の最適化(薄肉化、簡易包装)を通じて、商品資材の削減を推進しています。
※国内B2C 3ブランド(Oisix、大地を守る会、らでぃっしゅぼーや)のPB商品の資材及び商品の配送に要する緩衝材等の梱包資材をプラスチック使用量として集計。PB商品には、他社OEM品を含む。
(3)人的資本
①ガバナンス
経営戦略と人材戦略の連動を図るため、人事管掌取締役が執行役員を兼務し戦略の策定から実行までを一貫して担う体制を敷いております。また、経営会議が人的資本戦略の実効性及び統制を監督するガバナンス体制を構築することで、経営への貢献を盤石なものとしています。
具体的には、策定された人的資本戦略は年2回、経営会議に答申することで、執行側全体での共通認識の徹底と迅速な施策実行を確保しています。また、重要な戦略的事項については、取締役会への報告や提案を行い、社外取締役の専門的知見を反映させることで、戦略の客観性と実効性を担保しております。
人材育成面においては、経営層との定期的な協議の場を通じて、事業戦略と人材育成方針の整合性を確認し、施策のPDCAサイクルを回しています。組織及び人事の重要事項に関しても厳格なガバナンスを適用しており、部室単位以上の組織変更や部長職の異動、部門間異動については、経営会議での決議を必須プロセスとすることで、全社的な視点に立脚した組織運営の統制を徹底しております。
②戦略
私たちは、「これからの食卓、これからの畑」という企業理念のもと、食に関する社会課題をビジネスの手法で解決することをミッションとしており、その実現のためには、社員の持続的な成長と活躍及び優秀な人材の確保が不可欠であると考えています。
人材戦略としては『人が育ち、育てられ、社員が生き生きと働くことが出来る居場所(会社)を創造する!』というビジョンを掲げ、以下の人材育成方針と環境整備方針を人的資本戦略の主要な柱として推進しています。
<人材育成方針>1.企業理念の浸透と働きがいの醸成
社員目線での多様性や働きやすさを追求するとともに、企業理念を実現するための7つの行動規範「ORDism(オーディズム)」の実践を通して会社への貢献を実感できるような仕組みづくりにより、社員の働きがいを醸成しています。行動規範を体現し、成果を上げたチームや個人を社員総会等で表彰することに加えて、従業員に向けた経営層によるビデオレター配信、生産者・お客様の話を聞く機会の提供、生産現場への訪問・農作業体験などを通じて、社員が企業理念や自身の仕事の意義を深く理解できる機会を設けています。
2.中期事業ポートフォリオ戦略と連動した人材育成・獲得
中期事業ポートフォリオ戦略の完遂に向け、内部人材の計画的育成と外部人材の戦略的獲得を推進しています。育成に関しては、知識(Off-JT)と経験(OJT)の連動を図りつつ、現場での実践を中核に据えています。例えば、将来の「エース人材」には、事業インパクトの大きい高難度アサインメントを戦略的に課し、短期間での飛躍的な成長を促しています。また、経営層と人事による「成長支援会議」を定期開催し、経営戦略に沿った人員配置や役割付与を実施することで、社員が最大限のパフォーマンスを発揮し、エンゲージメントを高められる環境を構築しています。あわせて、マネジメントスキル習得プログラムやロジカルシンキングプログラム等のOff-JTプログラムを連動させることで、個人の自律的な成長を支援しています。加えて経営の重要課題に関しては、高度な専門性を有する外部人材を機動的に採用し、速やかなオンボーディングを行うことで、迅速に課題を解決できる体制を整えています。
3.社員の自律的なキャリア支援と活躍人材の創出
当社では社員の自律的なキャリア形成と成長機会の提供を通じた「活躍人材の創出」に注力しています。具体的には、社外取締役の知見を反映し設計した当社独自の「セルフ・キャリアドック」の仕組みを導入しています。2024年3月期より、全年代の社員が5年に1度は受講できる定期的な支援体制を構築し、社内キャリアコンサルタントによる年齢別のキャリアセミナーや個別面談を実施しています。これらの施策を通じて、社員一人ひとりのキャリア自律意識を高め、個々の専門性とエンゲージメントの向上を、業績への貢献と持続的な企業価値向上につなげています。
<環境整備方針>持続的な価値創造の源泉は「人材」にあるとの方針を掲げ、社員一人ひとりの属性やライフステージに寄らず、その能力を最大限に発揮できる職場環境づくりを推進しています。ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)の観点からは、産前産後・育児休業からの円滑な復職支援に加え、多様性の受容が革新的なアイデアやサービスの創出につながるという考えのもと、「多様性」をテーマにした社員研修を四半期ごとに実施しています。また、社員のパフォーマンス維持・生産性の向上を目的として、本社及び各拠点においてオフィス環境の最適化を実施しています。グループアドレス制の導入、WEB会議専用ブースや集中スペースの拡充などを通じ、社員の心身の健康維持とパフォーマンスの最大化を支援する柔軟なワークスタイルを実現しています。
③リスク管理
当社では、人的資本を中期事業ポートフォリオ戦略の遂行における不可欠な資本と捉え、その毀損を防ぐためのリスク管理体制を構築しています。人的資本に関するリスクとして、戦略遂行に不可欠な専門人材の獲得遅延や流出、次世代リーダーの育成停滞に加え、従業員の安全と健康の確保が重要であると認識しています。これらのリスクは、リスク管理委員会を通じて定期的に特定・評価を行い、重要事案については経営会議及び取締役会に報告・連携することでガバナンスを効かせています。
特に、事業継続の基盤となる「従業員の安全と健康」については最重要リスクの一つとして位置づけ、以下の施策を中心にリスクの低減と予防を徹底しています。
<適正な労働時間管理と健康支援>全社的な勤怠管理システムによるモニタリングとアラート体制により、過重労働を未然に防止しています。また、健康経営の推進に向け、産業医・保健師による面談・指導体制を整備し、社員に対する心身両面からのサポートを強化しています。
<現場での安全衛生の取り組み>倉庫や生産拠点を含む一定規模の全現場において、リスクアセスメントに基づいた安全衛生委員会を定期的に開催しています。現場実態に即した、作業環境の継続的な改善と安全教育を徹底することで、労働災害の防止と安全文化の醸成を図っています。
④指標及び目標
当社では、上記②戦略で掲げた方針に対する成果を測定しPDCAサイクルを回すため、以下の主要指標についてモニタリングを行っています。
なお、管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び、男女の賃金の額の差異についての実績は、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (2) 従業員の状況 ④ 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異」に記載のとおりです。
6つのマテリアリティに関する主な取組は以下の通りです。
| マテリアリティ | 取組 | 2030年度目標 |
| 環境負荷の低減と資源循環の推進 | GHG排出量の削減 | ‐拠点(※1)での再生可能エネルギー使用率50%以上 |
| 資源(プラスチック、食品ロス)の循環 | ‐PB商品(※2)で使用する資材の環境配慮型素材(バイオマス・生分解性・リサイクル素材・紙等)導入率50%以上 ‐食品廃棄物のリサイクル率70% | |
| 川上の食品ロス削減(※3) | ‐川上のフードロス削減貢献量 2020年度比200% | |
| 持続可能な食のインフラ構築と生産者共生 | 持続可能な調達 | ‐生産者やスタートアップと協働し、メタン低減飼料を活用した畜産モデルの実装や、代替タンパクなど新たなサステナブル食材の研究開発を推進する |
| 責任あるサプライチェーンマネジメント | ‐主要サプライヤー(※4)のサプライヤー行動規範同意署名率100% | |
| 食のインフラを通じた地域課題の解決とコミュニティの共創 | 買い物アクセス制約の削減・解消 | ‐移動販売(※5)を通じた買い物アクセス制約の解消数30万人 |
| 被災地・復興支援エリアからの持続的な食材調達 | ‐定量目標はなし | |
| 「美味しく、楽しい食卓」を通じた、ウェルビーイングの実現 | TABLE FOR TWO(※6)、WeSupport Family(※7)等の取組を通じた未来の子どもへの支援推進 | ‐未来の子どもへの延べ支援人数1,000万人 |
| 食を通じた社会的つながりの促進 | ‐継続的な食育活動、食体験機会の提供 | |
| 多様な人材の活躍と人的資本の強化 | 活躍人材の育成及びDE&Iの推進 | ‐女性管理職(※8)比率50%以上(国内グループ連結) |
| ‐DE&Iサーベイの肯定回答率80%以上(国内グループ連結) | ||
| 透明性の高いグループガバナンスと強靭な経営基盤の構築 | 重大なコンプライアンス違反・情報漏洩件数 | ‐毎年度発生0件(グループ連結) |
※1 国内の事業所及び事務所
※2 国内B2Cの3ブランド(Oisix、大地を守る会、らでぃっしゅぼーや)のプライベートブランド商品
※3 生産地や製造元で発生するフードロスを「川上のフードロス」と定義
※4 PB商品の製造委託先のうち、年間取引額が上位10社以内のサプライヤー
※5 連結子会社である株式会社とくし丸の移動販売事業
※6 開発途上国の子どもたちに学校給食を届けるための寄付がついた商品を販売する取組
※7 困窮するひとり親家庭の食支援を行うフードバンク・プラットフォーム
※8 課長職・店長職相当以上の役職者
(2)環境・気候変動への取組
①ガバナンス
「(1)サステナビリティ全般 ①ガバナンス」をご参照ください。
②戦略
当社グループの事業は、豊かな自然環境の上に成り立っており、気候変動をはじめとする自然環境の変化は当社グループの業績に様々な影響を及ぼします。このため、当社ではTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言を踏まえ、シナリオ分析を実施しました。
気候変動については、2100年に産業革命前から1.5℃気温が上昇するシナリオ(1.5℃シナリオ)と、4℃上昇するシナリオ(4℃シナリオ)に基づき2030年時点での気候変動によるリスクと機会を検討しました。前提としたシナリオと抽出したリスク、機会は次表のとおりです。
a. 前提としている主なシナリオ
| シナリオ | 主に参照したシナリオ |
| 1.5℃シナリオ | SSP1-1.9シナリオ(IPCC,2023) Net Zero Emissions by 2050シナリオ(IEA,2022) |
| 4℃シナリオ | SSP5-8.5(IPCC,2023) Stated Policyシナリオ(STEPS)(IEA,2022) |
b. 気候変動リスクと機会
(リスク)
| シナ リオ | リスク分類 | 時間軸 | 財務影響領域 | 可能性のある事業インパクト | 影響度 | ||
| 1.5℃ | 4℃ | ||||||
| 移行 | 政策 と法 | 炭素税の導入 | 中~ 長期 | コスト | ‐農作物・水産品・畜産品・消耗費等の原材料・仕入れコストが上昇する。 ‐工場及び物流・配送のエネルギーコストが上昇する。 ‐保有車両の見直しの必要性や自社排出量に対しての費用が発生する。 | 大 | 小 |
| プラスチック規制の強化 | 中~ 長期 | コスト | ‐プラスチック規制が強化されることで、包装材における代替素材の開発・導入が求められコストが上昇する。 | 中 | 小 | ||
| GHG排出規制の強化 | 中期 | コスト/資産 | ‐社有車や配送車両の電気自動車へ置き換えに伴い、転換コストなどの負担が上昇する。 | 大 | 小 | ||
| その他環境規制の導入・強化 | 短期 | コスト/資産 | ‐環境関連規制強化への対応による設備投資の増加や、食品安全基準等の見直しへの対応コストが上昇する。 | 中 | 小 | ||
| 業界 / 市場 | 消費者の環境志向の変化 | 中~ 長期 | 収益 | ‐環境への取組みや非財務情報の開示が不十分な場合、消費者からの支持が低下し、ブランド力の下落や顧客離れによる減収が発生する。 | 大 | 小 | |
| エネルギー需給の変化 | 中期 | コスト | ‐化石燃料を用いたエネルギー調達コストが上昇し、原材料・仕入れの生産コストやガソリン車(現車両)の利用による配送コストが上昇する。 ‐再エネ調達需要の高まりにより、再エネ価格や再エネ対応切り替え設備の稼働価格が上昇する。 | 小 | 小 | ||
| 投資家の評判変化 | 中~ 長期 | 資本 | ‐気候変動への取組みや非財務情報の開示が不十分な場合、優遇金利が適用されず、企業評価が低下する。 | 小 | 小 | ||
| シナ リオ | リスク分類 | 時間軸 | 財務影響領域 | 可能性のある事業インパクト | 影響度 | ||
| 1.5℃ | 4℃ | ||||||
| 移行 | 技術 | 農・水産業における生産イノベーション | 中~ 長期 | コスト/資産 | ‐農・水産業がスマート農業等脱炭素モデルに移行するために最新設備等を導入することでコスト負担が上昇する。 | 大 | 小 |
| 物流・配送におけるイノベーション | 中期 | コスト/資産 | ‐配送車両の電気自動車へ置き換えに伴い、コスト負担が上昇する。 | 大 | 小 | ||
| 物理 | 急性 | 異常気象の激甚化 | 短~ 長期 | コスト | ‐集中豪雨や台風によって生産地域の浸水被害や、物流網の混乱が発生し、商品の調達ができなくなる。 ‐台風等の自然災害による運休の発生等で売上の減少や車両損傷による補償対応が増加する。 ‐事業所の浸水等により、事業活動が停止する。 | 大 | 大 |
| 慢性 | 調達・供給体制への影響 | 長期 | コスト/収益 | ‐気候変動による直接的・間接的な収穫量の低下により、調達必要量の確保が難しくなる。 ‐需給バランスの調整が難しくなり、欠品や廃棄処理の増加が懸念される。 ‐高温により農作業効率が低下し収穫量が減少する。 | 小 | 大 | |
| 品質への影響 | 長期 | コスト/収益 | ‐当社グループが設定する水準の品質確保が難しくなる。 ‐顧客への配送時に、冷凍食品を中心に品質担保が困難になる。 ‐熱中症や食中毒などの発生リスクが高まり、発生してしまった場合に評判悪化により売上が減少する。 | 小 | 大 | ||
| コスト構造への影響 | 長期 | コスト | ‐原材料・資材等の仕入れコストが上昇する。 ‐人材不足や操業可能設備不足等からコスト負担が上昇する。 | 小 | 大 | ||
| 消費者の食ニーズ全般の変化 | 長期 | 収益 | ‐消費者の生活における気候変動への適応負担が増加し、食費支出そのものが減少する。 | 中 | 大 | ||
※財務影響度の金額イメージ(大:20億円以上、中:1~20億円、小:1億円未満)
※影響度は、当連結会計年度末現在において取得可能な情報をもとに算定しうる範囲で記載
※定量評価は、2030年時点まで2026年3月期と同様の事業規模拡大が続いていることを前提に評価
(機会)
| 分類 | 対応 | 機会 |
| 炭素税の導入 | ‐カーボンニュートラルの達成 | ‐省エネの積極的な導入によりコスト削減ができる。 ‐カーボンニュートラル達成により、炭素税の負担を減らせる。 |
| プラスチック規制の強化 | ‐商品パッケージのさらなるグリーン化 | ‐代替プラスチックの新包装材の先行導入により差異化をはかる。 |
| その他環境規制の導入・強化 | ‐食品安全基準の強化 ‐特定フロン排出抑制 | ‐カーボンフットプリント開示規制の強化により、自社の優位性の訴求や、その他環境配慮に対する補助金導入による金銭的なメリットを享受する。 |
| 消費者の環境志向の変化 | ‐アップサイクル食品の販売推進 ‐商品パッケージのさらなるグリーン化 | ‐環境志向・ニーズの高まりに的確に対応し、顧客との関係性を構築・向上させることで、ブランド力や既存顧客との関係性が強化されるだけでなく、新たな顧客開拓・既存顧客のロイヤリティ向上へも繋がる。 |
| エネルギー需給の変化 | ‐省電力化 ‐オフィス・全物流拠点電力に再生エネルギーを導入 | ‐グリーン配送や、省エネ設備の早期導入等によりコスト負担を抑えられる。 |
| 農・水産業における生産イノベーション | ‐サプライチェーン全体での持続可能性を高める | ‐環境負荷が少ない食材の製造等、フードテックの活用・開発促進によりニューフードの市場を活性化する。 ‐冷凍食品、加工生産、可食化技術も含めたイノベーティブな生産、安定供給体制を先行して構築し差異化をはかる。 |
| 物流・配送におけるイノベーション | ‐梱包資材の見直し ‐配送車の省エネルギー配送とEV化の検証 | ‐配送効率の高い資材の導入により、コスト負担を抑制する。 ‐気候変動に影響を受けにくい配送手段を選択し、顧客にとって利便性の高い物流・配送体制を先行して構築する。 |
| 分類 | 対応 | 機会 |
| 異常気象の激甚化 | ‐サプライチェーン全体での持続可能性を高める ‐良質なサプライの拡大 ‐ローコストオペレーション、マーケティングノウハウ共有による収益力改善 | ‐生産地の多様な地理的ポートフォリオにより、局所的な収穫不良時でも商品の安定供給が図れる。 ‐学童における災害時の緊急連絡サービスの必要性が高まり、需要が増加する。 |
| 調達・供給体制への影響 | ‐トレーサビリティのデータを有効活用し、需給調整を綿密に実施し、安定供給が図れる。 ‐国内外での収穫可能性の拡大を想定し、安定生産できる栽培、生産方法の確立を後押しする。 | |
| 品質への影響 | ‐従来の小売流通基準に満たない原材料(B級品等)の活用機会を増加させ、顧客にもその価値を理解してもらうことで、新たな訴求要素を確立する。 | |
| 消費者の食ニーズ全般の変化 | ‐熱中症予防や備蓄可能な食品に対するニーズが高まる。 ‐外出の困難化から宅配そのもののニーズが増加する。 |
③リスク管理
気候変動に関するリスク管理は、「(1)サステナビリティ全般 ③リスク管理」に記載のとおりです。
④指標及び目標
当社グループは、気候変動リスクと機会への対応の一環として、温室効果ガス排出量、フードロス及び商品資材の削減に関し、以下の指標及び目標を設定しております。指標及び目標を定める際には、パリ協定やGHGプロトコル等を参照しております。
◆温室効果ガス排出削減の全社目標(比較対象:2022年3月比)
| 項目 | 2030年3月までの目標 | 実施内容 | |
| 1 | スコープ1、2 | 2022年3月比で50%以上の削減を継続 | ・省電力化 ・オフィス・全物流拠点電力に再生エネルギー導入を推進 |
| 2 | スコープ3 | 削減に積極的なサプライヤーを増やしていく | ・バイオ炭等、農業生産でのグリーン化の推進 ・商品パッケージのグリーン化 ・食品廃棄物の削減 ・食品残渣のリサイクルの促進 |
◆温室効果ガス排出量推移
排出量:CO2排出総量[t-COze]
原単位:CO2排出総量原単位(売上高あたり)[t-COze/百万円]
| 項目 | 2024年3月期(※4) | 2025年3月期(※5) | 2026年3月期(※6) | |||
| 排出量 | 排出量 原単位 | 排出量 | 排出量 原単位 | 排出量 | 排出量 原単位 | |
| スコープ1(※1) | 1,131 | - | 16,296 | - | 9,864 | - |
| スコープ2(※2) | 43 | - | 1,063 | - | 3,490 | - |
| 自社排出量 (スコープ1+2)計 | 1,174 | 0.01 | 17,359 | 0.07 | 13,354 | 0.06 |
| スコープ3(※3) | 302,831 | - | 384,377 | - | 373,463 | - |
| サプライチェーン排出量(スコープ1+2+3)計 | 304,005 | 2.60 | 401,735 | 1.60 | 386,817 | 1.62 |
※算定方法:排出量の算定はGHGプロトコルに基づく。
(※1):事業業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス等)
(※2):他社から供給された電気・熱・上記の使用に伴う間接排出
(※3):スコープ1、スコープ2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)
※各期のGHG算定における組織境界(バウンダリ)は、算定期初における財務支配力基準を採用し、オイシックス・ラ・大地株式会社単体及び以下の対象子会社を算定範囲として設定。
(※4):グループ会社(Three Limes,Inc.・株式会社フルーツバスケット・株式会社とくし丸)
(※5):グループ会社(シダックス株式会社及びその子会社、Three Limes,Inc.・株式会社フルーツバスケット・株式会社とくし丸)
(※6):グループ会社(シダックスコントラクトフードサービス株式会社、シダックスフードサービス株式会社、エス・ロジックス株式会社、シダックス大新東ヒューマンサービス株式会社)
◆フードロス削減量
品質に問題はないものの、形や色が原因で規格外となってしまい、通常の流通にはのらない野菜を「ふぞろいRadish」と名付けて販売する取り組みや、見栄えや食感の悪さなどから食品として未活用だった食材をアップサイクルし、新しい商品にアップグレードすることをコンセプトとする「Upcycle by Oisix」等ブランド商品の販売を通じて、川上でのフードロス削減(生産地や製造元で発生するフードロスの削減)に取り組んでいます。
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
| フードロス削減量 | 506,654Kg | 525,783Kg | 590,075Kg |
◆商品資材の削減
Oisixブランドにおける、リサイクル用紙使用率100%の段ボール活用や可変型段ボールの導入によるプラスチック緩衝材の削減、Kit Oisix外装へのバイオマス素材の採用やプラスチック包装の最適化(薄肉化、簡易包装)を通じて、商品資材の削減を推進しています。
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
| プラスチック使用量 | 876t | 760t | 764t |
※国内B2C 3ブランド(Oisix、大地を守る会、らでぃっしゅぼーや)のPB商品の資材及び商品の配送に要する緩衝材等の梱包資材をプラスチック使用量として集計。PB商品には、他社OEM品を含む。
(3)人的資本
①ガバナンス
経営戦略と人材戦略の連動を図るため、人事管掌取締役が執行役員を兼務し戦略の策定から実行までを一貫して担う体制を敷いております。また、経営会議が人的資本戦略の実効性及び統制を監督するガバナンス体制を構築することで、経営への貢献を盤石なものとしています。
具体的には、策定された人的資本戦略は年2回、経営会議に答申することで、執行側全体での共通認識の徹底と迅速な施策実行を確保しています。また、重要な戦略的事項については、取締役会への報告や提案を行い、社外取締役の専門的知見を反映させることで、戦略の客観性と実効性を担保しております。
人材育成面においては、経営層との定期的な協議の場を通じて、事業戦略と人材育成方針の整合性を確認し、施策のPDCAサイクルを回しています。組織及び人事の重要事項に関しても厳格なガバナンスを適用しており、部室単位以上の組織変更や部長職の異動、部門間異動については、経営会議での決議を必須プロセスとすることで、全社的な視点に立脚した組織運営の統制を徹底しております。
②戦略
私たちは、「これからの食卓、これからの畑」という企業理念のもと、食に関する社会課題をビジネスの手法で解決することをミッションとしており、その実現のためには、社員の持続的な成長と活躍及び優秀な人材の確保が不可欠であると考えています。
人材戦略としては『人が育ち、育てられ、社員が生き生きと働くことが出来る居場所(会社)を創造する!』というビジョンを掲げ、以下の人材育成方針と環境整備方針を人的資本戦略の主要な柱として推進しています。
<人材育成方針>1.企業理念の浸透と働きがいの醸成
社員目線での多様性や働きやすさを追求するとともに、企業理念を実現するための7つの行動規範「ORDism(オーディズム)」の実践を通して会社への貢献を実感できるような仕組みづくりにより、社員の働きがいを醸成しています。行動規範を体現し、成果を上げたチームや個人を社員総会等で表彰することに加えて、従業員に向けた経営層によるビデオレター配信、生産者・お客様の話を聞く機会の提供、生産現場への訪問・農作業体験などを通じて、社員が企業理念や自身の仕事の意義を深く理解できる機会を設けています。
2.中期事業ポートフォリオ戦略と連動した人材育成・獲得
中期事業ポートフォリオ戦略の完遂に向け、内部人材の計画的育成と外部人材の戦略的獲得を推進しています。育成に関しては、知識(Off-JT)と経験(OJT)の連動を図りつつ、現場での実践を中核に据えています。例えば、将来の「エース人材」には、事業インパクトの大きい高難度アサインメントを戦略的に課し、短期間での飛躍的な成長を促しています。また、経営層と人事による「成長支援会議」を定期開催し、経営戦略に沿った人員配置や役割付与を実施することで、社員が最大限のパフォーマンスを発揮し、エンゲージメントを高められる環境を構築しています。あわせて、マネジメントスキル習得プログラムやロジカルシンキングプログラム等のOff-JTプログラムを連動させることで、個人の自律的な成長を支援しています。加えて経営の重要課題に関しては、高度な専門性を有する外部人材を機動的に採用し、速やかなオンボーディングを行うことで、迅速に課題を解決できる体制を整えています。
3.社員の自律的なキャリア支援と活躍人材の創出
当社では社員の自律的なキャリア形成と成長機会の提供を通じた「活躍人材の創出」に注力しています。具体的には、社外取締役の知見を反映し設計した当社独自の「セルフ・キャリアドック」の仕組みを導入しています。2024年3月期より、全年代の社員が5年に1度は受講できる定期的な支援体制を構築し、社内キャリアコンサルタントによる年齢別のキャリアセミナーや個別面談を実施しています。これらの施策を通じて、社員一人ひとりのキャリア自律意識を高め、個々の専門性とエンゲージメントの向上を、業績への貢献と持続的な企業価値向上につなげています。
<環境整備方針>持続的な価値創造の源泉は「人材」にあるとの方針を掲げ、社員一人ひとりの属性やライフステージに寄らず、その能力を最大限に発揮できる職場環境づくりを推進しています。ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)の観点からは、産前産後・育児休業からの円滑な復職支援に加え、多様性の受容が革新的なアイデアやサービスの創出につながるという考えのもと、「多様性」をテーマにした社員研修を四半期ごとに実施しています。また、社員のパフォーマンス維持・生産性の向上を目的として、本社及び各拠点においてオフィス環境の最適化を実施しています。グループアドレス制の導入、WEB会議専用ブースや集中スペースの拡充などを通じ、社員の心身の健康維持とパフォーマンスの最大化を支援する柔軟なワークスタイルを実現しています。
③リスク管理
当社では、人的資本を中期事業ポートフォリオ戦略の遂行における不可欠な資本と捉え、その毀損を防ぐためのリスク管理体制を構築しています。人的資本に関するリスクとして、戦略遂行に不可欠な専門人材の獲得遅延や流出、次世代リーダーの育成停滞に加え、従業員の安全と健康の確保が重要であると認識しています。これらのリスクは、リスク管理委員会を通じて定期的に特定・評価を行い、重要事案については経営会議及び取締役会に報告・連携することでガバナンスを効かせています。
特に、事業継続の基盤となる「従業員の安全と健康」については最重要リスクの一つとして位置づけ、以下の施策を中心にリスクの低減と予防を徹底しています。
<適正な労働時間管理と健康支援>全社的な勤怠管理システムによるモニタリングとアラート体制により、過重労働を未然に防止しています。また、健康経営の推進に向け、産業医・保健師による面談・指導体制を整備し、社員に対する心身両面からのサポートを強化しています。
<現場での安全衛生の取り組み>倉庫や生産拠点を含む一定規模の全現場において、リスクアセスメントに基づいた安全衛生委員会を定期的に開催しています。現場実態に即した、作業環境の継続的な改善と安全教育を徹底することで、労働災害の防止と安全文化の醸成を図っています。
④指標及び目標
当社では、上記②戦略で掲げた方針に対する成果を測定しPDCAサイクルを回すため、以下の主要指標についてモニタリングを行っています。
| 人的資本に関する指標 | 戦略 | 対象 | 2024年度 実績 | 2025年度 実績 | 2026年度 目標値 |
| キャリア面談実施人数(人数) | 人材育成方針 | 提出会社 | 120 | 113 | 184 |
| DE&Iサーベイ(平均点数) | 環境整備方針 | 提出会社 | 71.0 | 73.8 | 75.9 |
なお、管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び、男女の賃金の額の差異についての実績は、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (2) 従業員の状況 ④ 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異」に記載のとおりです。