有価証券報告書-第5期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)

【提出】
2019/03/29 14:37
【資料】
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【項目】
110項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「天然ガスの生産と販売を中核に、快適で豊かな生活の実現と社会の発展に貢献する」という経営理念のもと、国内における水溶性天然ガス開発のリーディングカンパニーとして国産天然ガスの開発・生産に携わるとともに、生産したガスを中心に、千葉県内のご家庭をはじめとしたお客さまに都市ガスを販売してまいりました。
近年、地球温暖化や大気汚染等の環境問題を契機に天然ガスがますます重要性を増しているなか、当社グループは「天然ガスの開発・生産といった上流部門から、お客さまへの販売という下流部門までをグループ内で一貫して行う」という最大の特長を活かし、持続可能な社会の実現に貢献しつつ競争力を持った企業として発展するため、「環境との調和、地域社会との共生」「安全・品質・サービスの向上」「活力ある企業風土の実現」という3つの経営方針に沿って事業を展開しております。
(2) 中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題
地球温暖化問題がますますクローズアップされる中、天然ガスは、石炭・石油と比べクリーンエネルギーとして日本のみならずアジア諸国を中心に国際的に需要が拡大しています。当社グループが操業する南関東ガス田の水溶性天然ガスは、貴重な国産エネルギー資源としてその重要性は高まっており、安定的な開発・生産が求められています。
さらに、ヨウ素は医療分野から電子産業分野まで需要が安定的に拡大しており、今後も新興国を中心にニーズが高まることが予想されますが、ヨウ素資源は主にチリと日本に偏在しており、ヨウ素及びヨウ素化合物の需要の拡大に見合う供給が求められています。
一方で、都市ガス・電力の小売全面自由化に伴い、従来の垣根を越えた事業者間の競争の時代を迎え、お客さまに選ばれるために、より魅力的なプラン・サービスの提供や、安心してお使いいただく供給体制の構築が求められています。
こうした事業環境の中、2016年に創業85周年を迎えた当社グループは、10年後(2025年)を成長した姿で迎えるための指針となる「VISION 2025」と、その達成に向けたファーストステージとして2016年度からの3年間を対象とした中期経営計画(以下、「中計2018」)を策定し、積極的な設備投資や事業再編による経営基盤の強化・再構築を実行いたしました。
そして、2019年より、「VISION 2025」の達成に向けたセカンドステージとして、「中計2018」を通じて強化・再構築した経営基盤を基に、既存の資源開発・総合エネルギー事業の発展に加え新たな事業の実行により成長する2019年度からの3年間を対象とした中期経営計画(以下、「中計2021」)を策定し、各事業における取り組みを推進してまいります。
~「VISION 2025」で目指す方向性~
①「競争力ある県産ガスの開発」「効率的な導管網の整備」「都市ガス事業の更なる強化」を推進し、国内屈指のガスバリューチェーンを展開する。
②貴重な資源であるヨウ素の生産者として、積極的な増産・拡販を図り、世界の需要拡大に応える。
③千葉から世界へ。新興国を中心とした海外エネルギー市場の成長への貢献を通じて更なる発展を遂げる。
④お客さま・時代のニーズ、環境の変化をとらえ、新たな事業に取り組み、社会とともに持続的に成長する。
~「中計2021」における主な取り組み~
<資源開発>・計画的な開発の推進により、ガス・ヨウ素の生産量維持・増進を図る。
・既存坑井の活性化を実施し、ガス・ヨウ素の生産量維持・増進を図る。
・ヨウ素製造設備の更新と増強により、ヨウ素の生産量維持・増進を図る。
・高まる需要に応え、日本が世界に誇る資源であるヨウ素について、引き続き安定的な販路の確保に努める。
・計画的な老朽更新実施により、強固な保安体制を確立する。
<総合エネルギー事業>・都市ガス・LPガス・電気のワンストップ営業を展開する。
・お客さまの多様なニーズに合わせた個別提案により、ガス需要の維持・獲得を図る。
・一般のご家庭への電気の販売開始により、事業拡大を図る。
・京葉コンビナート市原臨海部のお客さまのご要望に応える天然ガスインフラの整備を着実に進める。
・経年設備の更新と地震災害対策の強化に取り組み、ガス供給インフラの安全安心を追求する。
<新規事業>・再生可能エネルギー事業の中でも既存事業との親和性の高い地熱発電関連事業での更なる発展を目指す。
・当社グループの第3の柱として、新たな事業への参入を目指す。
(3) 目標とする経営指標
項 目中計2021
数値目標
(2021年)
VISION 2025
数値目標
(2025年)
経常利益36億円65億円
営業活動による
キャッシュ・フロー
77億円90億円
ROA (総資本当期純利益率)2.5%以上4.5%以上
ガス生産量1.9億㎥2億㎥
ガス販売量11億㎥15億㎥
ヨウ素販売量1,700トン2,100トン

設備投資額 (注)155億円
(2019年~2021年の累計)
570億円
(2016年~2025年の累計)

(注) 各種目標達成のための計画値であります。