有価証券報告書-第2期(平成27年1月1日-平成27年12月31日)

【提出】
2016/03/31 13:51
【資料】
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【項目】
113項目

対処すべき課題

我が国のエネルギー源の海外依存度の高さや世界的な温室効果ガス排出量の増大が問題視されるなか、天然ガスは、地政学的リスクが相対的に低いこと、化石燃料の中で温室効果ガスの排出が最も少ないこと等から、各分野においてその役割を拡大していく重要なエネルギー源として位置づけられております。
一方で、今後電力・ガスの小売全面自由化が実施されることで想定される新規参入者との競合や他エネルギーとの競争の激化のなか、販売者としてお客様のニーズに的確にお応えするサービスのご提供がこれまで以上に必要となっております。
こうした事業環境のなか、当社グループは、平成28年5月に創業85周年を迎えるにあたり、100年企業に向けたステップとして10年後をターゲットに据えた「10年ビジョン」を以下の通り策定し、海外情勢等に左右されにくく長期安定的な供給が可能な国産天然ガスと世界的にも貴重な資源であるヨードの生産・販売を柱としながら、更なる成長を目指してまいります。
①「競争力ある県産ガスの開発」「効率的な導管網の整備」「都市ガス事業の更なる強化」を推進し、国内屈指のガスバリューチェーンを展開する。
②貴重な資源であるヨードの生産者として、積極的な増産・拡販を図り、世界の需要拡大に応える。
③千葉から世界へ。新興国を中心とした海外エネルギー市場の成長への貢献を通じて更なる発展を遂げる。
④お客様・時代のニーズ、環境の変化をとらえ、新たな事業に取り組み、社会とともに持続的に成長する。
この10年ビジョンを具体的に展開していくため、平成28年を初年度とする3年間を中長期的な視野でエネルギー供給企業グループとしての責任を果たすための基盤再構築の期間と位置付け、この3年間を対象に新たな中期経営計画を策定し、以下のようなグループ事業戦略のもと、諸施策に取り組んでまいります。
まず、天然ガス及びヨードの生産につきまして、国産天然ガスのLNGに対する価格優位性を保つことを前提に、新規開発はもとより既存設備の修繕・整備・拡充に重点的に取り組むことで、新規エリアでの生産量の拡大や既存エリアでの生産量の維持・増進に取り組んでまいります。
さらに、全面自由化を控えたガス小売事業分野において、総合エネルギー産業の一員としてガス販売を中心にサービス内容の充実化を図り、より強力な営業体制を作り上げることによって需要の維持・拡大を図るとともに、ヨード分野においてもお客様のニーズに対する適切な対応をすすめ、継続的販売先を開拓してまいります。
また、多角的な仕入源からの競争力のある原料ガスの安定確保や、ガス需要や導管利用の拡大に向けた導管ネットワークの整備等によって、安定的・効率的な供給体制を作り上げるとともに、経営資源を効率的に活用することで新規事業への参入を図ってまいります。