有価証券報告書-第20期(2024/01/01-2024/12/31)

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2025/06/13 17:05
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(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
2024年の日本経済は、長期化する円安基調、継続的な物価上昇、人件費の高騰、地政学的リスクの高まりなど、企業経営を取り巻く環境は依然として不透明な状況が続いた一年となりました。一方で、生成AIの急速な普及とそれに伴う知的労働の再定義、産業構造の劇的な変革、さらには企業の競争優位性を決定づける要因の根本的な変化など、デジタル社会における大きな転換期を迎えており、企業には迅速な変革と同時に、自社の存在意義を改めて問い直すことが求められています。
このような環境下、DX(デジタル・トランスフォーメーション)投資への取り組みは、労働集約型産業を中心に省力化対策として加速しており、企業の競争力向上に向けた重要な経営戦略として一層の注目を集めています。当社グループが事業を展開するマーケティング領域においても、生成AIをはじめとする先進技術の活用によりDXの流れが加速しており、デジタル・ソーシャル時代の本格的な到来は、当社グループの事業展開に追い風となっております。
このような背景のもと、当社グループでは、企業のマーケティングDXへの対応を支援するため、自社開発のマーケティングSaaSツールやSNS活用を中心としたソリューションの提供といった『顧客企業と人をつなぐ』BtoBビジネスを展開しております。中期テーマとして「マーケティングDX支援企業としての圧倒的なポジションの確立」を目指しておりますが、2023年12月期の業績が予想を大きく下回ったことを踏まえ、2024年12月期は「国内3事業の加速と海外事業の再構築」をグループ方針に設定し、事業展開を進めてまいりました。
イ.経営成績
当連結会計年度においては、持続的な成長軌道への回復に向けた基盤づくりとして、抜本的な構造改革に継続的に取り組んでまいりました。国内では、7月よりプロダクト事業(旧国内SaaS事業)とソリューション事業の統合を開始し、順次シナジーの創出や業務効率化を進めました。第4四半期連結会計期間においては、この統合の成果が表れ始め、国内事業の売上高・営業利益ともに回復基調となりました。
一方で、クロスバウンド事業においては、2024年12月24日付「調査委員会設置に関するお知らせ」でお伝えしたとおり不適切会計の調査を進める中で担当事業部の解散を決定いたしました。需要が引き続き旺盛なインバウンド領域での支援は国内事業に事業部を新設し、事業統合することといたしました。海外事業においては、シンガポールの連結子会社であるSuperFaction Pte. Ltd.について、厳しい事業環境が継続し早期の収益性改善は極めて困難であると認識したため、事業継続は難しいとの結論に至り、同社の解散と清算手続の申立てを行うことを取締役会にて決議いたしました。
こうした取り組みにより、売上の下支えとなる国内顧客基盤の再拡大が進んだ一方、構造改革及び海外子会社清算関連費用、クロスバウンド事業に係る調査費用等の一時費用が損益に影響を及ぼしました。その結果、当連結会計年度の売上高は3,463,714千円(前連結会計年度比14.6%減)、営業損失は459,826千円(前連結会計年度は146,606千円の営業利益)、経常損失は386,845千円(前連結会計年度は207,473千円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は516,291千円(前連結会計年度は248,967千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。これらは主に構造改革に伴う一過性費用であり、2025年12月期以降の固定費削減効果と収益性改善につながるものと見込んでおります。
当社の報告セグメントは、マーケティングDX支援事業の単一セグメントとしておりますが、事業区分ごとの概況は以下のとおりであります。
ⅰ)国内事業(旧プロダクト事業と旧ソリューション事業を2024年7月に統合)
これまで当社は、プロダクト事業(旧国内SaaS事業)とソリューション事業を通じて、顧客企業のマーケティングDXを支援してまいりました。プロダクト事業では、自社開発のマーケティングSaaSツールの提供や、SaaSで補いきれないマーケティングDX施策の提供、さらにカスタマーサクセス人員によるサポートを通じて、顧客企業のマーケティング人材の質的・量的な不足を補い、効率的かつ効果的な成果を上げる支援を行っております。一方、ソリューション事業では、「SNS活用」や「ファンとの関係構築・強化」をキーワードに、ファンをマーケティングに活用してビジネスの成長を目指す概念が浸透する中、顧客企業のマーケティングDX課題に対し、企画立案から施策の実行までを包括的に支援しております。
デジタルとリアルの垣根を越えて広がった生活者の消費行動を捉えるには、これまで以上に多様なマーケティング施策の総合的な設計と一貫した遂行が必要となってきたことから、当社は、プロダクト事業とソリューション事業のサービスを組み合わせることで、他社では分断されているマーケティング施策をより包括的にワンストップで支援するべく、事業統合に着手し、国内事業の抜本的な構造改革を進めてまいりました。
当連結会計年度は、人員配置の最適化やサービスポートフォリオの再設計、顧客リストの精査など、事業の合理化・効率化を推進いたしました。主力製品である「Letro」を軸に、新たに提供を開始したLetroシリーズのエントリー商材で新規顧客を開拓し、AIを活用して高度化したインサイトデータの分析結果を基に提案の幅を広げ、提供価値の拡大を目指してまいりました。第4四半期連結会計期間においては、統合の成果が表れ始め、売上高・営業利益ともに回復基調となりました。その結果、当連結会計年度の売上高は2,528,457千円(前年同期比11.2%減)となり、全社売上高の約7割を占める主力事業として地位を再確立いたしました。
ⅱ)クロスバウンド事業(旧中国進出支援事業)
当社のインバウンド支援は、中国版Instagramと言われるRED(小紅書)の活用を中心に、中国SNSを駆使して話題化し、訪日前の情報収集段階からアプローチすることで、訪日時の店舗集客を支援しております。2024年から中国インバウンドが急速に回復している状況を受け、日本企業によるインバウンドプロモーションの需要も引き続き旺盛であり、当連結会計年度を通じて好調を継続いたしました。また、越境EC支援及び第2四半期連結会計期間より連結計上を開始したBook & Entries Capital Pte. Ltd.とAllied Verse Pte. Ltd.によるアウトバウンド支援につきましても、円安基調が継続する中、積極的に外貨獲得を検討する企業が増加しており、堅調に推移いたしました。
しかしながら、2024年12月24日付「調査委員会設置に関するお知らせ」でお伝えした不適切会計の調査を進める中で、担当事業部の解散を決定いたしました。需要が引き続き旺盛なインバウンド領域での支援については、国内事業に新設した事業部において、引き続きサービス提供を継続してまいります。その結果、当連結会計年度の売上高は448,827千円(前年同期比85.5%増)となりました。なお、当該事業部の解散および調査対応に伴う一時費用が発生しており、短期的には収益性を圧迫しておりますが、ガバナンス強化と業務効率化を通じて早期の収益回復を図ってまいります。
ⅲ)海外事業(旧海外SaaS事業)
シンガポールの連結子会社であるSuperFaction Pte. Ltd.(旧Creadits Pte. Ltd.)は、広告クリエイティブ制作における高品質・ハイスピード・低価格を実現する仕組みを提供するサービスをグローバルに展開してまいりました。しかし、メインターゲットであるゲーム業界において、新型コロナ情勢の落ち着きによる巣ごもり需要の減少や、iOS/アンドロイドのプライバシー強化に伴うターゲティング精度の低下などを背景に、不採算タイトルの整理や人員削減、広告予算の大幅縮小を実施するゲーム企業が増加しました。
2024年12月期は、経営体制を刷新し、人員の整理、コスト削減、新規顧客層開拓など、営業活動に注力してまいりましたが、厳しい事業環境が継続し、早期の収益性改善は極めて困難であると認識いたしました。来期以降の当社連結業績への影響などを総合的に勘案した結果、SuperFaction Pte. Ltd.の事業継続は困難であるとの結論に至り、同社の解散と清算手続の申立てを行うことを取締役会にて決議いたしました。その結果、当連結会計年度の売上高は486,429千円(前年同期比49.9%減)となりました。なお、当社は2024年12月30日に同社に対する債権放棄を決議いたしましたが、連結決算に対する影響はございません。今後は連結ベースでの固定費負担軽減と資本効率の改善が見込まれます。
以上のとおり、国内事業の構造改革効果が顕在化しつつある一方で、クロスバウンド事業における不適切会計対応および海外事業の清算決定に伴う一時費用が営業損益を圧迫いたしました。当社グループは、2025年12月期において国内領域での高付加価値サービス拡大とガバナンス強化をさらに進め、安定した収益基盤の確立を図るとともに、リスクコントロールを徹底し、持続的な企業価値向上に取り組んでまいります。
ロ.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ122,189千円増加し、4,085,834千円となりました。これは主に、現金及び預金が95,248千円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて502,532千円増加し1,552,714千円となりました。これは主に、長期借入金が253,399千円、未払金が118,459千円、繰延税金負債が118,626千円それぞれ増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて380,342千円減少し2,533,120千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失を計上したこと等により利益剰余金が516,453千円減少したこと等によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べて95,248千円増加し、1,940,205千円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動により減少した資金は、106,785千円となりました(前年同期は118,552千円の減少)。これは主に、売上債権の減少が351,024千円発生した一方で、税引前当期純損失を427,933千円計上したこと及び法人税等の支払が238,026千円発生したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動により減少した資金は、139,881千円となりました(前年同期は49,088千円の増加)。これは主に、無形固定資産の取得による支出が84,622千円あったこと及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が59,089千円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動により増加した資金は、311,494千円となりました(前年同期は234,961千円の減少)。これは主に、長期借入れによる収入が500,000千円あったこと等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループの事業はマーケティングDX支援事業を主な事業とする単一セグメントであるため、以下の事項はサービス別に記載しております。
イ.生産実績
当社グループの主たる事業は、インターネットを利用したサービスの提供であり、提供するサービスには生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
ロ.受注実績
当連結会計年度の受注実績は、次のとおりであります。
サービス受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
マーケティングサービス2,796,873101.2707,13376.3
CREADITSサービス415,65346.2--
合計3,212,52687.7707,13373.9

(注)金額は、販売価格によっております。
ハ.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
サービス当連結会計年度
(自 2024年1月1日
至 2024年12月31日)
販売高(千円)前年同期比(%)
マーケティングサービス3,037,70598.4
CREADITSサービス426,00943.9
合計3,463,71485.4

(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は3,463,714千円となりました。
国内事業の売上高が2,528,457千円、クロスバウンド事業の売上高が448,827千円、海外事業の売上高が486,429千円となり、グループ全体として苦戦の1年でした。
ロ.財政状態の分析
自己資本比率が58.4%と前連結会計年度と比べ12.1pt低下する結果となっております。新たな長期借入を500,000千円実行したことに伴うものであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」のとおりであります。
当社グループの事業活動における主な資金需要は、各事業の事業規模拡大や新規事業推進に伴う国内外の子会社における運転資本等であります。
当社グループは、主として内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達をおこなっており、事業活動に必要となる資金の安定的な確保に努めております。
内部資金については、国内事業で安定的に利益剰余金を積み重ねることで維持している現預金を活用しております。
資金調達については、市場環境を勘案しながら慎重な判断のもと借入を行っております。また、当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しており、機動的な資金調達ができる環境を整えております。
なお、当連結会計年度末における現金及び預金残高は1,940,205千円、借入金残高は610,617千円となっております。今後も引き続き十分な手元資金を維持できるように努めてまいります。
③経営方針・経営戦略、経営上の目標達成を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2025年6月13日に公表した2025年12月期の業績予想である、売上高2,500百万円、営業利益50百万円、経常利益50百万円を目標としております。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

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