有価証券報告書-第16期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
新型コロナウイルス禍により大きく事業環境が変化する中、日本のみならず世界全体としてDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の波が押し寄せ、本格的なデジタル・ソーシャル時代が到来しようとしています。また当社グループが事業を展開するマーケティング領域におきましてもDXの流れは一気に加速しております。
このような背景のもと、当社グループでは、企業のマーケティングDXへの対応を支援するため、自社開発のマーケティングSaaSツールの提供やSNS活用を中心としたソリューション提供といった『顧客企業と人をつなぐ』BtoBビジネスを展開しております。
当連結会計年度における新型コロナウイルス禍の影響につきましては、特に第2四半期連結会計期間(4-6月)において、一部の事業で顧客からの発注の減少・延期等が発生しておりましたが、下期は国内海外の経済活動再開に伴い、その影響は概ね解消されました。
当社グループの報告セグメントは、マーケティングDX支援(旧ソーシャルメディアマーケティング支援)の単一セグメントとしておりますが、事業ごとの概況は以下の通りであります。
なお、当社グループでは、経営管理指標として「粗利売上」(注)を設定しており、売上高と共に収益性を図る指標として管理しております。
(注)粗利売上=(当社単体:売上高-直接原価)+(連結子会社:売上総利益)
なお、当社は、『顧客企業と人々をつなぐ』BtoBビジネスを主力とし、さまざまなSaaSツールとデジタル人材によるソリューションを提供しておりますが、マーケティング環境や業界、顧客のニーズ変化を適切に捉えサービス展開を行うにあたり、事業内容をより適切に表現するため、当連結会計年度より事業セグメントと各事業の名称を変更しております。
SaaS事業(旧マーケティング・ソフトウェア事業)
自社開発のマーケティングSaaSツールの提供及びSaaSで補いきれないマーケティングDX施策の提供を合わせて提案することによって、顧客企業のマーケティングのDX推進に貢献し、マーケティング人材の質的・量的な不足を補い、少ない広告予算でもより効果的な成果を上げるための支援を行っております。
当連結会計年度におきましては、ダイレクトマーケティングの成果向上を実現するツール『Letro(レトロ)』や、Twitterによるプロモーションを効率的に行うためのツール『echoes(エコーズ)』を中心に案件数が順調に増加しました。また、2020年5月にリリースした動画作成ツール『LetroStudio(レトロスタジオ)』も順調に契約数を伸ばすなど、新型コロナウイルス禍をきっかけとしたマーケティングDXの需要拡大により好調に推移しております。一方、月額課金型ではないのショット型売上は、緊急事態宣言発令の影響により第2四半期連結会計期間(4-6月)においてキャンペーン案件等が一時的に減少したものの、緊急事態宣言解除後は需要が回復いたしました。
これらの結果、当連結会計年度におきましては、売上高及び粗利売上ともに前期比で増加いたしました。
海外SaaS事業(旧クリエイティブ・プラットフォーム事業)
シンガポールの連結子会社であるCreadits Pte. Ltd.は、欧米を中心としたグローバル市場において、デジタル広告制作を低コストで効率的に行いたい企業と、スキルの高い世界中のデザイナーをマッチングする、広告クリエイティブ制作に特化したグローバルプラットフォーム「CREADITS®」を提供しております。
当連結会計年度におきましては、特に上期において新型コロナウイルス禍による欧米各国でのロックダウンによる影響を受けたものの、ゲーム等の巣ごもり需要関連の顧客からの受注が拡大していることや、単価の高い3Dのクリエイティブ制作の受注が増加しており、2020年9月には単月黒字を達成し、四半期ベースでは第4四半期連結会計期間(10-12月)に黒字転換を果たしました。
これらの結果、当連結会計年度におきましては、売上高及び粗利売上は前期比で増加いたしました。
ソリューション事業(旧マーケティング・ソリューション事業)
ファンの存在をマーケティングに活用し、ビジネスの成長を目指す概念が浸透しつつある中で、「SNS活用」や「ファン育成支援」をキーワードに、顧客企業のマーケティングDX課題において企画立案から施策の実行までを包括的に支援する事業を行っております。
当連結会計年度におきましては、上期においては新型コロナウイルス禍の影響により顧客のマーケティング予算が縮小傾向にありましたが、下期においてSNSマーケティングの需要が回復いたしました。そのような環境の中、生活者の消費活動が著しく変化したことを受けて、短期的な施策の実施・支援に留まらず、長期的なマーケティング戦略の立案から運用まで一気通貫した支援を提案することで顧客あたりの受注額の増加に取り組みました。
これらの結果、当連結会計年度におきましては、売上高は前期比で減少したものの、粗利率の高いサービスの提供に注力した結果、粗利売上は前期比で増加いたしました。
中国進出支援事業(旧クロスボーダー事業)
近年急速に市場が拡大している越境ECへの出店による中国進出をしたい日本企業や、インバウンド市場において訪日外国人をターゲットに商品やサービスを提供したい企業のうち、特に化粧品や健康食品、日用品等の消費財メーカーを中心に、日本の商品に愛着のある在日中国人や中華圏で人気のある日本人インフルエンサーの発信力を活用したプロモーション等の支援を行っております。
当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス禍の影響によりインバウンド需要が急激に落ち込んだものの、中国における大規模なECセールの時期に合わせて、従来のインフルエンサー施策に加え、ライブコマース施策などより効果的なマーケティング施策の提供を強化したことにより、好調に推移いたしました。
これらの結果、当連結会計年度におきましては、売上高及び粗利売上は前期比で増加いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は4,192,590千円(前期比2.6%増)、粗利売上は2,371,721千円(前期比9.2%増)、売上総利益は2,056,421千円(前期比10.9%増)となりました。また、営業利益は、売上高及び粗利売上の増加に加え、生産性の向上によりコストが抑えられた結果、298,640千円(前連結会計年度は営業損失157,057千円)となりました。さらに、経常利益は231,488千円(前期は経常損失192,723千円)、親会社株主に帰属する当期純利益は173,286千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失281,476千円)となりました。
②資産、負債及び純資産の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度と比べて588,125千円増加し3,199,344千円となりました。これは主に、現金及び預金が514,551千円及び受取手形及び売掛金が240,717千円それぞれ増加した一方で、未収入金が108,594千円、投資有価証券が79,633千円それぞれ減少したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて13,500千円増加し1,423,370千円となりました。これは主に、買掛金が72,514千円及び未払法人税等が106,469千円、短期借入金が100,000千円それぞれ増加した一方で、長期借入金が218,769千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて574,624千円増加し1,775,973千円となりました。これは主に、Creaditsにおける第三者割当増資等に伴い資本剰余金が335,327千円増加したこと及び親会社株主に帰属する当期純利益を計上したこと等により利益剰余金が160,572千円増加したこと等によるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べて514,551千円増加し、1,170,897千円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動により増加した資金は、195,767千円となりました(前年同期は51,692千円の支出)。これは主に、税金等調整前当期純利益を305,685千円を計上したこと及び減価償却費を116,926千円計上した一方で、売掛債権が247,597千円増加したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動により増加した資金は、174,869千円となりました(前年同期は240,483千円の支出)。これは主に、投資有価証券の売却による収入234,520千円等があった一方で、無形固定資産の取得による支出が93,116千円があったこと等によるものあります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動により増加した資金は、146,817千円となりました(前年同期は412,010千円の支出)。これは主に、長期借入れによる収入100,000千円があったこと及びCreaditsにおける第三者割当増資等に伴う非支配株主からの払込による収入が314,023千円あった一方で、長期借入金の返済による支出339,720千円等があったことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
当社グループの事業はマーケティングDX支援事業を主な事業とする単一セグメントであるため、以下の事項はサービス別に記載しております。
生産実績
当社グループの主たる事業は、インターネットを利用したサービスの提供であり、提供するサービスには生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
受注実績
当連結会計年度の受注実績は、次のとおりであります。
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.オイシックス・ラ・大地株式会社は、当連結会計年度においては、相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①経営成績等の分析
当社グループでは、経営管理指標として「粗利売上」(※)を設定しており、売上高と共に収益性を図る指標として管理しております。
(※)粗利売上=(当社単体:売上高-直接原価)+(連結子会社:売上総利益)
当連結会計年度の売上高は前期比2.6%増の4,192,590千円、粗利売上は前期比9.2%増の2,371,721千円となりました。
事業別の粗利売上は、SaaS事業が1,057,405千円(前期比4.0%増)、海外SaaS事業が433,814千円(前期比26.4%増)、ソリューション事業が686,219千円(前期比0.3%減)、中国進出進出事業が194,284千円(前期比58.0%増)となり、国内事業であるSaaS事業とソリューション事業がグループ全体の収益を支える柱として安定収益である一方、海外関連事業である海外SaaS事業及び中国進出支援事業がグループの成長を牽引しているものと考えております。
また、事業別の粗利額(売上高から直接原価を控除した利益)の事業別の推移は以下の通りであります。

②資本の財源及び資金の流動性
i)財務戦略
当社グループの財務の方針は、健全な財務基盤を維持しつつ、マーケティングDX支援事業の中長期的な成長のための投資を行うことを基本方針としております。そのため、当社グループの事業活動における主な資金需要は、各事業の事業規模拡大や新規事業推進に伴う国内外の子会社における運転資本等であります。
当社グループは、主として内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達をおこなっており、これらの事業活動に必要となる資金の安定的な確保に努めております。内部資金については、国内事業で安定的に利益剰余金を積み重ねることで維持している現預金を活用しており、各種事業への機動的な投資の実行を可能にするとともに、自己資本比率をはじめとする各指標のもと、資金効率の向上に努めており、2020年12月末時点における自己資本比率は54.2%となっております。
ii)投資方針
投資については、営業キャッシュ・フローの範囲内で行うことを目標としており、手元に残る資金は企業価値を大きく向上させる投資が必要な場合に備え、社内に留保しております。また、合わせて過年度に投資した投資有価証券の売却等、資産の効率的な運用に向けた対応も進めてまいります。
iii)資金調達
資金調達においては、当社は、金融機関に十分な借入枠を有しており、市場環境を勘案しながら慎重な判断のもと借入を行っております。当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済停滞により手元資金が不足するリスクに備え、5月から6月にかけて、合計3億円の新規借入を行いました。今後は、2021年12月期以降順次返済期限が到来する借入金の返済に備え、内部留保及び新たな借入又はコミットメントラインの設定等により、十分な手元資金を維持できるように努めてまいります。
さらに、海外の連結子会社であるCreadits Pte. Ltdにおきましては、主にクリエイティブ制作の自動化に向けたプロダクト開発の強化、および特に3D動画等の供給能力の向上を目的としたデザイナーネットワークの強化に向けて、2020年3月にDNX Venturesを運営者とするベンチャーキャピタルファンドおよび住友商事株式会社の連結子会社であるSumitomo Corporation Equity Asia Limitedを割当先とした第三者割当増資を実施し、約3億円を調達いたしました。
なお、当連結会計年度末における現金及び預金残高は1,170,897千円、借入金残高は751,567千円となっております。
③経営方針・経営戦略、経営上の目標達成を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2021年2月10日に公表した2021年12月期の業績予想である、売上高4,620百万円、粗利売上2,700百万円、営業利益400百万円を目標としております。
④重要な会計上の見積り
i)投資有価証券評価損
当社グループでは、2020年12月期末において主に業務上の関係を有する企業の18銘柄の投資有価証券を保有しておりますが、その大半が非上場株式となっております。そのため、投資有価証券の評価においては、投資先の財政状態、経営成績等を総合的に勘案し、時価又は実質価格の回復可能性を慎重に検討しております。当連結会計年度におきましては、非上場株式の3銘柄について投資有価証券評価損計上するとともに、単体決算において連結子会社1社に対する投資について子会社株式評価損を計上いたしました。
ii)貸倒引当金
当社グループが保有する売掛債権に対する貸倒引当金に加え、単体決算において当社が保有する連結子会社向けの貸付金に対して貸倒引当金を計上しております。貸付金に対する貸倒引当金の算定にあたっては、将来の事業計画に基づき、過年度の予算達成状況や足元の事業進捗状況等を総合的に勘案し、回収可能と考えられる金額を合理的に算定しております。
①経営成績の状況
新型コロナウイルス禍により大きく事業環境が変化する中、日本のみならず世界全体としてDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の波が押し寄せ、本格的なデジタル・ソーシャル時代が到来しようとしています。また当社グループが事業を展開するマーケティング領域におきましてもDXの流れは一気に加速しております。
このような背景のもと、当社グループでは、企業のマーケティングDXへの対応を支援するため、自社開発のマーケティングSaaSツールの提供やSNS活用を中心としたソリューション提供といった『顧客企業と人をつなぐ』BtoBビジネスを展開しております。
当連結会計年度における新型コロナウイルス禍の影響につきましては、特に第2四半期連結会計期間(4-6月)において、一部の事業で顧客からの発注の減少・延期等が発生しておりましたが、下期は国内海外の経済活動再開に伴い、その影響は概ね解消されました。
当社グループの報告セグメントは、マーケティングDX支援(旧ソーシャルメディアマーケティング支援)の単一セグメントとしておりますが、事業ごとの概況は以下の通りであります。
なお、当社グループでは、経営管理指標として「粗利売上」(注)を設定しており、売上高と共に収益性を図る指標として管理しております。
(注)粗利売上=(当社単体:売上高-直接原価)+(連結子会社:売上総利益)
なお、当社は、『顧客企業と人々をつなぐ』BtoBビジネスを主力とし、さまざまなSaaSツールとデジタル人材によるソリューションを提供しておりますが、マーケティング環境や業界、顧客のニーズ変化を適切に捉えサービス展開を行うにあたり、事業内容をより適切に表現するため、当連結会計年度より事業セグメントと各事業の名称を変更しております。
SaaS事業(旧マーケティング・ソフトウェア事業)
自社開発のマーケティングSaaSツールの提供及びSaaSで補いきれないマーケティングDX施策の提供を合わせて提案することによって、顧客企業のマーケティングのDX推進に貢献し、マーケティング人材の質的・量的な不足を補い、少ない広告予算でもより効果的な成果を上げるための支援を行っております。
当連結会計年度におきましては、ダイレクトマーケティングの成果向上を実現するツール『Letro(レトロ)』や、Twitterによるプロモーションを効率的に行うためのツール『echoes(エコーズ)』を中心に案件数が順調に増加しました。また、2020年5月にリリースした動画作成ツール『LetroStudio(レトロスタジオ)』も順調に契約数を伸ばすなど、新型コロナウイルス禍をきっかけとしたマーケティングDXの需要拡大により好調に推移しております。一方、月額課金型ではないのショット型売上は、緊急事態宣言発令の影響により第2四半期連結会計期間(4-6月)においてキャンペーン案件等が一時的に減少したものの、緊急事態宣言解除後は需要が回復いたしました。
これらの結果、当連結会計年度におきましては、売上高及び粗利売上ともに前期比で増加いたしました。
海外SaaS事業(旧クリエイティブ・プラットフォーム事業)
シンガポールの連結子会社であるCreadits Pte. Ltd.は、欧米を中心としたグローバル市場において、デジタル広告制作を低コストで効率的に行いたい企業と、スキルの高い世界中のデザイナーをマッチングする、広告クリエイティブ制作に特化したグローバルプラットフォーム「CREADITS®」を提供しております。
当連結会計年度におきましては、特に上期において新型コロナウイルス禍による欧米各国でのロックダウンによる影響を受けたものの、ゲーム等の巣ごもり需要関連の顧客からの受注が拡大していることや、単価の高い3Dのクリエイティブ制作の受注が増加しており、2020年9月には単月黒字を達成し、四半期ベースでは第4四半期連結会計期間(10-12月)に黒字転換を果たしました。
これらの結果、当連結会計年度におきましては、売上高及び粗利売上は前期比で増加いたしました。
ソリューション事業(旧マーケティング・ソリューション事業)
ファンの存在をマーケティングに活用し、ビジネスの成長を目指す概念が浸透しつつある中で、「SNS活用」や「ファン育成支援」をキーワードに、顧客企業のマーケティングDX課題において企画立案から施策の実行までを包括的に支援する事業を行っております。
当連結会計年度におきましては、上期においては新型コロナウイルス禍の影響により顧客のマーケティング予算が縮小傾向にありましたが、下期においてSNSマーケティングの需要が回復いたしました。そのような環境の中、生活者の消費活動が著しく変化したことを受けて、短期的な施策の実施・支援に留まらず、長期的なマーケティング戦略の立案から運用まで一気通貫した支援を提案することで顧客あたりの受注額の増加に取り組みました。
これらの結果、当連結会計年度におきましては、売上高は前期比で減少したものの、粗利率の高いサービスの提供に注力した結果、粗利売上は前期比で増加いたしました。
中国進出支援事業(旧クロスボーダー事業)
近年急速に市場が拡大している越境ECへの出店による中国進出をしたい日本企業や、インバウンド市場において訪日外国人をターゲットに商品やサービスを提供したい企業のうち、特に化粧品や健康食品、日用品等の消費財メーカーを中心に、日本の商品に愛着のある在日中国人や中華圏で人気のある日本人インフルエンサーの発信力を活用したプロモーション等の支援を行っております。
当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス禍の影響によりインバウンド需要が急激に落ち込んだものの、中国における大規模なECセールの時期に合わせて、従来のインフルエンサー施策に加え、ライブコマース施策などより効果的なマーケティング施策の提供を強化したことにより、好調に推移いたしました。
これらの結果、当連結会計年度におきましては、売上高及び粗利売上は前期比で増加いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は4,192,590千円(前期比2.6%増)、粗利売上は2,371,721千円(前期比9.2%増)、売上総利益は2,056,421千円(前期比10.9%増)となりました。また、営業利益は、売上高及び粗利売上の増加に加え、生産性の向上によりコストが抑えられた結果、298,640千円(前連結会計年度は営業損失157,057千円)となりました。さらに、経常利益は231,488千円(前期は経常損失192,723千円)、親会社株主に帰属する当期純利益は173,286千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失281,476千円)となりました。
②資産、負債及び純資産の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度と比べて588,125千円増加し3,199,344千円となりました。これは主に、現金及び預金が514,551千円及び受取手形及び売掛金が240,717千円それぞれ増加した一方で、未収入金が108,594千円、投資有価証券が79,633千円それぞれ減少したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて13,500千円増加し1,423,370千円となりました。これは主に、買掛金が72,514千円及び未払法人税等が106,469千円、短期借入金が100,000千円それぞれ増加した一方で、長期借入金が218,769千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて574,624千円増加し1,775,973千円となりました。これは主に、Creaditsにおける第三者割当増資等に伴い資本剰余金が335,327千円増加したこと及び親会社株主に帰属する当期純利益を計上したこと等により利益剰余金が160,572千円増加したこと等によるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べて514,551千円増加し、1,170,897千円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動により増加した資金は、195,767千円となりました(前年同期は51,692千円の支出)。これは主に、税金等調整前当期純利益を305,685千円を計上したこと及び減価償却費を116,926千円計上した一方で、売掛債権が247,597千円増加したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動により増加した資金は、174,869千円となりました(前年同期は240,483千円の支出)。これは主に、投資有価証券の売却による収入234,520千円等があった一方で、無形固定資産の取得による支出が93,116千円があったこと等によるものあります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動により増加した資金は、146,817千円となりました(前年同期は412,010千円の支出)。これは主に、長期借入れによる収入100,000千円があったこと及びCreaditsにおける第三者割当増資等に伴う非支配株主からの払込による収入が314,023千円あった一方で、長期借入金の返済による支出339,720千円等があったことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
当社グループの事業はマーケティングDX支援事業を主な事業とする単一セグメントであるため、以下の事項はサービス別に記載しております。
生産実績
当社グループの主たる事業は、インターネットを利用したサービスの提供であり、提供するサービスには生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
受注実績
当連結会計年度の受注実績は、次のとおりであります。
| サービス | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| マーケティングサービス | 3,600,409 | 101.4 | 367,117 | 94.0 |
| CREADITSサービス | 581,174 | 128.4 | 56,029 | 128.5 |
| 合計 | 4,181,583 | 104.5 | 423,147 | 97.5 |
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
| サービス | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | |
| 販売高(千円) | 前年同期比(%) | |
| マーケティングサービス | 3,623,833 | 99.1 |
| CREADITSサービス | 568,757 | 132.2 |
| 合計 | 4,192,590 | 102.6 |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| サービス | 前連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| オイシックス・ラ・大地株式会社 | 520,294 | 12.72 | - | - |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.オイシックス・ラ・大地株式会社は、当連結会計年度においては、相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①経営成績等の分析
当社グループでは、経営管理指標として「粗利売上」(※)を設定しており、売上高と共に収益性を図る指標として管理しております。
(※)粗利売上=(当社単体:売上高-直接原価)+(連結子会社:売上総利益)
当連結会計年度の売上高は前期比2.6%増の4,192,590千円、粗利売上は前期比9.2%増の2,371,721千円となりました。
事業別の粗利売上は、SaaS事業が1,057,405千円(前期比4.0%増)、海外SaaS事業が433,814千円(前期比26.4%増)、ソリューション事業が686,219千円(前期比0.3%減)、中国進出進出事業が194,284千円(前期比58.0%増)となり、国内事業であるSaaS事業とソリューション事業がグループ全体の収益を支える柱として安定収益である一方、海外関連事業である海外SaaS事業及び中国進出支援事業がグループの成長を牽引しているものと考えております。
また、事業別の粗利額(売上高から直接原価を控除した利益)の事業別の推移は以下の通りであります。

②資本の財源及び資金の流動性
i)財務戦略
当社グループの財務の方針は、健全な財務基盤を維持しつつ、マーケティングDX支援事業の中長期的な成長のための投資を行うことを基本方針としております。そのため、当社グループの事業活動における主な資金需要は、各事業の事業規模拡大や新規事業推進に伴う国内外の子会社における運転資本等であります。
当社グループは、主として内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達をおこなっており、これらの事業活動に必要となる資金の安定的な確保に努めております。内部資金については、国内事業で安定的に利益剰余金を積み重ねることで維持している現預金を活用しており、各種事業への機動的な投資の実行を可能にするとともに、自己資本比率をはじめとする各指標のもと、資金効率の向上に努めており、2020年12月末時点における自己資本比率は54.2%となっております。
ii)投資方針
投資については、営業キャッシュ・フローの範囲内で行うことを目標としており、手元に残る資金は企業価値を大きく向上させる投資が必要な場合に備え、社内に留保しております。また、合わせて過年度に投資した投資有価証券の売却等、資産の効率的な運用に向けた対応も進めてまいります。
iii)資金調達
資金調達においては、当社は、金融機関に十分な借入枠を有しており、市場環境を勘案しながら慎重な判断のもと借入を行っております。当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済停滞により手元資金が不足するリスクに備え、5月から6月にかけて、合計3億円の新規借入を行いました。今後は、2021年12月期以降順次返済期限が到来する借入金の返済に備え、内部留保及び新たな借入又はコミットメントラインの設定等により、十分な手元資金を維持できるように努めてまいります。
さらに、海外の連結子会社であるCreadits Pte. Ltdにおきましては、主にクリエイティブ制作の自動化に向けたプロダクト開発の強化、および特に3D動画等の供給能力の向上を目的としたデザイナーネットワークの強化に向けて、2020年3月にDNX Venturesを運営者とするベンチャーキャピタルファンドおよび住友商事株式会社の連結子会社であるSumitomo Corporation Equity Asia Limitedを割当先とした第三者割当増資を実施し、約3億円を調達いたしました。
なお、当連結会計年度末における現金及び預金残高は1,170,897千円、借入金残高は751,567千円となっております。
③経営方針・経営戦略、経営上の目標達成を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2021年2月10日に公表した2021年12月期の業績予想である、売上高4,620百万円、粗利売上2,700百万円、営業利益400百万円を目標としております。
④重要な会計上の見積り
i)投資有価証券評価損
当社グループでは、2020年12月期末において主に業務上の関係を有する企業の18銘柄の投資有価証券を保有しておりますが、その大半が非上場株式となっております。そのため、投資有価証券の評価においては、投資先の財政状態、経営成績等を総合的に勘案し、時価又は実質価格の回復可能性を慎重に検討しております。当連結会計年度におきましては、非上場株式の3銘柄について投資有価証券評価損計上するとともに、単体決算において連結子会社1社に対する投資について子会社株式評価損を計上いたしました。
ii)貸倒引当金
当社グループが保有する売掛債権に対する貸倒引当金に加え、単体決算において当社が保有する連結子会社向けの貸付金に対して貸倒引当金を計上しております。貸付金に対する貸倒引当金の算定にあたっては、将来の事業計画に基づき、過年度の予算達成状況や足元の事業進捗状況等を総合的に勘案し、回収可能と考えられる金額を合理的に算定しております。