有価証券報告書-第12期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)
(1)当社グループの現状の認識
当社グループは、我が国の中小型ディスプレイの有力メーカーであるソニーモバイルディスプレイ(株)、東芝モバイルディスプレイ(株)及び(株)日立ディスプレイズの事業の統合により、中小型ディスプレイの専業メーカーとして発足し、技術力と供給能力の双方を備えた中小型ディスプレイのグローバルリーディングカンパニーとしての地位の確立を目指しております。
当社グループは3社統合のシナジー効果の最大化を図るため、統合後より様々な施策を講じています。例えば、生産現場では、統合前の3社が互いの生産技術や工場管理のノウハウについて共有化及びベンチマーキングを行いました。これにより、歩留りやスループットの改善等による生産性向上という成果を得ています。
こうした活動が奏功し、当社グループは中小型ディスプレイ市場において着実に実績を積み上げていますが、今後の持続的な成長と収益の最大化を図るためには、顧客需要を満たす技術力の一層の強化と生産能力の確保、及びそれらを実現する継続的な研究開発投資と生産ラインへの設備投資が不可欠と考えています。
(2)対処すべき課題とその取り組み
中小型ディスプレイ市場という成長市場において、競争優位性を維持し、持続的な成長と収益の最大化を図るため、当社グループは以下の事項を最重点施策とし、優先的に取り組んでまいります。
① 市場シェアの拡大
中小型ディスプレイ市場は年々拡大を続けており、中でも高精細ディスプレイへのニーズが高まる傾向にあります。当社グループはこのような業界において、持続的な成長とともに更なる市場シェア拡大を図る方針です。シェアの拡大は、中小型ディスプレイ業界において開発投資及び設備投資を早期に回収して再投資に回し、持続的な成長を実現するためには不可欠です。
当社グループは中小型ディスプレイ専業でグループ内に最終製品メーカーを持たないビジネスモデルや幅広い顧客基盤を活かすとともに、LTPS技術に対応した生産能力を競合他社に先駆けて構築することにより、新たなLTPS市場を創造し、中小型ディスプレイ市場におけるシェアの拡大を目指しています。そのための施策として、世界中の顧客に迅速かつきめ細かなサービスを提供する体制を敷くため、国内外の主要地域に販売子会社及び営業部を置き、直販網を拡大しています。これにより、技術提案の充実や生産計画への反映の迅速化が図られており、新規顧客の獲得、デザイン・インの拡大、顧客満足の充実に寄与しています。
今後は、新たな施策の柱として、成長著しい中国のスマートフォン向けや、スマートフォンに続いて高精細ディスプレイが採用され始めたタブレット端末向けビジネスの他、自動車1台当たりのディスプレイ搭載数の増加が期待される車載市場におけるビジネスの強化に取り組む方針です。特に、中国市場においては、ボリュームゾーンである中価格帯スマートフォンへのLTPS液晶ディスプレイの採用の拡大を図るべく、平成25年11月に設立した台湾の子会社Taiwan Display Inc.及び中国の同社子会社を通し、営業、設計及び品質サポート機能の拡充を進めてまいります。
② 先端生産設備への投資の実行
中小型ディスプレイ市場が拡大する中、顧客需要に対応し、かつ収益の維持・向上を図るためには、先端技術に対応し、高い生産効率を持つ生産ラインへの投資を行うことが必要です。
当社グループでは、平成24年6月に石川サイトの能美工場において、次いで平成25年6月には茂原工場の新ラインにおいて、それぞれ量産稼働を開始したことにより、現在世界最大規模注のLTPS液晶ディスプレイの生産能力を有しています。茂原工場の新ラインは、(株)産業革新機構からの当社への出資金2,000億円を活用し構築されました。同新ラインは、LTPS対応ラインとしては世界最大クラスの第6世代(ガラスサイズ 1500mm× 1850mm)のマザーガラスを使用し、翌連結会計年度中に最大月産50,000シートの大規模生産能力注を持つことが予定されている、高い生産効率を目指した生産ラインです。第6世代のマザーガラスは、例えば茂原工場の既存ラインの第4.5世代と比較して約4倍の面積を持っており、ガラス1シート当たりの液晶パネル取得数を大きく増加させるため、ガラス基板1枚当たりのコスト低減が可能となります。更に、新ラインにおける最先端の製造装置の導入により、ラインの習熟度が高くなった場合には、歩留りの向上、サイクルタイムの短縮化等によるコスト低減にも寄与する他、進化する技術の具現化、製品の高品質化も実現可能となります。
茂原工場の新ラインは平成25年6月の量産開始当初は、当面月産24,000シート体制で生産を開始しましたが、現在、平成26年度に最大生産能力である月産50,000シートの生産を実現することを目指し、生産設備を増強中です。先端生産設備への投資を競合他社に先駆けて実施することにより、競争力のある製品をタイムリーに市場投入できる体制となるよう取り組んでおります。更に今後も新たな設備投資に見合う需要の拡大が見込まれる場合には、当該ラインに加えた新規ラインの開設を検討いたします。
注:出所 NPD DisplaySearch (April 2014)
③ 研究開発投資の推進
中小型ディスプレイ業界においては、電子機器の高度化に伴い、高精細かつ低消費電力で薄型、といった複合的で難易度の高い技術を要する製品の需要が増えており、かかる製品の開発を可能とする新しい材料や生産技術等における技術革新が現在も進行しています。このような環境下、進化する市場のニーズに応え続けるため、ディスプレイメーカーには高い技術力の維持・向上と継続的な技術革新の追求が不可欠となっており、これらを実行するための研究開発投資がますます重要となっています。
当社グループは、強みとするLTPS液晶ディスプレイ技術の継続的な発展と、パラダイムシフトを起こしうる革新技術の追求を研究開発の基本方針とし、研究開発本部、生産本部、モバイル事業本部、車載・C&I事業本部の連携のもと、開発活動を行っています。研究開発費は、直近の収益に直結する厳選した研究テーマと将来の利益確保に寄与する研究テーマに集中して投じ、適切な人員の配置も行っています。具体的には、LTPS液晶ディスプレイ技術の有する高精細化、低消費電力化、狭額縁化等における強みを追求し、他の技術との差異化を図るための開発に積極的な投資を継続してまいります。その一方で、有機ELディスプレイ技術や酸化物半導体ディスプレイ技術の進化の可能性に鑑み、当社グループにおいてもこれらの技術の研究開発投資を実施しています。特に有機ELディスプレイについては、薄くて軽いシートディスプレイへの展開を視野に入れた研究開発を行っており、有機ELディスプレイの試作ラインを石川サイトに構築致しました。今後は、大学、公的研究機関、部材・装置メーカー、技術ベンチャー等と要素技術や次世代技術の共同開発を積極的に展開し、更なる技術発展に繋げていくことを企図しています。
④ 更なるコスト競争力の強化
中小型ディスプレイ業界では、各社の資金力や生産国の産業政策・為替動向等がグローバルな競争環境に影響を与えています。当社グループとしては、労働力やインフラ等のコストが低い国に拠点を有する企業に対してもコスト競争力を確保し、世界市場で競争優位性を維持することが重要な課題となっています。また、モバイル機器等、民生製品に搭載されるディスプレイは需要の変動が大きいため、工場における損益分岐稼働率の引き下げを図ることも重要な課題の一つです。
当社グループでは、経営統合直後の平成24年4月より全社的なコスト削減活動の取り組みを開始いたしました。この取り組みにおいては、製造コスト、部材調達コスト、管理部門コストの削減に寄与する重要テーマを洗い出し、各部門にて各テーマのコスト削減を進めるとともに、定期的にコスト削減の状況を経営陣がモニタリングしています。この取り組みの成果として、統合当初に比して売上高販売管理費率の低下や部材調達コストの低減を実現しました。また、生産ライン間のベンチマーキングを行うことで、統合当初に比して既存生産ラインにおける生産歩留り向上や製造コストの低減も進みました。
今後は、茂原工場新ラインの生産能力増強及び歩留り向上、部材の内製化や変更、ICのワンチップ化等による部材点数の削減、国内後工程自動化ラインの本格稼働等に取り組み、更なる製造コストの競争力強化を推進してまいります。この他、旧式の生産ラインについては、需要動向を勘案のうえ、統廃合を検討いたします。かかる統廃合の一環として、平成24年度に茂原工場のアモルファスシリコン生産ラインの一部を停止した他、平成25年度に石川サイトのアモルファスシリコン生産ラインを閉鎖いたしました。
当社グループは、我が国の中小型ディスプレイの有力メーカーであるソニーモバイルディスプレイ(株)、東芝モバイルディスプレイ(株)及び(株)日立ディスプレイズの事業の統合により、中小型ディスプレイの専業メーカーとして発足し、技術力と供給能力の双方を備えた中小型ディスプレイのグローバルリーディングカンパニーとしての地位の確立を目指しております。
当社グループは3社統合のシナジー効果の最大化を図るため、統合後より様々な施策を講じています。例えば、生産現場では、統合前の3社が互いの生産技術や工場管理のノウハウについて共有化及びベンチマーキングを行いました。これにより、歩留りやスループットの改善等による生産性向上という成果を得ています。
こうした活動が奏功し、当社グループは中小型ディスプレイ市場において着実に実績を積み上げていますが、今後の持続的な成長と収益の最大化を図るためには、顧客需要を満たす技術力の一層の強化と生産能力の確保、及びそれらを実現する継続的な研究開発投資と生産ラインへの設備投資が不可欠と考えています。
(2)対処すべき課題とその取り組み
中小型ディスプレイ市場という成長市場において、競争優位性を維持し、持続的な成長と収益の最大化を図るため、当社グループは以下の事項を最重点施策とし、優先的に取り組んでまいります。
① 市場シェアの拡大
中小型ディスプレイ市場は年々拡大を続けており、中でも高精細ディスプレイへのニーズが高まる傾向にあります。当社グループはこのような業界において、持続的な成長とともに更なる市場シェア拡大を図る方針です。シェアの拡大は、中小型ディスプレイ業界において開発投資及び設備投資を早期に回収して再投資に回し、持続的な成長を実現するためには不可欠です。
当社グループは中小型ディスプレイ専業でグループ内に最終製品メーカーを持たないビジネスモデルや幅広い顧客基盤を活かすとともに、LTPS技術に対応した生産能力を競合他社に先駆けて構築することにより、新たなLTPS市場を創造し、中小型ディスプレイ市場におけるシェアの拡大を目指しています。そのための施策として、世界中の顧客に迅速かつきめ細かなサービスを提供する体制を敷くため、国内外の主要地域に販売子会社及び営業部を置き、直販網を拡大しています。これにより、技術提案の充実や生産計画への反映の迅速化が図られており、新規顧客の獲得、デザイン・インの拡大、顧客満足の充実に寄与しています。
今後は、新たな施策の柱として、成長著しい中国のスマートフォン向けや、スマートフォンに続いて高精細ディスプレイが採用され始めたタブレット端末向けビジネスの他、自動車1台当たりのディスプレイ搭載数の増加が期待される車載市場におけるビジネスの強化に取り組む方針です。特に、中国市場においては、ボリュームゾーンである中価格帯スマートフォンへのLTPS液晶ディスプレイの採用の拡大を図るべく、平成25年11月に設立した台湾の子会社Taiwan Display Inc.及び中国の同社子会社を通し、営業、設計及び品質サポート機能の拡充を進めてまいります。
② 先端生産設備への投資の実行
中小型ディスプレイ市場が拡大する中、顧客需要に対応し、かつ収益の維持・向上を図るためには、先端技術に対応し、高い生産効率を持つ生産ラインへの投資を行うことが必要です。
当社グループでは、平成24年6月に石川サイトの能美工場において、次いで平成25年6月には茂原工場の新ラインにおいて、それぞれ量産稼働を開始したことにより、現在世界最大規模注のLTPS液晶ディスプレイの生産能力を有しています。茂原工場の新ラインは、(株)産業革新機構からの当社への出資金2,000億円を活用し構築されました。同新ラインは、LTPS対応ラインとしては世界最大クラスの第6世代(ガラスサイズ 1500mm× 1850mm)のマザーガラスを使用し、翌連結会計年度中に最大月産50,000シートの大規模生産能力注を持つことが予定されている、高い生産効率を目指した生産ラインです。第6世代のマザーガラスは、例えば茂原工場の既存ラインの第4.5世代と比較して約4倍の面積を持っており、ガラス1シート当たりの液晶パネル取得数を大きく増加させるため、ガラス基板1枚当たりのコスト低減が可能となります。更に、新ラインにおける最先端の製造装置の導入により、ラインの習熟度が高くなった場合には、歩留りの向上、サイクルタイムの短縮化等によるコスト低減にも寄与する他、進化する技術の具現化、製品の高品質化も実現可能となります。
茂原工場の新ラインは平成25年6月の量産開始当初は、当面月産24,000シート体制で生産を開始しましたが、現在、平成26年度に最大生産能力である月産50,000シートの生産を実現することを目指し、生産設備を増強中です。先端生産設備への投資を競合他社に先駆けて実施することにより、競争力のある製品をタイムリーに市場投入できる体制となるよう取り組んでおります。更に今後も新たな設備投資に見合う需要の拡大が見込まれる場合には、当該ラインに加えた新規ラインの開設を検討いたします。
注:出所 NPD DisplaySearch (April 2014)
③ 研究開発投資の推進
中小型ディスプレイ業界においては、電子機器の高度化に伴い、高精細かつ低消費電力で薄型、といった複合的で難易度の高い技術を要する製品の需要が増えており、かかる製品の開発を可能とする新しい材料や生産技術等における技術革新が現在も進行しています。このような環境下、進化する市場のニーズに応え続けるため、ディスプレイメーカーには高い技術力の維持・向上と継続的な技術革新の追求が不可欠となっており、これらを実行するための研究開発投資がますます重要となっています。
当社グループは、強みとするLTPS液晶ディスプレイ技術の継続的な発展と、パラダイムシフトを起こしうる革新技術の追求を研究開発の基本方針とし、研究開発本部、生産本部、モバイル事業本部、車載・C&I事業本部の連携のもと、開発活動を行っています。研究開発費は、直近の収益に直結する厳選した研究テーマと将来の利益確保に寄与する研究テーマに集中して投じ、適切な人員の配置も行っています。具体的には、LTPS液晶ディスプレイ技術の有する高精細化、低消費電力化、狭額縁化等における強みを追求し、他の技術との差異化を図るための開発に積極的な投資を継続してまいります。その一方で、有機ELディスプレイ技術や酸化物半導体ディスプレイ技術の進化の可能性に鑑み、当社グループにおいてもこれらの技術の研究開発投資を実施しています。特に有機ELディスプレイについては、薄くて軽いシートディスプレイへの展開を視野に入れた研究開発を行っており、有機ELディスプレイの試作ラインを石川サイトに構築致しました。今後は、大学、公的研究機関、部材・装置メーカー、技術ベンチャー等と要素技術や次世代技術の共同開発を積極的に展開し、更なる技術発展に繋げていくことを企図しています。
④ 更なるコスト競争力の強化
中小型ディスプレイ業界では、各社の資金力や生産国の産業政策・為替動向等がグローバルな競争環境に影響を与えています。当社グループとしては、労働力やインフラ等のコストが低い国に拠点を有する企業に対してもコスト競争力を確保し、世界市場で競争優位性を維持することが重要な課題となっています。また、モバイル機器等、民生製品に搭載されるディスプレイは需要の変動が大きいため、工場における損益分岐稼働率の引き下げを図ることも重要な課題の一つです。
当社グループでは、経営統合直後の平成24年4月より全社的なコスト削減活動の取り組みを開始いたしました。この取り組みにおいては、製造コスト、部材調達コスト、管理部門コストの削減に寄与する重要テーマを洗い出し、各部門にて各テーマのコスト削減を進めるとともに、定期的にコスト削減の状況を経営陣がモニタリングしています。この取り組みの成果として、統合当初に比して売上高販売管理費率の低下や部材調達コストの低減を実現しました。また、生産ライン間のベンチマーキングを行うことで、統合当初に比して既存生産ラインにおける生産歩留り向上や製造コストの低減も進みました。
今後は、茂原工場新ラインの生産能力増強及び歩留り向上、部材の内製化や変更、ICのワンチップ化等による部材点数の削減、国内後工程自動化ラインの本格稼働等に取り組み、更なる製造コストの競争力強化を推進してまいります。この他、旧式の生産ラインについては、需要動向を勘案のうえ、統廃合を検討いたします。かかる統廃合の一環として、平成24年度に茂原工場のアモルファスシリコン生産ラインの一部を停止した他、平成25年度に石川サイトのアモルファスシリコン生産ラインを閉鎖いたしました。