有価証券報告書-第12期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析は以下の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。これらの連結財務諸表の作成においては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2)経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は614,567百万円(前年同期比272.1%増)となりました。当社グループの主力生産製品であるスマートフォン向けのディスプレイは、主要顧客からの需要増及び新規中国顧客との高精細ディスプレイの取引開始等により出荷が大幅に拡大した他、第2四半期連結会計期間より世界初のタブレット端末向け高精細LTPS液晶ディスプレイの出荷も開始致しました。こうした高精細ディスプレイの需要増に対応するため、当社グループでは茂原工場に新設した第6世代(ガラス基板 1,500mm×1,850mm)のLTPS生産ラインにおいて、平成25年6月に量産稼働を開始し、第2四半期連結会計期間より出荷を開始致しました。
売上原価は543,282百万円、売上総利益は71,285百万円(前年同期比223.6%増)となり、売上総利益率11.6%となりました。
販売費及び一般管理費は43,660百万円となり、その主な内訳は給与諸手当5,952百万円、荷造及び発送費5,167百万円、研究開発費6,505百万円、外注費4,509百万円等です。この結果、営業利益は27,624百万円(前年同期比173.4%増)となりました。
営業外収益は2,979百万円となり、その主な内訳は、補助金収入1,015百万円、業務受託料753百万円、受取賃借料469百万円等です。また、営業外費用は11,532百万円となり、その主な内訳は支払利息2,815百万円、為替差損1,939百万円、減価償却費1,539百万円等です。この結果、経常利益は19,072百万円(前年同期比123.1%増)となりました。
特別損失は2,330百万円となり、製造工程で発生した大幅な歩留悪化による不良在庫に対する評価減を計上したことによるものです。この結果、税金等調整前当期純利益は16,742百万円(前年同期比195.7%増)となりました。
法人税等合計は△17,527百万円となり、繰越欠損金等に係る繰延税金資産を計上したこと等によるものです。この結果、当期純利益33,918百万円は(前年同期比853.9%増)となりました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、中小型ディスプレイ事業を展開しています。当社グループが製造する中小型ディスプレイを採用する主要な完成品(スマートフォンやタブレット端末等)の需要は、景気の変動等による個人消費の他、人気モデルの販売時期や新モデルの発表や成否に大きく左右される傾向にあります。そのため、当社グループの業績についても、中小型ディスプレイ市況に大きく左右され、予期せぬ市況の悪化は当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループの経営成績に影響を与える他の要因については、「4 事業等のリスク」をご参照ください。
(4)経営戦略の現状と見通し
当社グループは、中小型ディスプレイ事業のグローバルリーディングカンパニーを目指して設立されました。当社グループとしては、市場のニーズが急拡大している高精細品の生産対応と受注確保による収益基盤の安定化に努めております。
今後の見通しとしては、母体であるソニー(株)、(株)東芝、(株)日立製作所が培ってきた技術力や生産能力、人材を活用し、グローバルな競争に打ち勝つべく諸施策を講じてまいります。
具体的には、当社が強みを持つLTPS液晶ディスプレイの用途拡大を通じてマーケットポジションの強化を図るとともに、市場自体の拡大を目指してまいります。また、安定的な成長が見込まれる車載市場におけるビジネス強化を図ってまいります。加えて、当社グループの技術力をもう一段優位なものとするための研究開発投資に注力し、次世代を担う革新的技術の創出を目指し、高付加価値技術の研究・開発を積極的に行うことで業界を牽引したいと考えています。
一方で、企業間の過当競争による供給過剰が製品価格の低下を招いた大型ディスプレイ市場と同様の状況に陥ることの無い様、需給の状況に鑑みた規律の利いた設備投資を行っていくことで、拡大する市場の中で当社を含むLTPS液晶ディスプレイメーカーが圧倒的な優位に立つ「LTPSワールド」の構築を目指してまいります。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、141,390百万円となり、前連結会計年度末に比べ117,866百万円増加いたしました。平成25年4月1日に当社親会社であった旧(株)ジャパンディスプレイ、当社兄弟会社であった(株)ジャパンディスプレイセントラル、(株)ジャパンディスプレイウェスト、及び当社子会社であった(株)ジャパンディスプレイイーストプロダクツを吸収合併したことにより増加した資金の増加額は46,331百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動により増加した資金は39,707百万円(前連結会計年度は14,132百万円の増加)となりました。増加要因として、税金等調整前当期純利益16,742百万円に対し、減価償却費62,126百万円、未収入金の減少21,999百万円、未収消費税等の減少12,718百万円等の増加要因及び棚卸資産の増加22,797百万円、仕入債務の減少22,007百万円、前受金の減少19,883百万円の減少要因等があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動により減少したキャッシュ・フローは122,915百万円(前連結会計年度は8,608百万円の減少)となりました。これは、主に生産設備増強に伴う固定資産の取得による支出121,477百万円、新たに連結子会社となったNanox Philippines, Inc.の株式取得による支出1,101百万円等があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動により増加したキャッシュ・フローは151,990百万円となりました。これは、株式の発行による収入122,733百万円、セール・アンド・リースバックによる収入57,713百万円があった一方で、長期借入金の返済による支出8,834百万円、リース債務の返済による支出19,609百万円等があったことによるものです。
② 資金需要
当社グループの主な資金需要は、原材料の購入及び製造費の他、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであり、営業活動により獲得した資金と、借入金によりまかなわれております。
(6)財政状態の分析
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ307,150百万円増加して378,484百万円となりました。主な内訳は、現金及び預金141,390百万円、売掛金97,146百万円、仕掛品48,340百万円、商品及び製品25,340百万円等です。総資産に占める流動資産比率は49.9%となっています。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ336,789百万円増加して380,490百万円となりました。主な内訳は、建物及び構築物(純額)89,205百万円、機械装置及び運搬具(純額)122,631百万円、リース資産(純額)71,829百万円、無形固定資産34,958百万円、投資その他の資産1,751百万円等です。総資産に占める固定資産比率は50.1%となっています。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ170,970百万円増加して254,902百万円となりました。主な内訳は、買掛金101,581百万円、短期借入金4,524百万円、1年内返済予定の長期借入金8,552百万円、リース債務23,454百万円、前受金66,780百万円等です。負債・純資産合計に占める流動負債比率は33.6%となっています。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ64,343百万円増加して98,927百万円となりました。主な内訳は、長期借入金17,354百万円、退職給付に係る負債31,232百万円、リース債務48,635百万円等です。負債・純資産合計に占める比率は13.0%となっています。
純資産は、前連結会計年度末に比べ408,626百万円増加して405,144百万円となり債務超過は解消しました。株主資本は、資本金が96,857百万円、資本剰余金が257,053百万円、利益剰余金が49,192百万円となり、株主資本合計は402,798百万円となりました。その他の包括利益累計額合計は1,690百万円となりました。自己資本比率は53.3%となりました。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。これらの連結財務諸表の作成においては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2)経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は614,567百万円(前年同期比272.1%増)となりました。当社グループの主力生産製品であるスマートフォン向けのディスプレイは、主要顧客からの需要増及び新規中国顧客との高精細ディスプレイの取引開始等により出荷が大幅に拡大した他、第2四半期連結会計期間より世界初のタブレット端末向け高精細LTPS液晶ディスプレイの出荷も開始致しました。こうした高精細ディスプレイの需要増に対応するため、当社グループでは茂原工場に新設した第6世代(ガラス基板 1,500mm×1,850mm)のLTPS生産ラインにおいて、平成25年6月に量産稼働を開始し、第2四半期連結会計期間より出荷を開始致しました。
売上原価は543,282百万円、売上総利益は71,285百万円(前年同期比223.6%増)となり、売上総利益率11.6%となりました。
販売費及び一般管理費は43,660百万円となり、その主な内訳は給与諸手当5,952百万円、荷造及び発送費5,167百万円、研究開発費6,505百万円、外注費4,509百万円等です。この結果、営業利益は27,624百万円(前年同期比173.4%増)となりました。
営業外収益は2,979百万円となり、その主な内訳は、補助金収入1,015百万円、業務受託料753百万円、受取賃借料469百万円等です。また、営業外費用は11,532百万円となり、その主な内訳は支払利息2,815百万円、為替差損1,939百万円、減価償却費1,539百万円等です。この結果、経常利益は19,072百万円(前年同期比123.1%増)となりました。
特別損失は2,330百万円となり、製造工程で発生した大幅な歩留悪化による不良在庫に対する評価減を計上したことによるものです。この結果、税金等調整前当期純利益は16,742百万円(前年同期比195.7%増)となりました。
法人税等合計は△17,527百万円となり、繰越欠損金等に係る繰延税金資産を計上したこと等によるものです。この結果、当期純利益33,918百万円は(前年同期比853.9%増)となりました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、中小型ディスプレイ事業を展開しています。当社グループが製造する中小型ディスプレイを採用する主要な完成品(スマートフォンやタブレット端末等)の需要は、景気の変動等による個人消費の他、人気モデルの販売時期や新モデルの発表や成否に大きく左右される傾向にあります。そのため、当社グループの業績についても、中小型ディスプレイ市況に大きく左右され、予期せぬ市況の悪化は当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループの経営成績に影響を与える他の要因については、「4 事業等のリスク」をご参照ください。
(4)経営戦略の現状と見通し
当社グループは、中小型ディスプレイ事業のグローバルリーディングカンパニーを目指して設立されました。当社グループとしては、市場のニーズが急拡大している高精細品の生産対応と受注確保による収益基盤の安定化に努めております。
今後の見通しとしては、母体であるソニー(株)、(株)東芝、(株)日立製作所が培ってきた技術力や生産能力、人材を活用し、グローバルな競争に打ち勝つべく諸施策を講じてまいります。
具体的には、当社が強みを持つLTPS液晶ディスプレイの用途拡大を通じてマーケットポジションの強化を図るとともに、市場自体の拡大を目指してまいります。また、安定的な成長が見込まれる車載市場におけるビジネス強化を図ってまいります。加えて、当社グループの技術力をもう一段優位なものとするための研究開発投資に注力し、次世代を担う革新的技術の創出を目指し、高付加価値技術の研究・開発を積極的に行うことで業界を牽引したいと考えています。
一方で、企業間の過当競争による供給過剰が製品価格の低下を招いた大型ディスプレイ市場と同様の状況に陥ることの無い様、需給の状況に鑑みた規律の利いた設備投資を行っていくことで、拡大する市場の中で当社を含むLTPS液晶ディスプレイメーカーが圧倒的な優位に立つ「LTPSワールド」の構築を目指してまいります。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、141,390百万円となり、前連結会計年度末に比べ117,866百万円増加いたしました。平成25年4月1日に当社親会社であった旧(株)ジャパンディスプレイ、当社兄弟会社であった(株)ジャパンディスプレイセントラル、(株)ジャパンディスプレイウェスト、及び当社子会社であった(株)ジャパンディスプレイイーストプロダクツを吸収合併したことにより増加した資金の増加額は46,331百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動により増加した資金は39,707百万円(前連結会計年度は14,132百万円の増加)となりました。増加要因として、税金等調整前当期純利益16,742百万円に対し、減価償却費62,126百万円、未収入金の減少21,999百万円、未収消費税等の減少12,718百万円等の増加要因及び棚卸資産の増加22,797百万円、仕入債務の減少22,007百万円、前受金の減少19,883百万円の減少要因等があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動により減少したキャッシュ・フローは122,915百万円(前連結会計年度は8,608百万円の減少)となりました。これは、主に生産設備増強に伴う固定資産の取得による支出121,477百万円、新たに連結子会社となったNanox Philippines, Inc.の株式取得による支出1,101百万円等があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動により増加したキャッシュ・フローは151,990百万円となりました。これは、株式の発行による収入122,733百万円、セール・アンド・リースバックによる収入57,713百万円があった一方で、長期借入金の返済による支出8,834百万円、リース債務の返済による支出19,609百万円等があったことによるものです。
② 資金需要
当社グループの主な資金需要は、原材料の購入及び製造費の他、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであり、営業活動により獲得した資金と、借入金によりまかなわれております。
(6)財政状態の分析
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ307,150百万円増加して378,484百万円となりました。主な内訳は、現金及び預金141,390百万円、売掛金97,146百万円、仕掛品48,340百万円、商品及び製品25,340百万円等です。総資産に占める流動資産比率は49.9%となっています。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ336,789百万円増加して380,490百万円となりました。主な内訳は、建物及び構築物(純額)89,205百万円、機械装置及び運搬具(純額)122,631百万円、リース資産(純額)71,829百万円、無形固定資産34,958百万円、投資その他の資産1,751百万円等です。総資産に占める固定資産比率は50.1%となっています。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ170,970百万円増加して254,902百万円となりました。主な内訳は、買掛金101,581百万円、短期借入金4,524百万円、1年内返済予定の長期借入金8,552百万円、リース債務23,454百万円、前受金66,780百万円等です。負債・純資産合計に占める流動負債比率は33.6%となっています。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ64,343百万円増加して98,927百万円となりました。主な内訳は、長期借入金17,354百万円、退職給付に係る負債31,232百万円、リース債務48,635百万円等です。負債・純資産合計に占める比率は13.0%となっています。
純資産は、前連結会計年度末に比べ408,626百万円増加して405,144百万円となり債務超過は解消しました。株主資本は、資本金が96,857百万円、資本剰余金が257,053百万円、利益剰余金が49,192百万円となり、株主資本合計は402,798百万円となりました。その他の包括利益累計額合計は1,690百万円となりました。自己資本比率は53.3%となりました。