有価証券報告書-第24期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/23 15:51
【資料】
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【項目】
174項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「今までにない発想と、限りない技術の追求をもって、人々が躍動する世界を創造し続ける。」を企業理念に掲げています。この理念のもと、当社独自の高い技術力を経営基盤とし、よりよい社会の実現に貢献する製品・サービスを世界のお客様に提供しています。
ディスプレイ事業で培った有形・無形のアセットを最大限に活用し、新たな事業領域への参入や事業モデルの見直しを積極的に行い、競争力強化に取り組んでいます。これにより、持続的な成長を実現し、製品・サービスを通じて社会と人の課題解決に貢献することで、企業価値を高めるとともに、全てのステークホルダーの皆様に対して持続的な価値を提供し続けることを目指してまいります。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、ディスプレイ事業で培った技術を基盤として事業領域の拡大を図り、収益力の向上及び企業価値向上を図る成長戦略「BEYOND DISPLAY」を推進しております。本戦略のもと、ディスプレイ事業の収益構造改革を進めるとともに、センサー事業及び先端半導体パッケージング事業への展開を推進しております。
① ディスプレイ事業
ディスプレイ事業については、アセットライト化及び高付加価値製品への集中により収益構造の改善を図っており、2025年11月に茂原工場におけるパネル生産を終了し、国内の生産機能を石川工場に集約いたしました。石川工場は、高付加価値ディスプレイをはじめとする製品の生産を担うMULTI-FABとして活用し、多様な製品の同時生産が可能な体制を構築することで、柔軟性及び生産性の向上を図り、顧客ニーズへの対応力を強化しております。また、ファウンドリーパートナーとの協業により、アセットライトな生産体制を構築し、売上規模の早期拡大と生産性向上を目指します。
加えて、地政学的リスクの高まりに伴うサプライチェーン再構築の動きを踏まえ、特定地域に依存しない安定的な供給体制の構築を進めることで、受注の獲得を図ってまいります。
② センサー事業
当社はディスプレイ技術を基盤とした事業領域の拡大を進めており、センサー事業においては、「高解像度面センシング技術」を中核とし、物理世界の見えない情報をデータ化することで、医療用X線センサー、様々な素材表面をタッチパネル化する技術「ZINNSIA(ジンシア)」、セキュリティ認証用の指紋センサー、通信アンテナ等の分野における用途展開を図っております。あわせて、国内生産を基盤とした安定的かつ高品質な供給体制のもと、顧客要求への対応から製品化までを一貫して推進しております。
③ 先端半導体パッケージング事業
先端半導体パッケージング事業については、ディスプレイ事業で培った高密度配線技術や薄膜・ガラス加工技術を活用し、パートナー企業との連携のもと共同開発を推進しております。当該事業は中長期的な成長領域として位置付けており、引き続き開発及びパートナー企業との連携の強化に取り組んでまいります。
これらに加えて、米国におけるディスプレイ事業については、その実施の有無及び具体的なスキームについて現在検討を進めております。
当社グループは、これらの取組みにより、収益構造の改善と新たな事業機会の創出を両立させ、持続的な成長及び企業価値の向上に努めてまいります。
(3) 目標とする財務指標
当社は、収益改善及び財務健全化に向け、BEYOND DISPLAY戦略のもと事業構造の転換を進めております。また、人員削減や工場再編等の固定費削減を実施し、構造改革を通じた収益構造の改善に取り組んでおります。
今後の資産売却や新株予約権行使要請等の財務施策の内容・時期、並びに米国ディスプレイ事業に関する当社の取組みの具体的な内容や実施有無によって、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、これらの状況を総合的に勘案するとともに、債務超過の解消及び財務基盤の改善の進捗を踏まえた上で、新たな財務目標を適切なタイミングで設定する予定です。
(4) 経営環境及び対処すべき課題
当社グループを取り巻く事業環境は、ディスプレイ需要の構造的変化やコスト競争の激化に加え、地政学的リスクの高まり等により、引き続き不透明な状況が続いております。このような環境のもと、当社グループは、持続的な事業運営及び中長期的な企業価値の回復・向上を実現するため、財務状況の健全化及び収益力の抜本的な改善を最重要課題と位置付けるとともに、東京証券取引所プライム市場の上場維持基準への適合に向けた取組みを進めております。
以下に、当社グループが優先的に対処すべき主要な課題及びその取組み状況について記載いたします。
① 財務状況の健全化と収益力の抜本的改善
当社グループは、早期の業績改善及び財務基盤の安定化を最優先課題と位置付け、当期に公表した構造改革施策を着実に実行いたしました。具体的には、茂原工場での生産を終了し石川工場に集約したことに加え、希望退職者の募集等による人員適正化を通じた固定費削減を進めております。これらの施策により、今後、損益分岐点の引下げ等を通じた収益構造の改善が見込まれます。
また、事業構造の見直しと並行して、債務超過の解消に向けた取組みとして、保有資産の売却及び財務施策を通じた財務構造の改善に取り組んでおります。具体的には、2025年7月に知的財産子会社の譲渡を完了し、2026年3月に鳥取工場について譲渡契約を締結いたしました。茂原工場については、引き続き複数の売却候補先と協議中です。財務施策としては、2026年5月13日付のいちごトラスト(以下「いちご」といいます。)による第14回新株予約権の一部行使に伴い、約96億円を調達いたしました。当該新株予約権の未行使分につきましても、引き続きいちごに対して行使要請してまいります。これらの資産売却や財務施策を通じて、債務超過の解消、負債の削減及び支払利息の低減を図り、財務体質の改善を進めてまいります。
加えて、当社はBEYOND DISPLAY戦略のもと、成長分野と位置付けるセンサー及び先端半導体パッケージング等の新事業への取組みを積極的に進めており、開発やパートナー企業との連携は順調に進展しております。これらの取組みを通じ、既存事業の収益改善と新たな成長機会の創出を両立させ、持続的な事業基盤の構築を目指してまいります。
② 上場維持基準への適合
当社は、2026年3月末現在、東京証券取引所プライム市場の上場維持基準のうち、純資産の額及び流通株式比率について基準に適合しておりません。
純資産の額については、純資産の額が正であることが上場維持基準とされており、2027年3月までに基準に適合しない場合には上場廃止となります。当社はこの状況を厳粛に受け止め、上記①に記載のとおり、生産体制の再構築、人員適正化、資産売却、並びに第14回新株予約権のいちごに対する行使要請を含めた財務施策を実行することで財務基盤の改善を図り、2027年3月末までの債務超過解消を目指してまいります。
流通株式比率については、事業再生支援を目的としたいちごとの資本提携に基づき、2028年3月末まで特例適用が認められております。この期間内での基準適合に向け、必要な取組みを継続してまいります。2026年5月には、いちごによる第14回新株予約権行使に伴う普通株式の発行があった一方、いちごの保有する当社株式の一部売却が行われました。引き続きいちごの保有比率の低下が必要となることから、当社は今後もいちごとの協議を継続するとともに、業績改善及び財務健全化の進捗を踏まえ、当社株式の新たな保有先となり得る投資家の獲得に向けた取組みを進めてまいります。

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