有価証券報告書-第9期(平成30年10月1日-令和1年9月30日)

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2019/12/20 16:42
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米中の貿易摩擦による不透明感が強まったものの、米欧を中心とした先進国での堅調さにより、落ち着いた成長を維持しております。当社グループが展開しているアジア諸国においては一人当たりGDPは、依然として高めの伸びを続け、マクロの所得水準はプラスの成長が続いております。
当社グループの主要な事業領域であるインターネット広告市場においては、2018年のインターネット広告費(注)が1兆7,589億円(前年比16.5%増)と広告費全体の26.9%を占めるまでに拡大しております。そのうち、運用型広告費においては、1兆1,518億円(前年比22.5%増)と高い成長をしております。
このような状況のもと、当連結会計年度において当社はコーポレートビジョンである「人に人らしい仕事を」の実現を目指し、以下のような取り組みを進めてまいりました。
まず、国内インターネット広告市場においては、モバイルマーケティングプラットフォーム「Red」及びネイティブアドプラットフォーム「Poets」が引続き順調に推移し業績を牽引しました。アドプラットフォーム開発・運用支援「Red for Publishers」については、収益貢献が遅れておりましたが、在京民放5社による公式テレビポータルサイト「TVer(ティーバー)」等の動画配信サービスの広告マーケットプレイス「TVer PMP」の提供が決定するなど、来期に向けて強力なプレミアメディアへのサービス提供が決定しております。一方で、従来DSPとしての取扱額がTopであったメディアとの取引が終了するなどしたため、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額+持分法による投資利益)での利益は前年と比較して大きく減少いたしました。
次に、海外においては、自社既存拠点であるインドネシア子会社、タイ子会社、台湾子会社合計で通年で黒字が継続したほか、中国子会社、フィリピン子会社でも単月黒字化を達成しております。また、M&A先においても2019年1月に取得を完了した米国法人「Playwire,LLC」が順調に収益を計上しており、強く業績を牽引しております。一方で、事業拡充のための先行投資を引続き各拠点において行っているほか、短期的な収益化を見込むことが困難なトルコ子会社、オーストラリア子会社などの各拠点については早期に清算を決定し、adGeek社及びその子会社であるThe Studio by CtrlShift社が当初想定していた超過収益をもたらしていないことから、未償却ののれんを全額減損しております。
また、新規事業においてはGardia社の売上が順調に成長している一方で、タレンティオ社については当初想定していた超過収益が生じていないことから、未償却ののれんを全額減損しております。さらに、持分法適用会社では、タクシー内のデジタルサイネージを提供するIRIS社については非常に順調に業績が推移し、収益に貢献している一方で、LINE社との合弁会社であったM.T.Burn社が清算手続きを決定したほか、当期から持分法適用を開始した数社における持分法投資損失の計上などを行っております。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高21,709百万円(前連結会計年度比47.2%増)、営業損失1,270百万円(前連結会計年度は営業損失532百万円)、経常損失1,497百万円(前連結会計年度は経常利益307百万円)、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額+持分法による投資利益)△491百万円(前連結会計年度は843百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失3,512百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益25百万円)となりました。
(注)出典:株式会社電通「2018年日本の広告費」2019年2月28日
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(DSP事業)
DSP事業では、モバイルマーケティングプラットフォーム「Red」、アドプラットフォーム開発・運用支援「Red for Publishers」、ネイティブアドプラットフォーム及びトレーディングデスクの提供を行い、広告主の広告効果最大化及び媒体社の収益最大化に取り組みました。
当連結会計年度においては、モバイルマーケティングプラットフォーム「Red」が業績を牽引したほか、ネイティブアドプラットフォーム「Poets」の収益が大きく成長いたしました。
また、海外子会社の事業も一部堅調に推移いたしました。一方で、従来DSPとしての取扱額がトップであったメディアとの取引終了、M.T.Burn社の清算手続き決定と一部海外子会社の短期的な収益化の難化などが生じたため、EBITDAでの利益は前年と比較して大きく減少いたしました。
この結果、DSP事業の売上高は18,461百万円(前連結会計年度比42.1%増)、セグメント損失は284百万円(前連結会計年度はセグメント利益209百万円)、EBITDAは376百万円(前連結会計年度比74.3%減)となりました。
(DMP事業)
DMP事業では、インティメート・マージャー社がデータ活用によりクライアント企業のマーケティング課題を解決する事業を行っております。
当連結会計年度においては、データを活用したデータマーケティングにおける認知度向上及び導入社数の増加を背景に、DMP事業の業績が拡大いたしました。
この結果、DMP事業の売上高は2,188百万円(前連結会計年度比32.9%増)、セグメント利益は128百万円(前連結会計年度比106.8%増)、EBITDAは148百万円(前連結会計年度比61.3%増)となりました。
(その他事業)
その他事業では、国内外のグループにおける新規事業及び経営管理機能の提供をしております。
当連結会計年度においては、海外拠点の拡大に伴う管理体制の強化、IFRS導入等に向けた先行投資を行いました。
この結果、その他事業の売上高は、1,378百万円(前連結会計年度比79.9%増)、セグメント損失は1,116百万円(前連結会計年度はセグメント損失604百万円)、EBITDAは△1,018百万円(前連結会計年度はEBITDA△512百万円)となりました。
財政状態は次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における総資産は24,239百万円となり、前連結会計年度末と比べ8,602百万円増加しました。これは主に、現金及び預金の増加2,515百万円、受取手形及び売掛金の増加1,852百万円、未収入金の増加2,237百万円、新規連結による顧客関連資産の増加1,213百万円、投資有価証券の取得等による増加673百万円によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は18,353百万円となり、前連結会計年度末と比べ7,211百万円増加しました。これは主に、買掛金の増加1,360百万円、未払金の増加3,350百万円、借入金の増加等1,706百万円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は5,885百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,390百万円増加しました。これは主に、第三者割当による増資等による資本金及び資本剰余金の増加3,895百万円の一方で、親会社株主に帰属する当期純損失の計上3,512百万円によるものであります。
企業の安定性を示す自己資本比率は、当連結会計年度末は18.2%であります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より2,515百万円増加し、5,690百万円となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローとそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動においては、主に、税金等調整前当期純損失2,973百万円、未収入金の増加2,201百万円がありましたが、未払金の増加3,555百万円、減損損失1,168百万円、利息及び配当金の受取額1,591百万円により、資金は1,759百万円の流入(前連結会計年度は1,921百万円の資金流出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動においては、主に、投資有価証券の取得1,944百万円、関係会社株式の取得529百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得2,474百万円により、資金は5,352百万円の流出(前連結会計年度は3,157百万円の資金流出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動においては、主に、借入金1,610百万円、株式の発行3,785百万円により、資金は6,130百万円の流入(前連結会計年度は5,062百万円の資金流入)となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
該当事項はありません。
b. 受注実績
該当事項はありません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
DSP事業18,428141.9
DMP事業2,167134.2
その他事業1,113807.7
合計21,709147.2

(注) 1.セグメント間の取引は相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
売上高は、21,709百万円(前連結会計年度比47.2%増)、売上原価は、16,304百万円(前連結会計年度比49.6%増)となりました。増加の主な要因は、海外でのネイティブ広告の成長及び連結子会社の増加(前連結会計年度末比15社増)によるものであり、売上増加に伴い広告枠の買付費用も増加しております。販売費及び一般管理費は、6,676百万円(前連結会計年度比52.4%増)となりました。増加の主な要因は、海外事業での先行投資として人件費が増加したためであります。この結果、営業損失は1,270百万円(前連結会計年度は営業損失532百万円)となりました。
営業外収益は200百万円(前連結会計年度比78.2%減)、営業外費用は427百万円(前連結会計年度比446.0%増)となりました。営業外収益の主な内容は、持分法投資利益が発生したことによるものであります。また、営業外費用の主な内容は、為替差損及び資金調達費用によるものであります。この結果、経常損失は1,497百万円(前連結会計年度は経常利益307百万円)となりました。
EBITDAは△491百万円(前連結会計年度は843百万円)となりました。主な要因は、海外広告事業への先行投資によるものであり、グループ全体での売上・組織の規模の拡大を図ったためであります。
特別利益は95百万円(前連結会計年度は0百万円)、特別損失は1,570百万円(前連結会計年度比708.1%増)となりました。特別損失の主な内容は、減損損失、投資有価証券評価損、関係会社整理損失引当金繰入額の計上によるものであります。
この結果、税金等調整前当期純損失は2,973百万円(前連結会計年度は税金等調整前当期純利益113百万円)となりました。法人税等は、474百万円(前連結会計年度比1,084.6%増)となりました。また、非支配株主に帰属する当期純利益は65百万円(前連結会計年度比37.5%増)となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純損失は3,512百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益25百万円)となりました。
なお、セグメント別には、DSP事業の売上高は18,461百万円(前連結会計年度比42.1%増)、EBITDAは376百万円(前連結会計年度比74.3%減)、DMP事業の売上高は2,188百万円(前連結会計年度比32.9%増)、EBITDAは148百万円(前連結会計年度比61.3%増)、その他事業の売上高は1,378百万円(前連結会計年度比79.9%増)、EBITDAは△1,018百万円(前連結会計年度はEBITDA△512百万円)となりました。これは主として、DSP事業においては、モバイル向けDSPプラットフォーム「Red」が業績を牽引したほか、ネイティブアドプラットフォーム「Poets」の収益が大きく成長し、海外子会社の事業も一部堅調に推移いたしました。一方で、従来DSPとしての取扱額がトップであったメディアとの取引終了、M.T.Burn社の清算手続き決定、一部海外子会社の短期的な収益化の難化などが生じたため、EBITDAベースでの利益は前年と比較して大きく減少いたしました。また、DMP事業においては、データを活用したデータマーケティングにおける認知度向上及び導入者数の増加を背景に、業績が拡大いたしました。さらに、その他事業においては海外拠点の拡大に伴う管理体制の強化、IFRSの導入等に向けた先行投資を行いました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2.事業の状況 2.事業等のリスク」をご参照ください。
④ 資本の財源及び資金の流動性に関する情報
キャッシュフローの分析については、「第2.事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
翌連結会計年度のキャッシュ・フローの見通しにつきましては、営業利益の改善を見込んでいる一方で、関連会社からの配当金の受取額が減少する見込みであることから、営業活動で得られるキャッシュ・フローは、当連結会計年度と比較して減少する見込みであります。また、投資活動により使用するキャッシュ・フロー及び財務活動によるキャッシュ・フローについては、翌連結会計年度は収益化・投資の回収フェイズに入るため大規模な投資を現時点では予定していないこと、投資事業の開始に伴いCVCへの投資有価証券の譲渡が生じることを予定していること等の影響が翌連結会計年度に反映される見込みです。
以上の結果として、翌連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高については、当連結会計年度末と同水準となる見込みです。

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