有価証券報告書-第10期(令和1年10月1日-令和2年9月30日)

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2020/12/23 16:09
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米中の貿易摩擦による不透明感が強まったものの、米欧を中心とした先進国での堅調さにより、当初は落ち着いた成長を維持しておりました。また、当社グループが展開しているアジア諸国においては一人当たりGDPが、依然として緩やかな伸びを続け、マクロの所得水準はプラスの成長が続いておりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の世界的感染拡大が経済活動に急速に影響を及ぼしており、先行きの見通しが難しい状況が続いております。
当社グループの主要な事業領域であるインターネット広告市場においては、2019年のインターネット広告費(注)が2兆1,048億円(前年比19.7%増)と広告費全体の30.3%を占めるまでに拡大しております。そのうち、運用型広告費においては、1兆3,267億円(前年比15.2%増)と高い成長をしております。
このような状況のもと、当連結会計年度において当社グループはコーポレートビジョンである「人に人らしい仕事を」の実現を目指し、以下のような内容となりました。
まず、国内インターネット広告市場においては、新型コロナウイルス感染症による影響で、広告主の予算の低下、物理的な人の移動を前提とするサービスの売上の減少などはあったものの、夏以降は株式会社フリークアウトの主力プロダクトであるモバイルマーケティングプラットフォーム「Red」が比較的順調に推移いたしました。また、ネイティブアドプラットフォーム「Poets」はインターネットメディアのView数増加によって過去最高の単月売上・売上総利益を計上いたしました。
次に、海外においては、新型コロナウイルス感染症の影響がありましたが、米国法人Playwire,LLCが夏以降に急速に再成長し、業績を強く牽引したほか、台湾法人adGeek Marketing Consulting Co.,Ltd.、インドネシア子会社、その他の台湾子会社につきましても順調に収益に貢献しております。また、グローバルアプリ広告事業を営む本田商事社、中国子会社についても、新型コロナウイルス感染症の影響がひと段落して以降も収益貢献を継続するなど、今後に向けて順調に事業を推進しております。
一方で、持分法適用会社では、タクシー内のデジタルサイネージを提供するIRIS社について、新型コロナウイルス感染症の影響で物理的な人の移動が減少した結果として、一時的に赤字となっております。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高24,878百万円(前連結会計年度比14.6%増)、営業利益211百万円(前連結会計年度は営業損失1,270百万円)、経常損失221百万円(前連結会計年度は経常損失1,497百万円)、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額+持分法による投資利益)510百万円(前連結会計年度は△491百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失669百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失3,512百万円)となりました。
(注) 出典:株式会社電通「2019年日本の広告費」2020年3月11日
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
(DSP事業)
DSP事業では、モバイルマーケティングプラットフォーム「Red」、アドプラットフォーム開発・運用支援「Red for Publishers」、ネイティブアドプラットフォーム及びトレーディングデスクの提供を行い、広告主の広告効果最大化及び媒体社の収益最大化に取り組みました。
当連結会計年度においては、全体として新型コロナウイルス感染症による影響が売上・売上総利益の押し下げ要因となったものの、ネイティブアドプラットフォーム「Poets」が順調に業績を牽引したほか、モバイルマーケティングプラットフォーム「Red」についても夏以降は順調に推移するなど業績を下支えしております。
また、海外子会社の事業はPlaywire,LLCが強力に業績を牽引したほか、adGeek Marketing Consulting Co.,Ltd.やグローバルアプリ広告事業を営む本田商事株式会社、中国子会社の黒字化などにより、海外全体として強く収益を牽引いたしました。
一方で、当事業セグメントにおける新型コロナウイルス感染症の影響については、徐々に影響が限定的になってきてはいるものの、物理的な人の移動が前提となるプロダクト、新型コロナウイルス感染症の影響が比較的強い海外の一部拠点における売上・売上総利益の減少が生じております。
この結果、DSP事業の売上高は22,361百万円(前連結会計年度比21.3%増)、セグメント利益は745百万円(前連結会計年度はセグメント損失284百万円)、EBITDAは1,015百万円(前連結会計年度比170.0%増)となりました。
(DMP事業)
DMP事業では、インティメート・マージャー社がデータの活用によりクライアント企業のマーケティングを支援する事業を行っております。
当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症の影響による景気鈍化が、同社の顧客である旅行業界やエンターテインメント業界を中心とする特定業種の広告費抑制の影響を及ぼしておりましたが、2020年6月以降は営業再開をしている顧客からの受注は回復し、顧客数も若干の持ち直しを見せる結果となりました。
この結果、DMP事業の売上高は2,023百万円(前連結会計年度比6.6%減)、セグメント利益は39百万円(前連結会計年度比69.0%減)、EBITDAは43百万円(前連結会計年度比70.7%減)となりました。
(投資事業)
投資事業では、従前より、将来有望なベンチャー企業への投資を行い、一定の成果を上げてまいりましたが、当連結会計年度より、安定的な収益基盤の拡大とそれに伴う企業価値の向上を図るため、投資事業部門を設立し、投資活動を組織的に事業として行うことを決定しております。
当連結会計年度においては、既存の投資先について一部売却を行いました。
この結果、投資事業の売上高は442百万円、セグメント利益は180百万円、EBITDAは175百万円となりました。
(その他事業)
その他事業では、国内外のグループにおける経営管理機能等の提供をしております。
当連結会計年度においては、M&Aによる投資先を中心とする海外拠点の拡大に伴う管理体制の強化、海外子会社からの配当金受領等を実施いたしました。
この結果、その他事業の売上高は50百万円(前連結会計年度比95.5%減)、セグメント損失は159百万円(前連結会計年度はセグメント損失1,116百万円)、EBITDAは△128百万円(前連結会計年度は△1,018百万円)となりました。
財政状態は次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における総資産は24,316百万円となり、前連結会計年度末と比べ77百万円増加しました。これは主に、未収入金が3,186百万円減少したものの、現金及び預金が4,226百万円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は17,959百万円となり、前連結会計年度末と比べ393百万円減少しました。これは主に、転換社債型新株予約権付社債が3,027百万円増加したものの、未払金が3,488百万円減少したことによるものであります。
なお、当連結会計年度末日後である2020年10月5日に期限が到来した第1回転換社債型新株予約権付社債4,500百万円を償還しております。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は6,356百万円となり、前連結会計年度末と比べ470百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失の計上による利益剰余金の減少669百万円の一方で連結子会社の上場に伴う増資等により非支配株主持分が291百万円増加及び2020年6月に実施した資金調達のうち、第10回新株予約権の行使により資本金、資本剰余金がそれぞれ314百万円増加したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より4,226百万円増加し、9,916百万円となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローとそれらの要因は次のとおりです。
なお、当連結会計年度末日後である2020年10月5日に期限が到来した第1回転換社債型新株予約権付社債4,500百万円を償還しております。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動においては、844百万円の流入(前連結会計年度は1,759百万円の流入)となりました。これは主に減価償却費の計上273百万円、貸倒引当金の増加271百万円及び仕入債務の増加267百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動においては、684百万円の流出(前連結会計年度は5,352百万円の流出)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入748百万円があったものの、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出847百万円及び投資有価証券の取得による支出550百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動においては、4,088百万円の流入(前連結会計年度は6,130百万円の流入)となりました。これは主に、第2回及び第3回の新株予約権付社債の発行による収入2,916百万円及び長期借入れによる収入1,396百万円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前連結会計年度比(%)
DSP事業22,361121.3
DMP事業2,02393.4
投資事業442-
その他事業504.5
合計24,878114.6

(注)1.当連結会計年度より、事業セグメントの区分方法を見直し、報告セグメントの区分を「DSP事業」「DMP事業」「投資事業」「その他事業」に変更しております。そのため、「投資事業」については前連結会計年度比の記載は行っておりません。
2.セグメント間の取引は相殺消去しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。 この連結財務諸表の作成にあたり、会計上の見積りは合理的な基準に基づいて行っておりますが、実際の結果は不確実性を伴うため、見積りと異なる場合があります。
会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、特に重要なものは次のとおりです。 なお、新型コロナウイルス感染症の影響の仮定に関する情報は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりです。
イ 営業投資有価証券、投資有価証券の評価
当社グループは、発行体の財政状態・経営成績及び超過収益力の毀損の有無等をもとに、営業投資有価証券、投資有価証券の評価を行い、価値が著しく下落していると判断した場合には、実質価値まで帳簿価額を減額し、当該減少額を売上原価又は特別損失として計上しております。
実質価値の評価にあたっては、決算時点で入手可能な情報に基づき合理的に判断していますが、市場の変化や予測できない前提条件の変化によって個々の投資に関する状況の変化があった場合には、評価額に影響を受ける可能性があります。
ロ のれんの評価
当社グループは、のれんの減損の兆候がある資産または資産グループにつき、将来の収益性が著しく低下した場合には、のれんの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。 のれんにおける回収可能価額の評価の前提条件は、決算日時点で入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、これらの前提条件は長期的な見積りに基づくため、将来の経営環境の変化による収益性の変動や市況の変動により、回収可能性を著しく低下させる変化が見込まれた場合、減損損失の計上が必要となる場合があります。
② 当連結会計年度の財政状態等の状況に関する認識及び分析・検討内容
「第2.事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
③ 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
売上高は、24,878百万円(前連結会計年度比14.6%増)、売上原価は、19,071百万円(前連結会計年度比17.0%増)となりました。増加の主な要因は、前連結会計年度の第3四半期から連結子会社化したPlaywire,LLCの業績の通年寄与及び北米を中心とする成長によるものであり、売上増加に伴い媒体社への支払費用も増加しております。販売費及び一般管理費は、5,595百万円(前連結会計年度比16.2%減)となりました。減少の主な要因は、海外事業での一部不採算拠点からの撤退によるコスト減や前連結会計年度末に減損処理をしたのれんの償却費減などによるものであります。この結果、営業利益は211百万円(前連結会計年度は営業損失1,270百万円)となりました。
営業外収益は90百万円(前連結会計年度比54.9%減)、営業外費用は522百万円(前連結会計年度比22.4%増)となりました。営業外収益の主な内容は、受取利息及び有価証券利息が発生したことによるものであります。また、営業外費用の主な内容は、持分法による投資損失、為替差損、及び資金調達関連費用によるものであります。この結果、経常損失は221百万円(前連結会計年度は経常損失1,497百万円)となりました。
EBITDAは期初予算500百万円を10百万円上回る510百万円(前連結会計年度は△491百万円)となりました。主な要因は、Playwire,LLCの通年寄与及び成長による貢献のほか、販売費及び一般管理費の削減によるものであります。
特別利益は480百万円(前連結会計年比404.5%増)、特別損失は480百万円(前連結会計年度比69.4%減)となりました。特別利益の主な内容は、関係会社株式売却益及び持分変動利益の計上によるものであります。特別損失の主な内容は、減損損失、関係会社整理損失引当金繰入額、貸倒引当金繰入額の計上によるものであります。
この結果、税金等調整前当期純損失は221百万円(前連結会計年度は税金等調整前当期純損失2,973百万円)となりました。法人税等は、219百万円(前連結会計年度比53.6%減)となりました。また、非支配株主に帰属する当期純利益は228百万円(前連結会計年度比247.7%増)となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純損失は669百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失3,512百万円)となりました。
なお、セグメント別には、DSP事業の売上高は22,376百万円(前連結会計年度比21.2%増)、EBITDAは1,015百万円(前連結会計年度比170.0%増)、DMP事業の売上高は2,042百万円(前連結会計年度比6.7%減)、EBITDAは43百万円(前連結会計年度比70.7%減)、投資事業の売上高は442百万円、EBITDAは175百万円、その他事業の売上高は920百万円(前連結会計年度比33.2%減)、EBITDAは△128百万円(前連結会計年度はEBITDA△1,018百万円)となりました。これは主として、DSP事業においては、全体として新型コロナウイルス感染症による影響が売上・売上総利益の押し下げ要因となったものの、ネイティブアドプラットフォーム「Poets」が順調に業績を牽引したほか、モバイルマーケティングプラットフォーム「Red」についても夏以降は順調に推移するなど業績を下支えしており、海外子会社の事業もPlaywire,LLCを中心に堅調に推移したことによるものであります。一方で、当事業セグメントにおける新型コロナウイルス感染症の影響については、徐々に影響が限定的になってきてはいるものの、物理的な人の移動が前提となるプロダクト、新型コロナウイルス感染症の影響が比較的強い海外の一部拠点における売上・売上総利益の減少要因となりました。また、DMP事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響を受けたものの、受注の回復等により若干の持ち直しを見せております。さらに、投資事業においては既存の投資先について一部売却を行いました。加えて、その他事業においてはM&Aによる投資先を中心とする海外拠点の拡大に伴う管理体制の強化、海外子会社からの配当金受領等を実施いたしました。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2.事業の状況 2.事業等のリスク」をご参照ください。
⑤ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源に関する情報
キャッシュ・フローの分析については、「第2.事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
翌連結会計年度のキャッシュ・フローの見通しにつきましては、営業利益水準が当連結会計年度と概ね横ばいで見込んでいることから、営業活動で得られるキャッシュ・フローは、当連結会計年度と比較して横ばいとなる見込みであります。一方で、投資活動により得られるキャッシュ・フローについては、大規模な投資を現時点では予定しておらず、かつ、有価証券の売却等の影響が生じることから、増加する見込みであります。これに対して、財務活動によるキャッシュ・フローについては、大規模な資金調達を現時点では想定していない一方で、2020年10月に第1回新株予約権付社債45億円の償還が生じているため、大きく減少する見込みです。
以上の結果として、翌連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高については、特に財務活動によるキャッシュ・フローの減少を主な理由として、当連結会計年度末と比較して低い水準となる見込みです。

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