有価証券報告書-第11期(令和2年10月1日-令和3年9月30日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、ミッションである「人に人らしい仕事を。」の実現を目指し、日本、北米、東アジア、及び東南アジアを中心に、グローバルに事業を展開しております。
当連結会計年度においても、新型コロナウイルス感染症による当社ビジネスへの影響は引き続き継続しておりますが、東アジア及び東南アジアの一部では大きな影響が生じた一方で、日本及び北米では前年度と比較して大幅にその影響が軽減されました。しかしながら、今後も変異種の発生・流行状況や各国でのワクチン接種状況など、現時点では新型コロナウイルス感染症による影響を正確に予測することは困難であるため、引き続き世界経済の状況を注視してまいります。
このようなマクロ環境のもと、当連結会計年度における当社の経営成績は以下のような内容となりました。
まず、国内の広告・マーケティング事業においては、中核子会社である株式会社フリークアウトにおいて、ネイティブアドプラットフォーム「Poets」が業界全体の不振の影響を受けて苦戦した一方で、中期経営計画のフォーカス領域である「プレミアム媒体支援」事業の一部である、動画・Connected TV領域の事業(Scarlet)が、順調に収益貢献いたしました。
また、上記に加えて、前年度に新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた、位置情報を活用したデジタルマーケティング、デジタルサイネージなどの各事業が売上を回復した結果、国内の広告・マーケティング事業は大きく成長しました。
次に、海外の広告・マーケティング事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響で東南アジアの事業が苦戦した一方で、米国法人Playwire,LLCが対前年比で引き続き大きく成長し、業績を強く牽引いたしました。
さらに、一部投資有価証券の減損を実施した一方で、連結子会社であった株式会社デジタリフトの上場時の株式売出に伴う売却益の計上などで、バランスシートは大幅に改善されています。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高29,499百万円(前年同期比18.6%増)、営業利益1,009百万円(前年同期比377.2%増)、経常利益1,112百万円(前年同期は経常損失221百万円)、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額+持分法による投資利益+株式報酬費用)1,323百万円(前年同期比159.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益580百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失669百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度において、「DMP事業」を構成していた株式会社インティメート・マージャーを連結の範囲から持分法適用の範囲に変更したことにより、「DMP事業」を報告セグメントから除外しております。同社に対する当連結会計年度の持分法による投資損益については「その他事業」に含めて記載しております。
(広告・マーケティング事業)
広告・マーケティング事業では、モバイルマーケティングプラットフォーム「Red」(DSP)、プレミアム媒体を対象とした広告プラットフォーム「Scarlet」(従来の「Red for Publishers」をリブランディング)、ネイティブアドプラットフォーム「Poets」及びトレーディングデスクの提供を行い、広告主の広告効果最大化及び媒体社の収益最大化に取り組みました。
当連結会計年度においては、ネイティブアドプラットフォーム「Poets」が業界全体の不振の影響を受けて苦戦した一方で、中期経営計画のフォーカス領域である「プレミアム媒体支援」事業の一部である、動画・Connected TV領域の事業(Scarlet)が堅調に推移し、それに伴い株式会社フリークアウトの主力プロダクトであるモバイルマーケティングプラットフォーム「Red」についても順調に推移しております。また、上記に加えて、前年度に新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた、位置情報を活用したデジタルマーケティング、デジタルサイネージなどの各事業が売上・EBITDAを回復いたしました。
さらに、海外子会社においてはPlaywire,LLCが引き続き強力に業績を牽引しております。
この結果、広告・マーケティング事業の外部顧客への売上高は28,916百万円(前年同期比29.3%増)、セグメント利益は1,416百万円(前年同期比90.1%増)、EBITDAは1,848百万円(前年同期比82.0%増)となりました。
(投資事業)
投資事業では、Global展開のポテンシャルを有する製品/ソリューションを開発するITベンチャー企業を主たる投資対象として、投資リターンによる企業価値の向上を図るための事業を行っております。
当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症の影響を比較的受けやすい一部の投資先の有価証券について減損を実施した一方で、投資先の有価証券の一部売却を実施いたしました。
この結果、投資事業の外部顧客への売上高は521百万円(前年同期比17.9%増)、セグメント利益は147百万円(前年同期比18.6%減)、EBITDAは124百万円(前年同期比29.1%減)となりました。
(その他事業)
その他事業では、国内外のグループにおける経営管理機能等の提供をしております。
当連結会計年度においては、海外拠点の管理体制の強化、海外子会社からの配当金受領等を実施いたしました。
この結果、その他事業の外部顧客への売上高は61百万円(前年同期比22.1%増)、セグメント利益は266百万円(前年同期はセグメント損失159百万円)、EBITDAは172百万円(前年同期は△128百万円)となりました。
財政状態は次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における総資産は20,534百万円となり、前連結会計年度末と比べ3,781百万円減少しました。これは主に、売上増により受取手形及び売掛金が720百万円、株式会社インティメート・マージャーの連結子会社から持分法適用関連会社への移行などにより投資有価証券が798百万円増加した一方で、1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債の償還等により現金及び預金が3,919百万円、有価証券の一部売却及び減損により営業投資有価証券が327百万円減少したほか、未収入金及びその他の流動資産が726百万円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は12,678百万円となり、前連結会計年度末と比べ5,281百万円減少しました。これは主に、1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債4,500百万円の償還、転換社債型新株予約権付社債1,527百万円の転換、返済による短期借入金の減少574百万円があった一方で、買掛金が813百万円、長期借入金が364百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は7,856百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,499百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が580百万円増加し、転換社債型新株予約権付社債の転換等により資本金及び資本剰余金が1,484百万円増加した一方で、連結子会社の持分法適用関連会社への異動等に伴い非支配株主持分が705百万円減少したものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より3,919百万円減少し、5,996百万円となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローとそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動においては、1,902百万円の流入(前連結会計年度は844百万円の流入)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上1,408百万円及び仕入債務の増加1,065百万円による流入があったものの、売上債権の増加1,192百万円による流出があったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動においては、1,344百万円の流出(前連結会計年度は684百万円の流出)となりました。これは主に、貸付金の回収による収入270百万円があったものの、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出1,112百万円、投資有価証券の取得による支出152百万円、有形固定資産の取得による支出124百万円及び無形固定資産の取得による支出142百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動においては、4,632百万円の流出(前連結会計年度は4,088百万円の流入)となりました。これは主に、社債の償還による支出4,500百万円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.当連結会計年度において、「DMP事業」を構成していた株式会社インティメート・マージャーを連結の範囲から持分法適用の範囲に変更したことにより、「DMP事業」を報告セグメントから除外しております。
2.セグメント間の取引は相殺消去しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
この連結財務諸表の作成にあたり、会計上の見積りは合理的な基準に基づいて行っておりますが、実際の結果は不確実性を伴うため、見積りと異なる場合があります。
会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、特に重要なものは次のとおりです。
イ 営業投資有価証券、投資有価証券の評価
当社グループは、非上場企業に対して投資先企業の将来成長による超過収益力を見込んで、1株当たりの純資産額を基礎とした金額に比べ相当程度高い価額で投資を行っております。このうち、非上場株式の評価にあたっては、当該株式の投資時の超過収益力を反映した実質価額が著しく下落した時に、投資時における投資先企業の事業計画の達成状況等を総合的に勘案して検討しております。
投資先の事業進捗の見通し等と実績に乖離が生じ超過収益力の毀損が認められた場合には、減損処理の実施により連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。
ロ のれんの評価
当社グループは、のれんの減損の兆候がある資産または資産グループにつき、将来の収益性が著しく低下した場合には、のれんの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。
のれんにおける回収可能価額の評価の前提条件は、決算日時点で入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、これらの前提条件は長期的な見積りに基づくため、将来の経営環境の変化による収益性の変動や市況の変動により、回収可能性を著しく低下させる変化が見込まれた場合、減損損失の計上が必要となる場合があります。
② 当連結会計年度の財政状態等の状況に関する認識及び分析・検討内容
「第2.事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
③ 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
売上高は、29,499百万円(前連結会計年度比18.6%増)、売上原価は、22,617百万円(前連結会計年度比18.6%増)となりました。増加の主な要因は、前連結会計年度より引き続きPlaywire,LLCの業績の北米を中心とする成長と国内の広告・マーケティング事業が堅調に推移したことによるものであり、売上増加に伴い媒体社への支払費用も増加しております。販売費及び一般管理費は、5,873百万円(前連結会計年度比5.0%増)となりました。増加の主な要因は、海外の広告・マーケティング事業が好調なことから人件費が増加しているなどによるものであります。この結果、営業利益は1,009百万円(前連結会計年度比377.2%増)となりました。
営業外収益は335百万円(前連結会計年度比271.6%増)、営業外費用は232百万円(前連結会計年度比55.5%減)となりました。営業外収益の主な内容は、為替差益が発生したことによるものであります。また、営業外費用の主な内容は、持分法による投資損失、支払利息、及び資金調達関連費用によるものであります。この結果、経常利益は1,112百万円(前連結会計年度は経常損失221百万円)となりました。
EBITDAは修正予想1,250百万円を73百万円上回る1,323百万円(前連結会計年度比159.1%増)となりました。主な要因は、Playwire,LLCの成長や国内の広告・マーケティング事業の成長による営業利益の増加によるものであります。
特別利益は1,303百万円(前連結会計年度比171.5%増)、特別損失は1,007百万円(前連結会計年度比109.8%増)となりました。特別利益の主な内容は、関係会社株式売却益及び持分変動利益の計上によるものであります。特別損失の主な内容は、投資有価証券評価損、デリバティブ損失、貸倒引当金繰入額の計上によるものであります。
税金等調整前当期純利益は1,408百万円(前連結会計年度は税金等調整前当期純損失221百万円)となりました。法人税等は、473百万円(前連結会計年度比115.5%増)となりました。また、非支配株主に帰属する当期純利益は354百万円(前連結会計年度比54.8%増)となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は580百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失669百万円)となりました。
なお、セグメント別には、広告・マーケティング事業の売上高は28,916百万円(前連結会計年度比29.3%増)、EBITDAは1,848百万円(前連結会計年度比82.0%増)、投資事業の売上高は521百万円(前連結会計年度比17.9%増)、EBITDAは124百万円(前連結会計年度比29.1%減)、その他事業の売上高は61百万円(前連結会計年度比22.1%増)、EBITDAは172百万円(前連結会計年度はEBITDA△128百万円)となりました。これは主として、広告・マーケティング事業においては、全体として新型コロナウイルス感染症による影響が売上・売上総利益の押し下げ要因となったものの、ネイティブアドプラットフォーム「Poets」が順調に業績を牽引したほか、モバイルマーケティングプラットフォーム「Red」についても夏以降は順調に推移するなど業績を下支えしており、海外子会社の事業もPlaywire,LLCを中心に堅調に推移したことによるものであります。一方で、当事業セグメントにおける新型コロナウイルス感染症の影響については、徐々に影響が限定的になってきてはいるものの、物理的な人の移動が前提となるプロダクト、新型コロナウイルス感染症の影響が比較的強い海外の一部拠点における売上・売上総利益の減少要因となりました。また、投資事業においては既存の投資先について一部売却を行いました。さらに、その他事業においてはM&Aによる投資先を中心とする海外拠点の拡大に伴う管理体制の強化、海外子会社からの配当金受領等を実施いたしました。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2.事業の状況 2.事業等のリスク」をご参照ください。
⑤ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源に関する情報
キャッシュ・フローの分析については、「第2.事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
翌連結会計年度のキャッシュ・フローの見通しにつきましては、営業利益水準が当連結会計年度と概ね横ばいで見込んでいることから、営業活動で得られるキャッシュ・フローは、当連結会計年度と比較して横ばいとなる見込みであります。一方で、投資活動により得られるキャッシュ・フローについては、有価証券の取得等を見込んでおります。また、財務活動によるキャッシュ・フローについては、金融機関からの借入による資金調達を行い、借入金の返済に充当する等を見込んでおります。
以上の結果として、翌連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高については、当連結会計年度末と比較して減少する見込みです。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、ミッションである「人に人らしい仕事を。」の実現を目指し、日本、北米、東アジア、及び東南アジアを中心に、グローバルに事業を展開しております。
当連結会計年度においても、新型コロナウイルス感染症による当社ビジネスへの影響は引き続き継続しておりますが、東アジア及び東南アジアの一部では大きな影響が生じた一方で、日本及び北米では前年度と比較して大幅にその影響が軽減されました。しかしながら、今後も変異種の発生・流行状況や各国でのワクチン接種状況など、現時点では新型コロナウイルス感染症による影響を正確に予測することは困難であるため、引き続き世界経済の状況を注視してまいります。
このようなマクロ環境のもと、当連結会計年度における当社の経営成績は以下のような内容となりました。
まず、国内の広告・マーケティング事業においては、中核子会社である株式会社フリークアウトにおいて、ネイティブアドプラットフォーム「Poets」が業界全体の不振の影響を受けて苦戦した一方で、中期経営計画のフォーカス領域である「プレミアム媒体支援」事業の一部である、動画・Connected TV領域の事業(Scarlet)が、順調に収益貢献いたしました。
また、上記に加えて、前年度に新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた、位置情報を活用したデジタルマーケティング、デジタルサイネージなどの各事業が売上を回復した結果、国内の広告・マーケティング事業は大きく成長しました。
次に、海外の広告・マーケティング事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響で東南アジアの事業が苦戦した一方で、米国法人Playwire,LLCが対前年比で引き続き大きく成長し、業績を強く牽引いたしました。
さらに、一部投資有価証券の減損を実施した一方で、連結子会社であった株式会社デジタリフトの上場時の株式売出に伴う売却益の計上などで、バランスシートは大幅に改善されています。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高29,499百万円(前年同期比18.6%増)、営業利益1,009百万円(前年同期比377.2%増)、経常利益1,112百万円(前年同期は経常損失221百万円)、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額+持分法による投資利益+株式報酬費用)1,323百万円(前年同期比159.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益580百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失669百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度において、「DMP事業」を構成していた株式会社インティメート・マージャーを連結の範囲から持分法適用の範囲に変更したことにより、「DMP事業」を報告セグメントから除外しております。同社に対する当連結会計年度の持分法による投資損益については「その他事業」に含めて記載しております。
(広告・マーケティング事業)
広告・マーケティング事業では、モバイルマーケティングプラットフォーム「Red」(DSP)、プレミアム媒体を対象とした広告プラットフォーム「Scarlet」(従来の「Red for Publishers」をリブランディング)、ネイティブアドプラットフォーム「Poets」及びトレーディングデスクの提供を行い、広告主の広告効果最大化及び媒体社の収益最大化に取り組みました。
当連結会計年度においては、ネイティブアドプラットフォーム「Poets」が業界全体の不振の影響を受けて苦戦した一方で、中期経営計画のフォーカス領域である「プレミアム媒体支援」事業の一部である、動画・Connected TV領域の事業(Scarlet)が堅調に推移し、それに伴い株式会社フリークアウトの主力プロダクトであるモバイルマーケティングプラットフォーム「Red」についても順調に推移しております。また、上記に加えて、前年度に新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた、位置情報を活用したデジタルマーケティング、デジタルサイネージなどの各事業が売上・EBITDAを回復いたしました。
さらに、海外子会社においてはPlaywire,LLCが引き続き強力に業績を牽引しております。
この結果、広告・マーケティング事業の外部顧客への売上高は28,916百万円(前年同期比29.3%増)、セグメント利益は1,416百万円(前年同期比90.1%増)、EBITDAは1,848百万円(前年同期比82.0%増)となりました。
(投資事業)
投資事業では、Global展開のポテンシャルを有する製品/ソリューションを開発するITベンチャー企業を主たる投資対象として、投資リターンによる企業価値の向上を図るための事業を行っております。
当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症の影響を比較的受けやすい一部の投資先の有価証券について減損を実施した一方で、投資先の有価証券の一部売却を実施いたしました。
この結果、投資事業の外部顧客への売上高は521百万円(前年同期比17.9%増)、セグメント利益は147百万円(前年同期比18.6%減)、EBITDAは124百万円(前年同期比29.1%減)となりました。
(その他事業)
その他事業では、国内外のグループにおける経営管理機能等の提供をしております。
当連結会計年度においては、海外拠点の管理体制の強化、海外子会社からの配当金受領等を実施いたしました。
この結果、その他事業の外部顧客への売上高は61百万円(前年同期比22.1%増)、セグメント利益は266百万円(前年同期はセグメント損失159百万円)、EBITDAは172百万円(前年同期は△128百万円)となりました。
財政状態は次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における総資産は20,534百万円となり、前連結会計年度末と比べ3,781百万円減少しました。これは主に、売上増により受取手形及び売掛金が720百万円、株式会社インティメート・マージャーの連結子会社から持分法適用関連会社への移行などにより投資有価証券が798百万円増加した一方で、1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債の償還等により現金及び預金が3,919百万円、有価証券の一部売却及び減損により営業投資有価証券が327百万円減少したほか、未収入金及びその他の流動資産が726百万円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は12,678百万円となり、前連結会計年度末と比べ5,281百万円減少しました。これは主に、1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債4,500百万円の償還、転換社債型新株予約権付社債1,527百万円の転換、返済による短期借入金の減少574百万円があった一方で、買掛金が813百万円、長期借入金が364百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は7,856百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,499百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が580百万円増加し、転換社債型新株予約権付社債の転換等により資本金及び資本剰余金が1,484百万円増加した一方で、連結子会社の持分法適用関連会社への異動等に伴い非支配株主持分が705百万円減少したものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より3,919百万円減少し、5,996百万円となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローとそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動においては、1,902百万円の流入(前連結会計年度は844百万円の流入)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上1,408百万円及び仕入債務の増加1,065百万円による流入があったものの、売上債権の増加1,192百万円による流出があったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動においては、1,344百万円の流出(前連結会計年度は684百万円の流出)となりました。これは主に、貸付金の回収による収入270百万円があったものの、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出1,112百万円、投資有価証券の取得による支出152百万円、有形固定資産の取得による支出124百万円及び無形固定資産の取得による支出142百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動においては、4,632百万円の流出(前連結会計年度は4,088百万円の流入)となりました。これは主に、社債の償還による支出4,500百万円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前連結会計年度比(%) |
| 広告・マーケティング事業 | 28,916 | 129.3 |
| 投資事業 | 521 | 117.9 |
| その他事業 | 61 | 122.1 |
| 合計 | 29,499 | 118.6 |
(注)1.当連結会計年度において、「DMP事業」を構成していた株式会社インティメート・マージャーを連結の範囲から持分法適用の範囲に変更したことにより、「DMP事業」を報告セグメントから除外しております。
2.セグメント間の取引は相殺消去しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
この連結財務諸表の作成にあたり、会計上の見積りは合理的な基準に基づいて行っておりますが、実際の結果は不確実性を伴うため、見積りと異なる場合があります。
会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、特に重要なものは次のとおりです。
イ 営業投資有価証券、投資有価証券の評価
当社グループは、非上場企業に対して投資先企業の将来成長による超過収益力を見込んで、1株当たりの純資産額を基礎とした金額に比べ相当程度高い価額で投資を行っております。このうち、非上場株式の評価にあたっては、当該株式の投資時の超過収益力を反映した実質価額が著しく下落した時に、投資時における投資先企業の事業計画の達成状況等を総合的に勘案して検討しております。
投資先の事業進捗の見通し等と実績に乖離が生じ超過収益力の毀損が認められた場合には、減損処理の実施により連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。
ロ のれんの評価
当社グループは、のれんの減損の兆候がある資産または資産グループにつき、将来の収益性が著しく低下した場合には、のれんの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。
のれんにおける回収可能価額の評価の前提条件は、決算日時点で入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、これらの前提条件は長期的な見積りに基づくため、将来の経営環境の変化による収益性の変動や市況の変動により、回収可能性を著しく低下させる変化が見込まれた場合、減損損失の計上が必要となる場合があります。
② 当連結会計年度の財政状態等の状況に関する認識及び分析・検討内容
「第2.事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
③ 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
売上高は、29,499百万円(前連結会計年度比18.6%増)、売上原価は、22,617百万円(前連結会計年度比18.6%増)となりました。増加の主な要因は、前連結会計年度より引き続きPlaywire,LLCの業績の北米を中心とする成長と国内の広告・マーケティング事業が堅調に推移したことによるものであり、売上増加に伴い媒体社への支払費用も増加しております。販売費及び一般管理費は、5,873百万円(前連結会計年度比5.0%増)となりました。増加の主な要因は、海外の広告・マーケティング事業が好調なことから人件費が増加しているなどによるものであります。この結果、営業利益は1,009百万円(前連結会計年度比377.2%増)となりました。
営業外収益は335百万円(前連結会計年度比271.6%増)、営業外費用は232百万円(前連結会計年度比55.5%減)となりました。営業外収益の主な内容は、為替差益が発生したことによるものであります。また、営業外費用の主な内容は、持分法による投資損失、支払利息、及び資金調達関連費用によるものであります。この結果、経常利益は1,112百万円(前連結会計年度は経常損失221百万円)となりました。
EBITDAは修正予想1,250百万円を73百万円上回る1,323百万円(前連結会計年度比159.1%増)となりました。主な要因は、Playwire,LLCの成長や国内の広告・マーケティング事業の成長による営業利益の増加によるものであります。
特別利益は1,303百万円(前連結会計年度比171.5%増)、特別損失は1,007百万円(前連結会計年度比109.8%増)となりました。特別利益の主な内容は、関係会社株式売却益及び持分変動利益の計上によるものであります。特別損失の主な内容は、投資有価証券評価損、デリバティブ損失、貸倒引当金繰入額の計上によるものであります。
税金等調整前当期純利益は1,408百万円(前連結会計年度は税金等調整前当期純損失221百万円)となりました。法人税等は、473百万円(前連結会計年度比115.5%増)となりました。また、非支配株主に帰属する当期純利益は354百万円(前連結会計年度比54.8%増)となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は580百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失669百万円)となりました。
なお、セグメント別には、広告・マーケティング事業の売上高は28,916百万円(前連結会計年度比29.3%増)、EBITDAは1,848百万円(前連結会計年度比82.0%増)、投資事業の売上高は521百万円(前連結会計年度比17.9%増)、EBITDAは124百万円(前連結会計年度比29.1%減)、その他事業の売上高は61百万円(前連結会計年度比22.1%増)、EBITDAは172百万円(前連結会計年度はEBITDA△128百万円)となりました。これは主として、広告・マーケティング事業においては、全体として新型コロナウイルス感染症による影響が売上・売上総利益の押し下げ要因となったものの、ネイティブアドプラットフォーム「Poets」が順調に業績を牽引したほか、モバイルマーケティングプラットフォーム「Red」についても夏以降は順調に推移するなど業績を下支えしており、海外子会社の事業もPlaywire,LLCを中心に堅調に推移したことによるものであります。一方で、当事業セグメントにおける新型コロナウイルス感染症の影響については、徐々に影響が限定的になってきてはいるものの、物理的な人の移動が前提となるプロダクト、新型コロナウイルス感染症の影響が比較的強い海外の一部拠点における売上・売上総利益の減少要因となりました。また、投資事業においては既存の投資先について一部売却を行いました。さらに、その他事業においてはM&Aによる投資先を中心とする海外拠点の拡大に伴う管理体制の強化、海外子会社からの配当金受領等を実施いたしました。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2.事業の状況 2.事業等のリスク」をご参照ください。
⑤ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源に関する情報
キャッシュ・フローの分析については、「第2.事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
翌連結会計年度のキャッシュ・フローの見通しにつきましては、営業利益水準が当連結会計年度と概ね横ばいで見込んでいることから、営業活動で得られるキャッシュ・フローは、当連結会計年度と比較して横ばいとなる見込みであります。一方で、投資活動により得られるキャッシュ・フローについては、有価証券の取得等を見込んでおります。また、財務活動によるキャッシュ・フローについては、金融機関からの借入による資金調達を行い、借入金の返済に充当する等を見込んでおります。
以上の結果として、翌連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高については、当連結会計年度末と比較して減少する見込みです。