有価証券報告書-第65期(平成25年10月1日-平成26年9月30日)

【提出】
2014/12/19 15:37
【資料】
PDFをみる
【項目】
118項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、収益及び費用、損失並びに資産、負債等の額の算定に際して様々な見積り及び判断が行われており、その時点で最も合理的と考えられる基準に基づいて実施しておりますが、実際の結果は見積りに内在する不確実性があるため、これらの見積りと異なることがあります。
(2) 財政状態の分析
① 資産の部
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ247億8百万円増加し、1,247億50百万円となりました。その内訳は、流動資産の増加118億19百万円及び固定資産の増加128億88百万円であります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は、870億10百万円となり、前連結会計年度末に比べ118億19百万円増加しました。主な内容は、現金及び現金同等物の増加65億57百万円、売上債権の増加16億27百万円並びにたな卸資産の増加21億93百万円によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は、377億40百万円となり、前連結会計年度末に比べ128億88百万円増加しました。主な内容は、設備投資、マルホ発條工業㈱の新規連結、事業譲受及び販売権の取得等に伴う有形固定資産の増加68億10百万円及び無形固定資産の増加54億25百万円によるものであります。
② 負債の部
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ148億87百万円増加し、308億72百万円となりました。その内訳は、流動負債の増加45億85百万円及び固定負債の増加103億1百万円によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は、186億38百万円となり、前連結会計年度末に比べ45億85百万円増加しました。主な内容は、事業譲受に伴う短期借入金の増加29億51百万円によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は、122億33百万円となり、前連結会計年度末に比べ103億1百万円増加しました。主な内容は、当社が第1回無担保普通社債を発行したことに伴う社債の増加100億円によるものであります。
③ 純資産の部
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ、98億20百万円増加し、938億78百万円となりました。主な内容は、利益剰余金の増加34億10百万円及びマルホ発條工業㈱を新規連結したことによる少数株主持分の増加56億40百万円によるものであります。
以上の結果、自己資本比率は、70.7%となりました。
(3) 経営成績の分析
当連結会計年度における売上高は、693億67百万円(対前年同期比7.8%増)、営業利益は62億56百万円(対前年同期比42.4%減)、経常利益は、62億2百万円(対前年同期比44.2%減)、当期純利益は36億39百万円(対前年同期比49.0%減)となりました。
① 医薬品事業
医薬品事業における売上高は633億43百万円(対前年同期比0.4%増)となりました。これは、主に血行促進・ 皮膚保湿剤「ヒルドイド」、抗ヘルペスウイルス剤「ファムビル」及び尋常性乾癬等 角化症治療剤「オキサロール」の売上によるものであります。
売上原価は207億46百万円(対前年同期比2.4%増)、販売費及び一般管理費は370億29百万円(対前年同期比15.6%増)となったため、セグメント利益は55億67百万円(対前年同期比48.5%減)となりました。なお、販売費及び一般管理費の内訳は、販売費124億96百万円(対前年同期比2.2%増)、一般管理費(研究開発費を除く)61億51百万円(対前年同期比24.6%増)及び研究開発費183億81百万円(対前年同期比23.6%増)であります。
② その他の事業
その他の事業における売上高は60億73百万円となりました。これは、主として当連結会計年度において連結子会社となりましたマルホ発條工業㈱のばね・包装機事業が寄与したことによるものであります。
売上原価は45億64百万円、販売費及び一般管理費は8億20百万円となったため、セグメント利益は6億88百万円となりました。
営業外損益は、持分法による投資損失1億77百万円などを計上したことにより、54百万円の損失となりました。
特別損益は、マルホ発條工業㈱を株式の追加取得等により連結子会社としたことに伴い、負ののれん発生益16億67百万円及び段階取得に係る差損9億49百万円などを計上したことにより、6億62百万円の利益となりました。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ65億57百万円増加し、476億75百万円となりました。現金及び現金同等物の増加の内訳は、営業活動により得られたキャッシュ・フロー46億41百万円、投資活動により使用したキャッシュ・フロー89億80百万円及び財務活動により得られたキャッシュ・フロー106億87百万円であります。
営業活動により得られたキャッシュ・フローは、46億41百万円と前年同期に比べ7億42百万円の減少となりました。これは、法人税等の支払額が42億20百万円と前年同期に比べ13億71百万円減少したこと並びに運転資本(売上債権、たな卸資産及び仕入債務)の増加額が11億95百万円と前年同期に比べ10億14百万円減少した一方で、税金等調整前当期純利益が68億64百万円と前年同期に比べ41億39百万円減少したことによるものであります。
投資活動により使用したキャッシュ・フロー89億80百万円の主な内容は、生産設備等の有形固定資産の取得による支出43億88百万円、販売権等の無形固定資産の取得による支出56億22百万円、Biofrontera AG株式の追加取得等による支出14億30百万円、平成24年2月に買収したCutanea Life Sciences, Inc.の条件付取得対価の支払額8億16百万円、連結の範囲の変更を伴うマルホ発條工業㈱株式の取得による収入34億49百万円及び事業譲受による支出5億64百万円であります。
財務活動により得られたキャッシュ・フロー106億87百万円の主な内容は、社債の発行による収入100億円であります。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える主な要因は、以下のとおりであります。
① 主力製品の動向
医療用医薬品である血行促進・皮膚保湿剤「ヒルドイド」は、当社グループの連結売上高の5割を超える主力製品となっております。「ヒルドイド」に関して他の有力な競合品の出現や後発医薬品の伸長、その他の事情により売上高が減少した場合には、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
② 医薬品行政の動向
定期的な薬価基準の引き下げ、医療保険制度の改革や後発医薬品の使用促進等による薬剤費抑制策の動向により、 当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
(6) 経営者の問題意識と今後の方針について
医薬品業界においては、薬価基準の引き下げや後発医薬品のさらなる使用促進策をはじめとした薬剤費抑制の傾向が一層強まっており、当社グループを取り巻く経営環境はさらに厳しさを増すことが予想されます。
その中で、重要課題を、「アンメット・メディカル・ニーズを充足させるための積極的な自社創薬や開発導入」「グローバル基準の品質確保と安定供給」「医療関係者により一層信頼される質の高い情報提供活動」「早期の化粧品事業の基盤確立」「事業ステージに応じた米国・欧州での事業展開」「次世代人材の輩出と人事制度の刷新」とし、持続的競争優位の確立を目指した収益力の強化や戦略機能の強化を推進してまいります。また、さらなる企業価値の向上を図るためにコーポレート・ガバナンスの強化、コンプライアンスの徹底、内部統制システムの整備に引き続き努めてまいります。