有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2014/08/20 15:01
【資料】
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【項目】
81項目

業績等の概要

(1)業績
当事業年度(自 平成25年4月1日 至 平成26年3月31日)
当事業年度におけるわが国経済は、政府主導による経済政策や、日本銀行の金融緩和策等により、大企業を中心に企業業績も回復の期待が高まるところとなりました。
このような状況の中で、当社は、創薬事業として取り組んでいるそれぞれのプロジェクトの開発段階を先に進めることに経営資源を重点投下し、さらにこれらの成果をベースとしたライセンス活動や新規共同研究の開拓を行ってまいりました。
事業面では、自社創薬の最注力品である開発プロジェクトRBM004(抗NGFアプタマー)について、藤本製薬株式会社との間で、当事業年度において独占的な交渉及び評価に関する契約を締結して交渉を進めた結果、平成26年4月30日に資本参加を伴う形でのライセンス契約の締結を完了いたしました。
研究開発面では、平成23年度から平成26年2月までNEDOの研究費助成を受けてきた自社創薬テーマについて特に積極的な研究開発活動を行い、その成果の一つとしてRBM006及びRBM007のプロジェクトに関し、それぞれ特許出願を行うことができました。
共同研究に関しては、大塚製薬株式会社と進めてきた複数のプロジェクトの中で、血液疾患を対象としたRBM002及び線維症を対象としたRBM003の契約は平成26年12月まで延長されました。また、免疫・炎症性疾患を対象とするRBM001についても、平成26年6月まで契約が延長され、現在、今後の開発方針を検討しております。
さらに 、新規の共同研究として、平成26年3月に大正製薬株式会社との間で、3年間の共同研究契約を締結し共同研究を開始いたしました。本共同研究により、当社のアプタマー創薬技術に関するプラットフォームである「RiboARTシステム」と、大正製薬株式会社の臨床開発までを含めた総合的な創薬技術力を結合して、新薬候補品の早期の臨床導入、開発を目指してまいります。
また 、アプタマー創薬の基礎となるRNA医科学の発展と関連する科学技術の振興を図るため、東京大学医科学研究所に平成24年4月に開設した社会連携講座(「RNA医科学」社会連携研究部門)との連携のもと、技術開発を推進してまいりました。
これらの結果、当事業年度の事業収益は、151百万円(前年同期比10.3%の減少)、研究開発費は418百万円(前年同期比0.6%の減少)、販売費及び一般管理費は146百万円(前年同期比7.2%の減少)を計上した結果、営業損失は414百万円(前年同期の営業損失は411百万円)となり、NEDOからの助成金収入176百万円(前年同期の助成金収入は92百万円)、共同研究先からの受取研究開発費26百万円(前年同期の受取研究開発費は28百万円)等の営業外損益を加え、経常損失は210百万円(前年同期の経常損失は275百万円)、当期純損失は211百万円(前年同期の当期純損失は276百万円)となりました。
当社は、創薬事業及びこれに付随する事業を行う単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
当第1四半期累計期間(自 平成26年4月1日 至 平成26年6月30日)
当第1四半期累計期間におけるわが国経済は、平成26年4月の消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動による影響も見られましたが、この反動も和らぎつつあるとともに、継続的な政府主導による経済政策や、日本銀行の金融緩和政策等により、景気は緩やかな回復基調が続いています。
このような状況の中で、当社は自ら構築した、アプタマー創薬に関する総合的な技術や知識、経験、ノウハウ等からなる、創薬技術「RiboARTシステム」を活用して、各パイプラインの研究開発段階を進め、これらの成果をベースとしたライセンス活動や、新規の共同研究の開拓を行ってまいりました。
事業面では、自社創薬の最注力品である開発プロジェクトRBM004(抗NGFアプタマー)について、藤本製薬株式会社との間で、前事業年度より継続して独占的な交渉及び評価に関する契約を締結して交渉を進めた結果、平成26年4月30日に資本参加を伴う形でのライセンス契約の締結を完了いたしました。POCを確認するまでは当社も積極的に開発をサポートして新薬の実現に貢献すると同時に、臨床開発に関する経験や知識の蓄積に役立てる予定です。
自社創薬では、特に骨疾患等を対象としたRBM007で新たな薬効を示す動物試験のデータが得られ、ライセンス・アウトに向けた活動を精力的に進めております。
共同研究では、大塚製薬株式会社と進めてきた免疫・炎症性疾患を対象とするRBM001について、平成27年6月30日までの契約期間の延長が合意され、今後の開発方針の検討を進めております。同社との血液疾患を対象としたRBM002及び線維症を対象としたRBM003に係る共同研究も引き続き実施しております。さらに、平成26年3月より開始した大正製薬株式会社との共同研究も順調に推移しております。
また、アプタマー創薬の基礎となるRNA医科学の発展と関連する科学技術の振興を図るため、東京大学医科学研究所に平成24年4月に開設した社会連携講座(「RNA医科学」社会連携研究部門)との連携のもと、技術開発を推進してまいりました。
これらの結果、当第1四半期累計期間において、事業収益は321百万円、研究開発費は77百万円、販売費及び一般管理費39百万円を計上し、経常利益208百万円、四半期純利益は196百万円となりました。
なお、当社は創薬事業及びこれに付随する事業を行う単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(2)キャッシュ・フロー
当事業年度(自 平成25年4月1日 至 平成26年3月31日)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比較し97百万円減少し、330百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は162百万円(前事業年度は153百万円の支出)となりました。主な資金増加要因は、共同研究収入に係る前受金の増加99百万円がありました。一方で主な資金減少要因として、税引前当期純損失210百万円、共同研究収入に係る売上債権の増加49百万円、及び受取研究開発費に係る未収入金の増加15百万円がありました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は63百万円(前事業年度は104百万円の支出)となりました。これは定期預金の払戻による収入100百万円があった一方で、研究開発に係る有形固定資産の取得による支出36百万円を行ったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は1百万円(前事業年度については、財務活動の結果得られた資金及び使用した資金はともにありません)となりました。これは、新株予約権の行使に伴う株式の発行による収入1百万円があったことによるものです。