四半期報告書-第15期第3四半期(平成29年10月1日-平成29年12月31日)

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2018/02/14 16:22
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有報資料

文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
(1)業績の状況
当社は、抗体に継ぐ次世代新薬として期待されているアプタマー医薬の創製に特化したバイオベンチャーです。当社は、自社開発のアプタマー創製に関する総合的な技術や知識、経験、ノウハウ等からなる創薬プラットフォームである「RiboARTシステム」を活用して、革新的なアプタマー医薬の研究開発(「アプタマー創薬」)を行っております。
当社では、当事業年度における重点的な経営目標を「自社での臨床Proof of Concept※1の獲得に向けた開発」、「各創薬プロジェクトの開発ステージのアップ」、「製薬企業との新規アライアンスの締結」とし、それらの実現に向けた取り組みを進めております。
それぞれの経営課題に対する当第3四半期累計期間の具体的な進捗を以下に要約します。
※1 臨床Proof of Concept(臨床POC):新薬の開発段階において、投与薬剤がヒトでの臨床試験において意図した薬効と安全性を有することが示されること。
自社での臨床Proof of Concept (臨床POC)獲得までの開発に向けた取り組み・RBM-007の開発について

(イ)RBM-007(抗FGF2アプタマー)による臨床開発の狙い
当社では、自社で創製したRBM-007(FGF2に結合し、その作用を阻害するアプタマー)を、自社での臨床開発のテーマに選び、第3四半期累計期間において、臨床試験開始に向けた準備を、精力的かつ着実に進めました。
線維芽細胞増殖因子2(Fibroblast Growth Factor 2、FGF2)は、40数年前に発見されたタンパク質です。FGF2はヒトでは22種類の類縁タンパク質からなるFGFファミリーの一員で、FGF2の生理作用として血管新生作用があることや、FGF2を過剰に生体内で発現させたマウスにおいて、体長が短縮することが報告されていました。しかしながら、FGF2がヒトと動物で高度に保存されている事実などにより、抗体を含め優れた阻害剤の創製は極めて困難でした。そうした中、当社では、独自のアプタマー創薬技術により、過年度においてFGF2を特異的に阻害するアプタマー「RBM-007」の創製に成功いたしました。
開発の対象疾患としては、上述のようなFGF2の生理作用に鑑みて加齢黄斑変性症と軟骨無形成症を選択いたしました。すなわち、FGF2を阻害するRBM-007の投与により、網膜組織で新たに血管を作り出すFGF2の作用を抑制することができれば、主要な失明原因である加齢黄斑変性症の治療薬になり得る、更には、四肢短縮の希少疾患である軟骨無形成症においてFGF2が軟骨形成に及ぼす作用を抑制することができれば、軟骨無形成症の治療薬になり得ると考え、開発を進めました。
この結果、加齢黄斑変性症と軟骨無形成症のいずれの疾患モデル動物においても過年度においてRBM-007の有効性を実証し、RBM-007は両疾患に対する新規治療薬になる可能性があることを明らかにしております(非臨床POC獲得※2)。
なお、現在、臨床ステージにあるFGF2阻害剤の報告はなく、RBM-007を用いた医薬品の開発が成功すれば、加齢黄斑変性症及び軟骨無形成症の患者へ既存薬とは異なる作用メカニズムの新薬を提供することができます。また臨床POCが獲得されれば、新薬候補品としてのRBM-007の価値が高まり、ライセンス収益の拡大及び将来に向けた発展に寄与するものと考えております。
※2 非臨床Proof of Concept(非臨床POC):ヒトでの臨床試験に入る前に、病態モデル動物での薬効確認試験において、投与薬剤が意図した薬効を有することが示されること。
(ロ) 開発スケジュール
a)加齢黄斑変性症
米国で臨床開発を実施するため、米国食品医薬品局(米国FDA)への治験計画届出(IND申請)に向けて開発を進めております。GLP適合非臨床安全性・毒性試験の実施、及び治験用製剤(「治験薬」)の検討及びその製造を当事業年度の重点目標として取り組み、開発は順調に推移しております。また平成30年1月26日(日本時間)にはFDAとIND申請に向けたPre-INDミーティングを実施いたしました。本会議では、当社が事前に提出したPre-IND Briefing Package(IND申請資料に準ずる資料)において示した各種データや臨床試験の方針に関して、FDAより特段の問題点は指摘されず、さらに臨床試験に向けた有益な助言も得ることが出来ました。当社は平成31年3月期の第1四半期中にIND申請を実施する計画とし、臨床試験開始に向けた準備を進めてまいります。
b)軟骨無形成症
平成31年3月期中における独立行政法人・医薬品医療機器総合機構(PMDA)への治験計画届出を目標として開発を進めております。国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の補助を受け、GLP適合非臨床安全性・毒性試験の実施、治験薬の検討及びその製造を当事業年度の重点目標として取り組み、開発は順調に推移しております。
RBM-007による軟骨無形成症に対する疾患モデル動物での有効性を前事業年度において既に実証しておりますが、チェコ共和国 Masaryk 大学において詳細な検討を加えております。また、ヒトでの効果の裏付けとなるデータを取得すべく、軟骨無形成症患者由来のiPS細胞を用いた実験を大阪大学医学部附属病院との共同研究として継続して実施し、良好な成績を得ております。
(ハ) 推進体制
当社では、事業開発部と臨床開発部を中心に外部機関の協力も得て、治験実施に向けた研究開発の推進と、治験実施体制の構築を進めております。この一環として、平成29年5月に網膜及び硝子体の疾患に関するキー・オピニオン・リーダーであり、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)メディカルセンター眼科の医師であるRobert B. Bhisitkul教授と、メディカルエキスパートの委嘱に関する契約(Medical Expert Agreement)を締結いたしました。同教授より本契約に基づき加齢黄斑変性症に関する米国での臨床試験に関して、メディカルエキスパートの立場から、臨床試験計画の策定、試験実施に際しての各種調整、試験結果の評価等の業務を実施していただいております。更に、米国での臨床開発を推進する拠点としてRIBOMIC USA Inc.を平成29年8月に設立し、新薬開発経験が豊富なYusuf Ali氏が同社のCEOに着任いたしました。Yusuf Ali氏が主導する形で、Robert B. Bhisitkul教授を含めた3名の眼科専門医による科学諮問委員会も設置され、将来的なRBM-007のライセンス・アウトを見据えた臨床試験計画の策定や、米国FDAへの治験計画届出に向けた準備を迅速に進めております。
また、平成29年5月には、軟骨無形成症治療薬としての臨床試験の実施に向けて、大阪大学医学部附属病院小児科の臨床医で、小児における骨系統疾患の専門医である大薗恵一教授と、医学専門家の委嘱に関する契約を締結し、各種助言等を行っていただいております。
今後においても当初の計画通りRBM-007の開発を進めるべく推進体制の整備を図ってまいります。
(ニ) 開発コスト
加齢黄斑変性症並びに軟骨無形成症の治験計画届出までの費用、及び両疾患の臨床開発費に対応する費用としては、平成29年6月8日に発行決議を行った第12回新株予約権及び第13回新株予約権による調達資金を充当する予定でおります。今後、米国FDA等の規制当局や専門医らとの臨床プロトコール(実施計画)についての協議、また当社での開発方針に関する検討の過程で、さらに資金が必要と見込まれた場合には、追加の資金調達、公的資金の導入、新規パートナー企業との共同開発等により対応してまいります。
(ホ)その他
RBM-007は、加齢黄斑変性症や軟骨無形成症に限らず、FGF2の発現亢進による各種疾患に対して有効な治療薬となる可能性を秘めており、それらを検証すべく、その他の専門医との共同研究も進めております。
各創薬プロジェクトの開発ステージのアップに向けた取り組み

当社は共同研究と自社創薬による革新的なアプタマー医薬の開発に取り組んでおり、主要なプロジェクトの進捗状況は下記のとおりです。
(イ) 大塚製薬株式会社との共同研究
大塚製薬株式会社と平成28年12月末日まで、RBM001(抗Midkineアプタマー)に関する共同研究を実施いたしました。本共同研究での成果については、平成29年5月に大塚製薬株式会社において開発・商業化することを目的としたライセンス契約を締結し、同社において開発が進められております。
(ロ) 大正製薬株式会社との共同研究
同社が選択したアプタマー創薬テーマについて、3年間の共同研究を平成26年3月より開始し、平成29年3月に、本共同研究の1年間の延長契約が締結され、共同研究が進行しております。
(ハ) アステラス製薬株式会社との共同研究
同社が選択したアプタマー創薬テーマについての共同研究を平成29年3月より開始しております。
(ニ) その他の自社創薬プロジェクト
その他の自社創薬プロジェクトとして、RBM003(抗キマーゼアプタマー、心不全等)、RBM006(抗ATXアプタマー、肺線維症等)、RBM005(抗HMGB1アプタマー、敗血症等)、RBM008(抗ペリオスチンアプタマー、糖尿病性網膜症等)、及びRBM002(抗TSP-1アプタマー、血小板減少症等)について、ライセンス・アウト、また開発ステージアップに向けたデータを蓄積しております。
なお、当第3四半期累計期間においてとりわけ顕著な進捗があり、現在、当社として開発に注力しているのは、RBM003です。本プロジェクトはキマーゼの病態生理を専門とする大阪医科大学の高井真司教授との共同研究において各種試験を実施しております。過年度中に心不全の動物モデルである、ハムスターを用いた冠動脈結紮による心筋梗塞急性期モデルにおいて、本アプタマーによる顕著な心機能改善効果を確認しており(非臨床POC確認)、当第3四半期累計期間中には、さらに心筋梗塞発生後の本アプタマーの治療効果を示すデータの取得に成功するとともに、臨床開発候補品の物質特許の出願を完了いたしました。
また、既にライセンス・アウトしているRBM004(抗NGFアプタマー)については、ライセンス・アウト先である藤本製薬株式会社において開発が進められております。
当社には、基礎・探索研究の段階にあり、現段階で開発コード番号を付与されていないものの、細胞試験で効果を示すアプタマーも複数有しており、早期に開発候補品を特定し、開発コード番号を付与すべく積極的に研究開発を進めております。
(ホ) 新規技術開発・プロジェクト
当社は、アプタマー創薬の迅速化、効率化を進めるため、新たな技術を「RiboARTシステム」に取り入れ、技術力の向上に努めております。
この取り組みの一環として、コンピュータ科学を応用したアプタマー創製プロセスにおける新技術の開発、また従来の医薬品ではターゲットとすることが難しかった、細胞膜7回貫通型のGPCR(Gタンパク質共役受容体)タンパク質に結合するアプタマーを創製する基盤技術の確立等に、アカデミアと連携し取り組んでおります。特に後者についてはAMEDの創薬基盤推進研究事業として助成を得て進めております。
さらに、アプタマー創薬の新規技術の開発に向けて、当第3四半期累計期間中に糖質科学のプロフェッショナルである生化学工業株式会社と共同研究契約を締結いたしました。本共同研究契約では、当社が知る限り世界初の取り組みとして、糖質科学を利用したアプタマー医薬品の活性、安定性や安全性を向上させる新技術を開発してまいります。
また、当社が創製したRBM101(抗体等精製用IgGアプタマー)に関し、抗体精製のプロフェッショナルである株式会社イーベックとの共同研究契約のもとで、前事業年度において既存技術では活性を失ってしまう抗体の精製に成功し、更なるデータ蓄積を行っております。
製薬企業との新規アライアンスの締結に向けた取り組み

当社は、継続的かつ安定的な収益の実現のために、製薬企業との新規アライアンスに向けた活動を進めております。具体的には、国内外の製薬会社との新規共同研究(製薬会社が指定する新規ターゲットに対するアプタマーの創製)や、共同開発及びライセンス・アウトの実現に向けた活動を進めております(重点対象テーマはRBM003、RBM-007及びRBM101)。また当第3四半期累計期間には米国にRIBOMIC USA Inc.を設立し、同社によるアライアンス活動も加速しております。
なお、創薬パイプラインのうち、前臨床試験に進んでいる主要なプロジェクトは以下のとおりです。
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・新規用途開発
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これらの結果、当第3四半期累計期間において、製薬企業とのアプタマー創薬実施による事業収益は50百万円(前年同四半期比33.0%減)、事業費用として研究開発費は343百万円、販売費及び一般管理費は219百万円計上し、営業損失は512百万円(前年同四半期は営業損失477百万円)となりました。
また、経常損失は517百万円(前年同四半期は経常損失463百万円)、四半期純損失は518百万円(前年同四半期は四半期純損失450百万円)となりました。
なお、当社は創薬事業及びこれに付随する事業を行う単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(2)財政の状況
① 資産の部
当第3四半期会計期間末における総資産は、前事業年度末に比べて326百万円減少し、2,169百万円となりました。これは、研究開発に係る前渡金を含む流動資産のその他が94百万円、平成29年8月に設立したRIBOMIC USA Inc.の株式を取得したこと等により投資その他の資産が25百万円増加した一方で、研究開発への投資を行ったこと等により現金及び預金が454百万円減少したこと等によるものです。なお、当第3四半期会計期間末において保有している有価証券は、保有する資金を、研究開発への充当時期まで、適切な格付けを得た安全性の高い金融商品で運用することを目的としたものです。
② 負債の部
当第3四半期会計期間末における負債は、前事業年度末に比べて104百万円増加し、161百万円となりました。これは、未払法人税等が6百万円減少した一方で、共同研究に係る前受金が15百万円、AMEDからの補助金を含む流動負債のその他が79百万円増加したこと等によるものです。
③ 純資産の部
当第3四半期会計期間末における純資産は、前事業年度末に比べて430百万円減少し、2,008百万円となりました。これは、RBM-007の開発推進を目的として発行した第12回新株予約権の一部について権利が行使されたこと等により、資本金及び資本剰余金がそれぞれ43百万円、第12回及び第13回新株予約権の発行により新株予約権が4百万円増加した一方で、四半期純損失518百万円を計上したことにより、利益剰余金が同額減少したこと等によるものです。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期累計期間において、当社が対処すべき課題に重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期累計期間の研究開発費の総額は343百万円であります。
なお、当第3四半期累計期間において、平成29年6月29日に提出の有価証券報告書に記載した研究開発活動(研究開発戦略、研究開発の特徴について、新薬候補化合物の主な開発状況)に関し重要な変更はありません。
研究開発体制については、米国での臨床開発を推進する拠点としてRIBOMIC USA Inc.を平成29年8月に設立し、上市経験を含む、多くの新薬開発経験を有し、とりわけ眼科領域での臨床開発を専門とするYusuf Ali氏が同社のCEOに着任するとともに、RBM-007を用いた加齢黄斑変性症に対する米国での臨床試験に向けて米国の眼科専門医3名からなる科学諮問委員会を設置いたしました。これにより臨床開発推進体制が一層強化され、平成31年3月期からの加齢黄斑変性症に関する米国での臨床試験向けた準備を迅速に進めております。

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