有価証券報告書-第15期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/29 10:40
【資料】
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【項目】
64項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、RNA(リボ核酸)を成分とする医薬品(「アプタマー医薬」)の開発を通じて、「Unmet Medical Needsに応える」、「日本の創薬力を復活させる」、「産学連携を推進しアカデミアの研究成果を社会へ還元する」を創業理念に掲げ、その実現のために、当社のプラットフォーム技術である「RiboARTシステム」を活用した研究開発を推進しております。
当社は、アプタマー医薬の開発を通じて社会に貢献することにより、企業価値の最大化に努めてまいります。
(2)経営戦略等
一般に、医薬品事業は一つの製品を創出し上市するまで莫大な費用と年数を要します。このような中、当社はアプタマーの医薬品としての研究開発を行い、ライセンス・アウトした時に受け取る契約一時金、開発進行に伴ってその節目に受領するマイルストーン収入、製品上市後に受け取るロイヤルティー及び共同研究に伴って得られる共同研究収入などにより収益を獲得する創薬事業を展開しております。
当社の事業の特徴は一般的な創薬ベンチャーに比べて、比較的早期の研究開発段階においてライセンス・アウトを実施することにあります。これはプラットフォーム型のベンチャーであるため、領域に係わらず開発早期から共同研究や自社パイプラインを拡充することにより達成できるもので、国内では他に類を見ない事業モデルです。その一方、ライセンス・アウトで得られる収益の拡大のために、自社で臨床開発が可能なパイプラインについては臨床開発にも取り組むことも戦略の一つとしております。
当社は、共同研究や自社パイプラインの研究開発や臨床開発を推進するとともに、製薬企業との協力関係構築の一層の強化を図りながら、継続的なライセンス・アウトを実施することで収益規模の拡大とその安定化に努めてまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、収益がライセンス・アウトなどの成果に委ねられるという事業特性からROEやROAなどを目標とする経営指標は設けておりませんが、持続的な企業成長のためには継続的かつ安定的な収益の確保が最優先課題と認識しており、研究開発並びに事業開発活動の一層の充実を図りながら、収益基盤の安定化に努めてまいります。
このため、創業以来着実に共同研究や自社パイプラインの拡大とそのステップアップを実現してまいりましたが、さらにこれを押し進めるとともに、自社で臨床開発可能なパイプラインについては臨床POC獲得による価値の極大化を図り、新薬候補品を速やかに製薬企業へライセンス・アウトすることで収益力を高めて、会社業績の安定化と収益の確保を図ってまいります。
(4)経営環境
医薬品業界では、未だに満足すべき治療法のない疾患領域の医薬品開発が求められており、この分野での新薬開発競争が激化しております。製薬企業においては、従来の低分子医薬品だけでは、この分野の新薬を開発することが困難となっており、核酸医薬品をはじめとした新規医薬品の開発が進められております。このような取り組みにおいて、製薬企業は単独で開発を進めるのではなく、新規医薬品を手掛けるバイオベンチャー等と提携し、新規技術の導入や、バイオベンチャーが開発したパイプラインを導入するなどにより開発を進めております。このような環境のもと、当社はアプタマー創薬のプラットフォーム技術である「RiboARTシステム」により、疾患や標的タンパク質に限定されない新薬シーズを創製し、製薬企業に提供してまいります。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社は、アプタマーの医薬品としての研究開発を行い、製薬企業にライセンス・アウトした時に受け取る契約一時金、開発進行に伴ってその節目に受領するマイルストーン収入、製品上市後に受け取るロイヤルティー及び共同研究に伴って得られる共同研究収入などにより収益を獲得する創薬事業を展開しております。このようなビジネスモデルにおいて、継続的かつ安定的な収益の確保の実現と、今後の飛躍に向けた中長期の経営課題として、「リボミック・アプタマーの自社臨床試験の実施とPOC取得」、「海外メガファーマとの複数アライアンスの締結」、「世界のアプタマー医薬品開発における主要な地位確立」を掲げております。この、経営課題の実現に向けて以下について、特に重点的に取り組んでおります。
①:自社での臨床Proof of Concept (臨床POC)獲得に向けた開発推進

・自社臨床試験の実施
当社は、将来において大きく飛躍するためには、自社で臨床試験を実施することが必要であると考えております。具体的には、RBM-007による加齢黄斑変性症を対象とした治験計画届出を平成31年3月期の第1四半期中に米国FDAに、軟骨無形成症を対象とした治験計画届出を平成32年3月期を目途にPMDA(米国FDAに相当する日本の審査機関)に行い、臨床POC獲得までの臨床開発を進めてまいる予定です。これに向けて社内は当然のことながら、外部委託機関の有効活用や国内外の医学専門家の協力を得て推進するとともに、これらの進捗管理を図りスケジュールに遅れることなく取り組んでまいります。すでに、加齢黄斑変性症の治験を進める目的で、RIBOMIC USA Inc. を当社の100%子会社として米国Berkeleyに開設し、CEOならびに学術臨床医チームを組織して、必要な体制は整えました。さらに、臨床POC獲得までの状況に応じて資金調達を実施し、パイプラインの価値を極大化するための臨床開発資金を確保してまいります。
・医薬品条件付き早期承認制度の活用
平成29年10月20日に、厚生労働省から、重篤な疾患であって有効な治療法が乏しく患者数が少ない疾患等を対象とする医薬品について、我が国での治験実施が困難、あるいは実施可能であっても治験の実施にかなりの長時間を要すると認められる場合に、承認申請時に検証的臨床試験以外の臨床試験等で一定程度の有効性及び安全性を確認した上で、製販後に有効性・安全性の再確認等のために必要な調査等を実施すること等を承認条件により付与する取扱い等を整理し、明確化することにより、企業における開発予見性を高め、早期の実用化を促進する「医薬品条件付き早期承認制度」を実施することが公表されました。軟骨無形成症は、本邦における患者数は約6,000人と推定され、未だ効果的な医薬のない、重篤な希少疾患です。そのため、当社における、RBM-007を用いた軟骨無形成症薬の開発においては、第1・第2相の有効な結果を揃えて、当該制度による早期承認を取得したいと考えております。これにより、大幅な開発コストと時間を短縮し、患者への治療薬の早期提供が可能になるものと期待しています。
②:各創薬プロジェクトの開発ステージのアップとこれを支える新規技術開発

・自社パイプラインの充実と質の高いデータの構築
持続的な企業成長を実現するためには、良質な自社パイプラインを選定、拡充し、各々について製薬企業の評価に耐え得る試験データを取得していくことが重要と考えております。新規テーマの選定にあたっては、大手製薬企業における重点領域、既存薬剤による医療ニーズの充足度等を調査し、最適な創薬ターゲットと適応疾患を選定するよう努めてまいります。しかし同時に、経営資源の集中のため、一度着手したテーマについても、一定期間の後に適切な評価を実施し、必要に応じて、開発ラインから除外する判断も必要であると認識しております。
・新規技術の開発
今後、アプタマー医薬への参入企業が増えてきた場合でも常に技術の優位性を保てるように、新規のアプタマー創薬技術の開発に努めてまいります。具体的には、アプタマー創製の新技術の開発、次世代シークエンサーとコンピュータ科学を利用したアプタマー探索の人工知能技術の開発、アゴニスト・アプタマー(受容体作動薬)や細胞内への取り込み可能なアプタマー、細胞膜貫通型のタンパク質と結合するアプタマーなどの創製に繋がる技術を目標に、これまでに培った技術のさらなる発展、向上を図ってまいります。
③:製薬企業との新規アライアンスの締結

・ライセンス活動の推進
ライセンス・アウトを目標とした共同研究の実現や、自社パイプラインのライセンス・アウトを図るべく、国内外の製薬企業への営業活動、学会での発表や学術雑誌への論文掲載等を通じて、当社の技術と製品を国内外にアピールする活動を継続してまいります。
・共同研究の推進
大手製薬企業との共同研究は、安定的な収益源となるだけでなく、当社のアプタマー創製に関するスキルアップにつながり、同時に、大手製薬企業の技術を活用して開発を迅速に進められることから、既存の契約での成果創出と同時に、新規提携に努めてまいります。
④:①~③を実現するための体制強化

・コーポレート・ガバナンスの強化
当社は、アプタマー創薬企業としてアプタマーを素材とする新薬を次々と創製し、継続的な成長と企業価値の最大化を図り、医薬品開発をとおして社会に貢献できる企業を目指しております。このような企業として社会的責任を果たしていくために、社外取締役を2名体制にしている他、コーポレートガバナンス・コードへの対応も継続して進めてまいりました。コーポレート・ガバナンス体制の強化により経営の健全性や透明性の向上を継続的に図っていくことは、最も重要な課題の一つであると認識し、取り組んでまいります。
・組織体制の整備と、人材の育成・登用
当社は、上記の課題に対応し、当社事業の継続的な発展を実現するためには、それに対応する組織体制の整備と、人材の育成・登用を図ることが重要と考えております。過年度から当事業年度までにおいて、4部門(探索研究部・事業開発部・経営企画部・管理部)で、40歳前後の部長を登用するとともに、新たに法務部を新設して、その責任者に法務・コンプライアンスに豊富な経験を持つ人材を採用し、組織体制の強化を図りました。今後も事業構造や事業展開等を勘案したうえで必要な人材を育成し必要なポジションに登用する他、豊富な経験を有する人材の採用、外部ノウハウの活用などにも積極的に取り組んでまいります。

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