訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2014/10/14 10:01
【資料】
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【項目】
76項目

業績等の概要

(1)業績
第14期事業年度(自 平成25年4月1日 至 平成26年3月31日)
当事業年度におけるわが国の経済は、平成24年12月に発足した新政権が新たな景気回復策を打ち出し明るい兆しも見えてきましたが、未だ先行き不透明な状況が続いております。
当社が属する出版業界においては、インターネットの普及による若者を中心とした「活字離れ」等により、全体的には引き続き右肩下がりの状況が続いております。その一方で、インターネット発の出版物は活況を呈し、各社から大型のヒット作が相次ぎ出版されていると共に、既存出版社の多くも大挙して参入してきていることから、今後はより一層、このような傾向が続くと予想されます。
このような環境の中、インターネット発の出版において、長年にわたるノウハウを持ち、出版化までのシステムが確立されている当社においては、当事業年度の出版点数は260点となり前事業年度比73点増となりました。又、刊行の質においても発行1万部を超えるヒット作を安定的に数多く出版し、大幅な増収増益を達成いたしました。
この結果、当事業年度の売上高は2,046,227千円(前事業年度比40.7%増)、営業利益は646,328千円(前事業年度比34.2%増)、経常利益は644,344千円(前事業年度比33.1%増)、当期純利益は393,498千円(前事業年度比33.7%増)となりました。
なお、書籍のジャンル別の概況は次のとおりであります。
①ライトノベル
特に大ヒットシリーズ「ゲート」をはじめ男性向けの単行本ライトノベル作品の1タイトル当たりの実売平均が約1.6万部という高い売行きを見せ、業績を牽引いたしました。
大人の女性のための恋愛小説レーベル「エタニティブックス」、同じく新感覚ファンタジー小説レーベル「レジーナブックス」に関しては、毎月堅調に一定のラインアップが刊行でき、かつ、売行きも好調に推移したことで、業績を安定的に下支えしました。加えて、当事業年度より創刊した甘く危険なラブロマンスレーベル「ノーチェブックス」も好調な滑り出しができ、翌事業年度以降の成長の布石を打つことが出来ました。
②漫画
今後の成長の柱として期待している漫画事業に関しては、前事業年度は「ゲート」の売上に大きく依存している状況でしたが、当事業年度では「白の皇国物語」や「!」等のライトノベルのコミカライズが好調であり、翌事業年度以降に飛躍するための足がかりとなる成果を出すことが出来ました。
③文庫
当事業年度より「レジーナブックス」の文庫化を開始したことなどにより、出版点数は前事業年度比23点増となる73点となりました。加えて、各書籍の売行きも順調に推移したことから、売上高は順調に増加する結果となりました。
④その他
取扱書籍のジャンル拡大の一環として行っている、翻訳書籍の出版点数は前事業年度比10点増となる13点となったことに加え、その他のジャンルとして刊行した「UFOがくれた夏」及び「吉原ラメント」が、何れも初版発行部数2万部を超えたことにより、ジャンル別では前事業年度比で売上高の増加率が最大となりました。
第15期第1四半期累計期間(自 平成26年4月1日 至 平成26年6月30日)
当第1四半期累計期間におけるわが国の経済は、消費税増税により個人消費に弱い動きが見られたものの、政府の経済政策、日銀の金融政策効果から、緩やかな景気の回復基調が継続しております。
しかしながら、当社が属する出版業界は依然として厳しい状況が続いており、出版科学研究所によると平成26年上半期の出版物の推定販売額は8,267億円となり、前年比5.9%減となっております。それに伴い、書籍の販売高は全体的には引き続き右肩下がりの状況が続いております。一方で、インターネット発の出版物は、引き続き好調であり、縮小する書籍市場内においても着実に成長することが可能となるビジネスモデルとして、市場の注目度は高まってきております。
このような環境の中、インターネット発の出版において、長年にわたるノウハウを持ち、出版化までのシステムが確立されている当社においては、当第1四半期累計期間の出版点数は75点となり前事業年度比24点増となりました。又、刊行の質においても発行1万部を超えるヒット作を安定的に数多く出版し、大幅な増収増益を達成いたしました。
この結果、当第1四半期累計期間の売上高は623,397千円、営業利益は208,711千円、経常利益は208,352千円、四半期純利益は136,492千円となりました。
なお、書籍のジャンル別の概況は次のとおりであります。
①ライトノベル
男性向けの単行本ライトノベル作品の1タイトル当たりの実売平均が約1.7万部という高い売行きを見せ、業績を牽引いたしました。また、大人の女性のための恋愛小説レーベル「エタニティブックス」、新感覚ファンタジー小説レーベル「レジーナブックス」及び前事業年度に創刊した甘く危険なラブロマンスレーベル「ノーチェブックス」のいずれも、毎月堅調に一定のラインアップが刊行でき、かつ、売行きも好調に推移したことで、業績を安定的に下支えしました。
②漫画
当第1四半期累計期間に刊行した「ゲート」4巻も引続き好調であり、業績を牽引いたしました。
③文庫
男性向けライトノベルの文庫版として、当第1四半期累計期間に創刊した「アルファライト文庫」の滑り出しも好調であり、今後の業績の下支えが期待できる実績が挙げられております。
④その他
当第1四半期累計期間に刊行した「居酒屋ぼったくり」が、各種メディアで大きく取り上げられことで、本書提出日現在、発行部数4万部を突破し、当ジャンルの業績を牽引いたしました。
(2)キャッシュ・フローの状況
第14期事業年度(自 平成25年4月1日 至 平成26年3月31日)
当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ323,443千円増加し、712,252千円となりました。当事業年度における活動ごとのキャッシュ・フローの状況とこれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは324,079千円の収入(前事業年度は65,456千円の収入)となりました。この主な要因は、書籍売上が好調に推移したことにより税引前当期純利益が644,344千円計上された一方で、売上債権が262,007千円増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは2,901千円の支出(前事業年度は5,359千円の収入)となりました。この主な要因は、保険積立金の積立による支出2,160千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは2,265千円の収入(前事業年度は31,394千円の支出)となりました。この主な要因は、長期借入金の借入80,000千円、及び返済による支出77,735千円によるものであります。