訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2014/10/14 10:01
【資料】
PDFをみる
【項目】
76項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表」の「注記事項(重要な会計方針)」に記載しているとおりであります。
(2) 財政状態の分析
第14期事業年度(自 平成25年4月1日 至 平成26年3月31日)
①資産
当事業年度末の流動資産は、前事業年度末に比べ600,130千円増加し、2,030,549千円となりました。
これは主に売上高の増加に伴う売掛金の増加(前事業年度末比262,007千円増)、現金及び預金の増加(前事業年度末比323,443千円増)、及び、製品の増加(前事業年度末比16,925千円増)によるものです。
また、当事業年度末の固定資産は、前事業年度末に比べ53千円増加し、24,130千円となりました。
これは主に、保険積立金の増加(前事業年度末比2,160千円増)、及び敷金の償却(前事業年度末比1,480千円減)によるものです。
②負債
当事業年度末の流動負債は、前事業年度末に比べ211,079千円増加し、871,754千円となりました。
これは主に売上高の増加に伴う返品調整引当金の増加(前事業年度末比75,160千円増)、未払法人税等の増加(前事業年度末比59,932千円増)、及び未払金の増加(前事業年度末比50,816千円増)によるものです。
また、当事業年度末の固定負債は、前事業年度末に比べ4,393千円減少し、106,216千円となりました。
これは主に、長期借入金の減少(前事業年度末比4,371千円減)によるものです。
③純資産
当事業年度末の純資産は、前事業年度末に比べ393,498千円増加し、1,076,708千円となりました。
これは全て、繰越利益剰余金の増加(前事業年度末比393,498千円増)によるものです。
第15期第1四半期累計期間(自 平成26年4月1日 至 平成26年6月30日)
①資産
当第1四半期会計期間末の流動資産は、前事業年度末に比べ120,298千円増加し、2,150,847千円となりました。これは主に売上高の増加に伴う売掛金の増加(前事業年度末比144,315千円増)によるものです。また、当第1四半期会計期間末の固定資産は、前事業年度末に比べ98千円増加し、24,229千円となりました。これは主に、有形固定資産の取得(前事業年度末比125千円増)によるものです。
②負債
当第1四半期会計期間末の流動負債は、前事業年度末に比べ28,892千円減少し、842,862千円となりました。これは主に法人税等の支払いに伴う未払法人税等の減少(前事業年度末比100,208千円減)、及び売上高の増加に伴う返品調整引当金(前事業年度末比29,252千円増)、買掛金(前事業年度末比17,187千円増)、及び未払金(前事業年度末比31,139千円増)の増加によるものです。また、当第1四半期会計期間末の固定負債は、前事業年度末に比べ12,798千円増加し、119,014千円となりました。これは全て、借入金の借換に伴う長期借入金の増加によるものです。
③純資産
当第1四半期会計期間末の純資産は、前事業年度末に比べ136,492千円増加し、1,213,200千円となりました。これは全て、繰越利益剰余金の増加によるものです。
(3) 経営成績の分析
第14期事業年度(自 平成25年4月1日 至 平成26年3月31日)
①売上高
当事業年度の売上高は、前事業年度に比べ591,643千円増加(前事業年度比40.7%増)し、2,046,227千円となりました。これは主に前事業年度に対して出版タイトル数が73点増の260点であったことに加え、大ヒットシリーズ「ゲート」をはじめ男性向けの単行本ライトノベル作品の1タイトル当たりの実売平均が約1.6万部という高い売行きを見せたことによるものです。
②売上原価、売上総利益、差引売上総利益
当事業年度の売上原価は、前事業年度に比べ236,667千円増加(前事業年度比53.6%増)し、678,531千円となりました。これは主に売上高の増加に伴う当期製品製造原価の増加によるものです。この結果、売上総利益は前事業年度に比べ354,975千円増加(前事業年度比35.1%増)し、1,367,696千円となりました。
また、返品調整引当金戻入額が、前事業年度に比べ79,817千円増加(前事業年度比50.6%増)する一方で、返品調整引当金繰入額は、前事業年度に比べ75,160千円増加(前事業年度比31.6%増)したことにより、差引売上総利益は前事業年度に比べ359,633千円増加(前事業年度比38.5%増)し、1,292,536千円となりました。
③販売費及び一般管理費、営業利益
当事業年度の販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ194,854千円増加(前事業年度比43.2%増)し、646,207千円となりました。これは主に売上高の増加に伴う株式会社星雲社への販売手数料の増加、及び給料手当の増加によるものです。この結果、営業利益は前事業年度に比べ164,779千円増加(前事業年度比34.2%増)し、646,328千円となりました。
④経常利益
当事業年度の営業外収益は407千円、営業外費用は2,391千円発生しており、この結果、経常利益は前事業年度に比べ160,166千円増加(前事業年度比33.1%増)し、644,344千円となりました。
⑤当期純利益
当事業年度において特別利益及び特別損失は発生しておりません。この結果、当期純利益は前事業年度に比べ99,113千円増加(前事業年度比33.7%増)し、393,498千円となりました。
第15期第1四半期累計期間(自 平成26年4月1日 至 平成26年6月30日)
①売上高
当第1四半期累計期間の売上高は、623,397千円となりました。これは主に男性向けの単行本ライトノベル作品の1タイトル当たりの実売平均が約1.7万部という高い売行きを見せ、業績を牽引したことに加え、当第1四半期累計期間に刊行した「居酒屋ぼったくり」が、各種メディアで大きく取り上げられことで、本書提出日現在、発行部数5万部を突破するヒット書籍となったことに起因します。
②売上原価、売上総利益、差引売上総利益
当第1四半期累計期間の売上原価は188,204千円となりました。これは主に売上高の増加に伴う当期製品製造原価の増加によるものです。この結果、売上総利益は435,192千円となりました。
また、返品調整引当金戻入額は312,814千円、返品調整引当金繰入額は342,067千円となったことにより、差引売上総利益は405,939千円となりました。
③販売費及び一般管理費、営業利益
当第1四半期累計期間の販売費及び一般管理費は197,228千円となりました。これは主に売上高の増加に伴う株式会社星雲社への販売手数料の増加、及び給料手当の増加によるものです。この結果、営業利益は208,711千円となりました。
④経常利益
当第1四半期累計期間の営業外収益は87千円、営業外費用は445千円発生しており、この結果、当第1四半期累計期間の経常利益は208,352千円となりました。
⑤四半期純利益
当第1四半期累計期間において特別利益及び特別損失は発生しておりません。この結果、当第1四半期累計期間の四半期純利益は136,492千円となりました。
(4) キャッシュ・フローの分析
第14期事業年度(自 平成25年4月1日 至 平成26年3月31日)
当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ323,443千円増加し、712,252千円となりました。当事業年度における活動ごとのキャッシュ・フローの状況とこれらの要因は次のとおりであります。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは324,079千円の収入(前事業年度は65,456千円の収入)となりました。この主な要因は、書籍売上が好調に推移したことにより税引前当期純利益が644,344千円計上された一方で、売上債権が262,007千円増加したことによるものであります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは2,901千円の支出(前事業年度は5,359千円の収入)となりました。この主な要因は、保険積立金の積立による支出2,160千円によるものであります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは2,265千円の収入(前事業年度は31,394千円の支出)となりました。この主な要因は、長期借入金の借入80,000千円、及び返済による支出77,735千円によるものであります。
(5) 経営戦略の現状と見通し
当社では今後の短・中期的な成長戦略としては、取扱ジャンルの拡大を掲げております。その中でも、特に「漫画」に関しては、インターネット上にコンテンツが豊富に存在していること、書籍市場としてはライトノベル以上に魅力的であること、及び電子書籍との親和性が高いことから、将来的な電子書籍対応を見据えた上で、将来の成長の布石となりえることから、今後、最も注力していきたいジャンルとなります。
その一方で、出版業界全体の市場規模は年々縮小傾向にあるという厳しい状況でありますので、長期的な成長戦略としては、出版事業のみに留まらず、出版事業で蓄積したコンテンツを活かしたグッズ販売、映像化、ゲーム化等の事業に展開することで、次世代の新エンターテインメント企業となることを目指しております。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(7) 経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載のとおりであります。