有価証券報告書-第15期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/26 11:33
【資料】
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【項目】
63項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中における将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表」の「注記事項(重要な会計方針)」に記載しているとおりであります。
(2) 財政状態の分析
①資産
当事業年度末の流動資産は、前事業年度末に比べ2,487,176千円増加し、4,517,726千円となりました。これは主に、東京証券取引所マザーズ上場に伴う公募増資等による現金及び預金の増加(前事業年度末比1,763,131千円増)に加え、売上高の増加に伴い売掛金が増加(同653,126千円増)したことによるものであります。また、当事業年度末の固定資産は、前事業年度末に比べ50,708千円増加し、74,839千円となりました。これは主に、投資その他の資産が増加(同39,152千円増)したことによるものであり、その主な要因は本社移転に係る敷金の支払いが発生したことによるものであります。
②負債
当事業年度末の流動負債は、前事業年度末に比べ380,253千円増加し、1,252,008千円となりました。これは主に、売上高の増加に伴い返品調整引当金(前事業年度末比120,360千円増)、買掛金(同55,032千円増)、未払金(同142,776千円増)及び未払法人税等が増加(同21,837千円増)したことによるものであります。また、当事業年度末の固定負債は、前事業年度末に比べ5,622千円減少し、100,593千円となりました。これは主に借入金の返済に伴い長期借入金が減少したことによるものであります。
③純資産
当事業年度末の純資産は、前事業年度末に比べ2,163,255千円増加し、3,239,964千円となりました。これは、東京証券取引所マザーズ上場に伴う公募増資等により資本金の増加(前事業年度末比853,824千円増)、資本剰余金の増加(同853,824千円増)及び当期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加(同455,606千円増)によるものであります。
(3) 経営成績の分析
①売上高
当事業年度の売上高は、前事業年度に比べ618,046円増加(前期比30.2%増)し、2,664,274千円となりました。これは主に前期に対して出版タイトル数が96点増の356点であったこと、及び主力であるライトノベルが引き続き高い売行きを維持したことに加え、漫画(『Re:Monster(リ・モンスター)』、『ワールド・カスタマイズ・クリエータ』等)や一般文芸書『居酒屋ぼったくり』に代表されるその他のジャンルが好調であったことによるものです。
②売上原価、売上総利益、差引売上総利益
当事業年度の売上原価は、前事業年度に比べ283,322千円増加(前期比41.8%増)し、961,853千円となりました。これは主に売上高の増加に伴う当期製品製造原価の増加によるものです。この結果、売上総利益は前事業年度に比べ334,724千円増加(同24.5%増)し、1,702,421千円となりました。
また、返品調整引当金戻入額が、前事業年度に比べ75,160千円増加(同31.6%増)する一方で、返品調整引当金繰入額は、120,360千円増加(同38.5%増)したことにより、差引売上総利益は前事業年度に比べ289,524千円増加(同22.4%増)し、1,582,060千円となりました。
③販売費及び一般管理費、営業利益
当事業年度の販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ143,419千円増加(前期比22.2%増)し、789,626千円となりました。これは主に売上高の増加に伴う株式会社星雲社への販売手数料の増加、及び本社移転に伴う仲介手数料、家賃の二重支払等の一時的な費用が発生したことによるものです。この結果、営業利益は前事業年度に比べ146,105千円増加(同22.6%増)し、792,433千円となりました。
④経常利益
当事業年度の営業外収益は390千円、営業外費用は21,614千円発生しております。営業外費用の多くは株式公開費用に係るものです。この結果、経常利益は前事業年度に比べ126,865千円増加(前期比19.7%増)し、771,209千円となりました。
⑤当期純利益
当事業年度において特別利益及び特別損失は発生しておりません。この結果、当期純利益は前事業年度に比べ62,107千円増加(前期比15.8%増)し、455,606千円となりました。
(4) キャッシュ・フローの分析
当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は前事業年度末より1,763,131千円増加し、2,475,383千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりです。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは143,121千円の収入となりました。この主な要因は、売上債権が653,126千円増加し、かつ法人税等の支払額が285,828千円発生する一方で、書籍売上が好調に推移したことにより税引前当期純利益が771,209千円計上されたことによるものであります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは53,092千円の支出となりました。この主な要因は、本社移転に関わる敷金の支払55,012千円によるものであります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは1,673,101千円の収入となりました。この主な要因は、株式の発行による1,707,648千円の収入が発生したことによるものであります。
(5) 経営戦略の現状と見通し
当社では、短・中期的な成長戦略として、取扱ジャンルの拡大を掲げております。その中でも、特に「漫画」に関しては、インターネット上にコンテンツが豊富に存在していること、書籍市場としてはライトノベル以上に魅力的であること、及び電子書籍との親和性が高いことから、将来的な電子書籍対応を見据えた上で、将来の成長の布石となりえることから、今後、最も注力していきたいジャンルとなります。
一方、出版業界全体の市場規模は年々縮小傾向にあるという厳しい状況でありますので、出版事業の強化と並行して、出版事業で蓄積したIPを活かしたゲーム事業、グッズ販売、映像化等に展開することで、次世代の新エンターテインメント企業となることを目指しております。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(7) 経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載のとおりであります。