有価証券報告書-第65期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/25 15:00
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【項目】
142項目
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
経営成績
当連結会計年度(2019年4月1日~2020年3月31日)における世界経済は、新型コロナウィルスの感染拡大による各国の経済活動の停滞により、景気後退の長期化が懸念されております。また、当社グループの主力事業である建機用フィルタ事業における建設機械市場においても、各国での緊急事態宣言の発令に伴うロックダウンの影響等により、主要得意先各社の生産活動やサプライチェーンに大きな影響が生じております。日本では、需要は前年を下回り、2020年4月以降、緊急事態宣言の発令や東京オリンピックの開催延期が決定されるなど先行き不透明感が増しております。北米では、米中貿易摩擦については部分合意がなされる等、事態の沈静化が図られたものの、2020年1~3月期のGDPは大幅なマイナス成長となり、需要は前年を下回りました。欧州では、英国のEU離脱問題の収束により不透明感は払拭されましたが、需要は減少しました。東南アジアでは、インフラ整備に伴う潜在的な需要はあるものの、日本や欧米諸国と同様、需要は減少しました。
一方、中国では、当社の主要得意先各社の市場占有率が大幅に縮小する中、中国系建機メーカの市場占有率拡大が継続し、油圧ショベルの新車販売台数は過去最高を記録するなど需要は全体で増加しました。このような市場環境の中、新型コロナウィルスの感染拡大により停滞していた経済活動が2020年3月以降回復の兆しを見せており、今後、政府主導による公共事業投資に伴う建機需要の下支えや、2021年度中に予定される第4次環境規制対応に向けた新車の駆け込み需要等が想定されることから引き続き需要の増加が見込まれます。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度において、株式会社アクシーを連結子会社化したことにより、報告セグメントを「建機用フィルタ事業」と「エアフィルタ事業」とに区分しております。
(建機用フィルタ事業)
当連結会計年度(2019年4月1日~2020年3月31日)において、当社グループは、既存ビジネスである建機用フィルタ事業においては、当社の強みである油圧ショベルの作動油回路用フィルタ製品を主軸に、新素材やIoT技術を活かしたフィルタ製品のラインナップの充実を図り、純正部品の採用率向上に努めました。とりわけ、世界最大の建機市場である中国市場においては、中国系建機メーカへのリターンフィルタを主軸とした当社製品の新規採用に向けた取り組みを強化しており、その採用実績は増加しております。また、もう一つの大市場である北米市場においては、当社の主要製品であるリターンフィルタ製品に加え、燃料用、トランスミッション用フィルタ等の新規採用活動についても大きな進展を見せております。更には、当社が独自に開発した合成高分子系ナノファイバーを使用したロングライフのフィルタ製品やタンク内の気泡を除去するエアレーション技術、フィルタの汚染度や交換頻度を感知するセンサ技術を搭載したフィルタ製品の主要得意先への積極的な提案を実施しております。このように、当社の中国系建機メーカへのシェア拡大並びに日米欧を中心とした既存主要得意先への当社製品の採用拡大に向けた取り組みは着実な進捗を見せており、来期以降の当社建機用フィルタビジネスに更なる成長が見込まれます。
当連結会計年度の建機用フィルタ事業における業績は次のとおりであります。
(単位:百万円)
2019年3月期実績2020年3月期実績増減額増減率
外部売上高13,81111,296△2,514△18.2%
営業利益
(利益率)
1,963
(14.2%)
654
(5.8%)
△1,308
-
△66.7%


(エアフィルタ事業)
エアフィルタ事業においては、当社の合成高分子系ナノファイバーの量産化技術を活用した新製品の開発による新規事業領域への参入を積極的に進めております。具体的には、低圧損で高捕集率のナノファイバー製エアフィルタを製品化し、オフィスビルや工場、更には家電等への普及に向けた取り組みを強化しております。これらの新製品が普及することにより、使用電力の低減によるCO2削減が可能となり、地球環境の保全に貢献できると考えております。
当連結会計年度のエアフィルタ事業における業績は次のとおりであります。
(単位:百万円)
2019年3月期実績2020年3月期実績増減額増減率
外部売上高-1,3771,377-
営業利益
(利益率)
-
(-)
122
(8.9%)
122
-
-

更には、当社グループは、国内大手アパレルメーカ数社に対し、秋冬物衣料の中綿材として、「YAMASHIN Nano Filter™」の量産供給を開始し、引き続き次期シーズンに向けた新素材の提案活動等を積極的に展開しているほか、今回の新型コロナウィルスの感染拡大に伴うマスク不足の問題を受け、当社の合成高分子系ナノファイバー技術を活用し、マスク並びに取替用インナーシートを製品化しました。当社のマスク及び取替用インナーシートは独自の量産化技術を用いた3層構造により、医療現場等で使用されるN95マスク(注1)と同等の高い捕集性能を有し、かつ、性能持続性を実現した製品であり、このマスクや取替用シートを使用することで医療従事者ほか多くの皆様の健康被害リスクの低減に大きく寄与できると確信しております。今後、国内外への供給量の拡大に向け、量産並びに供給体制の整備を進めてまいります。
(注1) N95マスク(Particulate Respirator Type N95)とは、アメリカ合衆国労働安全衛生研究所(NIOSH)の
N95規格をクリアし、認可された微粒子用マスクのこと。
このように、当社グループは、独自開発の合成高分子系ナノファイバーの量産化技術を基に、建機用油圧フィルタ並びにエアフィルタの2つの事業を軸として、アパレル、ヘルスケアビジネスへの進出を踏まえた、第3の事業ポートフォリオの確立に取り組み、中期的持続的な事業成長とESGへの積極的な取り組みを両立させ、企業価値の向上を図ってまいります。
以上の結果、売上高は126億74百万円(前年同期比8.2%減)となり、営業利益は7億77百万円(前年同期比60.4%減)、経常利益は6億3百万円(前年同期比68.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は6億8百万円(前年同期比57.0%減)となりました。
財政状態
当連結会計年度末における当社グループの財政状態については、総資産は215億90百万円(前連結会計年度末比2.7%増)となり、負債は33億88百万円(前連結会計年度末比16.1%増)となり、純資産は182億1百万円(前連結会計年度末比0.5%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末より12億53百万円減少し、82億1百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループはフィルタ製品の製造・販売を主たる事業としており、事業品目別に記載しております。
a 生産実績
当連結会計年度における生産実績を示すと、次のとおりであります。なお、生産実績については、品目の共通原材料及び共通部品が含まれるため、品目ごとに金額を記載しておりません。
事業品目の名称生産高(千円)前年同期比(%)
建機用フィルタ事業6,655,66176.3
エアフィルタ事業1,367,490-
合計8,023,15292.0

(注) 1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.株式会社アクシーを2019年8月23日に連結子会社化したことに伴い、報告セグメントを「建機用フィルタ事業」と「エアフィルタ事業」とに区分しております。
b 受注状況
当連結会計年度の受注状況を事業品目ごとに示すと、次のとおりであります。
事業品目の名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
建機用フィルタ9,911,26083.31,570,272102.9
産業用フィルタ489,57589.0100,35096.8
プロセス用フィルタ936,475102.297,73999.4
エアフィルタ1,406,724-316,273-
合計12,744,03495.42,084,635120.7

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c 販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業品目ごとに示すと、次のとおりであります。
事業品目の名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
販売高(千円)前年同期比(%)
建機用フィルタ9,866,84979.9
産業用フィルタ492,84889.8
プロセス用フィルタ937,056103.1
エアフィルタ1,377,460-
合計12,674,21591.8

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。なお、当連結会計年度においては10%未満のため記載を省略しております。

相手先前連結会計年度
(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
当連結会計年度
(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
CATAPILLAR INC.1,416,95310.3--


(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り及び予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
(2) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループへの影響としては、特定市場への依存や他社との競合など経済状況の変動を含め、様々な要因が挙げられます。詳細につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、認識しております。これらのリスクについては発生の回避を図るとともに発生した場合にはその対応に努める所存です。
(3) 経営成績の分析
当連結会計年度において、売上高は126億74百万円(前年同期比8.2%減)、営業利益は7億77百万円(前年同期比60.4%減)、経常利益は6億3百万円(前年同期比68.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は6億8百万円(前年同期比57.0%減)となりました。経営成績に重要な影響を与えた要因は、次のとおりであります。
① 売上高
当連結会計年度の売上高は、2019年10月よりエアフィルタ事業の新規取込みにより増収しましたが、建機用フィルタ事業において、新型コロナウイルスの感染拡大による各国の経済活動の停滞や主要な得意先の生産調整等の影響により減収したことにより、126億74百万円(前年同期比8.2%減)となりました。
② 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、47億44百万円(前年同期比5.1%増)となり、前年同期に比べ2億28百万円増加しました。これは主として、新規連結子会社の増加によるものです。
③ 営業外損益
当連結会計年度の営業外収益は、貸倒引当金戻入額の増加などにより、27百万円(前年同期比170.6%増)となりました。
営業外費用は、支払手数料の計上などにより、2億1百万円(前年同期比249.3%増)となりました。
④ 特別損益
当連結会計年度の特別利益は、投資有価証券売却益の計上により、16百万円(前年同期 0百万円)
特別損失は、退職給付制度終了損の計上により、23百万円(前年同期比285.0%増)となりました。
(4) 財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は215億90百万円(前年同期比2.7%増)となりました。これは主に、土地、建設仮勘定等の固定資産が増加したことによるものです。負債は33億88百万円(前年同期比16.1%増)となりました。これは主に、短期借入金の増加によるものです。純資産は182億1百万円(前年同期比0.5%増)となりました。これは主に、利益剰余金の増加によるものです。
(5) キャッシュ・フローの状況の分析
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より12億53百万円減少し、82億1百万円(前年同期比13.3%減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、20億99百万円(前年同期は得られた資金8億円)となりました。
その主な内訳は、税金等調整前当期純利益5億97百万円、減価償却費の計上6億21百万円、たな卸資産の減少6億66百万円、売上債権の減少6億68百万円があった一方、仕入債務の減少3億42百万円、法人税等の支払2億65百万円があったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、30億52百万円(前年同期は使用した資金22億48百万円)となりました。
その主な内訳は、有形固定資産の取得による支出31億1百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出12億69百万円があった一方、投資有価証券の売却による収入13億89百万円があったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、2億69百万円(前年同期は使用した資金6億75百万円)となりました。
その主な内訳は、配当金の支払額4億49百万円、社債の償還による支出2億円があった一方、短期借入金の純増額5億20百万円があったこと等によるものです。
② 資金需要
資金需要の主なものは、製品製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用に係わる運転資金と設備投資資金です。これらの運転資金及び設備投資資金については、主に自己資金を充当しております。
(6) 経営戦略の現状と見通し
当社グループは、フィルタ性能を決定する「ろ材」の開発から生産、販売まで一貫して行うことで、顧客要望に合わせた製品開発をスピーディーに提供し競争優位を実現すること、先進国での販売市場の拡大、新興国市場に対しての積極的参入及び深耕、純正率の向上を訴求することにより収益基盤の安定化に努めております。
今後の見通しとしては、独自開発の合成高分子系ナノファイバーの量産化技術を基に、建機用油圧フィルタ並びにエアフィルタの2つの事業を軸として、アパレル、ヘルスケアビジネスへの進出を踏まえた、第3の事業ポートフォリオの確立に取り組み、中期的持続的な事業成長とESGへの積極的な取り組みを両立させ、企業価値の向上を図ってまいります。
(7) 経営者の問題認識と今後の方針
当社グループは、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案し、企業価値を最大限に高め、強固な企業体質を確立すべく努めております。具体的には「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(8) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
詳細については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載のとおりであります。

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