有価証券報告書-第12期(平成28年1月1日-平成28年12月31日)

【提出】
2017/03/30 11:57
【資料】
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【項目】
78項目
(7) 重要事象等について
「4 事業等のリスク ⑯ 継続企業の前提に関する重要事象等」に記載のとおり、当社は継続して営業損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上し、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
しかしながら当社は、当事業年度末において現金及び預金2,835,812千円を保有し、必要な運転資金を確保していることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。また、以下に示す課題への対処を的確に行うことにより業績の回復を図り、当該重要事象等が早期に解消されるべく取り組んで参ります。
① クロスセルの推進
当社のサービスを既にご利用いただいているユーザの皆様には、複数のサービスを相互に利用していただけるようにクロスセル提案体制を強化し、データサイエンスのトータルソリューションの事業領域における提案力を高めて参ります。また新規ユーザ獲得のため、展示会やセミナーの継続的な開催及び出展、WebサイトやFacebookページ等を活用した情報発信、提携企業との更なる連携強化などに取り組んで参ります。
② ブランド形成への取組み
当社が提供する「smarticA!DMP」は、大手企業を中心に引き合いが増えており、その製品力が業界内で高い評価を得ております。CRMと広告の双方をカバーしたDMPであることや、具体的で幅広い分析事例を豊富に持ち、運用が見えるシナリオ提案、継続的なチューニング・カスタマイズ体制を整えていることなど、他社には無い差別化要因が多数あります。競争優位性を維持していくためには、更なる機能向上など製品開発を行っていく必要があため、ブランド形成に向けて継続的に取り組んで参ります。
③ プロジェクト管理
業容拡大に伴い、案件単位において受注単価増大及び長期化の傾向があり、業務推進体制がより複雑化しています。このような状況のもと、各プロジェクトごとの作業工数をより正確にリアルタイムで把握出来るようなシステムの構築などにより工程管理を一層強化し、業務効率化を図っていくことが重要であると考えております。サービス品質の向上にも同時に取り組むとともに、コストを削減し、業務稼働率を一層向上させる施策を全社的に推進して参ります。
④ 情報管理体制の強化
デジタル化の進展に伴い、パーソナルデータを含むさまざまな匿名データを直接・間接に入手できるようになり、自社が保有する顧客の実名データと紐づけることで、顧客の属性・行動を網羅的に把握し、精度の高い顧客分析や、ターゲットの抽出、マーケティングROI(投資対効果)測定などへの様々な活用が可能です。当社はこれらの支援を行うことを主力事業としており、顧客から分析データを預って業務を請負うときのデータ保護には細心の注意を払っておりますが、さらなる運用強化を図っていくことが重要と考えております。
⑤ 人材・組織体制
当社は、今後の成長のためには優秀な人材確保と教育体制の充実による継続的な人材育成が不可欠であると認識しております。企業理念においても「会社にとって一番大切なものは社員」であることを掲げ、各人の力を最大限に引き出すことによりそれを組織力に変えていくことが企業価値向上に繋がると考えます。成長フェーズに合った評価制度をしっかり運用するとともに、役員及び従業員の自立性を高め、常に最適な組織体制を模索していく方針であります。
⑥ 次世代サービスの開発
近年のIoTや人工知能に対する関心の高まりに象徴されるように、データ分析及関連事業は今後ますます市場の成長が見込まれております。今後の課題として、市場のニーズに合ったサービスをいち早く投入していくことを念頭に、特にライセンスフィーモデル及び保守運用サポートによるストック型の収益を安定的に獲得することができるサービスの開発を継続的に行い、さらなるステップアップを視野に入れた事業の収益性向上を目指して参ります。