訂正有価証券届出書(新規公開時)
有報資料
(1) 卸売事業における研究開発戦略及び研究課題
当社グループの研究開発戦略は、「ウィルスフリー牡蠣の生産」及び「牡蠣の栄養価の商品化」を軸としております。その戦略目的を果たすための課題は、二枚貝の餌となる微細藻類の連続大量培養と牡蠣の高機能性成分の商品化であります。
①ウィルスフリー牡蠣の生産
ウィルスフリー牡蠣の生産とは、ノロウィルスに代表される食中毒の原因となるウィルスに汚染されていない牡蠣を生産することです。牡蠣に代表される二枚貝がウィルスに感染する経路は、ウィルスが残留している生活排水が海の表層海域に流入した際に、養殖されている牡蠣がウィルスを取り込むケースや、牡蠣の餌となるプランクトンがウィルスを取り込み牡蠣体内に入るケースといわれております。特に、ノロウィルスは、牡蠣の消化器官の中腸線細胞に特異結合した場合には、無菌海水を体内に循環させて浄化しても排出除去できないことが分かっております。当社グループは、この感染経路中の表層海域という点に注目し、ウィルスが存在せず清浄な海水である深度200m以深の海洋深層水を利用して陸上において取水した海洋深層水で牡蠣を養殖することを目指しております。この中で最大の障壁が、牡蠣の餌となるプランクトンが海洋深層水には存在していないことです。したがいまして、牡蠣の餌となる微細藻類(主にキートセロス(注))の連続、かつ、大量培養の方法が確立されない限り、商業生産は不可能であることから、この方法を確立することが大きな研究課題となっております。
②牡蠣の栄養価の商品化
牡蠣の栄養価の商品化とは、牡蠣が潜在的に持つ高い栄養価を多機能に亘り顕在化させた商品を開発することにあります。牡蠣が養殖される表層海域は年々水質状況が悪化する一途にある一方で、オイスターバーなどで消費される牡蠣は主に生食用であります。このことから、オイスターバーなどで消費される牡蠣の消費量は全体生産量のごく一部に止まり、海域環境悪化と相俟って、規格外の牡蠣は廃棄処分されるなど市場に流通しない牡蠣が数多く存在しております。したがいまして、従来の流通及び消費スタイルには無い、牡蠣の新しい消費の形が模索されるところです。当社グループは、牡蠣の消費の形として、その栄養価に着目しました。牡蠣は亜鉛含有量が多い食物であります。亜鉛は新陳代謝を促す人間が生活するのに重要なミネラルの1つであります。しかしながら、この亜鉛は体内に貯蔵することが出来ないことから、食物から補給するほかありませんが、その吸収率が悪く、ほとんどが対外に排出される難点があります。当社グループの研究主課題は、亜鉛成分を吸収率のよい高品質・高付加価値のサプリメントとして商品化することであります。しかしながら、それだけに止まらず、亜鉛などが奏功したときの食欲調整機能、血圧コントロールとしての循環器系調整機能や免疫増強作用、抗炎症作用、性機能増強作用、タウリンなどによる抗疲労効果など、これら全ての機能を満たした高機能成分のサプリメントなどの商品化に向け研究に取り組んでおります。そして、牡蠣の高機能成分の商品化は、廃棄牡蠣の有効活用だけでなく、健康志向社会及び水産業への貢献に寄与するものと考えております。
(注)キートセロスとは、二枚貝の種苗に必要なエイコサペンタエン酸(EPA)を大量に含んだ藻の一種であります。
(2) 研究体制
当社グループでは、外部との共同研究により、キートセロスの連続大量培養技術の確立、また、新商品開発等を社内にて研究する体制を構築しております。
(社内及び社外における研究体制)
研究開発活動は、グループ全体の牡蠣の高品質・高付加価値化という観点から、牡蠣を供給する子会社の株式会社日本かきセンターの商品管理開発本部に研究員を配置しております。拠点としましては、東京大学本郷キャンパス及び東北大学雨宮キャンパス内の研究室にて研究を進めております。また、沖縄県久米島町の研究施設にも研究員が常駐し、微細藻類培養の研究を進めております。
各大学が得意とする研究分野は各大学に研究を依頼し、その知見を当社グループが集約し事業化を実施することで、単独では実現できない技術開発を目指しております。
(3) 各連結会計年度における研究主要課題及び研究成果
第14期連結会計年度(自 平成25年4月1日 至 平成26年3月31日)
当連結会計年度における研究主要課題及び研究成果は次のとおりであります。なお、研究開発費の総額は5,848千円であります。
①微細藻類の低コスト且つ大量安定培養技術の開発
世界初のウィルスフリー牡蠣の生産において前工程となる、牡蠣の餌となる微細藻類の大量安定培養方法の確立を目指しました。生活排水の流入がなくウィルスとは無関係な海洋深層水を利用して牡蠣の陸上養殖に取り組むことは、牡蠣の餌となるプランクトンが存在しない海洋深層水を利用することと同意義であります。したがいまして、牡蠣の餌となる微細藻類の低コスト且つ大量安定培養技術の開発と確立が研究命題となるものです。これら命題は、海洋深層水の最大取水能力を誇る沖縄県久米島町における当社研究施設と共同研究パートナーの東京大学本郷キャンパスにおいて研究を進めました。
当連結会計年度において、微細藻類の大量安定培養方法については課題成果を達成し、海洋深層水による牡蠣の陸上養殖に向けて不可欠となる前工程の微細藻類培養の基礎を構築しました。
②海洋深層水を利用した完全陸上養殖での牡蠣の生産ノウハウ構築に向けた課題抽出
陸上において自然海域と類似の環境を現出するための課題抽出に努めました。具体的には、給餌の仕組みや養殖形態、潮の満引きを再現するための抑制方法などのノウハウ構築に向けた課題を抽出することができました。これらは、引き続き研究を継続する方針であります。
第15期第3四半期連結累計期間(自 平成26年4月1日 至 平成26年12月31日)
当第3四半期連結累計期間における研究開発費の総額は31,041千円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4) 研究開発成果の特許化
当社グループでは、研究開発活動における成果については、積極的に特許化を図る方針であります。本書提出日現在、国内において2件の特許を出願中です。
当社グループの研究開発戦略は、「ウィルスフリー牡蠣の生産」及び「牡蠣の栄養価の商品化」を軸としております。その戦略目的を果たすための課題は、二枚貝の餌となる微細藻類の連続大量培養と牡蠣の高機能性成分の商品化であります。
①ウィルスフリー牡蠣の生産
ウィルスフリー牡蠣の生産とは、ノロウィルスに代表される食中毒の原因となるウィルスに汚染されていない牡蠣を生産することです。牡蠣に代表される二枚貝がウィルスに感染する経路は、ウィルスが残留している生活排水が海の表層海域に流入した際に、養殖されている牡蠣がウィルスを取り込むケースや、牡蠣の餌となるプランクトンがウィルスを取り込み牡蠣体内に入るケースといわれております。特に、ノロウィルスは、牡蠣の消化器官の中腸線細胞に特異結合した場合には、無菌海水を体内に循環させて浄化しても排出除去できないことが分かっております。当社グループは、この感染経路中の表層海域という点に注目し、ウィルスが存在せず清浄な海水である深度200m以深の海洋深層水を利用して陸上において取水した海洋深層水で牡蠣を養殖することを目指しております。この中で最大の障壁が、牡蠣の餌となるプランクトンが海洋深層水には存在していないことです。したがいまして、牡蠣の餌となる微細藻類(主にキートセロス(注))の連続、かつ、大量培養の方法が確立されない限り、商業生産は不可能であることから、この方法を確立することが大きな研究課題となっております。
②牡蠣の栄養価の商品化
牡蠣の栄養価の商品化とは、牡蠣が潜在的に持つ高い栄養価を多機能に亘り顕在化させた商品を開発することにあります。牡蠣が養殖される表層海域は年々水質状況が悪化する一途にある一方で、オイスターバーなどで消費される牡蠣は主に生食用であります。このことから、オイスターバーなどで消費される牡蠣の消費量は全体生産量のごく一部に止まり、海域環境悪化と相俟って、規格外の牡蠣は廃棄処分されるなど市場に流通しない牡蠣が数多く存在しております。したがいまして、従来の流通及び消費スタイルには無い、牡蠣の新しい消費の形が模索されるところです。当社グループは、牡蠣の消費の形として、その栄養価に着目しました。牡蠣は亜鉛含有量が多い食物であります。亜鉛は新陳代謝を促す人間が生活するのに重要なミネラルの1つであります。しかしながら、この亜鉛は体内に貯蔵することが出来ないことから、食物から補給するほかありませんが、その吸収率が悪く、ほとんどが対外に排出される難点があります。当社グループの研究主課題は、亜鉛成分を吸収率のよい高品質・高付加価値のサプリメントとして商品化することであります。しかしながら、それだけに止まらず、亜鉛などが奏功したときの食欲調整機能、血圧コントロールとしての循環器系調整機能や免疫増強作用、抗炎症作用、性機能増強作用、タウリンなどによる抗疲労効果など、これら全ての機能を満たした高機能成分のサプリメントなどの商品化に向け研究に取り組んでおります。そして、牡蠣の高機能成分の商品化は、廃棄牡蠣の有効活用だけでなく、健康志向社会及び水産業への貢献に寄与するものと考えております。
(注)キートセロスとは、二枚貝の種苗に必要なエイコサペンタエン酸(EPA)を大量に含んだ藻の一種であります。
(2) 研究体制
当社グループでは、外部との共同研究により、キートセロスの連続大量培養技術の確立、また、新商品開発等を社内にて研究する体制を構築しております。
(社内及び社外における研究体制)
研究開発活動は、グループ全体の牡蠣の高品質・高付加価値化という観点から、牡蠣を供給する子会社の株式会社日本かきセンターの商品管理開発本部に研究員を配置しております。拠点としましては、東京大学本郷キャンパス及び東北大学雨宮キャンパス内の研究室にて研究を進めております。また、沖縄県久米島町の研究施設にも研究員が常駐し、微細藻類培養の研究を進めております。
各大学が得意とする研究分野は各大学に研究を依頼し、その知見を当社グループが集約し事業化を実施することで、単独では実現できない技術開発を目指しております。
(3) 各連結会計年度における研究主要課題及び研究成果
第14期連結会計年度(自 平成25年4月1日 至 平成26年3月31日)
当連結会計年度における研究主要課題及び研究成果は次のとおりであります。なお、研究開発費の総額は5,848千円であります。
①微細藻類の低コスト且つ大量安定培養技術の開発
世界初のウィルスフリー牡蠣の生産において前工程となる、牡蠣の餌となる微細藻類の大量安定培養方法の確立を目指しました。生活排水の流入がなくウィルスとは無関係な海洋深層水を利用して牡蠣の陸上養殖に取り組むことは、牡蠣の餌となるプランクトンが存在しない海洋深層水を利用することと同意義であります。したがいまして、牡蠣の餌となる微細藻類の低コスト且つ大量安定培養技術の開発と確立が研究命題となるものです。これら命題は、海洋深層水の最大取水能力を誇る沖縄県久米島町における当社研究施設と共同研究パートナーの東京大学本郷キャンパスにおいて研究を進めました。
当連結会計年度において、微細藻類の大量安定培養方法については課題成果を達成し、海洋深層水による牡蠣の陸上養殖に向けて不可欠となる前工程の微細藻類培養の基礎を構築しました。
②海洋深層水を利用した完全陸上養殖での牡蠣の生産ノウハウ構築に向けた課題抽出
陸上において自然海域と類似の環境を現出するための課題抽出に努めました。具体的には、給餌の仕組みや養殖形態、潮の満引きを再現するための抑制方法などのノウハウ構築に向けた課題を抽出することができました。これらは、引き続き研究を継続する方針であります。
第15期第3四半期連結累計期間(自 平成26年4月1日 至 平成26年12月31日)
当第3四半期連結累計期間における研究開発費の総額は31,041千円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4) 研究開発成果の特許化
当社グループでは、研究開発活動における成果については、積極的に特許化を図る方針であります。本書提出日現在、国内において2件の特許を出願中です。