四半期報告書-第12期第2四半期(平成30年4月1日-平成30年6月30日)

【提出】
2018/08/13 14:29
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26項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)業績の状況
① 売上高の分析
当第2四半期連結累計期間における我が国経済は、国内の人手不足を背景とする雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復が続いております。
我が国経済の先行きに目を転じますと、米国が輸入関税を実際に引き上げるなど貿易摩擦の程度が高まっており、本格的な貿易戦争に発展するとの不安感があり、政治リスクや地政学的リスクなどと相まって、不透明感が強まりつつある状況であります。
このような環境の中、当社が属する情報通信業界は、IoT(モノのインターネット化)、AI(人工知能)、ビッグデータ、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、通信速度向上、通信規格の高度化といった、今後の社会一般を変貌させる力を秘めた技術革新が、今までにないスピードで進んでおります。当社は、ITの浸透が人々の生活をあらゆる面で、より良い方向に変化させるデジタルトランスフォーメーションの実現に、IoTが重要な技術であるとの認識に立ち、引き続き、事業を展開してまいります。
当社の事業は、技術の特徴で大きく分けると、無線接続技術や著作権認証技術を活かしたワイヤレスコネクティビティ事業と脆弱性診断やデータバックアップといった技術を活かしたセキュリティ&プライバシー事業に分けられます。
(ワイヤレスコネクティビティ事業)・・・当社が主体
Blu-ray再生ソフトウェアや高解像度(4K/8K)画像処理技術を基盤とした事業になります。当事業は、ロイヤリティ収入を主体としているため、Blu-rayなどを再生するデジタル家電機器(TV、Blu-rayレコーダー、PCなど)の出荷台数に影響を受けます。国内のデジタル家電機器の出荷台数は底を打った感が出てきましたが、依然、低調であることには変わりなく、厳しい事業環境が続いております。
当事業においては、画像解析AIエンジンを軸とした製品群(sMedio AI Technologies)も取り扱っております。
(セキュリティ&プライバシー事業)・・・タオソフトウエア㈱および㈱情報スペースが主体
Androidのセキュリティ脆弱性診断やBLE(Bluetooth Low Energy)を使った位置情報ソリューション、データ移行・バックアップアプリ(JSバックアップ)に関する開発収入を中心とした事業であります。開発収入からロイヤリティ収入への転換および月額課金サービス収入の育成を図っております。
このような状況において、グループ全体としては、PCなどのデバイス出荷台数が低調であったことや子会社での開発案件の完成が第3四半期にずれ込んだ影響等で、売上高は534百万円(前年同四半期比8.8%減)となりました。
売上形態別では、ライセンス・ロイヤリティ収入が373百万円(同9.1%減)、保守サービス・サポート収入が37百万円(同13.5%増)、受託開発収入が123百万円(同12.8%減)でした。
形態別売上高は、下表のとおりであります。
(単位:百万円、百万円未満切捨て)
形態別売上高前第2四半期連結累計期間当第2四半期連結累計期間増減
ロイヤリティ収入410373△37
受託開発収入142123△18
保守サービス・サポート収入32374
合計585534△51

② 販売費及び一般管理費、営業利益の分析
当第2四半期連結累計期間における販売費及び一般管理費は244百万円(前年同四半期比9.9%減)、営業利益は29百万円(同31.3%減)となりました。本社移転関連費用の剥落やのれん償却費負担の減少により、販売費及び一般管理費は減少しましたが、売上高の減少による影響を補いきれず、営業利益は減少しました。
③ 営業外損益、経常利益の分析
当第2四半期連結累計期間における営業外収益は1百万円(前年同四半期比3.0%減)、営業外費用は1百万円(同8.0%増)、経常利益は29百万円(同31.5%減)となりました。
④ 親会社株主に帰属する四半期純利益の分析
当第2四半期連結累計期間における親会社株主に帰属する四半期純利益は12百万円(前年同四半期比29.4%増)となりました。
(単位:百万円、百万円未満切捨て)
前第2四半期連結累計期間当第2四半期連結累計期間増減
売上高585534△51
営業利益4229△13
経常利益4229△13
親会社株主に帰属する四半期純利益9122

(2)財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末における資産・負債及び純資産の状況とそれらの要因は次のとおりです。
① 流動資産
当第2四半期連結会計期間末の流動資産は1,518百万円であり、前連結会計年度末と比べ38百万円減少しました。これは、売上の計上に伴い原材料(前払いしていた支払ロイヤリティ)が70百万円減少したことなどによるものであります。
② 固定資産
当第2四半期連結会計期間末の固定資産は184百万円であり、前連結会計年度末と比べ25百万円減少しました。これは、主に償却によりのれんが16百万円減少したことによるものであります。
③ 流動負債
当第2四半期連結会計期間末の流動負債は325百万円であり、前連結会計年度末と比べ8百万円減少しました。これは、賞与引当金が9百万円増加しましたが、前受収益が8百万円、未払法人税等が6百万円減少したことによります。
④ 固定負債
当第2四半期連結会計期間末の固定負債は75百万円であり、前連結会計年度末と比べ62百万円減少しました。これは、主に長期借入金が1年内返済予定の長期借入金に振り替えられ、62百万円減少したことによるものであります。
⑤ 純資産
当第2四半期連結会計期間末における純資産の合計は1,301百万円であり、前連結会計年度末と比べ7百万円増加しました。これは、主に親会社株主に帰属する四半期純利益12百万円によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物残高は1,222百万円(前年同四半期比272百万円減)となり、前連結会計年度末と比べ3百万円の増加となりました。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは81百万円(前年同四半期比160百万円減)の資金増加となりました。これは、主に前第2四半期連結累計期間に海外子会社で生じた預り金(その他)による資金増加が大きかった反動減と売上債権の減少額が縮小したことによるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
当第2四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは11百万円(前年同四半期比28百万円の支出額縮小)の資金減少となりました。これは、前第2四半期連結累計期間には本社移転に伴う多額の支払がありましたが、当第2四半期連結累計期間においては、該当する支払がなかったためであります。主に前第2四半期連結累計期間の資金減少は、本社移転に伴う有形固定資産の取得、敷金及び保証金の差入や株式会社ミックステクノロジーズ(平成30年1月1日付で当社が吸収合併)の株式取得によるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
当第2四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは62百万円(前年同四半期比3百万円の支出額減少)の資金減少となりました。これは、主に長期借入金の返済62百万円によるものであります。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について特に重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は35百万円であります。
主な内容は、AI関連の顔認証精度向上やブラウザ仕様に関連するものであります。