有価証券報告書-第11期(平成29年1月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/03/29 16:54
【資料】
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【項目】
116項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当社グループが本書提出日(平成30年3月29日現在)において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定の設定を行っております。当該見積りにつきましては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる各種の要因に関して仮定設定、情報収集を行い、見積金額を算出しておりますが、実際の結果は見積り自体に不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。
(2) 財政状態の分析
① 流動資産
当連結会計年度末の流動資産は、1,556百万円であり、前連結会計年度末と比べ318百万円減少しました。これは、主に現金及び預金が145百万円、前払いしたライセンス費用の払い出しにより原材料及び貯蔵品が131百万円減少したことなどによります。
② 固定資産
当連結会計年度末の固定資産は、209百万円であり、前連結会計年度末と比べ81百万円減少しました。これは、主に㈱情報スペース株式取得時ののれんなどの減損39百万円が発生し、のれんが68百万円減少したことなどによります。
③ 流動負債
当連結会計年度末の流動負債は、333百万円であり、前連結会計年度末と比べ87百万円増加しました。これは、主に預り金が増加したことなどによります。
④ 固定負債
当連結会計年度末の固定負債は、138百万円であり、前連結会計年度末と比べ129百万円減少しました。これは、主に借入金の約定返済により長期借入金が125百万円減少したことなどによります。
⑤ 純資産
当連結会計年度末の純資産は、1,294百万円であり、前連結会計年度末と比べ358百万円減少しました。これは、主に自己株式取得227百万円および親会社株主に帰属する当期純損失141百万円を計上したことなどによります。
(3) 経営成績の分析
① 売上高の分析
「1 業績等の概要(1)業績」をご参照下さい。
② 販売費及び一般管理費、営業利益の分析
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、573百万円(前期比+17.4%増)となり、営業損失を60百万円(前期は175百万円の営業利益)計上しました。
③ 営業外損益、経常利益の分析
当連結会計年度における営業外収益は2百万円(前期比5.3%減)、営業外費用は4百万円(同97.1%減)となり、結果、経常損失を61百万円(前期は38百万円の経常利益)計上しました。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益の分析
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純損失を141百万円(前期の3百万円の損失から拡大)計上しました。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因
当社は、主にマルチメディアとワイヤレスコネクティビティの要素技術を駆使した分野でスマートデバイス向けのソフトウエア製品を提供することにより事業規模を拡大させてまいりました。従いまして、中期的な成長を実現させるためには、当該市場における技術的な優位性の確保と市場ニーズに迅速に適応した付加価値の高い製品をタイムリーに市場に投入する必要があります。また、事業領域の拡大により他分野においても当社技術及び製品の普及拡大を実現させる事が必要となります。
昨今ハードウエアデバイスの低価格化と陳腐化がより一層早まっており、当社は従来の開発収入、ライセンス収入またサポート収入以外に、サブスクリプションモデルやサービスモデルを伸ばしていく必要性があると考えております。
当社では、これらの市場環境の変化に迅速に対応し技術的な優位性を維持しつつ、且つ市場ニーズに適応した付加価値の高い競争力のある製品の投入と合わせて、新しい市場の開拓も必要となるであろう事を認識しており、これらの市場の変化、事業環境の変化に迅速かつ柔軟に対応できなければ経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
その他の経営成績に重要な影響をあたえるリスクに関しては、「4 事業等のリスク」をご参照下さい。
(5) キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「1 業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
(6) 経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しにつきましては、「第2 事業の状況 3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(7)経営者の問題意識と今後の方針
当社は、これまでデジタル家電の組込みソフトウエアからスマートデバイス向けの無線接続技術を利用したユーザーシナリオを創出するアプリケーションソフトウエアへと、市場ニーズにあった製品を提供してまいりました。
しかしながら、昨今のIT分野での技術進歩は目覚ましく、クラウドを活用したサービスの一般化、AI(人工知能)の実用化といった大きな変化が短期間で起こっておりますので、当社にとっては、デバイスの出荷台数に依存しないサービス収入(月額課金モデルなど)の拡大がますます重要になると考えております。
上記のように、IT業界の今後の動向は予測しづらくなっておりますが、今後も事業環境の変化に十分注意し現時点における入手可能な情報を分析し、迅速かつ最善な経営方針の立案、施策の実施に努めていく所存です。
このような環境下において当社では、ワイヤレスコネクティビティ、マルチメディア、AIおよび関連するセキュリティ技術の差別化した技術を習得し、また、専門性の高い優秀な人材を獲得することにより、事業の拡大を進めるとともに顧客からより一層信頼されうるべく、企業価値の向上に努めてまいります。