有価証券報告書-第60期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/24 15:09
【資料】
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【項目】
103項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されて
おります。この連結財務諸表の作成に当たって、見積りによる判断が含まれておりますが、実際の結果は見積りと
異なる可能性があります。
(2) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、特定市場への依存や他社との競合など経済状況の変動を含め、様々な要因が挙げられ、詳細に
つきましては、「第2 事業の状況 4事業等のリスク」に記載のとおり、認識しております。これらのリスクに
ついては発生の回避および発生した場合にはその対応に努める所存です。
(3) 経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績につきましては「第2 事業の状況 1業績等の概要」に記載のとおり、超硬製工具類では、海外向けの溝付プラグ、国内向けの大型パイプ用ダイスおよび超高圧発生用工具が市況の変化等により前連結会計年度の売上高を下回り、また海外での拡販を計画しておりました新規開拓が中国、アジア新興国の景気減速により進まず、売上高は4,189百万円(前連結会計年度比5.0%減)となりました。
超硬製金型類では、製缶金型が前連結会計年度の売上高を下回ったものの、光学素子成形用金型、自動車部品生産用金型等が堅調に推移した結果、売上高は4,134百万円(前連結会計年度比3.1%増)となりました。
その他の超硬製品では、中国、アジア新興国の景気減速により海外向けの超硬合金チップの販売が低迷したものの、電子部品向けの超硬合金チップの売上高が伸びたこと等により、売上高は3,573百万円(前連結会計年度比1.9%増)となりました。
超硬以外の製品では、海外向けのダイヤモンド研削砥石の販売や引抜鋼管の販売が前連結会計年度の売上高を下回り、売上高は4,163百万円(前連結会計年度比3.7%減)となりました。
その結果、当連結会計年度の売上高は16,060百万円(前連結会計年度比1.2%減)となりました。
利益につきましては、営業利益は海外事業の不振等により963百万円(前連結会計年度比11.5%減)、経常利益は為替差損や株式公開費用により959百万円(前連結会計年度比15.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は732百万円(前連結会計年度比4.5%減)となりました。
(4) 財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末の資産の部は、23,633百万円(前連結会計年度末24,383百万円)となり、750百万円減少いたしました。流動資産は13,995百万円(前連結会計年度末14,638百万円)となり、643百万円減少いたしました。これは主に、受取手形及び売掛金が245百万円、現金及び預金が219百万円減少したことによるものであります。また、固定資産は9,638百万円(前連結会計年度末9,745百万円)となり、106百万円減少いたしました。これは主に、建物及び構築物(純額)が207百万円、投資有価証券が72百万円減少したことによるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末の負債の部は、6,257百万円(前連結会計年度末7,077百万円)となり、820百万円減少いたしました。流動負債は4,347百万円(前連結会計年度末4,801百万円)となり、453百万円減少いたしました。これは主に、未払法人税等が216百万円、未払金が117百万円減少したことによるものであります。また、固定負債は1,909百万円(前連結会計年度末2,275百万円)となり、366百万円減少いたしました。これは主に、役員退職慰労引当金が397百万円減少したことによるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産の部は、17,376百万円(前連結会計年度末17,306百万円)となり、70百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益等の計上によって利益剰余金が348百万円増加したことによるものであります。
(5) キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ211百万円減少し、6,583百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは税金等調整前当期純利益937百万円、減価償却費948百万円の計上などにより1,286百万円の収入(前年同期は1,995百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは有形固定資産の取得による支出865百万円などにより907百万円の支出(前年同期は1,384百万円の支出)となりました。この結果、フリー・キャッシュ・フローは378百万円の収入(前年同期は610百万円の収入)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは長期借入金の返済による支出120百万円、配当金の支払額384百万円などにより551百万円の支出(前年同期は288百万円の支出)となりました。
(6) 経営戦略の現状と見通し
当社グループの主たる利益基盤は、超硬合金を用いた耐摩耗工具の製造・販売であります。当社グループは超硬
合金の工具・金型の製造に必要な工程を全てグループ内で一貫生産しており、また技術的な専門知識を有した当社
グループ約100名の営業担当と当社の技術者が顧客と緊密なコミュニケーションを行うことにより、高精度・長寿命
の工具・金型を供給することで他社との差別化を図っております。当社グループは、顧客の業種や規模に関係なく
工具・金型に対する要望に応えることに努めており、現在では当社グループの顧客は鉄鋼、非鉄金属、輸送用機
器、電気・電子機器、精密機器・機械から化学、食品産業等の幅広い業種に広がっております。
今後につきましては、当社グループに対する顧客の要求や当社グループを取り巻く競争環境が一段と厳しくなる
と想定しており、このような環境下において持続的成長の実現を通じて企業価値の最大化を目指すため、「第2
事業の状況 3対処すべき課題」に掲げた施策を推進してまいります。
(7) 経営者の問題認識と今後の方針
当社グループは、現在の事業環境および入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案し、企業価値を最大限に
高め、強固な企業体質を確立すべく努めております。具体的には「第2 事業の状況 3対処すべき課題」に記載
のとおりであります。