有価証券報告書-第68期(2023/04/01-2024/03/31)

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2024/06/25 15:02
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に関する行動制限の緩和等による経済活動の正常化が進み、景気は緩やかに回復しているものの、ウクライナ情勢に伴う資源・エネルギー価格の高騰や世界的な物価上昇、中東での紛争の発生、長引く円安や中国経済の減速等により、依然として先行き不透明な状況が続いております。
こうした状況の中、当社グループは「革新(勇猛果敢)」を年度方針に掲げ、高品質・低コスト・短納期・充実したサービスの向上に努めてまいりました。
また、「筋肉質な企業体質への転換、中長期の成長基盤の構築」を目指し、2022年3月期から3ヵ年を対象期間とした中期経営計画を策定しており、1.生産性向上・業務効率化、2.次世代自動車への対応・拡販、3.新成長エンジンの創出、4.海外事業の強化、を重点施策に掲げ、最終年度となる2024年3月期も諸施策に取り組んでまいりました。
また、上記4つの重点施策の実施に加えて、機関投資家・個人投資家向け説明会の実施、各種メディアやホームページを通じた積極的な情報発信、増配を含めた株主還元の充実、当社の課題や今後の取り組みに関する理解促進等を目的とした株主様とのコミュニケーションの強化等に取り組んだ結果、2023年12月末時点において、プライム市場の全ての上場維持基準に適合することができました。
中期経営計画の4つの重点施策の実施につきましては、具体的には「1.生産性向上・業務効率化」として、原価率低減目標を4.4%(2020年3月期第2四半期比)に設定し、自動搬送装置や自動化ロボットの導入拡大、熊本製造所における冶金棟や岡山製造所におけるCIP装置のリニューアル、各生産拠点における加工条件や設備レイアウトの最適化等を進めてまいりました。
また「2.次世代自動車への対応」としては、車載用モーターコアの抜き金型向けとして市場投入した新素材(VG48)の販売の拡大や、材料ラインナップを拡充するための新素材開発に注力してまいりました。
「3.新成長エンジンの創出」については、高性能レンズ成型に適した高熱膨張合金「TR05/TR30」の拡販が本格化し、日本機械工具工業会において「技術功績大賞」を受賞、更に、「2023年 第66回十大新製品賞(日刊工業新聞社主催)」において「モノづくり賞」も受賞いたしました。また超硬合金の主原料であるタングステンやコバルトの使用量を大幅に削減した新素材「サステロイ(ST60)」が、「2023年超モノづくり部品大賞(モノづくり日本会議/日刊工業新聞社主催)」において「奨励賞」を受賞しております。
「4.海外事業の強化」については、より機動的な施策実施体制を構築するため、2023年7月に海外事業本部を設置するとともに担当役員を擁立し、2024年3月には中国華南エリアの東莞に同国で二つ目の営業拠点を開設いたしました。
これらの結果、当連結会計年度における売上高は16,678百万円(前連結会計年度比2.9%減)となりました。
超硬製工具類では、海外向け溝付きロールや一部の鋼管用引抜工具の販売が好調に推移した結果、売上高は4,788百万円(前連結会計年度比4.8%増)となりました。
超硬製金型類では、モーターコア用金型の販売が好調に推移したものの、顧客の生産地変更により二次電池向け金型の販売が大幅に減少したほか、自動車部品メーカーの在庫調整の影響を受け、関連する金型の販売が低調に推移した結果、売上高は3,920百万円(前連結会計年度比7.1%減)となりました。
その他の超硬製品では、半導体製造装置向けの需要が堅調に推移したものの、景気低迷が継続している中国市場の影響を受け、中国向け素材販売が低調に推移した結果、売上高は4,004百万円(前連結会計年度比6.0%減)となりました。
超硬以外の製品では、一部の鋼製自動車部品用工具・金型の販売が堅調に推移したものの、引抜鋼管の売上が低調に推移した結果、売上高は3,964百万円(前連結会計年度比3.9%減)となりました。
また利益につきましては、生産性向上・業務効率化の施策や原材料等の高騰に伴う価格改定等に一定の成果があったものの、売上高の減少や、熊本製造所冶金棟建設に伴う一時的な費用増の影響を受け、営業利益は809百万円(前連結会計年度比29.7%減)、経常利益は882百万円(前連結会計年度比28.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度における固定資産(土地)の譲渡益の反動減により709百万円(前連結会計年度比45.1%減)となりました。
なお、当社グループは耐摩耗工具関連事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
(資産の部)
当連結会計年度末の資産の部は、26,138百万円(前連結会計年度末26,253百万円)となり114百万円減少いたしました。流動資産は15,024百万円(前連結会計年度末15,724百万円)となり、700百万円減少いたしました。これは主に、現金及び預金が191百万円減少、受取手形が209百万円減少、原材料及び貯蔵品が226百万円減少したことによるものであります。また、固定資産は11,114百万円(前連結会計年度末10,528百万円)となり、585百万円増加いたしました。これは主に、建設仮勘定が1,172百万円減少したものの、建物及び構築物(純額)が1,413百万円増加、機械装置及び運搬具(純額)が198百万円増加したことによるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末の負債の部は、5,491百万円(前連結会計年度末5,860百万円)となり、369百万円減少いたしました。流動負債は3,871百万円(前連結会計年度末4,197百万円)となり、326百万円減少いたしました。これは主に、未払金が136百万円増加したものの、支払手形及び買掛金が116百万円減少、その他流動負債が368百万円減少したことによるものであります。また、固定負債は1,619百万円(前連結会計年度末1,662百万円)となり、42百万円減少いたしました。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産の部は、20,647百万円(前連結会計年度末20,392百万円)となり、254百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が709百万円増加、剰余金の配当により利益剰余金が634百万円減少、為替換算調整勘定が124百万円増加したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ209百万円減少し、6,983百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは税金等調整前当期純利益995百万円、減価償却費988百万円の計上、売上債権の減少額365百万円などにより2,050百万円の収入(前連結会計年度は775百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは有形固定資産の取得による支出1,718百万円、無形固定資産の取得による支出125百万円、投資有価証券の売却による収入131百万円などにより1,656百万円の支出(前連結会計年度は712百万円の支出)となりました。この結果、フリー・キャッシュ・フローは394百万円の収入(前連結会計年度は62百万円の収入)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは配当金の支払額634百万円などにより651百万円の支出(前連結会計年度は453百万円の支出)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
耐摩耗工具関連事業12,47699.8

(注)1.当社グループの事業区分は「耐摩耗工具関連事業」の単一セグメントであります。
2.金額は当期製品製造原価によっております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高
(百万円)
前年同期比
(%)
受注残高
(百万円)
前年同期比
(%)
耐摩耗工具関連事業16,56793.82,53395.8

(注)当社グループの事業区分は「耐摩耗工具関連事業」の単一セグメントであります。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績を製品区分ごとに示すと、次のとおりであります。
製品区分販売高(百万円)前年同期比(%)
超硬製工具類4,788104.8
超硬製金型類3,92092.9
その他の超硬製品4,00494.0
超硬以外の製品3,96496.1
合計16,67897.1

(注)当社グループの事業区分は「耐摩耗工具関連事業」の単一セグメントであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績は、売上高は16,678百万円、営業利益は809百万円、経常利益は882百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は709百万円となりました。
当連結会計年度は売上高の目標を前連結会計年度比3.6%増の17,800百万円とし、車載用モーターコアの抜き金型向けとして市場投入した新素材(VG48)の拡販や高性能レンズ成型に適した高熱膨張合金「TR05/TR30」の拡販等に取り組みました。また海外売上高拡大のため海外事業本部の設置や中国華南エリアの東莞で営業拠点の開設をしました。しかしながら中国の経済停滞に伴う需要減、自動車部品関連金型の回復遅れに伴う需要減に加え、二次電池向け金型や引抜鋼管の需要減等により当連結会計年度の売上高は目標比6.3%減の16,678百万円となりました。
当連結会計年度の営業利益は、生産性向上・業務効率化の施策や原材料等の高騰に伴う価格改定等に一定の成果があったものの、売上高の減少による営業利益減少の影響が大きく、営業利益は目標比30.9%減の809百万円となりました。
当連結会計年度の経常利益は、営業利益が対目標で下回ったことから目標比28.3%減の882百万円となり、また親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益が対目標で下回ったことから目標比20.3%減の709百万円となりました。
これにより当社グループが重視する経営指標である売上高経常利益率は5.3%(対目標比1.6ポイント減)、ROE(自己資本当期純利益率)は3.5%(対目標比1.1ポイント減)となりました。
当連結会計年度における売上高経常利益率、ROEの目標未達は売上高の未達が主要因であり、今後の課題であると捉えております。
このような状況のもと、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題」に記載のとおり、「変化に対応できる企業体質への転換」を中期方針とした2025年3月期からの3年を対象期間とする「中期経営計画2026」を策定しました。この中期方針のもと国内事業は成長の基盤(安定的に成長)とし、成長を牽引するのは海外事業、将来の成長基盤の育成として新事業の実現という方向性を定め、1.経営基盤の強化、2.生産性向上・業務効率化、3.海外事業の飛躍、4.脱炭素・循環型社会への貢献、5.新事業の確立を成長戦略として持続的に取り組んでまいります。
なお、当社グループは耐摩耗工具関連事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持、並びに健全な財政状態を目指し、その財源として安定的な営業キャッシュ・フローの創出を最優先事項と考えております。
当社グループは事業活動に必要な運転資金及び設備投資資金は、主に手元のキャッシュと営業活動によるキャッシュ・フローで賄っており、また、健全な財政状態、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力により、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金についても調達することが可能と考えております。またコミットメントライン契約により、自然災害等の緊急時も含め流動性を担保できるよう備えております。
当社におけるコミットメントライン契約の状況につきましては、以下のとおりであります。
コミットメントライン契約 10億円(当連結会計年度末の借入実行残高はありません)
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(a)仕掛品(完成粉末を除く)の評価
仕掛品(完成粉末を除く)の評価に関しては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(b)繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより行っております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、中期経営計画の前提となった数値を、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報(予算など)と整合的に修正し見積っており、また中期経営計画の見積期間を超える期間の課税所得については、それまでの計画に基づく趨勢を踏まえた一定の仮定をおいて見積っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(c)退職給付債務の算定
当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、退職率、予想昇給率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率等の様々な計算基礎があります。退職給付債務の算定にあたっては、退職給付見込額の期間帰属方法を給付算定式基準とし、割引率の設定は加重平均期間アプローチによる方法により算出しております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)(6)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。
(d)減損会計における将来キャッシュ・フロー
減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、中期経営計画の前提となった数値を、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報(予算など)と整合的に修正し、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。
当社グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※8 減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失(0百万円)を計上いたしました。回収可能価額は正味売却価額により算定しております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。

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