有価証券報告書-第64期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/23 15:03
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善等を背景に緩やかな回復傾向がみられたものの、長期化する米国の通商政策による貿易摩擦の深刻化、英国のEU離脱問題、消費税増税や相次ぐ自然災害による消費マインドの低下に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大により、世界的な経済下振れ懸念が高まった状況のなかにあります。
超硬工具業界におきましては、上記のような経済の状況において、業界全体の出荷額は3,470億円(対前年度比438億円減・11.2%減)と2018年度を下回りました。また、当社製品の主な市場であります超硬耐摩耗工具の出荷額においても、382億円(対前年度比28億円減・6.9%減)と2018年度を下回りました。
こうした状況のなか、当社グループは「挑戦」を年度方針に掲げ、高品質・低コスト・短納期・充実したサービスの向上に努めてまいりました。また、2018年度(2019年3月期)から、3ヵ年を対象期間とした中期経営計画を策定しており、初年度の2018年度(2019年3月期)は、海外展開の主力である海外子会社の事業の拡大を目指し、海外事業管理部を新設し、人材の育成等による販売・生産能力の向上及び経営管理の充実による経営安定化等を中心に推し進めてまいりました。中期経営計画の2年目となる2019年度(2020年3月期)も、更なる企業価値の向上に向けて、①成長力・収益力の強化、②顧客ニーズの変化への柔軟な対応、③海外展開、④新製品開発、新技術開発の諸施策に取り組んでまいりました。
超硬製工具類では、主に海外向けの熱間圧延ロールや超高圧発生用工具の販売が堅調に推移したものの、混錬工具や冷間フォーミングロールの販売が低調となり、売上高は5,012百万円(前連結会計年度比4.2%減)となりました。
超硬製金型類では、自動車部品生産用金型や光学素子成形用金型、電池関連金型の販売が引き続き好調を維持し、売上高は4,514百万円(前連結会計年度比5.5%増)となりました。
その他の超硬製品では、自動車部品生産用の超硬金型素材の販売が堅調に推移しましたが、米中貿易摩擦や半導体関連の市況の悪化等により、半導体及びスマートフォン部品生産用の超硬金型素材の販売が低調となった事で、売上高は3,854百万円(前連結会計年度比9.2%減)となりました。
超硬以外の製品では、引抜鋼管の販売不振が続いたことに加え、海外向け半導体用樹脂等の鋼製生産工具及びKF2製の混錬工具、ダイヤモンド研削砥石の販売が低調となりました。その結果、売上高は4,044百万円(前連結会計年度比12.0%減)となりました。
その結果、当連結会計年度の売上高は17,426百万円(前連結会計年度比5.1%減)となりました。利益につきましては、売上高の減少等により、営業利益は875百万円(前連結会計年度比31.2%減)、経常利益は1,008百万円(前連結会計年度比25.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は625百万円(前連結会計年度比34.3%減)となりました。
なお、当社グループは耐摩耗工具関連事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
(資産の部)
当連結会計年度末の資産の部は、24,815百万円(前連結会計年度末25,752百万円)となり、937百万円減少いたしました。流動資産は13,619百万円(前連結会計年度末14,103百万円)となり、483百万円減少いたしました。これは主に、受取手形及び売掛金が444百万円減少、電子記録債権が256百万円減少、仕掛品が245百万円減少、現金及び預金が582百万円増加したことによるものであります。また、固定資産は11,195百万円(前連結会計年度末11,649百万円)となり、453百万円減少いたしました。これは主に、建物及び構築物(純額)が195百万円減少、機械装置及び運搬具(純額)が176百万円減少、投資有価証券が91百万円減少したことによるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末の負債の部は、5,845百万円(前連結会計年度末7,003百万円)となり、1,157百万円減少いたしました。流動負債は4,115百万円(前連結会計年度末5,229百万円)となり、1,113百万円減少いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金が589百万円減少、未払金が387百万円減少、流動負債のその他に含まれる設備支払手形が201百万円減少したことによるものであります。また、固定負債は1,730百万円(前連結会計年度末1,774百万円)となり、44百万円減少いたしました。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産の部は、18,969百万円(前連結会計年度末18,749百万円)となり、220百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が625百万円増加、剰余金の配当により利益剰余金が479百万円減少したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ534百万円増加し、5,854百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは税金等調整前当期純利益945百万円、減価償却費1,122百万円の計上などにより2,548百万円の収入(前年同期は925百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは有形固定資産の取得による支出1,418百万円などにより1,508百万円の支出(前年同期は1,228百万円の支出)となりました。この結果、フリー・キャッシュ・フローは1,039百万円の収入(前年同期は302百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは配当金の支払額480百万円などにより515百万円の支出(前年同期は892百万円の支出)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
耐摩耗工具関連事業13,28096.0

(注)1.当社グループの事業区分は「耐摩耗工具関連事業」の単一セグメントであります。
2.金額は当期製品製造原価によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高
(百万円)
前年同期比
(%)
受注残高
(百万円)
前年同期比
(%)
耐摩耗工具関連事業16,50789.62,25871.1

(注)1.当社グループの事業区分は「耐摩耗工具関連事業」の単一セグメントであります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績を製品区分ごとに示すと、次のとおりであります。
製品区分販売高(百万円)前年同期比(%)
超硬製工具類5,01295.8
超硬製金型類4,514105.5
その他の超硬製品3,85490.8
その他4,04488.0
合計17,42694.9

(注)1.当社グループの事業区分は「耐摩耗工具関連事業」の単一セグメントであります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績等は、売上高は17,426百万円、営業利益は875百万円、経常利益は1,008百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は625百万円となりました。
当連結会計年度の売上高は、超硬製品につきましては、自動車部品生産用金型、光学素子成形用金型、超高圧発生用工具等の販売が堅調に推移いたしましたが、米中貿易摩擦や半導体市況の悪化等により超硬金型素材等の販売が低調となり、超硬製品の売上高は13,381百万円(前連結会計年度比2.7%減)となりました。超硬以外の製品につきましては、引抜鋼管の販売不振に加え鋼製品等の販売も低調となり、超硬以外の製品の売上高は4,044百万円(前連結会計年度比12.0%減)となりました。その結果、連結売上高は17,426百万円(前連結会計年度比5.1%減、目標比6.8%減)となりました。また、当社グループは中長期的な成長に向けて海外売上の拡大を目標としており、引き続き経済成長が見込まれるアジア地域を中心に積極的な販売活動を行ってまいりましたが、上記の米中貿易摩擦や半導体市況の悪化等が影響し、当連結会計年度の海外売上高は2,671百万円(前連結会計年度比11.0%減)、アジア地域への売上高は2,367百万円(前連結会計年度比9.8%減)となり、海外売上高及びアジア地域への売上高ともに減少いたしました。
当連結会計年度の営業利益は、冨士ダイスグループ全体で費用削減等に努めてまいりましたが、売上高の減少が大きく影響し、営業利益は875百万円(前連結会計年度比31.2%減、目標比28.8%減)となりました。
当連結会計年度の経常利益は、営業利益が対前連結会計年度、対目標ともに下回り、為替差損の影響が減少したものの1,008百万円(前連結会計年度比25.2%減、目標比27.4%減)となりました。これに伴い当社グループが重視する経営指標の一つであります売上高経常利益率は5.8%となり、当連結会計年度の目標であった7.4%を1.6ポイント下回りました。
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、保有する有価証券の評価額の下落に伴う投資有価証券評価損を計上したこと等により、625百万円(前連結会計年度比34.3%減、目標比36.9%減)となりました。その結果、対前連結会計年度、対目標ともに下回る結果となりました。これに伴い、当社グループが重視する経営指標の一つでありますROE(自己資本当期純利益率)は3.3%となり、当連結会計年度の目標であった5.2%を1.9ポイント下回りました。
当連結会計年度におきましては、生産効率向上・製造原価低減の各種施策や不採算製品の見直し等を進め、収益力の強化に努めてまいりましたが、売上高が大きく減少したことにより、当社グループの重視する経営指標である売上高経常利益率、ROEともに目標を下回りました。
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題」に記載のとおり、今後につきましては厳しい環境となることが予想されるため、多岐にわたる業種に得意先を持つ当社グループの強みを生かし、受注・売上の確保に努めるとともに、引き続き改善活動、技術開発による生産効率向上やITを活用した業務効率向上による収益力の強化に努めてまいります。
なお、当社グループは耐摩耗工具関連事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持、並びに健全な財政状態を目指し、その財源として安定的な営業キャッシュ・フローの創出を最優先事項と考えております。
当社グループは事業活動に必要な運転資金及び設備投資資金は、主に手元のキャッシュと営業活動によるキャッシュ・フローで賄っており、また、健全な財政状態、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力により、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金についても調達することが可能と考えております。またコミットメントライン契約により、自然災害等の緊急時も含め流動性を担保できるよう備えております。
なお、足元に関しましては、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化に備え、手許流動性と必要に応じた資金調達枠の確保に努めております。なお、コミットメントライン契約の状況は以下のとおりであります。
コミットメントライン契約 10億円(当連結会計年度末の借入実行残高はありません)
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関しては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
(a)繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、中期経営計画の前提となった数値を、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報(予算など)と整合的に修正し見積っており、また中期経営計画の見積期間を超える期間の課税所得については、それまでの計画に基づく趨勢を踏まえた一定の仮定をおいて見積っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(b)退職給付債務の算定
当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、退職率、予想昇給率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率等の様々な計算基礎があります。退職給付債務の算定にあたっては、退職給付見込額の期間帰属方法を給付算定式基準とし、割引率の設定は加重平均期間アプローチによる方法により算出しております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)(6)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。
(c)減損会計における将来キャッシュ・フロー
減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、中期経営計画の前提となった数値を、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報(予算など)と整合的に修正し、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。中期経営計画の見積期間を超える期間の将来キャッシュ・フローはそれまでの計画に基づく趨勢を踏まえた一定の仮定をおいて見積っております。
当社グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※6 減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失(8百万円)を計上いたしました。回収可能価額は正味売却価額により算定しております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。

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