有価証券報告書-第29期(2025/07/01-2026/06/30)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
このたび2026年7月28日に発生した「令和8年熊本地震」により被災された皆様に心よりお見舞い申し上げるとともに、熊本に本社を置く企業として、地域の一日も早い復旧・復興に向けて尽力してまいります。
当連結会計年度のわが国の経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果を背景として、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方、原材料価格やエネルギー価格等の上昇に伴う物価高が個人消費に影響を及ぼしたほか、米国の通商政策をめぐる動向、中東情勢の緊迫化、金融資本市場の変動など、景気の先行きについては引き続き不透明な状況が続きました。
住宅業界におきましては、住宅価格の上昇や住宅ローン金利の上昇傾向等を背景に、住宅取得に対する消費者の慎重な姿勢が継続しました。また、建築資材価格や人件費の高止まり、建設技能者の不足など、事業環境は厳しい状況で推移しました。加えて、2025年4月に施行された改正建築基準法により、いわゆる「4号特例」が縮小され、多くの木造住宅において、構造関係図書等の提出が新たに義務付けられたことから、設計業務及び建築確認審査に要する期間が長期化しました。2025年の新設住宅着工戸数は740,667戸と前年比6.5%減少し、3年連続の減少となるなど、住宅市場は総じて弱含みで推移しました。
このような事業環境の中、当社グループは、「サステナブル&テクノロジーで住まいにイノベーションを起こす」をミッションに掲げ、戸建住宅事業、3Dプリンター建設事業及び住宅プラットフォーム事業を成長戦略の柱として、住宅会社から「HOUSE TECH PLATFORM COMPANY」への進化に向けた取り組みを推進しました。
戸建住宅事業におきましては、確度の高い見込み顧客の獲得に重点を置いたデジタルマーケティング施策を推進するとともに、DX及びAIを活用した営業・設計業務の効率化に取り組みました。2025年12月には、当社が運営するYouTubeチャンネル「Lib Work ch」の登録者数が15万人を突破し、戸建住宅業界を代表する動画チャンネルへと成長しました。継続的な情報発信により、住宅購入の検討前段階から顧客との接点を構築し、当社ブランドへの理解とファン化を促進することで、集客力及び受注力の向上に加え、集客コストの大幅な削減にもつながりました。また、2026年5月には鹿児島店を出店し、九州における営業基盤をさらに拡充しました。単なる営業エリアの拡大にとどまらず、当社の認知度、デジタル集客力及び施工体制を活用したドミナント戦略を推進することで、九州における市場シェアの向上と、集客・施工の効率化による収益基盤の強化に取り組みました。さらに、関東圏における経営資源の集約及び意思決定の迅速化を目的として、2026年6月1日付で完全子会社であったタクエーホーム株式会社を吸収合併しました。
3Dプリンター住宅事業におきましては、2025年7月に、土を主原料とした一般住宅用の3Dプリンター住宅「Lib Earth House “model B”」を完成させ、2026年1月から販売開始しました。同住宅に採用する建築材料は、セメントを使用せず、自然由来の素材を中心に構成しながら、従来モデルと比較して約5倍の強度を実現しており、その配合及び製造技術等について特許を取得しました。「Lib Earth House “model B”」の発表以降、来場予約や資料請求等の反響件数は累計1,500件を超え、国内外から高い関心が寄せられました。これを受け、技術開発、販売体制の構築及び海外展開に向けた準備を進めました。
プラットフォーム事業におきましては、AIを活用した住宅プラン提案サービス「My Home Robo」の登録プラン数が10,000プランを超えるなど、全国の住宅会社・工務店に対するサービス基盤の拡充を進めました。また、株式会社アダストリアとのIPライセンス事業「niko and ... EDIT HOUSE」は、加盟住宅会社が全国へ広がるとともに、モデルハウスが全国累計27店舗まで拡大するなど、ストック型収益の成長基盤を着実に構築しました。
一方、改正建築基準法の施行に伴う建築確認審査の長期化により、当社及びタクエーホーム株式会社の一部物件において着工及び引渡しが後ろ倒しとなり、売上計上時期に影響が生じました。なお、引渡しが遅延した物件について、契約のキャンセルは発生しておらず、順次着工及び引渡しを進めております。
また、リモートワークからオフィス勤務への回帰等を背景とした市場ニーズの変化を踏まえ、利便性の高いエリアを中心に戦略的な用地取得を進めた結果、土地の取得単価が上昇し、棚卸資産が増加したことで、営業活動によるキャッシュ・フローは1,421,901千円の支出となりました。
当社はROAを重視した経営を推進しており、建売型モデルの強化による販売回転率の向上や資産効率の改善を通じて、投下資本の早期回収及び資産圧縮を図っております。今後一層資産効率を重視した事業運営により、持続的なROA向上に取り組んでまいります。
売上高及び営業利益につきましては、2025年11月12日に公表した「2026年6月期第2四半期(累計)業績予想及び通期業績予想の修正に関するお知らせ」に記載の業績予想どおりに推移いたしました。
なお、当社が保有する暗号資産(ビットコイン)について、期末時点の時価評価に基づき、暗号資産評価損225,441千円を営業外費用として計上しております。
また、新リース会計基準の適用を見据え、ROA向上に向けた資産圧縮及び固定費削減施策として、常設展示場から建売型モデルへの移行を推進しております。この施策は、将来の収益性向上及び資産効率向上を目的とした戦略的な取り組みであり、店舗業績の悪化に起因するものではありません。当該施策の実行に伴い、一部展示場の早期撤退を決定したことから、減損損失47,179千円及び店舗閉鎖損失9,935千円を特別損失として計上しております。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は15,679,974千円(前連結会計年度比2.0%減)、営業利益は527,980千円(同36.6%減)、経常利益は285,219千円(同66.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は103,103千円(同79.2%減)となりました。
なお、当社グループは戸建住宅関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
当連結会計年度末における財政状態は、次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,970,510千円増加し、13,494,000千円となりました。
流動資産については、前連結会計年度末に比べ1,850,297千円増加し、11,154,580千円となりました。
主な要因は、販売用不動産が970,781千円増加、仕掛販売用不動産が1,099,284千円増加したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,005,279千円増加し、8,814,203千円となりました。
流動負債については、前連結会計年度末に比べ2,316,033千円増加し、7,182,411千円となりました。主な内訳は、販売用不動産及び仕掛販売用不動産の仕入による短期借入金増加によるものであります。
また、固定負債については、前連結会計年度末に比べ310,753千円減少し、1,631,792千円となりました。主な内訳は、長期借入金が322,608千円減少したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は前連結会計年度末に比べ34,769千円減少し、4,679,796千円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加103,103千円、剰余金の配当による利益剰余金の減少151,068千円によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末と比較して、
453,785千円減少し、3,355,606千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は1,421,901千円(前年同期は1,384,878千円の獲得)となりました。これは主に、棚卸資産の取得による支出1,997,925千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は906,842千円(前年同期は496,993千円の使用)となりました。これは主に暗号資産の取得による支出499,998千円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は1,874,958千円(前年同期は856,881千円の使用)となりました。これは短期借入れによる収入4,332,945千円、短期借入金の返済による支出1,972,000千円、長期借入金の返済による支出334,608千円、配当金の支払額150,830千円等があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、注文住宅及び建売住宅の企画、設計、販売、施工、監理を主な事業内容とする戸建住宅関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載に代えて事業部門別に記載しております。
イ 生産実績
当社が営む事業では生産実績を定義することが困難であるため、生産実績は記載しておりません。
ロ 受注実績
当連結会計年度の受注実績は、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっております。
ハ 販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
(注) 主たる販売先は不特定多数の一般消費者であり、相手先別販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の販売先はありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ 経営成績等
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、次のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度においては、物価上昇の継続や金利上昇などにより、依然として先行き不透明な状況が続いており、戸建住宅事業において、改正建築基準法の施行に伴う建築確認審査の長期化により、当社及びタクエーホーム株式会社の一部物件について着工及び引渡しが後ろ倒しとなり、売上計上時期に影響が生じました。以上の結果、売上高は15,679,974千円となりました。
(営業利益)
当連結会計年度においては、住宅資材や人件費等の原価上昇は継続しているものの、子会社である幸の国木材工業との垂直統合型SPAモデルのシナジー効果により、適切な粗利は確保できました。しかし改正建築基準法の施行に伴う建築確認審査の長期化により、当社及びタクエーホーム株式会社の一部物件について着工及び引渡しが後ろ倒しとなり、売上計上時期に影響が生じました。また、前連結会計年度に引き続きエリア拡大のため設備投資や人材投資を積極的に実施しました。以上の結果、売上原価は、11,206,586千円、販売費及び一般管理費は3,945,407千円となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は527,980千円となりました。
(経常利益)
営業外収益は、受取手数料などにより46,561千円となりました。また営業外費用は、暗号資産評価損225,441千円を計上したことにより289,322千円となりました。この結果、当連結会計年度の経常利益は285,219千円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
新リース会計基準の適用を見据え、ROA向上に向けた資産圧縮及び固定費削減施策として、常設展示場から建売型モデルへの移行を推進しております。この施策は、将来の収益性向上及び資産効率向上を目的とした戦略的な取り組みであり、店舗業績の悪化に起因するものではありません。当該施策の実行に伴い、一部展示場の早期撤退を決定したことから、減損損失47,179千円及び店舗閉鎖損失9,935千円を特別損失として計上しております。当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、103,103千円となりました。
ロ 財政状態
財政状態につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
ハ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループにおける資金需要の主なものは、販売用不動産の取得及び一般管理費などの運転資金、並びに常設展示場などの設備投資資金、その他新規事業投資資金があります。
当社グループは現在、これらの資金需要につきましては主に内部資金により充当しておりますが、資金の適正保有水準を維持するため、内部資金に加えて金融機関からの有利子負債による調達も一部行っております。
また、当社グループは必要資金の安定的かつ機動的な調達を行うため取引金融機関と59億円の当座貸越契約を締結しております。
ニ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、住宅性能やデザイン性の向上による高品質高付加価値の住宅提供を行い収益の安定的な成長を目指すとともに、その基盤として一定の財務安全性の維持に努めてまいります。そのため、「自己資本当期純利益率」の向上を目標とし、派生する指標として、収益性の観点から「売上高経常利益率」、「棚卸資産回転期間」、財務安全性の観点から「自己資本比率」を重要な経営指標としております。当連結会計年度における「自己資本当期純利益率」は2.2%、「売上高経常利益率」は1.8%、「棚卸資産回転期間」は194日、「自己資本比率」は34.7%となりました。
ホ 経営戦略の現状と見通し
今後の見通しにつきましては、近年は物価上昇や金利上昇により戸建住宅市場を取り巻く環境は厳しさを増しており、この状況は今後も継続するものと考えられます。
このような環境の中、当社グループとしては、デジタルマーケティングによる集客を軸とし、販売チャネルを多角化する一方で、プラットフォーム事業である「My Home Robo(マイホームロボ)」と「IPライセンス」のライセンス数及び加盟企業数の拡大を図る戦略を推進してまいります。また人的投資、3DP等への研究開発費投資を推進しつつ、既存固定費を圧縮し、利益拡大に努めてまいります。
2027年6月期につきましては、2026年7月28日に熊本県を中心として発生した地震により被災されたオーナー様への復旧・復興支援に全力で取り組むことを最優先事項として進めてまいります。そのため、上期につきましては当該対応の影響を織り込んだ業績を見込んでおります。
上記により、当社グループの連結業績予想は、売上高16,200百万円(前連結会計年度比3.3%増)、営業利益580百万円(同9.9%増)、経常利益510百万円(同78.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益280百万円(同171.6%増)を見込んでおります。
なお、当社は株主の皆様に対する利益還元を重要な経営課題の一つであると考えており、中長期的な事業展開に備えた内部留保の充実を図るとともに、安定的な配当の実施に努めていくことを基本方針としております。次期の1株当たり配当金は、普通配当1.6円を四半期毎に予定しており、年間配当は6.4円を予定しております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
このたび2026年7月28日に発生した「令和8年熊本地震」により被災された皆様に心よりお見舞い申し上げるとともに、熊本に本社を置く企業として、地域の一日も早い復旧・復興に向けて尽力してまいります。
当連結会計年度のわが国の経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果を背景として、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方、原材料価格やエネルギー価格等の上昇に伴う物価高が個人消費に影響を及ぼしたほか、米国の通商政策をめぐる動向、中東情勢の緊迫化、金融資本市場の変動など、景気の先行きについては引き続き不透明な状況が続きました。
住宅業界におきましては、住宅価格の上昇や住宅ローン金利の上昇傾向等を背景に、住宅取得に対する消費者の慎重な姿勢が継続しました。また、建築資材価格や人件費の高止まり、建設技能者の不足など、事業環境は厳しい状況で推移しました。加えて、2025年4月に施行された改正建築基準法により、いわゆる「4号特例」が縮小され、多くの木造住宅において、構造関係図書等の提出が新たに義務付けられたことから、設計業務及び建築確認審査に要する期間が長期化しました。2025年の新設住宅着工戸数は740,667戸と前年比6.5%減少し、3年連続の減少となるなど、住宅市場は総じて弱含みで推移しました。
このような事業環境の中、当社グループは、「サステナブル&テクノロジーで住まいにイノベーションを起こす」をミッションに掲げ、戸建住宅事業、3Dプリンター建設事業及び住宅プラットフォーム事業を成長戦略の柱として、住宅会社から「HOUSE TECH PLATFORM COMPANY」への進化に向けた取り組みを推進しました。
戸建住宅事業におきましては、確度の高い見込み顧客の獲得に重点を置いたデジタルマーケティング施策を推進するとともに、DX及びAIを活用した営業・設計業務の効率化に取り組みました。2025年12月には、当社が運営するYouTubeチャンネル「Lib Work ch」の登録者数が15万人を突破し、戸建住宅業界を代表する動画チャンネルへと成長しました。継続的な情報発信により、住宅購入の検討前段階から顧客との接点を構築し、当社ブランドへの理解とファン化を促進することで、集客力及び受注力の向上に加え、集客コストの大幅な削減にもつながりました。また、2026年5月には鹿児島店を出店し、九州における営業基盤をさらに拡充しました。単なる営業エリアの拡大にとどまらず、当社の認知度、デジタル集客力及び施工体制を活用したドミナント戦略を推進することで、九州における市場シェアの向上と、集客・施工の効率化による収益基盤の強化に取り組みました。さらに、関東圏における経営資源の集約及び意思決定の迅速化を目的として、2026年6月1日付で完全子会社であったタクエーホーム株式会社を吸収合併しました。
3Dプリンター住宅事業におきましては、2025年7月に、土を主原料とした一般住宅用の3Dプリンター住宅「Lib Earth House “model B”」を完成させ、2026年1月から販売開始しました。同住宅に採用する建築材料は、セメントを使用せず、自然由来の素材を中心に構成しながら、従来モデルと比較して約5倍の強度を実現しており、その配合及び製造技術等について特許を取得しました。「Lib Earth House “model B”」の発表以降、来場予約や資料請求等の反響件数は累計1,500件を超え、国内外から高い関心が寄せられました。これを受け、技術開発、販売体制の構築及び海外展開に向けた準備を進めました。
プラットフォーム事業におきましては、AIを活用した住宅プラン提案サービス「My Home Robo」の登録プラン数が10,000プランを超えるなど、全国の住宅会社・工務店に対するサービス基盤の拡充を進めました。また、株式会社アダストリアとのIPライセンス事業「niko and ... EDIT HOUSE」は、加盟住宅会社が全国へ広がるとともに、モデルハウスが全国累計27店舗まで拡大するなど、ストック型収益の成長基盤を着実に構築しました。
一方、改正建築基準法の施行に伴う建築確認審査の長期化により、当社及びタクエーホーム株式会社の一部物件において着工及び引渡しが後ろ倒しとなり、売上計上時期に影響が生じました。なお、引渡しが遅延した物件について、契約のキャンセルは発生しておらず、順次着工及び引渡しを進めております。
また、リモートワークからオフィス勤務への回帰等を背景とした市場ニーズの変化を踏まえ、利便性の高いエリアを中心に戦略的な用地取得を進めた結果、土地の取得単価が上昇し、棚卸資産が増加したことで、営業活動によるキャッシュ・フローは1,421,901千円の支出となりました。
当社はROAを重視した経営を推進しており、建売型モデルの強化による販売回転率の向上や資産効率の改善を通じて、投下資本の早期回収及び資産圧縮を図っております。今後一層資産効率を重視した事業運営により、持続的なROA向上に取り組んでまいります。
売上高及び営業利益につきましては、2025年11月12日に公表した「2026年6月期第2四半期(累計)業績予想及び通期業績予想の修正に関するお知らせ」に記載の業績予想どおりに推移いたしました。
なお、当社が保有する暗号資産(ビットコイン)について、期末時点の時価評価に基づき、暗号資産評価損225,441千円を営業外費用として計上しております。
また、新リース会計基準の適用を見据え、ROA向上に向けた資産圧縮及び固定費削減施策として、常設展示場から建売型モデルへの移行を推進しております。この施策は、将来の収益性向上及び資産効率向上を目的とした戦略的な取り組みであり、店舗業績の悪化に起因するものではありません。当該施策の実行に伴い、一部展示場の早期撤退を決定したことから、減損損失47,179千円及び店舗閉鎖損失9,935千円を特別損失として計上しております。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は15,679,974千円(前連結会計年度比2.0%減)、営業利益は527,980千円(同36.6%減)、経常利益は285,219千円(同66.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は103,103千円(同79.2%減)となりました。
なお、当社グループは戸建住宅関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
当連結会計年度末における財政状態は、次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,970,510千円増加し、13,494,000千円となりました。
流動資産については、前連結会計年度末に比べ1,850,297千円増加し、11,154,580千円となりました。
主な要因は、販売用不動産が970,781千円増加、仕掛販売用不動産が1,099,284千円増加したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,005,279千円増加し、8,814,203千円となりました。
流動負債については、前連結会計年度末に比べ2,316,033千円増加し、7,182,411千円となりました。主な内訳は、販売用不動産及び仕掛販売用不動産の仕入による短期借入金増加によるものであります。
また、固定負債については、前連結会計年度末に比べ310,753千円減少し、1,631,792千円となりました。主な内訳は、長期借入金が322,608千円減少したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は前連結会計年度末に比べ34,769千円減少し、4,679,796千円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加103,103千円、剰余金の配当による利益剰余金の減少151,068千円によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末と比較して、
453,785千円減少し、3,355,606千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は1,421,901千円(前年同期は1,384,878千円の獲得)となりました。これは主に、棚卸資産の取得による支出1,997,925千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は906,842千円(前年同期は496,993千円の使用)となりました。これは主に暗号資産の取得による支出499,998千円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は1,874,958千円(前年同期は856,881千円の使用)となりました。これは短期借入れによる収入4,332,945千円、短期借入金の返済による支出1,972,000千円、長期借入金の返済による支出334,608千円、配当金の支払額150,830千円等があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、注文住宅及び建売住宅の企画、設計、販売、施工、監理を主な事業内容とする戸建住宅関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載に代えて事業部門別に記載しております。
イ 生産実績
当社が営む事業では生産実績を定義することが困難であるため、生産実績は記載しておりません。
ロ 受注実績
当連結会計年度の受注実績は、次のとおりであります。
| 事業部門別の名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| 建築請負事業 | 11,189,047 | 110.1 | 7,095,656 | 126.3 |
| 不動産販売事業 | 3,625,727 | 127.1 | 672,239 | 249.5 |
| 合計 | 14,814,774 | 113.8 | 7,767,895 | 131.9 |
(注) 金額は販売価格によっております。
ハ 販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
| 事業部門別の名称 | 当連結会計年度 (自 2025年7月1日 至 2026年6月30日) | 前年同期比(%) |
| 建築請負事業(千円) | 10,289,800 | 97.9 |
| 不動産販売事業(千円) | 4,177,295 | 91.9 |
| その他(千円) | 1,212,878 | 127.9 |
| 合計(千円) | 15,679,974 | 98.0 |
(注) 主たる販売先は不特定多数の一般消費者であり、相手先別販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の販売先はありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ 経営成績等
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、次のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度においては、物価上昇の継続や金利上昇などにより、依然として先行き不透明な状況が続いており、戸建住宅事業において、改正建築基準法の施行に伴う建築確認審査の長期化により、当社及びタクエーホーム株式会社の一部物件について着工及び引渡しが後ろ倒しとなり、売上計上時期に影響が生じました。以上の結果、売上高は15,679,974千円となりました。
(営業利益)
当連結会計年度においては、住宅資材や人件費等の原価上昇は継続しているものの、子会社である幸の国木材工業との垂直統合型SPAモデルのシナジー効果により、適切な粗利は確保できました。しかし改正建築基準法の施行に伴う建築確認審査の長期化により、当社及びタクエーホーム株式会社の一部物件について着工及び引渡しが後ろ倒しとなり、売上計上時期に影響が生じました。また、前連結会計年度に引き続きエリア拡大のため設備投資や人材投資を積極的に実施しました。以上の結果、売上原価は、11,206,586千円、販売費及び一般管理費は3,945,407千円となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は527,980千円となりました。
(経常利益)
営業外収益は、受取手数料などにより46,561千円となりました。また営業外費用は、暗号資産評価損225,441千円を計上したことにより289,322千円となりました。この結果、当連結会計年度の経常利益は285,219千円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
新リース会計基準の適用を見据え、ROA向上に向けた資産圧縮及び固定費削減施策として、常設展示場から建売型モデルへの移行を推進しております。この施策は、将来の収益性向上及び資産効率向上を目的とした戦略的な取り組みであり、店舗業績の悪化に起因するものではありません。当該施策の実行に伴い、一部展示場の早期撤退を決定したことから、減損損失47,179千円及び店舗閉鎖損失9,935千円を特別損失として計上しております。当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、103,103千円となりました。
ロ 財政状態
財政状態につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
ハ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループにおける資金需要の主なものは、販売用不動産の取得及び一般管理費などの運転資金、並びに常設展示場などの設備投資資金、その他新規事業投資資金があります。
当社グループは現在、これらの資金需要につきましては主に内部資金により充当しておりますが、資金の適正保有水準を維持するため、内部資金に加えて金融機関からの有利子負債による調達も一部行っております。
また、当社グループは必要資金の安定的かつ機動的な調達を行うため取引金融機関と59億円の当座貸越契約を締結しております。
ニ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、住宅性能やデザイン性の向上による高品質高付加価値の住宅提供を行い収益の安定的な成長を目指すとともに、その基盤として一定の財務安全性の維持に努めてまいります。そのため、「自己資本当期純利益率」の向上を目標とし、派生する指標として、収益性の観点から「売上高経常利益率」、「棚卸資産回転期間」、財務安全性の観点から「自己資本比率」を重要な経営指標としております。当連結会計年度における「自己資本当期純利益率」は2.2%、「売上高経常利益率」は1.8%、「棚卸資産回転期間」は194日、「自己資本比率」は34.7%となりました。
ホ 経営戦略の現状と見通し
今後の見通しにつきましては、近年は物価上昇や金利上昇により戸建住宅市場を取り巻く環境は厳しさを増しており、この状況は今後も継続するものと考えられます。
このような環境の中、当社グループとしては、デジタルマーケティングによる集客を軸とし、販売チャネルを多角化する一方で、プラットフォーム事業である「My Home Robo(マイホームロボ)」と「IPライセンス」のライセンス数及び加盟企業数の拡大を図る戦略を推進してまいります。また人的投資、3DP等への研究開発費投資を推進しつつ、既存固定費を圧縮し、利益拡大に努めてまいります。
2027年6月期につきましては、2026年7月28日に熊本県を中心として発生した地震により被災されたオーナー様への復旧・復興支援に全力で取り組むことを最優先事項として進めてまいります。そのため、上期につきましては当該対応の影響を織り込んだ業績を見込んでおります。
上記により、当社グループの連結業績予想は、売上高16,200百万円(前連結会計年度比3.3%増)、営業利益580百万円(同9.9%増)、経常利益510百万円(同78.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益280百万円(同171.6%増)を見込んでおります。
なお、当社は株主の皆様に対する利益還元を重要な経営課題の一つであると考えており、中長期的な事業展開に備えた内部留保の充実を図るとともに、安定的な配当の実施に努めていくことを基本方針としております。次期の1株当たり配当金は、普通配当1.6円を四半期毎に予定しており、年間配当は6.4円を予定しております。