有価証券報告書-第14期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/18 15:00
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203項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社が掲げる経営理念には、お客さまによりそい、一人ひとりの人生を守り続けていくために、全社員一丸となって歩んでいくという、当社の決意が込められております。この経営理念を実現するため、当社が目指していく具体的な姿を経営方針として制定しております。
(経営理念)
いつでもそばにいる。どこにいても支える。すべての人生を、守り続けたい。
(経営方針)
かんぽ生命保険は、お客さまから選ばれる真に日本一の保険会社を目指します。
① お客さま一人ひとりの人生によりそい、分かりやすい商品と質の高いサービスを提供します。
② お客さまにより良いサービスを提供するため、お客さまと接する社員が力を発揮する態勢を整備します。
③ 社員一人ひとりが成長でき、明るく生き生きと活躍できる環境をつくります。
④ コーポレート・ガバナンスの確立による健全な経営を行い、常に新しい価値を創造することで、持続的な成長を生み出します。
⑤ 健康促進、環境保護、地域と社会の発展に積極的に貢献します。
⑥ すべてのステークホルダーと密接なコミュニケーションを図ります。
(2) 経営環境
2019年度の日本経済は、年度前半は底堅い成長が続きましたが、年度後半に消費税率の引き上げが実施された後は民間内需を中心に鈍化し、年度末にかけて、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のための外出自粛要請の影響等から急速に悪化しました。米国、ユーロ圏、中国等の海外経済も、年度前半は比較的堅調な成長が続きましたが、年度末にかけて、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策の実施等から急速に悪化しました。
こうした経済状況の中、運用環境は以下のようになりました。
国内長期金利は、4月は△0.05%程度で推移していましたが、その後、米中貿易交渉における緊張の高まり等による世界経済の急減速懸念や、それを受けた米国等各国での利下げ等を受けて、世界的に長期金利が低下基調となり、国内長期金利も8月末に一時△0.29%まで低下しました。年末にかけて、米中貿易交渉の進展期待の高まりや日本銀行の国債買い入れ額の調整等を受けて、国内長期金利は0.00%程度まで上昇しましたが、年明けからは新型コロナウイルス感染症の感染拡大懸念から一旦低下した後、再び上昇するなど不安定な動きとなり、3月末は0.01%となりました。
日経平均株価は、年度前半は、米中貿易交渉における緊張の高まり等による世界経済の急減速懸念からの下落や、それに対応した米国での政策金利引き下げ等を受けた上昇などを繰り返し、20,000円~22,000円台前半で上下しました。その後は、米中貿易交渉に対する進展期待が高まったことや、米欧株価が上昇したこと等から、日経平均株価も24,000円程度まで上昇しました。しかし、2月下旬以降は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大懸念から大幅に下落し、3月末は18,000円台後半となりました。
また、近年、生命保険業界を取り巻く経営環境は大きく変化しております。
少子高齢化の進展や単身世帯の増加に伴い、伝統的な死亡保障へのニーズが縮小する一方、社会保障制度に対する不安感や自助努力意識の高まりから、医療・介護等の第三分野商品、年金商品といった生存保障(長生きリスク)に対するニーズの高まりが見られ、今後もこの傾向は継続するものと考えられます。また、医療ビッグデータやAI等の活用により、保険引受能力の向上や、契約者の健康づくりを支援する新たな商品・サービスの開発につなげる動きが広がっております。
販売チャネルにつきましては、従来からの営業職員チャネルが依然として主要な地位を占めるものの、銀行を中心とした金融機関の窓口販売や来店型ショップ等の新たな販売チャネルが台頭するなど、お客さまが保険に加入される際の選択肢の多様化が進展しております。さらに、顧客基盤につきましては、人口減少による市場規模の縮小を見据え、相対的に加入率の低い若年層の需要の掘り起こしが課題となる中、デジタル技術の活用等により顧客接点の拡大を図る動きが活発化しております。
当社におきましては、創業以来、養老保険・終身保険を中心とした簡易で小口な商品を、全国津々浦々の郵便局を通じて、家庭市場を中心に多くのお客さまにご提供するという独自のビジネスモデルを展開してまいりました。商品・チャネル・顧客基盤といったこれらの特徴は、他社にはない当社の大きな強みである一方、時代や環境の変化に適応したビジネスモデルの進化を図る必要性を認識しております。当該ビジネスモデルの再構築にかかる詳細は、下記「(4) 経営戦略及び対処すべき課題」に記載のとおりであります。
また、当社は、お客さまに不利益が生じた契約乗換等に係る事案の発生により、2019年12月27日に金融庁から、保険業法第132条第1項に基づく業務停止命令(2020年1月1日から3月31日まで)及び業務改善命令を受け、2020年1月1日から3月31日までの間、お客さまの自発的な意思表示を受けて行う保険募集及び保険契約の締結を除き、当社保険商品に係る保険募集及び保険契約の締結を停止するとともに、適正な業務運営を確保し、保険契約者の保護を図るための改善計画(業務改善計画)を策定し、同年1月31日に金融庁に提出いたしました。
今回の行政処分を厳粛に受け止め、当該業務改善計画の実行を経営の最重要課題として位置づけ、お客さまからの信頼回復に向けて全社をあげて取り組んでまいります。なお、同年4月1日以降も、当面は当社商品の積極的なご提案は控え、お客さまからご契約のお申し出があった場合には、商品内容を丁寧にご説明させていただき、ご意向に沿ったお申し込み内容であることを確認した上で、お申し込みいただくこととしております。本事案の経緯及び業務改善計画における再発防止策等の詳細については、下記「(4) 経営戦略及び対処すべき課題」に記載のとおりであります(以下、かかる事案の経緯及び再発防止に向けた取り組み等を総称し、「募集品質に係る諸問題」といいます。)。
(3) 目標とする経営指標
日本郵政グループでは、お客さまが安全・安心で、快適で、豊かな生活・人生を実現することをサポートする「トータル生活サポート企業グループ」を目指す、との経営の方向性を示すものとして、2019年3月期からの中期経営計画「日本郵政グループ中期経営計画2020」を、2018年5月に公表しております。本中期経営計画において、当社グループは、「お客さま本位の業務運営の徹底」、「持続的な成長の実現」、「事業経営における健全性の確保」を経営の基本的な考え方に据えて、販売・資産運用両面での収益向上と保有契約年換算保険料※1の反転・成長を目指すこととしており、具体的には、保有契約年換算保険料(個人保険)※2、1株当たり当期純利益及び1株当たり配当額という3つの主要定量目標を設定しております。
当該主要定量目標の達成状況については、下記「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) 目標とする経営指標の達成状況等」に記載のとおりであります。
※1 年換算保険料とは、保険料の支払方法(月払い、年払いなど)の違いを調整し、1年(12カ月)あたりに換算した金額です。新契約や保有契約に関する年換算保険料は、保険料等収入とともに生命保険会社の売上規模を表す指標です。
※2 郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約(保険)を含めています(別段の記載がない限り、以下同様)。
(4) 経営戦略及び対処すべき課題
(当社における募集品質に係る諸問題について)
当社では、本連結会計年度において当社及び当社代理店の募集品質に係る諸問題が発生いたしました。
そのため当社は、お客さまが保障内容の見直しをされる際の保険契約の乗換において、お客さまのご意向に沿わず不利益が発生した可能性が特定可能な類型のご契約について、ご契約時の状況等をご確認するための調査を、書面、お電話、ご訪問等を通じて行いました(特定事案調査)。また、全てのご契約について、お客さまのご意向に沿わず不利益を生じさせたものがないかを確認するための書面調査を行いました(全ご契約調査)。
特定事案調査では、対象のお客さまに、ご契約時の状況や契約復元等のご意向確認を実施し、お客さまの不利益の解消を優先して、お手続きを進めさせていただくとともに、ご契約時の状況に関する調査等の確認結果に基づき、当該保険契約を受理した募集人への調査(募集人調査)を行いました。全ご契約調査では、ご加入いただいているご契約がご意向に沿うものであるかのほか、ご要望やご意見をお聞きし、お申し出の内容に応じて必要な対応や調査を行いました。
郵便局及び当社支店においては、2019年7月以降、当社商品の積極的なご提案を控えることとし、これらの調査に係るお客さま対応に最優先で取り組みました。その結果、特定事案調査(対象となるお客さま数15.6万人)におけるお客さま対応については、お客さま都合によるもの等を除いて、2020年3月末に完了しております。また、全ご契約調査についても、お客さま約1,900万人に対してご契約内容の確認を実施し、約101万通の回答をいただきましたが、お客さま都合によるもの等を除いて、同年3月末にお客さま対応が完了しております。
特定事案調査における募集人調査については、当該募集人が病気休暇中等の理由により調査不能となっている事案を除き、同年4月末でほぼ判定が終了しており、法令違反・社内ルール違反に該当した募集人のうち、現時点で業務廃止と判定されていない募集人に対する研修を実施しています。全ご契約調査については、ご契約内容の説明、住所変更などの各種手続きのご要望や感謝・激励のお声のほか、苦情やお叱りなど多数のご意見をいただいておりますが、このうち法令違反や社内ルール違反の可能性を確認しているご契約等について、募集人調査やお客さまの利益回復に向けた対応を実施しております。
また、全ご契約調査等でお客さまからいただいたご回答・ご意見等の中から、多数回にわたって契約の消滅・新規契約が繰り返され、お客さまのご意向に沿ったものではない可能性がある事例を把握しました。そのため、同年2月より、こうしたご契約について募集状況等の調査を行い、不利益が発生しているお客さまについてはその解消を図るため、全ご契約調査の更なる深掘調査を、優先順位の高いものから順次実施しております。本深掘調査については、ご契約内容の確認を同年6月末目処に進める予定ですが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、計画が遅れる可能性がございます。
上記の調査対象以外についても、お客さまへの訪問活動等を通じてお客さまのご意見・ご要望を丁寧にお聞きし、お客さまのご意向に沿わず不利益が生じている場合には、誠実にその解消を図るなど、ご契約内容の確認等を通じてお客さまからの信頼を回復していくための活動を継続して行ってまいります。
当社は、本問題に関し、日本郵政株式会社、日本郵便株式会社とともに、この3社と利害関係を有しない外部専門家のみで構成される特別調査委員会を設置し、特定事案調査及び全ご契約調査が適正に実施されるように適宜ご意見をいただくとともに、事案の徹底解明、原因究明及び改善策の提言を行っていただきました。また、2019年12月27日に、金融庁より本問題について行政処分を受けたことから、特別調査委員会からのご指摘も踏まえた業務改善計画を策定し、2020年1月31日に金融庁に提出いたしました。
なお、今回の問題を招いた責任を明確化するため、同年1月5日付けで当社代表執行役社長が辞任するとともに役員の月額報酬の減額等を実施しており、一定の責任を有している本社・エリア本部等の管理社員については、同年夏期賞与を減額支給することとしました。
当社は、業務改善命令における指摘事項及び特別調査委員会からの提言事項等を踏まえ、業務改善計画において掲げた以下の再発防止策(健全な組織風土の醸成・適正な営業推進態勢の確立、適正な募集管理態勢の強化及び取締役会等によるガバナンスの強化)を確実に実行してまいります。
1. 健全な組織風土の醸成・適正な営業推進態勢の確立
組織全体にお客さま本位の意識を醸成するとともに、それに基づく保険募集を実践することが適切に評価される態勢を構築するため、以下の施策に取り組みます。
① 適切な募集方針の策定及び浸透
生命保険本来の役割・使命を踏まえた高い倫理観に基づき保障を提供するというプリンシプルベースの基本的な行動の実践を徹底するため、2020年2月にお客さま本位の理念を反映させた勧誘方針を策定し、2020年4月にお客さまに対して公表しました。
また、上記勧誘方針に基づくかんぽ営業の行動原則を「かんぽ営業スタンダード」として定義するとともに、募集人等に対して、これを浸透させる研修等、お客さま本位の理念に基づいた行動規範の理解・定着に向けて継続的に研修を実施しております。
② 営業目標等の体系の見直し
2021年3月期は営業目標の設定を行いませんが、2022年3月期以降に営業目標を設定する場合においては、生命保険マーケット等の見通しを踏まえ、現場の営業力に不適切な募集が含まれていないかを確認することのほか、当年度と次年度の各種施策の変化要素にコンサルタント数の増減の影響を加えた上で算出するとともに、適正な募集品質に基づく営業力で達成可能かなど、営業部門・経営企画部門のほか、募集管理部門との間で協議のうえ、決定することとしております。
日本郵便株式会社の各支社及び各郵便局への当該目標の配算についても、営業目標の水準の適正化と合わせて、適切に実施できているか日本郵便株式会社の取り組みの確認を行います。
また、これまでの新契約月額保険料実績に偏重した目標管理等を、新契約と契約継続の両方を同じ重要度で評価できるよう、新契約と消滅契約(解約等)の月額保険料を差し引きしたストックを重視した目標に改めるとともに、契約乗換については販売実績の計上を行わないこととし、現行の手当(通常の契約の二分の一支給)を不支給としました。人事評価についても、営業推進と募集品質の人事評価項目を一本化することにより、募集品質の確保を前提とした営業推進を評価する内容に見直しております。
③ 保障見直しの仕組みの改善
2020年1月に、保障の見直しをお客さま本位で実現できる制度として、条件付解約等制度※1を導入しました。また、既契約の解約を伴わない、契約転換制度※2の導入に向けてシステム開発等の具体的な検討を進めております。
※1 条件付解約等制度とは、お客さまの不利益を未然に防ぐため、新契約が有効に成立したことを条件として既契約の解約等の効力を発生させる制度をいいます。
※2 契約転換制度とは、既契約を解約することなく新たな内容の契約に移行できる制度をいいます。
④ その他の対策
上記のほか、お客さま本位の販売を定着させるため以下の施策などに取り組んでまいります。
ア ご高齢者に対する募集対策
満70歳以上のお客さまについては、原則、募集人からの勧奨を停止しておりますが、お客さまのご意向によりお申込みをいただく場合には、必ずご家族等の同席又はご家族等への事前のご説明を実施することとしているほか、お申込みの受付時に被保険者さまから事前同意をいただくなど、取り扱いを強化しております。
イ 商品開発
青壮年層を含めたお客さまの保障ニーズに応えるための商品の開発を検討してまいります。
ウ 社員の声の把握
当社では、社員から社長への直接提案制度を導入したほか、当社経営陣が当社各支店等を訪問し、現場の社員の声を直接聞く「役員ダイアログ(対話)」を開始しました(新型コロナウイルス感染症の感染状況を踏まえ一時中断しておりましたが、2020年5月28日よりWeb会議方式で一部再開しております。)。
2. 適正な募集管理態勢の強化
お客さまのご意向に沿わない契約の発生を未然に防止するため、以下のとおり、チェック・統制による牽制を行ってまいります。
① 郵便局・コールセンター・サービスセンター等の態勢強化
ア お申込みからご契約締結までの重層的なチェック体制
外形上、募集品質に懸念のある申込みについては、それを検知する「募集事前チェック機能」の対象を拡大するとともに、郵便局管理者によるお客さまへのご意向確認に加え、当社専用コールセンターによるお客さまへの重層的なご意向確認を行い、引受審査時に当社サービスセンターが申込関係書類とこれらのご意向確認結果からお客さまのご意向に沿っているかどうかの確認をしております。
そのほか、契約乗換の判定期間に近接する契約についてはアラート表示を行うなどのシステム対応も実施し、契約乗換潜脱を防止する仕組みを整備しました。
また、募集品質管理に活用するため、お客さまの過去のご契約の加入・消滅履歴等をシステム上、簡易に把握できる仕組みを設けるなど、お客さま情報を募集品質管理に活用できる態勢を整備してまいります。
イ 解約請求受付時のチェック体制
郵便局の管理者による説明・確認に加え、当社専用コールセンターからお客さまにご意向確認や不利益事項のご説明の有無の確認を行っております。
② 本社等の態勢強化
ア 適正な募集管理に向けた態勢の強化
(ア) 本社及び支店等機能の見直し
従来は、本社における第2線(コンプライアンス部門・募集管理部門)が担ってきた適正募集の実現に向けた企画・指導業務を第1線(営業部門)に移管し、これまでよりも第1線が募集品質の確保を前提とした営業への責任を担うとともに、第2線が第1線の施策に対する検証業務に注力することで、適正な相互牽制の下、お客さま本位に立脚した施策の立案が可能となる態勢を構築しました。また、コンプライアンス調査室を新設し、不適正募集等に対する調査業務の指揮命令機能を集約し、調査機能を強化しました。
支店等では、代理店支援において営業推進に注力していたことを踏まえ、今後は募集品質の確保を前提とした代理店支援・指導へ見直し、募集態様調査及び適正募集指導に係る体制を強化してまいります。
(イ) 苦情等の検知
募集態様に問題が疑われる苦情を高いリスク感度を持って検知し、各担当部署の役割分担を明確にした上で、入口から出口まで責任を持って、フォローを行う態勢の構築に向けた各種検討を開始しました。
イ 事故判定と処分基準の厳格化等による牽制
自認に頼らない事実認定及び事故判定を実施するとともに、募集状況の可視化を図るため、募集状況の録音・保管の試行を開始しました。そのほか、募集人処分に「業務停止」及び「注意」を追加し、不適正募集の程度に応じた処分を実施するための処分基準の厳格化や、当該募集人の管理者に対しても厳格な処分を日本郵便株式会社に要請することとしており、これらの対応により、不適正募集等に対する牽制を強化してまいります。
③ 内部監査部門の態勢強化
内部監査の人材、体制及びリスクアセスメントの強化を行うとともに、内部監査に関する監査委員会との連携を強化してまいります。
3. 取締役会等によるガバナンスの強化
経営層がリスクを適切に把握し、正確な情報把握に基づきガバナンスを強化のうえ、PDCAサイクルの徹底、再発防止に向けた改善策の着実な実施・定着を図る態勢を構築してまいります。
① 募集状況等の実態把握の強化及びPDCAサイクルの徹底
お客さまからの苦情、新たに設置する金融営業専用の社外通報窓口に寄せられた社員の声など様々な情報を、リスク感度を高めて把握、分析し、深度ある議論の上、改善策の効果検証等を実施することとしました。
② 取締役会及び監査委員会の機能の強化
取締役会の決議事項の対象範囲の見直しをしたほか、従来の「決議」、「報告」に加え、決議案の作成段階から社外取締役の知見を活用する「審議」を新設しました。また、必要に応じて取締役会を臨時開催するほか、社外取締役間会合を実施するなど、取締役間の意見交換を充実化させる場を設けることとしました。
内部監査計画の決定・変更及び内部監査部門の重要人事については、監査委員会の事前同意を必須化し、監査委員会による募集態様等の検証のための調査指示及び担当執行役への助言等を実施する体制を整備しました。
(新型コロナウイルス感染症の感染拡大への対応について)
当該事業年度以降、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が、世界的に大きな社会問題となっており、国内における個人の生活、企業経営に多大な影響が生じております。当社は、こうした非常事態において、生命保険会社の社会的使命・機能を確実に果たしていくため、社員の健康・安全を十分に配慮した上で、継続すべき重要業務として、ご契約調査への対応、保険金のお支払い等の業務を適切に行ってまいります。
また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、金融市場が大きな影響を受けております。2021年3月期の資産運用については、これらの影響等による金融市場の動向を注視しながら、財務の健全性を維持しつつ、利差益の確保を目指してまいります。
さらに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、非対面でのサービス利用の広まり等、様々なライフスタイルの変化をもたらすことが予想されます。当社は、保険契約の各種お手続等の保険サービスの提供が、時間や場所の制限なく行うことができる環境整備等に向けて、更なるデジタル技術の活用を検討してまいります。
(ビジネスモデルの再構築について)
当社は、上記のお客さま本位の業務運営を徹底するための様々な改善策のほか、お客さまへのフォローアップ活動、新型コロナウイルス感染症の感染拡大への対応等の取り組みを確実に実施し、お客さまからの信頼を早期に回復することで、これまで約100年間の長きに渡って培った当社及び郵便局の安心と信頼のブランドの再構築を図るとともに、当社のビジネスモデル(顧客・チャネル・商品)の進化を図ることで、中長期的な企業価値の向上や持続的成長につなげてまいります。
超高齢社会が進展する中、公的社会保障を補完する生命保険会社の役割は、今後ますます重要になると見込まれます。これまで当社の主要な顧客層であった、女性・中高年層のお客さまとの関係をより大事に深めながら、青壮年層のお客さまに対しても必要な保障をより積極的にご案内することで、今後の健康長寿社会の実現に貢献してまいりたいと考えております。このため、地域に根差した対面チャネルとしての郵便局の強みを再生しつつ、デジタル技術の活用等により、お客さまとの接点を拡げてまいります。更に、青壮年層を含めた全てのお客さまの保障ニーズにお応えするため、早期に商品ラインアップの拡充を目指してまいります。
このほか、ESGの取り組みとして、健康促進、ESG投資とスチュワードシップ活動、ダイバーシティ、環境保護の取り組み等の推進により、社会的課題の解決に積極的に貢献することで、中長期的な企業価値の向上や持続的な成長につなげてまいります。
今後も、上記の成長に向けた改革に積極的に取り組んでいくことで、株主、投資家をはじめとする各ステークホルダーのご期待に沿えるよう、安定的な利益創出に基づく利益還元を目指してまいります。

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