四半期報告書-第20期第1四半期(令和4年4月1日-令和4年6月30日)
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間末日現在において、当社が判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第1四半期累計期間において当社は、新規がん免疫治療薬の創出を目指して研究開発を推進いたしました。
細胞医薬
[iPS-NKT:iPS細胞由来再生NKT細胞療法]
iPS-NKTは、iPS細胞から分化誘導したNKT細胞*1をがん治療に用いる新規の他家細胞医薬です。多面的な抗腫瘍効果を持つものの血中に僅かしか存在しないため、細胞医薬へは適用困難と考えられていたNKT細胞が、iPS細胞技術によって、ドナー健常人の血液由来のiPSマスターセルバンクから大量かつ均質に製造可能になりました。
2020年6月より世界でも初となるiPS細胞由来再生NKT細胞療法の医師主導治験が頭頚部がんを対象として国立大学法人千葉大学で進められています。当社は2018年に、国立研究開発法人理化学研究所が進める本開発プロジェクトに参画し、共同研究を進めており、iPS-NKTの独占的開発製造販売ライセンスの導入オプション権を有しています。本治験は着実に前進しており、当社は医師主導治験を支援するとともに、次相企業治験を見据えた製造工程改良を進めています。
当社はiPS-NKTを幅広いがん種・地域へ展開するため、プラットフォームの構築を目指しています。その構成要素となるのが、iPS由来NKT細胞の活動領域を広範かつ排他的に保護する「特許」(日米欧で登録済み)、本治験によって臨床上の安全性と一定の有効性の示唆が期待される「iPSマスターセルバンク」、及び現在工程改良に取り組んでいるマスターセルバンクからNKT細胞への「分化誘導法」の3つです。このプラットフォームにキメラ抗原受容体(CAR)導入等の遺伝子改変技術を組み合わせることによって、新たな遺伝子改変iPS-NKT細胞医薬への展開も可能になります。
[HER2 CAR-T:BP2301]
BP2301は、さまざまな固形がんで高発現するHER2を標的抗原とするキメラ抗原受容体遺伝子導入T細胞(CAR-T細胞)療法*2です。2022年5月より国立大学法人信州大学においてHER2陽性の再発・進行骨・軟部肉腫及び婦人科悪性腫瘍を対象とする非ウイルス遺伝子改変HER2 CAR-T細胞の臨床第Ⅰ相医師主導治験が開始されました。
これまで血液がんを標的とするCAR-T細胞療法は、70-90%の奏効率に至ることもあり、優れた臨床効果をもってグローバルで承認されてきました。HER2を標的とするBP2301は、より多くの患者がいる固形がんへとCAR-T細胞療法の適用を拡げる可能性をもっています。しかし、固形がんへの展開には、がん免疫に抑制がかかる腫瘍微小環境においてCAR-T細胞が疲弊し、十分に機能を発揮できないという課題がありました。この課題を解決するために、BP2301では、体内での優れた複製能と長期生存能を特徴とし、それによって腫瘍微小環境における疲弊抵抗性と持続的抗腫瘍効果が期待される幹細胞様免疫記憶型(ステムセル・メモリー・フェノタイプ)細胞を多く含むCAR-T細胞を用います。これは、信州大学の中沢洋三教授の非ウイルス遺伝子導入法に基づき、中沢教授及び同大学柳生茂希教授と新規の細胞培養法を共同開発したことによって可能になりました。
抗体
抗体医薬では、PD-1/PD-L1の次に来る有望な標的として、T細胞の疲弊や機能抑制に関する免疫チェックポイント分子*3もしくは免疫調整因子の機能を阻害する抗体の開発を進めています。抗CD73抗体(BP1200)、抗CD39抗体(BP1202)、抗TIM-3抗体(BP1210)については、先行開発品と機能的に差別化されたリード抗体を有し、担がんマウスモデルでの有効性を確認し非臨床コンセプト証明に至っています。今後はこれらの非臨床試験を進めるとともに、まだ非臨床コンセプト証明に至っていない抗体をその段階へ到達させます。
また、これらの1つの標的抗原に対する抗体を基に、免疫抑制性の腫瘍微小環境でより高い抗腫瘍免疫を発揮させることを目的として、2つの標的抗原に対する二重特異性を付与したバイスペシフィック抗体を作製し、付加価値を高めていく展開を想定しています。
他社先行抗体とスペックにおいて差別化されたシングル標的抗体の抗CD39抗体(BP1202)、抗TIM-3抗体(BP1210)に、BP1210開発過程において樹立した二重特異性抗体化技術を掛け合わせることにより、抗CD39×抗TIM-3二重特異性抗体(BP1212)を創出しました。
がんワクチン
[免疫チェックポイント抗体連結個別化ネオアンチゲン・ワクチン(BP1209)]
BP1209は、腫瘍特異的で高い免疫原性を持つネオアンチゲンを標的にした抗腫瘍免疫を、患者1人ひとりに対応して惹起するのに最適化された、完全個別化ネオアンチゲンワクチン・プラットフォームです。これまで開発を進めてきたBP1101のモダリティ(医薬品形態)はペプチドワクチンであるのに対し、BP1209は免疫チェックポイント抗体とネオアンチゲン・ペプチドの複合体ワクチンです。BP1101ペプチドに免疫チェックポイント抗体への結合が可能となる当社オリジナルのリンカー技術を付加し、免疫チェックポイント抗体がワクチン抗原を樹状細胞へ送達するとともに、ワクチンによる腫瘍特異的T細胞誘導を促進する、新規の薬効メカニズムを織り込みました。抗腫瘍免疫を指令する樹状細胞に効率よくワクチン抗原を送達することによって、腫瘍抗原を標的とする細胞性免疫をBP1101よりもはるかに強力に惹起させることを、担がんマウスモデルで証明しました。
[がんペプチドワクチンGRN-1201]
GRN-1201は、欧米人に多いHLA*5-A2型の共通抗原ペプチド4種で構成される、米国や欧州を始めとするグローバル展開を想定したがんペプチドワクチンです。2022年5月12日開催の取締役会で、米国で実施してきたGRN-1201の非小細胞肺がんを対象とする免疫チェックポイント抗PD-1抗体併用第Ⅱ相臨床試験を計画より早く切り上げることを決議しました。このまま当初の治験対象と試験プロトコルで継続するよりも、評価項目、適格要件を再検討して、仕切り直す方が適切と判断しました。
本試験の主要評価項目であるORR*6(Objective Response Rate: 奏効率)の妥当性や、より長期的な指標であるPFS*7(Progression Free Survival: 無増悪生存期間)やOS*8(Overall Survival: 全生存期間)といった本来がんワクチンが存在感を示すことができる臨床データも見えてきました。
この結果、当第1四半期累計期間におきましては、営業損失は545,423千円(前年同期の営業損失は402,573千円)、経常損失は548,221千円(前年同期の経常損失は403,904千円)、四半期純損失は548,696千円(前年同期の四半期純損失は402,988千円)となりました。
なお、当社は単一事業であり、セグメントは「医薬品開発事業」でありますので、セグメントごとの記載はしておりません。
<語句説明>*1(NKT細胞)
がん細胞を直接殺傷する能力をもつと同時に、他の免疫細胞を活性化させるアジュバント作用をもつ免疫細胞のこと。活性化すると、多様なサイトカインを産生し、自然免疫系に属するNK細胞の活性化と樹状細胞の成熟化を促す。成熟した樹状細胞は、さらに獲得免疫系に属するキラーT細胞を増殖・活性化させることで、相乗的に抗腫瘍効果が高まる。また、自然免疫系を同時に活性化させることで、T細胞では殺傷できないHLA陰性のがん細胞に対しても殺傷能を持つ特徴がある。
*2(CAR-T療法)
Chimeric Antigen Receptor T-cell Therapy:キメラ抗原受容体遺伝子導入T細胞療法。がん細胞が発現する抗原を認識するキメラ抗原受容体を、T細胞(抗腫瘍免疫をもつリンパ球の一種)に遺伝子導入し、培養で増殖させて投与する治療法。
*3(免疫チェックポイント分子)
免疫恒常性を保つために自己に対する免疫応答を抑制するとともに、過剰な免疫反応を抑制する分子群のこと。がん免疫においては、過剰な活性化によって自己を攻撃するのを防ぐために存在しているが、発がん過程では、がん細胞が免疫系からの攻撃を回避し増殖するために利用される。
*4(完全個別化ネオアンチゲン・ワクチン)
個々の患者のがん細胞にあるネオアンチゲンを探索し、これに対するオーダーメイドのがんワクチン。海外ではアカデミアや先行開発企業による臨床試験が行われている。
*5(HLA)
Human Leukocyte Antigen=ヒト白血球抗原は、体のほとんど全ての細胞表面で発現がみられる、免疫機構において重要なタンパク質で、細菌やウイルスなどの病原体の排除やがん細胞の拒絶、臓器移植の際の拒絶反応などに関与しており「主要組織適合遺伝子複合体」とも呼ばれている。HLAはがん細胞でも細胞表面上に発現しており、がんワクチンの作用機序においては、がん細胞内でがん抗原タンパクが分解されて生成されたペプチドと結合して細胞表面に移動し、CTLにがん細胞として認識させるように機能する。HLAは自己と非自己(他)を区別する「自他認識のマーカー」であり、非常に多様な「他(た)」を自己と区別するために、非常に多様な型がある。ペプチドはHLAの特定の型に結合し、型が合わない場合は結合しない。
*6(ORR Objective Response Rate:奏効率)
あるがん治療法を患者に用いた際、その治療を実施した後に腫瘍が縮小もしくは消滅した患者の割合を示したもの。
*7(PFS Progression Free Survival: 無増悪生存期間)
治療中あるいは治療後にがんが進行せず安定した状態である期間。
*8(0S Overall Survival: 全生存期間)
致死的疾患の臨床試験において、患者の登録から死亡前の最終生存確認日までの期間。療中あるいは治療後にがんが進行せず安定した状態である期間。
(2)財政状態の状況
(資産)
当第1四半期会計期間末における総資産は前事業年度末より489,329千円減少し2,281,872千円となりました。これは、現金及び預金が研究開発に関連する支出等で222,202千円減少したことが主な要因であります。
(負債)
当第1四半期会計期間末における負債は前事業年度末より92,383千円減少し147,344千円となりました。これは、未払法人税等が34,968千円減少したことが主な要因であります。
(純資産)
当第1四半期会計期間末における純資産は前事業年度末より396,946千円減少し2,134,528千円となりました。これは、資金調達において新株式を発行したことにより資本金及び資本剰余金がそれぞれ76,193千円増加したこと及び四半期純損失548,696千円を計上したことが主な要因であります。
以上の結果、自己資本比率は前事業年度末の90.5%から92.6%となりました。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期累計期間において、重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
当第1四半期累計期間における研究開発費の総額は450,196千円であります。
なお、当第1四半期累計期間において当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(1)経営成績の状況
当第1四半期累計期間において当社は、新規がん免疫治療薬の創出を目指して研究開発を推進いたしました。
細胞医薬
[iPS-NKT:iPS細胞由来再生NKT細胞療法]
iPS-NKTは、iPS細胞から分化誘導したNKT細胞*1をがん治療に用いる新規の他家細胞医薬です。多面的な抗腫瘍効果を持つものの血中に僅かしか存在しないため、細胞医薬へは適用困難と考えられていたNKT細胞が、iPS細胞技術によって、ドナー健常人の血液由来のiPSマスターセルバンクから大量かつ均質に製造可能になりました。
2020年6月より世界でも初となるiPS細胞由来再生NKT細胞療法の医師主導治験が頭頚部がんを対象として国立大学法人千葉大学で進められています。当社は2018年に、国立研究開発法人理化学研究所が進める本開発プロジェクトに参画し、共同研究を進めており、iPS-NKTの独占的開発製造販売ライセンスの導入オプション権を有しています。本治験は着実に前進しており、当社は医師主導治験を支援するとともに、次相企業治験を見据えた製造工程改良を進めています。
当社はiPS-NKTを幅広いがん種・地域へ展開するため、プラットフォームの構築を目指しています。その構成要素となるのが、iPS由来NKT細胞の活動領域を広範かつ排他的に保護する「特許」(日米欧で登録済み)、本治験によって臨床上の安全性と一定の有効性の示唆が期待される「iPSマスターセルバンク」、及び現在工程改良に取り組んでいるマスターセルバンクからNKT細胞への「分化誘導法」の3つです。このプラットフォームにキメラ抗原受容体(CAR)導入等の遺伝子改変技術を組み合わせることによって、新たな遺伝子改変iPS-NKT細胞医薬への展開も可能になります。
[HER2 CAR-T:BP2301]
BP2301は、さまざまな固形がんで高発現するHER2を標的抗原とするキメラ抗原受容体遺伝子導入T細胞(CAR-T細胞)療法*2です。2022年5月より国立大学法人信州大学においてHER2陽性の再発・進行骨・軟部肉腫及び婦人科悪性腫瘍を対象とする非ウイルス遺伝子改変HER2 CAR-T細胞の臨床第Ⅰ相医師主導治験が開始されました。
これまで血液がんを標的とするCAR-T細胞療法は、70-90%の奏効率に至ることもあり、優れた臨床効果をもってグローバルで承認されてきました。HER2を標的とするBP2301は、より多くの患者がいる固形がんへとCAR-T細胞療法の適用を拡げる可能性をもっています。しかし、固形がんへの展開には、がん免疫に抑制がかかる腫瘍微小環境においてCAR-T細胞が疲弊し、十分に機能を発揮できないという課題がありました。この課題を解決するために、BP2301では、体内での優れた複製能と長期生存能を特徴とし、それによって腫瘍微小環境における疲弊抵抗性と持続的抗腫瘍効果が期待される幹細胞様免疫記憶型(ステムセル・メモリー・フェノタイプ)細胞を多く含むCAR-T細胞を用います。これは、信州大学の中沢洋三教授の非ウイルス遺伝子導入法に基づき、中沢教授及び同大学柳生茂希教授と新規の細胞培養法を共同開発したことによって可能になりました。
抗体
抗体医薬では、PD-1/PD-L1の次に来る有望な標的として、T細胞の疲弊や機能抑制に関する免疫チェックポイント分子*3もしくは免疫調整因子の機能を阻害する抗体の開発を進めています。抗CD73抗体(BP1200)、抗CD39抗体(BP1202)、抗TIM-3抗体(BP1210)については、先行開発品と機能的に差別化されたリード抗体を有し、担がんマウスモデルでの有効性を確認し非臨床コンセプト証明に至っています。今後はこれらの非臨床試験を進めるとともに、まだ非臨床コンセプト証明に至っていない抗体をその段階へ到達させます。
また、これらの1つの標的抗原に対する抗体を基に、免疫抑制性の腫瘍微小環境でより高い抗腫瘍免疫を発揮させることを目的として、2つの標的抗原に対する二重特異性を付与したバイスペシフィック抗体を作製し、付加価値を高めていく展開を想定しています。
他社先行抗体とスペックにおいて差別化されたシングル標的抗体の抗CD39抗体(BP1202)、抗TIM-3抗体(BP1210)に、BP1210開発過程において樹立した二重特異性抗体化技術を掛け合わせることにより、抗CD39×抗TIM-3二重特異性抗体(BP1212)を創出しました。
がんワクチン
[免疫チェックポイント抗体連結個別化ネオアンチゲン・ワクチン(BP1209)]
BP1209は、腫瘍特異的で高い免疫原性を持つネオアンチゲンを標的にした抗腫瘍免疫を、患者1人ひとりに対応して惹起するのに最適化された、完全個別化ネオアンチゲンワクチン・プラットフォームです。これまで開発を進めてきたBP1101のモダリティ(医薬品形態)はペプチドワクチンであるのに対し、BP1209は免疫チェックポイント抗体とネオアンチゲン・ペプチドの複合体ワクチンです。BP1101ペプチドに免疫チェックポイント抗体への結合が可能となる当社オリジナルのリンカー技術を付加し、免疫チェックポイント抗体がワクチン抗原を樹状細胞へ送達するとともに、ワクチンによる腫瘍特異的T細胞誘導を促進する、新規の薬効メカニズムを織り込みました。抗腫瘍免疫を指令する樹状細胞に効率よくワクチン抗原を送達することによって、腫瘍抗原を標的とする細胞性免疫をBP1101よりもはるかに強力に惹起させることを、担がんマウスモデルで証明しました。
[がんペプチドワクチンGRN-1201]
GRN-1201は、欧米人に多いHLA*5-A2型の共通抗原ペプチド4種で構成される、米国や欧州を始めとするグローバル展開を想定したがんペプチドワクチンです。2022年5月12日開催の取締役会で、米国で実施してきたGRN-1201の非小細胞肺がんを対象とする免疫チェックポイント抗PD-1抗体併用第Ⅱ相臨床試験を計画より早く切り上げることを決議しました。このまま当初の治験対象と試験プロトコルで継続するよりも、評価項目、適格要件を再検討して、仕切り直す方が適切と判断しました。
本試験の主要評価項目であるORR*6(Objective Response Rate: 奏効率)の妥当性や、より長期的な指標であるPFS*7(Progression Free Survival: 無増悪生存期間)やOS*8(Overall Survival: 全生存期間)といった本来がんワクチンが存在感を示すことができる臨床データも見えてきました。
この結果、当第1四半期累計期間におきましては、営業損失は545,423千円(前年同期の営業損失は402,573千円)、経常損失は548,221千円(前年同期の経常損失は403,904千円)、四半期純損失は548,696千円(前年同期の四半期純損失は402,988千円)となりました。
なお、当社は単一事業であり、セグメントは「医薬品開発事業」でありますので、セグメントごとの記載はしておりません。
<語句説明>*1(NKT細胞)
がん細胞を直接殺傷する能力をもつと同時に、他の免疫細胞を活性化させるアジュバント作用をもつ免疫細胞のこと。活性化すると、多様なサイトカインを産生し、自然免疫系に属するNK細胞の活性化と樹状細胞の成熟化を促す。成熟した樹状細胞は、さらに獲得免疫系に属するキラーT細胞を増殖・活性化させることで、相乗的に抗腫瘍効果が高まる。また、自然免疫系を同時に活性化させることで、T細胞では殺傷できないHLA陰性のがん細胞に対しても殺傷能を持つ特徴がある。
*2(CAR-T療法)
Chimeric Antigen Receptor T-cell Therapy:キメラ抗原受容体遺伝子導入T細胞療法。がん細胞が発現する抗原を認識するキメラ抗原受容体を、T細胞(抗腫瘍免疫をもつリンパ球の一種)に遺伝子導入し、培養で増殖させて投与する治療法。
*3(免疫チェックポイント分子)
免疫恒常性を保つために自己に対する免疫応答を抑制するとともに、過剰な免疫反応を抑制する分子群のこと。がん免疫においては、過剰な活性化によって自己を攻撃するのを防ぐために存在しているが、発がん過程では、がん細胞が免疫系からの攻撃を回避し増殖するために利用される。
*4(完全個別化ネオアンチゲン・ワクチン)
個々の患者のがん細胞にあるネオアンチゲンを探索し、これに対するオーダーメイドのがんワクチン。海外ではアカデミアや先行開発企業による臨床試験が行われている。
*5(HLA)
Human Leukocyte Antigen=ヒト白血球抗原は、体のほとんど全ての細胞表面で発現がみられる、免疫機構において重要なタンパク質で、細菌やウイルスなどの病原体の排除やがん細胞の拒絶、臓器移植の際の拒絶反応などに関与しており「主要組織適合遺伝子複合体」とも呼ばれている。HLAはがん細胞でも細胞表面上に発現しており、がんワクチンの作用機序においては、がん細胞内でがん抗原タンパクが分解されて生成されたペプチドと結合して細胞表面に移動し、CTLにがん細胞として認識させるように機能する。HLAは自己と非自己(他)を区別する「自他認識のマーカー」であり、非常に多様な「他(た)」を自己と区別するために、非常に多様な型がある。ペプチドはHLAの特定の型に結合し、型が合わない場合は結合しない。
*6(ORR Objective Response Rate:奏効率)
あるがん治療法を患者に用いた際、その治療を実施した後に腫瘍が縮小もしくは消滅した患者の割合を示したもの。
*7(PFS Progression Free Survival: 無増悪生存期間)
治療中あるいは治療後にがんが進行せず安定した状態である期間。
*8(0S Overall Survival: 全生存期間)
致死的疾患の臨床試験において、患者の登録から死亡前の最終生存確認日までの期間。療中あるいは治療後にがんが進行せず安定した状態である期間。
(2)財政状態の状況
(資産)
当第1四半期会計期間末における総資産は前事業年度末より489,329千円減少し2,281,872千円となりました。これは、現金及び預金が研究開発に関連する支出等で222,202千円減少したことが主な要因であります。
(負債)
当第1四半期会計期間末における負債は前事業年度末より92,383千円減少し147,344千円となりました。これは、未払法人税等が34,968千円減少したことが主な要因であります。
(純資産)
当第1四半期会計期間末における純資産は前事業年度末より396,946千円減少し2,134,528千円となりました。これは、資金調達において新株式を発行したことにより資本金及び資本剰余金がそれぞれ76,193千円増加したこと及び四半期純損失548,696千円を計上したことが主な要因であります。
以上の結果、自己資本比率は前事業年度末の90.5%から92.6%となりました。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期累計期間において、重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
当第1四半期累計期間における研究開発費の総額は450,196千円であります。
なお、当第1四半期累計期間において当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。