有価証券報告書-第13期(令和1年8月1日-令和2年7月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度(2019年8月1日から2020年7月31日まで)におけるわが国経済は、雇用環境等に引き続き改善が見られ、景気は緩やかな回復基調で推移しておりましたが、米中貿易摩擦を始めとする海外の政治情勢の不安定化の継続や、2020年1月以降の新型コロナウイルス感染症の拡大により、先行きは極めて不透明な状況となっております。
当社グループの事業は「“ひとの未来に貢献する”マーケティングを」という企業ビジョンの下、「コンシューマ事業」と「インターネット広告事業」の2つのセグメントによって構成されております。
当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症の拡大による業績への影響は軽微であったものの、今後、経済に与える影響がより深刻化した場合、広告主の減少などによる国内広告市場の縮小や、納税額の減少により当社グループ業績に悪影響が生じる可能性があります。
コンシューマ事業の主力であるふるさと納税事業の市場については、2019年のふるさと納税受入額は、前年比約95.1%の4,875億円、一方で受入件数は前年比約100.5%と微増し2,334万件※1となっております。また、ふるさと納税の控除適用者数(ふるさと納税を実際に行い住民税控除適用がされた人数)も406.0万人と前年比約102.7%と微増※1しており、「地方創生の実現」という本来の趣旨に沿った安定した制度として広く浸透しつつあります。※2
また、インターネット広告事業の主たる事業領域である国内インターネット広告市場における2019年のインターネット広告費は前年比119.7%の2兆1,048億円※3と成長を続けており、特にインターネット広告費がテレビメディア広告費を上回る結果となっております。今後も、消費者がスマートフォンを中心にインターネットを活用する動きは堅調であり、2023年度のインターネット広告市場規模は約2.8兆円まで拡大すると予測※4されております。
このような事業環境の下、当社グループは、プラットフォーム事業をベースにしたインターネットマーケティング企業として、新たな市場の開拓と成長事業分野への投資を推進し、さらなる企業価値の向上に努めております。ふるさと納税事業「ふるなび」においては、インターネットマーケティングに積極的な自治体との取引を増やすとともに、精力的にユーザー向けのプロモーション活動を展開すること、並びに自治体との共創による返礼品の企画などを行ってまいりました。さらに、継続的にTVCMを行うことによって「ふるなび」ブランドの認知度の向上と、ふるさと納税制度の浸透に努めてまいりました。インターネット広告事業においては、アプリ運営事業による自社メディア運用の拡大や海外クライアントの獲得、重点領域であるメディアソリューション事業での顧客拡大、さらには動画広告事業におけるゲームやモバイルアプリ向けのメディアの拡大に注力してまいりました。一方で、市場の高成長の中心は大規模プラットフォーマーであり、市場では個人情報保護規制の強化やアドフラウド(広告詐欺)による問題も顕在化してきております。このような市場環境の変化に対応すべく、当社グループもより効果的で適正な広告運用を行う体制の強化に努めております。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は、14,901,589千円(前年同期比70.5%)、営業利益は2,246,107千円(同71.1%)、経常利益は2,248,091千円(同71.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,727,854千円(同126.3%)となりました。
※1 出典:総務省自治税務局市町村税課「ふるさと納税に関する現況調査結果」、2020年8月5日公表
※2 ふるさと納税受入額等の実績は、住民税の計算期間と異なり、自治体の事業年度(2019年4月1日~2020年
3月31日)の状況を集計したものであります。当社では、この期間に2019年6月1日からふるさと納税に係
る指定制度が施行されることを見越した駆け込み需要が同年3月までに起こったことによる影響があること
を踏まえ、市場は依然として堅調な成長を続けていると考えております。
※3 出典:株式会社電通「2019年日本の広告費」、2020年3月11日発表
注:本年度の推定値は前年度に加え、「物販系ECプラットフォーム広告費」を新たに含んでおり、当
該項目を除外した場合の推計は1兆9,984億円(前年比約14%増)となります。
※4 出典:株式会社矢野経済研究所「インターネット広告市場に関する調査(2019年)」、2019年12月3日発表
注:広告主によるインターネット広告出稿額ベース
セグメント別の業績は次のとおりです。
なお、各セグメント別の売上高は、セグメント間の内部売上高及び振替高を含む数値を記載しております。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。
(コンシューマ事業)
コンシューマ事業では、ふるさと納税事業「ふるなび」及びトラベル事業、レストランPR事業並びにポイントサービス事業等を展開しております。主力事業であるふるさと納税事業「ふるなび」については、積極的なプロモーションや戦略的なTVCM等の広告宣伝、リピーターへの喚起施策等を行ったことが奏功し、会員数、寄附件数などが増加し、業績は当初計画を大きく上回りました。一方で、2019年6月の法改正施行前の駆け込み需要による収益押上効果が剥落し、また、ネットキャッチャー事業及びレストランPR事業では新型コロナウイルス感染症拡大が負の影響をもたらしました。さらに、事業収益基盤改善のため、人材紹介事業及びネット通販事業は2020年3月末にて事業を停止し、また、ネットキャッチャー事業については5月末をもって非連結対象となったことも影響し、売上高・営業利益は減収減益となりました。
これらの結果、当連結会計年度のセグメント売上高は4,563,349千円(前年同期比56.9%)、セグメント利益は1,325,641千円(同57.3%)となりました。
(インターネット広告事業)
インターネット広告事業では、アドネットワーク事業、動画広告事業「maio」、アフィリエイト事業、広告代理店事業(サイバーコンサルタント社)、アプリ運営事業(オーテ社)、メディアソリューション事業等を展開しております。戦略投資分野であるアプリ運営事業では、広告効率が向上したことに加え、広告投資による新規顧客の獲得が好調で引き続き収益に貢献しております。また、メディアソリューション事業では新型コロナウイルス感染症拡大による大手企業の広告自粛に起因したCPMの低下による業績の伸び悩みがあったものの、パートナー数などは堅調に増加し、収益力を拡大しております。また、これまでの取り組みが効果を生み出し始めており、アドネットワーク事業や動画広告事業、アフィリエイト事業では、海外の大手ゲーム顧客の獲得など、新たな市場開拓が売上に大きく貢献しております。しかしながら、大手メディアプラットフォームへのシフト傾向やグローバルなプライバシー保護意識の高まり、広告審査基準の厳格化によるEC顧客の減少などの厳しい事業環境は続いております。さらに、新型コロナウイルス感染症拡大により国内大手ゲーム案件やEC案件等の予算が縮小したことに加えて、広告代理店事業では一部大手顧客の広告予算縮小の影響を受けたことで、売上高は減収となりました。一方で、営業利益は前年度に計上した貸倒引当金の影響もあり増益となりました。
これらの結果、当連結会計年度のセグメント売上高は11,465,703千円(前年同期比82.0%)、セグメント利益は866,755千円(同112.4%)となりました。
②財政状態
当連結会計年度末における総資産は15,359,065千円(前連結会計年度末比1,552,355千円の減少)となりました。これは、主にのれんが285,437千円増加したものの、現金及び預金が1,611,860千円及び売掛金が192,786千円減少したことによるものであります。
負債は2,136,228千円(同1,629,201千円の減少)となりました。これは、主に買掛金が503,350千円、未払法人税等が755,236千円及び流動負債のその他が311,071千円減少したことによるものであります。
純資産は13,222,836千円(同76,845千円の増加)となりました。これは、主に資本剰余金が1,709,922千円、非支配株主持分が204,165千円減少したものの、利益剰余金が1,748,217千円増加及び自己株式が220,629千円減少(純資産が増加)したことによるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は、前連結会計年度末より1,611,860千円減少し、残高は12,363,092千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は440,401千円(前連結会計年度は3,260,741千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益2,161,884千円、仕入債務の減少503,353千円、及び法人税等の支払1,317,169千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果支出した資金は438,447千円(前連結会計年度は244,770千円の支出)となりました。これは主に、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出338,226千円、有形固定資産の取得による支出39,403千円及び無形固定資産の取得による支出44,281千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果支出した資金は1,580,961千円(前連結会計年度は172,737千円の支出)となりました。これは、自己株式の取得による支出1,499,958千円及び連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出99,596千円によるものであります。
④生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当連結会計年度における販売実績の著しい変動の要因は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
※1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
※2.当連結会計年度は、当該割合が10%未満のため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。なお、新型コロナウイルス感染症の影響の仮定に関する情報は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりです。
また、当社グループは繰延税金資産の回収可能性について、慎重かつ蓋然性の高い継続的な事業計画に基づいて予測される将来課税所得及びタックスプランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、課税所得の見積りに影響を与える要因が発生した場合には、将来の税金費用に影響を及ぼす可能性があります。
②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、上記「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況 ② 財政状態」をご参照ください。また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、上記「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社グループは、今後も更なる収益基盤の安定化及び持続的な成長を図るために、収益源の多様化を実現する必要があると考えており、自社による新規事業の創出及び拡大のみならず、業務提携、M&A等の新たな事業・サービスへの提携・投資に積極的に取り組んでいく方針であります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、広告作業実施のための媒体料金及び制作費の支払等並びに人件費をはじめとする販売費及び一般管理費です。また、当社グループ及び当社グループのサービスの知名度を向上させ、新規ユーザーの獲得とユーザーエンゲージメント強化のための広告宣伝費及び、事業開発とシステム開発に係る人件費であります。投資を目的とした資金需要は、主に業務提携、M&A等の新たな事業・サービスへの提携・投資及び設備投資等によるものであります。これらの資金需要は自己資金でまかなうことを基本とし、必要に応じて資金調達を実施致します。
④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが重視している経営指標のうち、中長期的な資本効率として設定しましたROEにつきまして、当連結会計年度は13.2%となりました。今後は目標の15%に対して業績の向上と併せて資本効率についても注視し、事業基盤の維持及び持続的な成長のために必要な株主資本の水準を保持しつつ、業績の動向を踏まえた安定的な配当の実施及び柔軟な自己株式の取得により、株主還元を着実に充実させてまいる所存でございます。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度(2019年8月1日から2020年7月31日まで)におけるわが国経済は、雇用環境等に引き続き改善が見られ、景気は緩やかな回復基調で推移しておりましたが、米中貿易摩擦を始めとする海外の政治情勢の不安定化の継続や、2020年1月以降の新型コロナウイルス感染症の拡大により、先行きは極めて不透明な状況となっております。
当社グループの事業は「“ひとの未来に貢献する”マーケティングを」という企業ビジョンの下、「コンシューマ事業」と「インターネット広告事業」の2つのセグメントによって構成されております。
当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症の拡大による業績への影響は軽微であったものの、今後、経済に与える影響がより深刻化した場合、広告主の減少などによる国内広告市場の縮小や、納税額の減少により当社グループ業績に悪影響が生じる可能性があります。
コンシューマ事業の主力であるふるさと納税事業の市場については、2019年のふるさと納税受入額は、前年比約95.1%の4,875億円、一方で受入件数は前年比約100.5%と微増し2,334万件※1となっております。また、ふるさと納税の控除適用者数(ふるさと納税を実際に行い住民税控除適用がされた人数)も406.0万人と前年比約102.7%と微増※1しており、「地方創生の実現」という本来の趣旨に沿った安定した制度として広く浸透しつつあります。※2
また、インターネット広告事業の主たる事業領域である国内インターネット広告市場における2019年のインターネット広告費は前年比119.7%の2兆1,048億円※3と成長を続けており、特にインターネット広告費がテレビメディア広告費を上回る結果となっております。今後も、消費者がスマートフォンを中心にインターネットを活用する動きは堅調であり、2023年度のインターネット広告市場規模は約2.8兆円まで拡大すると予測※4されております。
このような事業環境の下、当社グループは、プラットフォーム事業をベースにしたインターネットマーケティング企業として、新たな市場の開拓と成長事業分野への投資を推進し、さらなる企業価値の向上に努めております。ふるさと納税事業「ふるなび」においては、インターネットマーケティングに積極的な自治体との取引を増やすとともに、精力的にユーザー向けのプロモーション活動を展開すること、並びに自治体との共創による返礼品の企画などを行ってまいりました。さらに、継続的にTVCMを行うことによって「ふるなび」ブランドの認知度の向上と、ふるさと納税制度の浸透に努めてまいりました。インターネット広告事業においては、アプリ運営事業による自社メディア運用の拡大や海外クライアントの獲得、重点領域であるメディアソリューション事業での顧客拡大、さらには動画広告事業におけるゲームやモバイルアプリ向けのメディアの拡大に注力してまいりました。一方で、市場の高成長の中心は大規模プラットフォーマーであり、市場では個人情報保護規制の強化やアドフラウド(広告詐欺)による問題も顕在化してきております。このような市場環境の変化に対応すべく、当社グループもより効果的で適正な広告運用を行う体制の強化に努めております。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は、14,901,589千円(前年同期比70.5%)、営業利益は2,246,107千円(同71.1%)、経常利益は2,248,091千円(同71.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,727,854千円(同126.3%)となりました。
※1 出典:総務省自治税務局市町村税課「ふるさと納税に関する現況調査結果」、2020年8月5日公表
※2 ふるさと納税受入額等の実績は、住民税の計算期間と異なり、自治体の事業年度(2019年4月1日~2020年
3月31日)の状況を集計したものであります。当社では、この期間に2019年6月1日からふるさと納税に係
る指定制度が施行されることを見越した駆け込み需要が同年3月までに起こったことによる影響があること
を踏まえ、市場は依然として堅調な成長を続けていると考えております。
※3 出典:株式会社電通「2019年日本の広告費」、2020年3月11日発表
注:本年度の推定値は前年度に加え、「物販系ECプラットフォーム広告費」を新たに含んでおり、当
該項目を除外した場合の推計は1兆9,984億円(前年比約14%増)となります。
※4 出典:株式会社矢野経済研究所「インターネット広告市場に関する調査(2019年)」、2019年12月3日発表
注:広告主によるインターネット広告出稿額ベース
セグメント別の業績は次のとおりです。
なお、各セグメント別の売上高は、セグメント間の内部売上高及び振替高を含む数値を記載しております。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。
(コンシューマ事業)
コンシューマ事業では、ふるさと納税事業「ふるなび」及びトラベル事業、レストランPR事業並びにポイントサービス事業等を展開しております。主力事業であるふるさと納税事業「ふるなび」については、積極的なプロモーションや戦略的なTVCM等の広告宣伝、リピーターへの喚起施策等を行ったことが奏功し、会員数、寄附件数などが増加し、業績は当初計画を大きく上回りました。一方で、2019年6月の法改正施行前の駆け込み需要による収益押上効果が剥落し、また、ネットキャッチャー事業及びレストランPR事業では新型コロナウイルス感染症拡大が負の影響をもたらしました。さらに、事業収益基盤改善のため、人材紹介事業及びネット通販事業は2020年3月末にて事業を停止し、また、ネットキャッチャー事業については5月末をもって非連結対象となったことも影響し、売上高・営業利益は減収減益となりました。
これらの結果、当連結会計年度のセグメント売上高は4,563,349千円(前年同期比56.9%)、セグメント利益は1,325,641千円(同57.3%)となりました。
(インターネット広告事業)
インターネット広告事業では、アドネットワーク事業、動画広告事業「maio」、アフィリエイト事業、広告代理店事業(サイバーコンサルタント社)、アプリ運営事業(オーテ社)、メディアソリューション事業等を展開しております。戦略投資分野であるアプリ運営事業では、広告効率が向上したことに加え、広告投資による新規顧客の獲得が好調で引き続き収益に貢献しております。また、メディアソリューション事業では新型コロナウイルス感染症拡大による大手企業の広告自粛に起因したCPMの低下による業績の伸び悩みがあったものの、パートナー数などは堅調に増加し、収益力を拡大しております。また、これまでの取り組みが効果を生み出し始めており、アドネットワーク事業や動画広告事業、アフィリエイト事業では、海外の大手ゲーム顧客の獲得など、新たな市場開拓が売上に大きく貢献しております。しかしながら、大手メディアプラットフォームへのシフト傾向やグローバルなプライバシー保護意識の高まり、広告審査基準の厳格化によるEC顧客の減少などの厳しい事業環境は続いております。さらに、新型コロナウイルス感染症拡大により国内大手ゲーム案件やEC案件等の予算が縮小したことに加えて、広告代理店事業では一部大手顧客の広告予算縮小の影響を受けたことで、売上高は減収となりました。一方で、営業利益は前年度に計上した貸倒引当金の影響もあり増益となりました。
これらの結果、当連結会計年度のセグメント売上高は11,465,703千円(前年同期比82.0%)、セグメント利益は866,755千円(同112.4%)となりました。
②財政状態
当連結会計年度末における総資産は15,359,065千円(前連結会計年度末比1,552,355千円の減少)となりました。これは、主にのれんが285,437千円増加したものの、現金及び預金が1,611,860千円及び売掛金が192,786千円減少したことによるものであります。
負債は2,136,228千円(同1,629,201千円の減少)となりました。これは、主に買掛金が503,350千円、未払法人税等が755,236千円及び流動負債のその他が311,071千円減少したことによるものであります。
純資産は13,222,836千円(同76,845千円の増加)となりました。これは、主に資本剰余金が1,709,922千円、非支配株主持分が204,165千円減少したものの、利益剰余金が1,748,217千円増加及び自己株式が220,629千円減少(純資産が増加)したことによるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は、前連結会計年度末より1,611,860千円減少し、残高は12,363,092千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は440,401千円(前連結会計年度は3,260,741千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益2,161,884千円、仕入債務の減少503,353千円、及び法人税等の支払1,317,169千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果支出した資金は438,447千円(前連結会計年度は244,770千円の支出)となりました。これは主に、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出338,226千円、有形固定資産の取得による支出39,403千円及び無形固定資産の取得による支出44,281千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果支出した資金は1,580,961千円(前連結会計年度は172,737千円の支出)となりました。これは、自己株式の取得による支出1,499,958千円及び連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出99,596千円によるものであります。
④生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
| コンシューマ事業 | 4,510,033 | 56.3 |
| インターネット広告事業 | 10,391,555 | 79.2 |
| 合計 | 14,901,589 | 70.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当連結会計年度における販売実績の著しい変動の要因は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年8月1日 至 2019年7月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年8月1日 至 2020年7月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 和歌山県高野町 ※2 | 2,218,009 | 10.5 | - | - |
※1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
※2.当連結会計年度は、当該割合が10%未満のため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。なお、新型コロナウイルス感染症の影響の仮定に関する情報は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりです。
また、当社グループは繰延税金資産の回収可能性について、慎重かつ蓋然性の高い継続的な事業計画に基づいて予測される将来課税所得及びタックスプランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、課税所得の見積りに影響を与える要因が発生した場合には、将来の税金費用に影響を及ぼす可能性があります。
②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、上記「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況 ② 財政状態」をご参照ください。また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、上記「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社グループは、今後も更なる収益基盤の安定化及び持続的な成長を図るために、収益源の多様化を実現する必要があると考えており、自社による新規事業の創出及び拡大のみならず、業務提携、M&A等の新たな事業・サービスへの提携・投資に積極的に取り組んでいく方針であります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、広告作業実施のための媒体料金及び制作費の支払等並びに人件費をはじめとする販売費及び一般管理費です。また、当社グループ及び当社グループのサービスの知名度を向上させ、新規ユーザーの獲得とユーザーエンゲージメント強化のための広告宣伝費及び、事業開発とシステム開発に係る人件費であります。投資を目的とした資金需要は、主に業務提携、M&A等の新たな事業・サービスへの提携・投資及び設備投資等によるものであります。これらの資金需要は自己資金でまかなうことを基本とし、必要に応じて資金調達を実施致します。
④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが重視している経営指標のうち、中長期的な資本効率として設定しましたROEにつきまして、当連結会計年度は13.2%となりました。今後は目標の15%に対して業績の向上と併せて資本効率についても注視し、事業基盤の維持及び持続的な成長のために必要な株主資本の水準を保持しつつ、業績の動向を踏まえた安定的な配当の実施及び柔軟な自己株式の取得により、株主還元を着実に充実させてまいる所存でございます。