有価証券報告書-第14期(令和2年8月1日-令和3年7月31日)

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2021/10/25 15:03
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度(2020年8月1日~2021年7月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が長期化する中、政府による段階的な経済活動再開や各種施策の実施効果及び、ワクチン接種が開始されたことにより、個人消費及び企業収益に持ち直しの動きが見られたものの、感染再拡大を受け、まん延防止等重点措置や度重なる緊急事態宣言が発出されるなど、経済の先行きは不透明な状況となっております。
このような社会環境の中、当社グループの当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症による業績への大きな影響はないものの、今後、経済に与える影響がさらに長期化、深刻化した場合は、広告主の減少などによる国内広告市場の縮小や、個人住民税及び所得税の減少によるふるさと納税市場の縮小、さらには営業活動の制限などによって、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは「“ひとの未来”に貢献する事業を創造し続ける」という企業ビジョンの下、「コンシューマ事業」と「インターネット広告事業」の2つのセグメントによって構成されております。コンシューマ事業の主力であるふるさと納税事業の市場については、2020年度のふるさと納税受入額は、前年度比約1.4倍の6,725億円、受入件数も前年度比約1.5倍の3,489万件※1と増加しております。また、ふるさと納税の控除適用者数(ふるさと納税を実際に行い住民税控除適用された人数)も前年度比約1.3倍※1の552.4万人と増加しており、「地方創生の実現」という本来の趣旨に沿った安定した制度として広く浸透しつつあります※2。
また、インターネット広告事業の主たる事業領域である国内インターネット広告市場における2020年のインターネット広告費は、前年比105.9%の2兆2,290億円と新型コロナウイルス感染症の影響を受けたものの、社会のデジタル化加速が追い風となり、堅調に成長を続けております。特に、インターネット広告媒体費のうち、運用型広告費は1兆4,558億円(同109.7%)と外出自粛による生活行動の変化によってSNSやEC、動画配信サービスへの接触機会も増え、大手プラットフォーマーを中心とした運用型広告の需要が高まっております※3。さらに、2021年のインターネット広告媒体費は全体で前年比107.7%、1兆8,912億円になると予測されています※4。
このような事業環境の下、当社グループは、インターネットマーケティング企業として、祖業であるインターネット広告(アドネットワーク)事業で培ったテクノロジーとマーケティング・ノウハウを活用した高収益型事業ポートフォリオへの転換を図り、新たな市場の開拓と成長事業分野への投資を推し進め、さらなる企業価値の向上に努めております。地域社会の活性化など社会課題を解決する機能を持つふるさと納税事業「ふるなび」においては、市場の成長期を捉え、取引自治体を増やすと共に、自治体との共創による飲食や宿泊などの体験型返礼品の企画や周辺事業を推進してまいりました。また、継続的なTVCMによる「ふるなび」ブランドの認知度向上と、精力的なプロモーション活動を展開し、ふるさと納税制度の浸透及び顧客基盤の拡大に努めてまいりました。インターネット広告事業では、重点領域であるメディアソリューション事業やアプリ運営事業などのメディア関連事業の拡大に努めました。また、大規模プラットフォーマーの市場支配力の拡大や、競合との競争激化により市場環境の厳しいアドネットワーク事業においても、新規顧客や海外顧客の獲得に注力すると共に、収益構造の改善を進め、安定的な収益の確保に努めてまいりました。さらに、デジタル広告市場の健全化を図る政府の動きも活発化してきており、市場の変化に対応すべく、当社グループもより効果的で適正な広告運用を行う体制の強化に努めております。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は、17,833,542千円(前年同期比119.7%)、営業利益は3,382,383千円(同150.6%)、経常利益は3,366,686千円(同149.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,299,961千円(同133.1%)となりました。
※1 出典:総務省自治税務局市町村税課「ふるさと納税に関する現況調査結果」、2021年7月30日公表
※2 ふるさと納税受入額等の実績は、住民税の計算期間と異なり、自治体の事業年度(4月1日~翌年3月31日)
の状況を集計したものであります。当社では、2019年6月1日からふるさと納税に係る指定制度が施行される
ことを見越した駆け込み需要が2018年末から2019年3月末にかけて起こったことによる影響があったものと
考え、2018年度から2019年度にかけての実績数値の減少は、市場自体の縮小を示すものではないと考えており
ます。
※3 出典:株式会社電通「2020年日本の広告費」、2021年2月25日発表
※4 出典:株式会社サイバー・コミュニケーションズ/株式会社D2C/株式会社電通/株式会社電通デジタル
「2020年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」、2021年3月10日発表
セグメント別の業績は次のとおりです。
なお、各セグメント別の売上高は、セグメント間の内部売上高及び振替高を含む数値を記載しております。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。
(コンシューマ事業)
コンシューマ事業では、ふるさと納税事業「ふるなび」及び周辺事業としてトラベル事業、レストランPR事業並びにポイントサービス事業を展開しております。主力事業であるふるさと納税事業「ふるなび」は、ふるさと納税制度の認知度向上による市場の成長に加えて、新型コロナウイルス感染症の影響によるインターネット接触時間の増加やイエナカ消費、節約志向が追い風となりました。また、契約自治体数の増加や返礼品の増加、TVCMなどの新規会員獲得施策及びリピーターへの想起施策並びにYahoo!JAPANとの連携プロモーションなどが奏功したことで、会員数、寄附件数共に増加し、寄附受付金額は前年同期を大きく上回る結果となりました。さらにトラベル事業やレストランPR事業においても、飲食や宿泊を体験できる返礼品の契約自治体数を順調に拡大させております。なお、前期にネットキャッチャー事業などの不採算事業から撤退したことも、セグメント利益の改善効果をもたらしております。
これらの結果、当連結会計年度のセグメント売上高は7,846,052千円(前年同期比171.9%)、セグメント利益は1,962,015千円(同148.0%)と大幅な増収増益となりました。
(インターネット広告事業)
インターネット広告事業では、アドネットワーク事業、アフィリエイト事業、メディアソリューション事業、広告代理店事業(サイバーコンサルタント社)、アプリ運営事業(オーテ社)等を展開しております。インターネット広告市場では、新型コロナウイルス感染症による広告主の減少が、広告表示単価(CPM)の低下を招くなど一時的に収益への影響があったものの、市場はコロナ禍前の水準近くまでの回復をみせております。重点領域であるメディアソリューション事業では、パートナー数が堅調に推移したことで収益は拡大しており、アプリ運営事業では、広告効率が向上したことに加え、積極的な広告投資を実施したことで、新規顧客獲得が順調となり、業績は引き続き好調に推移しました。また、アドネットワーク事業では、今期より顧客に対してのトータルソリューションを提供できる組織とプロダクト体制に移行し、ターゲットとなる広告主や予算規模を見直すなど営業手法や体制を再整備し、受注案件数増加に向けて注力してまいりました。さらに、アフィリエイト事業ではインフルエンサーメディアの獲得やゲーム・ECなど、大型案件の継続的な受注が成功しており収益に貢献いたしました。一方で、個人情報保護に対する関心が高まっていることを背景に、IDFA取得制限などが実施されましたが、当社グループでは広告収益低下対策の支援サービスを新たに開始するなど、自社のノウハウを活用した事業拡大を行っております。
これらの結果、当連結会計年度のセグメント売上高は12,163,427千円(前年同期比106.1%)と増収、セグメント利益は1,420,367千円(同163.9%)と、利益率の大きい事業が貢献したことで大幅な増益となりました。
②財政状態
当連結会計年度末における総資産は18,992,553千円(前連結会計年度末比3,633,488千円の増加)となりました。これは、主に現金及び預金が3,058,928千円及び売掛金が394,076千円増加したことによるものであります。
負債は4,272,423千円(同2,136,195千円の増加)となりました。これは、主に未払法人税等が967,518千円、販売促進引当金が391,860千円及び流動負債のその他が364,256千円増加したことによるものであります。
純資産は14,720,129千円(同1,497,292千円の増加)となりました。これは、主に自己株式の取得及びその処分により841,506千円減少(自己株式が523,720千円増加し資本剰余金が317,785千円減少)したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が2,299,961千円増加したことによるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は、前連結会計年度末より3,058,928千円増加し、残高は15,422,020千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は3,959,051千円(前連結会計年度は440,401千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益3,317,808千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果支出した資金は83,111千円(前連結会計年度は438,447千円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出49,934千円及び投資有価証券の取得による支出20,000千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果支出した資金は817,011千円(前連結会計年度は1,580,961千円の支出)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出986,712千円によるものであります。
④生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)
コンシューマ事業7,701,526170.8
インターネット広告事業10,132,01697.5
合計17,833,542119.7

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当連結会計年度における販売実績の著しい変動の要因は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は総販売実績
の100分の10未満であるため記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。なお、新型コロナウイルス感染症の影響の仮定に関する情報は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりです。
そのほか、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、上記「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況 ② 財政状態」をご参照ください。また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、上記「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社グループは、今後も更なる収益基盤の安定化及び持続的な成長を図るために、収益源の多様化を実現する必要があると考えており、自社による新規事業の創出及び拡大のみならず、業務提携、M&A等の新たな事業・サービスへの提携・投資に積極的に取り組んでいく方針であります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、広告作業実施のための媒体料金及び制作費の支払等並びに人件費をはじめとする販売費及び一般管理費です。また、当社グループ及び当社グループのサービスの知名度を向上させ、新規ユーザーの獲得とユーザーエンゲージメント強化のための広告宣伝費及び、事業開発とシステム開発に係る人件費であります。投資を目的とした資金需要は、主に業務提携、M&A等の新たな事業・サービスへの提携・投資及び設備投資等によるものであります。これらの資金需要は自己資金でまかなうことを基本とし、必要に応じて資金調達を実施致します。
④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが重視している経営指標のうち、中長期的な資本効率として設定しましたROEにつきまして、当連結会計年度は16.5%となりました。今後も目標の15%に対して業績の向上と併せて資本効率についても注視し、事業基盤の維持及び持続的な成長のために必要な株主資本の水準を保持しつつ、業績の動向を踏まえた安定的な配当の実施及び柔軟な自己株式の取得により、株主還元を着実に充実させてまいる所存でございます。

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