有価証券報告書(少額募集等)-第36期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(業績等の概要)
(1) 業績
当事業年度における我が国の経済は、新型コロナウィルス感染症の世界的な急拡大を受けて4月に緊急事態宣言が発令されたことに伴い、景気は大幅に落ち込みました。宣言解除後は消費や輸出が大きく回復し、年末までは持ち直しの動きが続きましたが、年初に感染の再拡大を受け緊急事態宣言が再度発令されたことにより、景気は再び悪化しました。
ホテル業界は、新型コロナウィルス感染拡大の影響を最も深刻に受けた業種の一つです。国内外の人の流れの激減は、ホテルの客室稼働率の落ち込みをもたらしただけでなく、数少ない宿泊需要の争奪戦は、客室料金の価格破壊につながり、かつて経験したことのない厳しい経営環境となりました。7月からのGo Toトラベルキャンペーンの開始に伴い、一時的に人の流れが活発となりましたが、年末以降は感染の再拡大により、回復は遠のくこととなりました。
このような状況の下において、当社は、従業員の雇用と安全を守りながら、創業以来の「清潔・安心・値ごろ感」の東横INN QUALITYを堅持し、社会インフラとしての役割を果たしてまいりました。
具体的には、
・コロナ禍ゆえのニーズを捉える
従業員および宿泊のお客様の安全に十分配慮しつつ、帰国者、医療従事者、訪日外国人、新型コロナウィルス軽症者、無症状者の方々を、積極的に受け入れてまいりました。
また、リモートワークや通勤を避けるための宿泊ニーズ等を捉えるべく、支配人は営業活動を強化し、デイユースプランの販売や、テレワーク専用客室の新設を行いました。
・新たな価格戦略の展開
一層混迷を増すマーケットにおいて、価格の安定化を維持しつつ、画一的ではなく、それぞれのエリアおよび店舗の特性を十分に加味し、収支のバランスを考慮した価格戦略を展開してまいりました。
・新しい生活様式に合わせた店舗づくりの模索
消毒を加えた清掃や、「密」を回避し安全を考慮した朝食の工夫を継続するとともに、新しい時代の清潔感を追求してまいりました。また、遠方への移動が制限され、地元・地域の重要性が増す中、地域との共生、地域への貢献を進めてまいりました。
・新規出店スケジュールの全面的な見直し
開発中のプロジェクトについて、経営環境が大きく変化した中、ニーズを見極め、プロジェクト毎の収益性やリスクを再検証し、プロジェクトの延期や中断も含め、出店時期の徹底的な見直しを行いました。
・資金基盤の安定化を図る
先行きの不透明さが増す中、事業を継続させるために、資金調達の安定化、多様化を図りました。
当事業年度においては、以上のような様々な施策を実施してまいりましたが、事業年度の開始から客室稼働率は急激に低下し、特に5月には30%台を割り込む水準となりました。その後、Go Toトラベルキャンペーン等により一時的な持ち直しはあったものの、年末以降は、新型コロナウィルス感染症の再拡大、緊急事態宣言の再発令に伴って再び厳しい客室稼働率水準で推移し、通期の平均客室稼働率は45.8%となりました。
以上の結果、当事業年度の売上高は、42,989百万円(前事業年度比54.6%減)、営業損失は、16,080百万円(前事業年度は、営業利益12,101百万円)、経常損失は、13,727百万円(前事業年度は、経常利益11,360百万円)となりました。また、一棟貸等による収益10,263百万円などの特別利益10,265百万円、投資損失引当金繰入額3,317百万円および臨時休業等による損失1,443百万円などの特別損失5,356百万円、法人税、住民税及び事業税53百万円、法人税等還付税額△1,368百万円、および法人税等調整額24百万円を計上した結果、当期純損失は、7,527百万円(前事業年度は当期純利益6,443百万円)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物は、20,352百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、5,876百万円の支出(前事業年度は、13,059百万円の収入)となりました。これは、税引前当期純損失8,818百万円の計上や、その他資産の増加による支出3,460百万円があった一方で、減価償却費4,021百万円、投資損失引当金の増加3,317百万円などの非資金項目があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、7,391百万円の支出(前事業年度比68.9%減)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出6,710百万円、貸付による支出1,588百万円および差入保証金の差入による支出1,622百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、2,356百万円の支出(前事業年度は、25,175百万円の収入)となりました。これは、長期借入による収入3,144百万円があった一方で、長期借入の返済による4,634百万円の支出、配当金の支払額511百万円などがあったことによるものであります。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
該当事項はありません。
(2) 受注状況
該当事項はありません。
(3) 販売実績
当社の販売実績は、全てビジネスホテル関連事業に関する金額であるため、記載を省略いたしております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたっては、会計方針の選択、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと相違する場合があります。
詳細は、「第4 経理の状況 1 財務諸表 注記事項 重要な会計方針、(重要な会計上の見積り)に記載しております。
(2) 財政状態の分析
① 流動資産
当事業年度の流動資産は、前事業年度末比9,386百万円減少して、36,436百万円(前事業年度末45,822百万円)となりました。減少の主な要因は、現金及び預金が15,805百万円減少したことによるものです。
② 固定資産
当事業年度の固定資産は、前事業年度末比678百万円増加して、130,096百万円(前事業年度末129,419百万円)となりました。増加の主な要因は、投資損失引当金3,317百万円の計上による減少の一方で、建物の竣工による増加3,772百万円、および建設仮勘定の増加1,471百万円があったことによるものです。
③ 負債
当事業年度の負債は、前事業年度末比729百万円減少して、93,577百万円(前事業年度末94,306百万円)となりました。減少の主な要因は、一年内返済予定長期借入金が1,731百万円、長期未払金が1,407百万円、それぞれ増加した一方で、長期借入金が3,128百万円減少したことによるものです。
④ 純資産
当事業年度の純資産は、前事業年度末比7,979百万円減少して、72,956百万円(前事業年度末80,935百万円)となりました。これは主に、当期純損失を7,527百万円計上したことによるものです。
当社では、当事業年度においては、新型コロナウィルス感染症の世界的な感染拡大という状況の下、財務基盤をより安定化させるべく、自社保有案件の開発スケジュールの全面的な見直しを行い、借入金残高の抑制に努めてまいりました。同時に、当社の子会社が運営しておりました東横INNプノンペンの事業譲渡と、それに伴う当該子会社に対する貸付金等に対する引当金の計上を行うなど、不採算事業の整理にも注力してまいりました。
なお、引き続き自社保有案件の開発(土地の取得、ホテルの建設)に係る金融機関からの資金調達については、返済期間を長期化(原則として15年程度)し、開発案件が常軌化する目安としての期間(3~5年程度)を大幅に上回る水準とすることにより、財務リスクの軽減を図っております。また、新型コロナウィルス感染症の拡大に伴う不透明な経営環境に対応するため、開発案件の進捗計画のコントロールについては、従前以上に慎重な判断のもとで実施してまいります。
以上により、当事業年度末の自己資本比率は43.8%となり、前事業年度末から2.4ポイントの低下となりました。当該数値は依然として適正水準であると考えておりますが、一方で、今後の経営方針の策定および実行に際しては、安定的な財政状態を引き続き維持すべく、当該指標を注視しつつ進めてまいる所存です。
(3) 当事業年度の経営成績の分析
① 売上高
当事業年度の我が国の経済は、新型コロナウィルス感染症の世界的な流行拡大による経済活動の停滞に伴い、極めて厳しい環境で推移いたしました。
このような経営環境のもと、全店舗の平均稼働率は45.8%と、前年対比で29.9ポイントの大幅な低下となり、新規出店による総客室数の増加はあったものの、一部の店舗については一時的な休業を実施したことに加えて、平均客室単価も軟調に推移したことにより、当事業年度の売上高は42,989百万円(前事業年度比54.6%減)となりました。
② 営業損益
新型コロナウィルス感染症の拡大に伴う稼働率の急落に伴い、一部店舗の休業や人員シフトの再構築等の対策を行ったものの固定費の負担が大きく、さらには同感染症対策として従業員や宿泊のお客様の安全、安心を守るためのコスト増などによって、営業損失は16,080百万円(前事業年度は、営業利益12,101百万円)となりました。
③ 営業外損益
営業外収益は、主に助成金収入の計上2,181百万円により、前事業年度に比べ2,242百万円増加して5,060百万円となりました。また、主に為替差損の計上がなくなったことにより、営業外費用は前事業年度に比べ851百万円減少して2,707百万円となりました。以上の結果、経常損失は13,727百万円(前事業年度は、経常利益11,360百万円)となりました。
④ 特別損益
特別利益は、主に一棟貸等による収益10,263百万円の計上により、前事業年度に比べ10,167百万円増加して10,265百万円となりました。特別損失は、投資損失引当金繰入額3,317百万円および臨時休業等による損失1,443百万円の計上により、前事業年度に比べて3,818百万円増加して5,356百万円となりました。
以上の結果、税引前当期純損失は8,818百万円(前事業年度は、税引前当期純利益9,920百万円)となりました。
⑤ 当期純損益
法人税、住民税及び事業税53百万円、法人税等還付税額△1,368百万円および法人税等調整額24百万円を計上した結果、当期純損失は7,527百万円(前事業年度比は、当期純利益6,443百万円)となりました。
当社は、新型コロナウィルス感染症の世界的拡大という未曽有の事態の中、従業員の雇用と安全を守りながらも、創業以来の「清潔・安心・値ごろ感」の東横INN QUALITYを堅持し、社会インフラとしての役割を果たすべく努めてまいりました。稼働率は、新型コロナウィルスの感染拡大により、45.8%(前事業年度対比で29.9ポイントの低下)と急激な低下、売上高は、前事業年度対比54.6%の大きな減収となり、営業損益、経常損益、当期純損益のいずれの段階においても、損失を計上することとなりました。
かような状況下において、コロナ禍ゆえのニーズを捉えるため、従業員及び宿泊のお客様の安全と安心に細心の注意を払いつつ、帰国者、医療従事者、新型コロナ軽症・無症状感染者の受入や、リモートワークや通勤を避けるための宿泊ニーズに対応すべく、努めてまいりました。さらに、一部の店舗を一時的に休業することでコスト削減に努め、雇用調整助成金や、各種補助金の給付を受けるとともに、宿泊療養施設として国および地方公共団体への一棟貸を積極的に行うことにより、当社が掲げる社会インフラとしての役割を果たしつつ、損失金額を抑える取り組みを行ってまいりました。
引き続き、このような未曽有の事態に対応するため、ホテル品質のさらなる向上を図り、新型コロナウィルスの感染に対するお客様の安心感を高める様々な工夫を行うことで、お客様に選んでいただけるホテルづくりを図ると同時に、変化する費用構造を的確に把握、分析することを通じて、より一層のコスト管理に努めてまいります。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の事項が発生した場合には、売上高の減少、費用の増加、資金の支出等が発生する可能性があり、その場合は経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
(5) 経営戦略の現状と見通し
当事業年度は、「清潔・安心・値ごろ感」の「東横INN QUALITY」を提供するという従来からの経営理念を堅持するとともに、新しい生活様式に合わせた店舗づくりを模索し、さらには財務基盤の安定化を図ることで、極めて厳しい環境に対応しうる経営体制の構築に取り組んでまいりました。
翌事業年度においては、これらの方針を堅持しつつ、お客様のニーズに寄り添う店舗づくりに努めるとともに、「東横INN」の社会インフラとしての価値を再認識し、引き続きいかなる環境の変化にも耐えうる経営基盤の構築を図ってまいります。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
当事業年度における現金及び現金同等物は、前事業年度に比べ15,711百万円減少して20,352百万円となり、現在必要とされる資金水準を満たす流動性を十分に保持していると考えております。詳細は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
② 資金需要
当社の資金需要の主なものは、運転資金、設備資金、差入保証金の差入、法人税等の支払、借入金の返済、利息の支払等であります。これらの資金の源泉としては、主に金融機関からの借入および営業活動によるキャッシュ・フローにより、必要とする資金を調達することを基本的な方針としてまいります。
③ 財務政策
当社の財務運営の方針及び目的は、効率的な営業活動及び資産活用を図るとともに、キャッシュ・フローのバランスを確保することにより、財務基盤の健全化を図ることであります。当事業年度においては、一部の自社開発案件に係る新規の資金調達を行った一方で、既存借入金の返済を進めたことにより、有利子負債(リース債務及び割賦未払金を除く)は、77,445百万円と前事業年度に比べて1,544百万円の減少となりました。
翌事業年度においては、東横INN大宮駅東口や東横INN広島駅スタジアム前、東横INN燕三条駅前等の自社開発案件の竣工に係る資本的支出を予定しており、その資金の調達源は、主に金融機関からの借入金を予定しております。
当社は、新型コロナウィルスの感染状況を注視し、自社開発案件の進捗計画を、適時適切にコントロールしつつ、ホテルの稼働率向上等により自己資金の充実を図ることと併せて、更なる財務基盤の安定に向けて取り組んでまいります。
なお、「第4 経理の状況 1 財務諸表 注記事項 重要な後発事象」に記載の通り、今後の事業活動における資金需要に対し、機動的な資金調達を可能とするため、100億円を借入限度額とするコミットメントライン契約を締結しております。
(7) 経営者の問題意識と今後の方針について
当社の経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、新型コロナウィルスの感染拡大の状況に加えて、競合他社との競争激化の状況など、当社を取り巻く事業環境は、一層厳しさを増すことが予想されます。このような状況の中で、当社は、収益の黒字化と財務体質の安定化を最大の課題と認識し、経営基盤の強化に努めてまいります。
(1) 業績
当事業年度における我が国の経済は、新型コロナウィルス感染症の世界的な急拡大を受けて4月に緊急事態宣言が発令されたことに伴い、景気は大幅に落ち込みました。宣言解除後は消費や輸出が大きく回復し、年末までは持ち直しの動きが続きましたが、年初に感染の再拡大を受け緊急事態宣言が再度発令されたことにより、景気は再び悪化しました。
ホテル業界は、新型コロナウィルス感染拡大の影響を最も深刻に受けた業種の一つです。国内外の人の流れの激減は、ホテルの客室稼働率の落ち込みをもたらしただけでなく、数少ない宿泊需要の争奪戦は、客室料金の価格破壊につながり、かつて経験したことのない厳しい経営環境となりました。7月からのGo Toトラベルキャンペーンの開始に伴い、一時的に人の流れが活発となりましたが、年末以降は感染の再拡大により、回復は遠のくこととなりました。
このような状況の下において、当社は、従業員の雇用と安全を守りながら、創業以来の「清潔・安心・値ごろ感」の東横INN QUALITYを堅持し、社会インフラとしての役割を果たしてまいりました。
具体的には、
・コロナ禍ゆえのニーズを捉える
従業員および宿泊のお客様の安全に十分配慮しつつ、帰国者、医療従事者、訪日外国人、新型コロナウィルス軽症者、無症状者の方々を、積極的に受け入れてまいりました。
また、リモートワークや通勤を避けるための宿泊ニーズ等を捉えるべく、支配人は営業活動を強化し、デイユースプランの販売や、テレワーク専用客室の新設を行いました。
・新たな価格戦略の展開
一層混迷を増すマーケットにおいて、価格の安定化を維持しつつ、画一的ではなく、それぞれのエリアおよび店舗の特性を十分に加味し、収支のバランスを考慮した価格戦略を展開してまいりました。
・新しい生活様式に合わせた店舗づくりの模索
消毒を加えた清掃や、「密」を回避し安全を考慮した朝食の工夫を継続するとともに、新しい時代の清潔感を追求してまいりました。また、遠方への移動が制限され、地元・地域の重要性が増す中、地域との共生、地域への貢献を進めてまいりました。
・新規出店スケジュールの全面的な見直し
開発中のプロジェクトについて、経営環境が大きく変化した中、ニーズを見極め、プロジェクト毎の収益性やリスクを再検証し、プロジェクトの延期や中断も含め、出店時期の徹底的な見直しを行いました。
・資金基盤の安定化を図る
先行きの不透明さが増す中、事業を継続させるために、資金調達の安定化、多様化を図りました。
当事業年度においては、以上のような様々な施策を実施してまいりましたが、事業年度の開始から客室稼働率は急激に低下し、特に5月には30%台を割り込む水準となりました。その後、Go Toトラベルキャンペーン等により一時的な持ち直しはあったものの、年末以降は、新型コロナウィルス感染症の再拡大、緊急事態宣言の再発令に伴って再び厳しい客室稼働率水準で推移し、通期の平均客室稼働率は45.8%となりました。
以上の結果、当事業年度の売上高は、42,989百万円(前事業年度比54.6%減)、営業損失は、16,080百万円(前事業年度は、営業利益12,101百万円)、経常損失は、13,727百万円(前事業年度は、経常利益11,360百万円)となりました。また、一棟貸等による収益10,263百万円などの特別利益10,265百万円、投資損失引当金繰入額3,317百万円および臨時休業等による損失1,443百万円などの特別損失5,356百万円、法人税、住民税及び事業税53百万円、法人税等還付税額△1,368百万円、および法人税等調整額24百万円を計上した結果、当期純損失は、7,527百万円(前事業年度は当期純利益6,443百万円)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物は、20,352百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、5,876百万円の支出(前事業年度は、13,059百万円の収入)となりました。これは、税引前当期純損失8,818百万円の計上や、その他資産の増加による支出3,460百万円があった一方で、減価償却費4,021百万円、投資損失引当金の増加3,317百万円などの非資金項目があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、7,391百万円の支出(前事業年度比68.9%減)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出6,710百万円、貸付による支出1,588百万円および差入保証金の差入による支出1,622百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、2,356百万円の支出(前事業年度は、25,175百万円の収入)となりました。これは、長期借入による収入3,144百万円があった一方で、長期借入の返済による4,634百万円の支出、配当金の支払額511百万円などがあったことによるものであります。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
該当事項はありません。
(2) 受注状況
該当事項はありません。
(3) 販売実績
当社の販売実績は、全てビジネスホテル関連事業に関する金額であるため、記載を省略いたしております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたっては、会計方針の選択、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと相違する場合があります。
詳細は、「第4 経理の状況 1 財務諸表 注記事項 重要な会計方針、(重要な会計上の見積り)に記載しております。
(2) 財政状態の分析
① 流動資産
当事業年度の流動資産は、前事業年度末比9,386百万円減少して、36,436百万円(前事業年度末45,822百万円)となりました。減少の主な要因は、現金及び預金が15,805百万円減少したことによるものです。
② 固定資産
当事業年度の固定資産は、前事業年度末比678百万円増加して、130,096百万円(前事業年度末129,419百万円)となりました。増加の主な要因は、投資損失引当金3,317百万円の計上による減少の一方で、建物の竣工による増加3,772百万円、および建設仮勘定の増加1,471百万円があったことによるものです。
③ 負債
当事業年度の負債は、前事業年度末比729百万円減少して、93,577百万円(前事業年度末94,306百万円)となりました。減少の主な要因は、一年内返済予定長期借入金が1,731百万円、長期未払金が1,407百万円、それぞれ増加した一方で、長期借入金が3,128百万円減少したことによるものです。
④ 純資産
当事業年度の純資産は、前事業年度末比7,979百万円減少して、72,956百万円(前事業年度末80,935百万円)となりました。これは主に、当期純損失を7,527百万円計上したことによるものです。
当社では、当事業年度においては、新型コロナウィルス感染症の世界的な感染拡大という状況の下、財務基盤をより安定化させるべく、自社保有案件の開発スケジュールの全面的な見直しを行い、借入金残高の抑制に努めてまいりました。同時に、当社の子会社が運営しておりました東横INNプノンペンの事業譲渡と、それに伴う当該子会社に対する貸付金等に対する引当金の計上を行うなど、不採算事業の整理にも注力してまいりました。
なお、引き続き自社保有案件の開発(土地の取得、ホテルの建設)に係る金融機関からの資金調達については、返済期間を長期化(原則として15年程度)し、開発案件が常軌化する目安としての期間(3~5年程度)を大幅に上回る水準とすることにより、財務リスクの軽減を図っております。また、新型コロナウィルス感染症の拡大に伴う不透明な経営環境に対応するため、開発案件の進捗計画のコントロールについては、従前以上に慎重な判断のもとで実施してまいります。
以上により、当事業年度末の自己資本比率は43.8%となり、前事業年度末から2.4ポイントの低下となりました。当該数値は依然として適正水準であると考えておりますが、一方で、今後の経営方針の策定および実行に際しては、安定的な財政状態を引き続き維持すべく、当該指標を注視しつつ進めてまいる所存です。
(3) 当事業年度の経営成績の分析
① 売上高
当事業年度の我が国の経済は、新型コロナウィルス感染症の世界的な流行拡大による経済活動の停滞に伴い、極めて厳しい環境で推移いたしました。
このような経営環境のもと、全店舗の平均稼働率は45.8%と、前年対比で29.9ポイントの大幅な低下となり、新規出店による総客室数の増加はあったものの、一部の店舗については一時的な休業を実施したことに加えて、平均客室単価も軟調に推移したことにより、当事業年度の売上高は42,989百万円(前事業年度比54.6%減)となりました。
② 営業損益
新型コロナウィルス感染症の拡大に伴う稼働率の急落に伴い、一部店舗の休業や人員シフトの再構築等の対策を行ったものの固定費の負担が大きく、さらには同感染症対策として従業員や宿泊のお客様の安全、安心を守るためのコスト増などによって、営業損失は16,080百万円(前事業年度は、営業利益12,101百万円)となりました。
③ 営業外損益
営業外収益は、主に助成金収入の計上2,181百万円により、前事業年度に比べ2,242百万円増加して5,060百万円となりました。また、主に為替差損の計上がなくなったことにより、営業外費用は前事業年度に比べ851百万円減少して2,707百万円となりました。以上の結果、経常損失は13,727百万円(前事業年度は、経常利益11,360百万円)となりました。
④ 特別損益
特別利益は、主に一棟貸等による収益10,263百万円の計上により、前事業年度に比べ10,167百万円増加して10,265百万円となりました。特別損失は、投資損失引当金繰入額3,317百万円および臨時休業等による損失1,443百万円の計上により、前事業年度に比べて3,818百万円増加して5,356百万円となりました。
以上の結果、税引前当期純損失は8,818百万円(前事業年度は、税引前当期純利益9,920百万円)となりました。
⑤ 当期純損益
法人税、住民税及び事業税53百万円、法人税等還付税額△1,368百万円および法人税等調整額24百万円を計上した結果、当期純損失は7,527百万円(前事業年度比は、当期純利益6,443百万円)となりました。
当社は、新型コロナウィルス感染症の世界的拡大という未曽有の事態の中、従業員の雇用と安全を守りながらも、創業以来の「清潔・安心・値ごろ感」の東横INN QUALITYを堅持し、社会インフラとしての役割を果たすべく努めてまいりました。稼働率は、新型コロナウィルスの感染拡大により、45.8%(前事業年度対比で29.9ポイントの低下)と急激な低下、売上高は、前事業年度対比54.6%の大きな減収となり、営業損益、経常損益、当期純損益のいずれの段階においても、損失を計上することとなりました。
かような状況下において、コロナ禍ゆえのニーズを捉えるため、従業員及び宿泊のお客様の安全と安心に細心の注意を払いつつ、帰国者、医療従事者、新型コロナ軽症・無症状感染者の受入や、リモートワークや通勤を避けるための宿泊ニーズに対応すべく、努めてまいりました。さらに、一部の店舗を一時的に休業することでコスト削減に努め、雇用調整助成金や、各種補助金の給付を受けるとともに、宿泊療養施設として国および地方公共団体への一棟貸を積極的に行うことにより、当社が掲げる社会インフラとしての役割を果たしつつ、損失金額を抑える取り組みを行ってまいりました。
引き続き、このような未曽有の事態に対応するため、ホテル品質のさらなる向上を図り、新型コロナウィルスの感染に対するお客様の安心感を高める様々な工夫を行うことで、お客様に選んでいただけるホテルづくりを図ると同時に、変化する費用構造を的確に把握、分析することを通じて、より一層のコスト管理に努めてまいります。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の事項が発生した場合には、売上高の減少、費用の増加、資金の支出等が発生する可能性があり、その場合は経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
(5) 経営戦略の現状と見通し
当事業年度は、「清潔・安心・値ごろ感」の「東横INN QUALITY」を提供するという従来からの経営理念を堅持するとともに、新しい生活様式に合わせた店舗づくりを模索し、さらには財務基盤の安定化を図ることで、極めて厳しい環境に対応しうる経営体制の構築に取り組んでまいりました。
翌事業年度においては、これらの方針を堅持しつつ、お客様のニーズに寄り添う店舗づくりに努めるとともに、「東横INN」の社会インフラとしての価値を再認識し、引き続きいかなる環境の変化にも耐えうる経営基盤の構築を図ってまいります。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
当事業年度における現金及び現金同等物は、前事業年度に比べ15,711百万円減少して20,352百万円となり、現在必要とされる資金水準を満たす流動性を十分に保持していると考えております。詳細は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
② 資金需要
当社の資金需要の主なものは、運転資金、設備資金、差入保証金の差入、法人税等の支払、借入金の返済、利息の支払等であります。これらの資金の源泉としては、主に金融機関からの借入および営業活動によるキャッシュ・フローにより、必要とする資金を調達することを基本的な方針としてまいります。
③ 財務政策
当社の財務運営の方針及び目的は、効率的な営業活動及び資産活用を図るとともに、キャッシュ・フローのバランスを確保することにより、財務基盤の健全化を図ることであります。当事業年度においては、一部の自社開発案件に係る新規の資金調達を行った一方で、既存借入金の返済を進めたことにより、有利子負債(リース債務及び割賦未払金を除く)は、77,445百万円と前事業年度に比べて1,544百万円の減少となりました。
翌事業年度においては、東横INN大宮駅東口や東横INN広島駅スタジアム前、東横INN燕三条駅前等の自社開発案件の竣工に係る資本的支出を予定しており、その資金の調達源は、主に金融機関からの借入金を予定しております。
当社は、新型コロナウィルスの感染状況を注視し、自社開発案件の進捗計画を、適時適切にコントロールしつつ、ホテルの稼働率向上等により自己資金の充実を図ることと併せて、更なる財務基盤の安定に向けて取り組んでまいります。
なお、「第4 経理の状況 1 財務諸表 注記事項 重要な後発事象」に記載の通り、今後の事業活動における資金需要に対し、機動的な資金調達を可能とするため、100億円を借入限度額とするコミットメントライン契約を締結しております。
(7) 経営者の問題意識と今後の方針について
当社の経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、新型コロナウィルスの感染拡大の状況に加えて、競合他社との競争激化の状況など、当社を取り巻く事業環境は、一層厳しさを増すことが予想されます。このような状況の中で、当社は、収益の黒字化と財務体質の安定化を最大の課題と認識し、経営基盤の強化に努めてまいります。