有価証券報告書(少額募集等)-第33期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(業績等の概要)
(1) 業績
当事業年度における我が国の経済は、景気の緩やかな上昇が続き、企業の収益性が持続して改善されてきたことを背景に、個人消費にも底堅さが増してきております。先行きにつきましては、国際経済は不安定要因を抱えながらも回復基調は継続しており、我が国の経済は、上昇傾向に一服感はみられるものの、長期的には拡大傾向が続く見込みです。
ホテル業界におきましては、訪日外国人数が暦年ベースで2,869万人と過去最多になる一方で、2020年の東京オリンピックに向け、特に都市圏において異業種の進出も含めた客室数が急激に増加し、顧客の獲得に向けた競争が激化しております。
こうした混迷さを増す競争環境の中において、当社は、一人でも多くのお客様に「清潔・安心・値ごろ感」の「東横INN QUALITY」を提供するという従来の経営理念を貫き、激化する競争を勝ち抜くべく、日々経営努力を重ねてまいりました。
具体的には、
① 「稼働」において、
・客室を売り切る
各店舗の支配人は、立地や顧客層の構成等、自店舗の特色を理解し、自店舗の強みを活かした営業戦略を組み立てることで、1室でも多く客室を売ることに努めてまいりました。
・新規顧客の開拓
支配人は、引き続き個人会員の獲得に注力しながら、地域に密着した地道な営業活動を展開し、新規顧客の開拓に努めてまいりました。
・集客の「道具」を上手に使う
会員割引、公式HP(ホームページ)割、公式ホームページや東横ぐるめ(支配人が推奨する飲食店の紹介ページ)のリニューアルなど、お客様を増やす努力を行ってまいりました。
② 「原価」において、
・人員配置、業務分担の見直し
支配人から組成された各委員会、プロジェクトを通し、店舗の適正な原価、人員を研究し、現場の「ヒト」「カネ」「モノ」における無駄を省くことを目指してまいりました。一方、本社では経理システムを一新するなど、現場の業務負担を少しでも軽減すべく努めてまいりました。
・壊れる前のメンテナンス
設備の耐用年数、使用上の注意点、お手入れ方法などの情報を、全店舗で共有するとともに、天候、季節によって発生する可能性のある設備のトラブルを予想し、事前に備えることで、設備に起因する運営上の支障をなくす努力を行ってまいりました。
② 「海外店舗支援」において、
・「東横INN QUALITY」の徹底と問題点の吸い上げ
海外においても、「東横INN QUALITY」は経営上の強みと考え、海外店舗の運営サポートを行いながら、国内店舗から現地の店舗にスタッフを派遣し、ノウハウを伝授することにより、サービスの標準化を図ってまいりました。
以上の通り、第33期においては、これまでの安定成長の中で「守り」に陥りやすい店舗運営を、厳しい環境に対応できる積極的な営業姿勢に切り替え、それをサポートするためのサービスや社内システムの一層の充実を図ってまいりました。
この結果、当事業年度の売上高は、84,859百万円(前事業年度比3.5%増)、営業利益は、15,448百万円(前事業年度比10.3%減)、経常利益は、15,668百万円(前事業年度比10.2%減)となりました。また、特別利益として固定資産売却益11百万円を計上した一方、減損損失や過去勤務費用償却額、地中障害物撤去損失などの特別損失996百万円、法人税、住民税及び事業税4,677百万円、法人税等調整額△249百万円を計上した結果、当期純利益は、10,256百万円(前事業年度比3.8%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物は、15,412百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、12,248百万円の収入(前事業年度比2.2%減)となりました。これは、法人税等の支払5,767百万円などの支出に対し、税引前当期純利益14,684百万円などの収入と、減価償却費2,375百万円、差入保証金償却費502百万円、減損損失537百万円などの非資金項目があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、26,057百万円の支出(前事業年度比38.0%増)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出18,622百万円および貸付による支出3,989百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、10,782百万円の収入(前事業年度比114.6%増)となりました。これは、長期借入の返済による4,676百万円の支出、配当金の支払額511百万円などに対し、長期借入による収入16,105百万円などがあったことによるものであります。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
該当事項はありません。
(2) 受注状況
該当事項はありません。
(3) 販売実績
当社の販売実績は、全てビジネスホテル関連事業に関する金額であるため、記載を省略いたしております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針につきましては、「第4 経理の状況 1 財務諸表 重要な会計方針」に記載しております。
なお、見積りが必要な事項につきましては、過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
(2) 財政状態の分析
① 流動資産
当事業年度の流動資産は、前事業年度末比362百万円減少して、33,617百万円(前事業年度末33,980百万円)となりました。減少の主な要因は、日本放送協会との放送受信料訴訟に係る供託金の差入等により流動資産のその他が905百万円増加した一方、現金及び預金が763百万円、短期貸付金が841百万円、それぞれ減少したことによるものです。
② 固定資産
当事業年度の固定資産は、前事業年度末比23,022百万円増加して、93,465百万円(前事業年度末70,444百万円)となりました。増加の主な要因は、建物の取得および建設による増加10,661百万円、土地の取得による増加3,979百万円、建設仮勘定の増加1,996百万円および関係会社長期貸付金の増加4,705百万円によるものです。
③ 負債
当事業年度の負債は、前事業年度末比12,889百万円増加して、61,024百万円(前事業年度末48,135百万円)となりました。増加の主な要因は、一年内返済予定長期借入金が1,558百万円減少した一方で、長期借入金が13,124百万円増加したことによるものです。
④ 純資産
当事業年度の純資産は、前事業年度末比9,770百万円増加して、66,058百万円(前事業年度末56,288百万円)となりました。これは主に、当期純利益を10,256百万円計上したことによるものです。
当社は、2020年の東京オリンピックの開催を見据え、特に都市圏を中心とした出店ピッチを高めていく方針の下、自社保有案件の開発にも積極的に取り組んでいることから、上述の通り、有形固定資産(主に建物・土地)および長期借入金の当事業年度末残高は、前事業年度末と比較して大幅に増加いたしました。
この点につきましては、自社保有案件の開発(土地の取得、ホテルの建設)に係る金融機関からの資金調達について、返済期間を長期化(原則として15年程度)し、開発案件が常軌化する目安としての期間(3~5年程度)を大幅に上回る水準とすることにより、財務リスクの軽減を図っております。
また、当事業年度末の自己資本比率は52.0%となり、前事業年度末から1.9ポイントの低下となりましたが、依然として当社が安定性の目安と考えている50%水準を上回っており、引き続き健全な財政状態を維持しているものと考えております。
(3) 当事業年度の経営成績の分析
① 売上高
当事業年度の我が国の経済は、上昇傾向に一服感は見られるものの、比較的堅調に推移いたしました。ホテル業界では、訪日外国人数が引き続き増加傾向を示す一方で、東京オリンピックに向けて、異業種の参入も含めた客室数の急増に伴う競争の激化が顕著な状況となりました。
このような経営環境のもと、全店舗の平均稼働率は83.5%と、前年対比で1.7ポイント低下したものの、新規出店による総客室数の増加と、平均客室単価が堅調に推移したことにより、当事業年度の売上高は84,859百万円(前事業年度比3.5%増)となりました。
② 営業損益
売上原価、販管費ともに経費削減に取り組んだ一方で、人員不足や待遇改善に伴う人件費の上昇や、新規出店に係るコスト増、ホテル設備のメンテナンスを重点的に実施したこと等により、営業利益は15,448百万円(前事業年度比10.3%減)となりました。
③ 営業外損益
営業外収益は、主に為替差益が155百万円減少した一方で、不動産賃貸料が323百万円増加したことにより、前事業年度に比べ128百万円増加して2,850百万円となりました。また、主に支払保証料51百万円の計上により、営業外費用は前事業年度に比べ141百万円増加して2,630百万円となりました。以上の結果、経常利益は15,668百万円(前事業年度比10.2%減)となりました。
④ 特別損益
特別利益は、主に圧縮未決算特別勘定戻入額の計上がなかったことにより、前事業年度に比べ421百万円減少して11百万円となりました。特別損失は、主に減損損失537百万円および過去勤務費用償却額315百万円を計上した一方で、訴訟損失引当金繰入額および固定資産圧縮損の計上がなかったことにより、前事業年度に比べて1,725百万円減少して996百万円となりました。
以上の結果、税引前当期純利益は14,684百万円(前事業年度比3.1%減)となりました。
⑤ 当期純損益
法人税、住民税及び事業税4,677百万円および法人税等調整額△249百万円を計上した結果、当期純利益は10,256百万円(前事業年度比3.8%増)となりました。
当社は、「稼働率80%の堅持」と、前事業年度を上回る売上高、経常利益の達成を目指し、当事業年度の経営に取り組んでまいりました。稼働率は前事業年度対比で1.7ポイント低下となったものの80%は維持し、売上高は前事業年度対比3.5%の増収となった一方で、経常利益は前事業年度比10.2%の減益となりました。
この点は、新規出店による総客室数の増加と平均客室単価水準が堅調に推移したことにより売上高が増加した一方で、経常利益の減益は、特に客室規模の大きな店舗に係る新規出店コストや人件費の上昇が想定を上回り、売上原価が増加したことが主な要因であると考えております。
このような状況に対応するため、新規出店コストのより一層の見える化を図るとともに、特に大型店のコスト構造の精緻な分析を行うことで、コスト削減を図ってまいります。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の事項が発生した場合には、売上高の減少、費用の増加、資金の支出等が発生する可能性があり、その場合は経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
(5) 経営戦略の現状と見通し
当事業年度は、「清潔・安心・値ごろ感」の「東横INN QUALITY」を提供するという従来からの経営理念を貫くことを基本方針に、厳しい環境に対応できる積極的な営業姿勢で経営に取り組んでまいりました。
翌事業年度においては、この方針を堅持しつつ、支配人の営業力の強化やコスト構造の的確な分析、改善を重点課題として、いかなる環境の変化にも耐えうる経営基盤の構築を図ってまいります。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
当事業年度における現金及び現金同等物は、前事業年度に比べ2,801百万円減少し、15,412百万円となりましたが、現在必要とされる資金水準を満たす流動性を保持していると考えております。詳細は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
② 資金需要
当社の資金需要の主なものは、運転資金、設備資金、差入保証金の差入、法人税等の支払、借入金の返済、利息の支払等であります。これらの資金の源泉としては、主に金融機関からの借入および営業活動によるキャッシュ・フローにより、必要とする資金を調達することを基本的な方針としてまいります。
③ 財務政策
当社の財務運営の方針及び目的は、効率的な営業活動及び資産活用を図るとともに、キャッシュ・フローのバランスを確保することにより、財務基盤の健全化を図ることであります。当事業年度においては、既存借入金の返済を進める一方で、物件取得に係る新規の資金調達を積極的に行ったことにより、有利子負債(リース債務を除く)は、43,903百万円と前事業年度に比べて11,467百万円の増加となりました。
翌事業年度においては、東横INN新富士駅南口や東横INN中部国際空港Ⅱ等の自社開発案件の竣工に係る資本的支出を予定しており、その資金の調達源は、主に金融機関からの借入金を予定しております。
当社は、今後も引き続き、ホテルの稼働率向上等により自己資金の充実を図ることと併せて、更なる財務基盤の安定に向けて取り組んでまいります。
(7) 経営者の問題意識と今後の方針について
当社の経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、当社を取り巻く事業環境は、さらに厳しさを増すことが予想されます。このような状況の中で、当社は、事業計画の必達を命題に、収益拡大と財務体質の安定化を最大の課題と認識し、経営基盤の強化に努めてまいります。
(1) 業績
当事業年度における我が国の経済は、景気の緩やかな上昇が続き、企業の収益性が持続して改善されてきたことを背景に、個人消費にも底堅さが増してきております。先行きにつきましては、国際経済は不安定要因を抱えながらも回復基調は継続しており、我が国の経済は、上昇傾向に一服感はみられるものの、長期的には拡大傾向が続く見込みです。
ホテル業界におきましては、訪日外国人数が暦年ベースで2,869万人と過去最多になる一方で、2020年の東京オリンピックに向け、特に都市圏において異業種の進出も含めた客室数が急激に増加し、顧客の獲得に向けた競争が激化しております。
こうした混迷さを増す競争環境の中において、当社は、一人でも多くのお客様に「清潔・安心・値ごろ感」の「東横INN QUALITY」を提供するという従来の経営理念を貫き、激化する競争を勝ち抜くべく、日々経営努力を重ねてまいりました。
具体的には、
① 「稼働」において、
・客室を売り切る
各店舗の支配人は、立地や顧客層の構成等、自店舗の特色を理解し、自店舗の強みを活かした営業戦略を組み立てることで、1室でも多く客室を売ることに努めてまいりました。
・新規顧客の開拓
支配人は、引き続き個人会員の獲得に注力しながら、地域に密着した地道な営業活動を展開し、新規顧客の開拓に努めてまいりました。
・集客の「道具」を上手に使う
会員割引、公式HP(ホームページ)割、公式ホームページや東横ぐるめ(支配人が推奨する飲食店の紹介ページ)のリニューアルなど、お客様を増やす努力を行ってまいりました。
② 「原価」において、
・人員配置、業務分担の見直し
支配人から組成された各委員会、プロジェクトを通し、店舗の適正な原価、人員を研究し、現場の「ヒト」「カネ」「モノ」における無駄を省くことを目指してまいりました。一方、本社では経理システムを一新するなど、現場の業務負担を少しでも軽減すべく努めてまいりました。
・壊れる前のメンテナンス
設備の耐用年数、使用上の注意点、お手入れ方法などの情報を、全店舗で共有するとともに、天候、季節によって発生する可能性のある設備のトラブルを予想し、事前に備えることで、設備に起因する運営上の支障をなくす努力を行ってまいりました。
② 「海外店舗支援」において、
・「東横INN QUALITY」の徹底と問題点の吸い上げ
海外においても、「東横INN QUALITY」は経営上の強みと考え、海外店舗の運営サポートを行いながら、国内店舗から現地の店舗にスタッフを派遣し、ノウハウを伝授することにより、サービスの標準化を図ってまいりました。
以上の通り、第33期においては、これまでの安定成長の中で「守り」に陥りやすい店舗運営を、厳しい環境に対応できる積極的な営業姿勢に切り替え、それをサポートするためのサービスや社内システムの一層の充実を図ってまいりました。
この結果、当事業年度の売上高は、84,859百万円(前事業年度比3.5%増)、営業利益は、15,448百万円(前事業年度比10.3%減)、経常利益は、15,668百万円(前事業年度比10.2%減)となりました。また、特別利益として固定資産売却益11百万円を計上した一方、減損損失や過去勤務費用償却額、地中障害物撤去損失などの特別損失996百万円、法人税、住民税及び事業税4,677百万円、法人税等調整額△249百万円を計上した結果、当期純利益は、10,256百万円(前事業年度比3.8%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物は、15,412百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、12,248百万円の収入(前事業年度比2.2%減)となりました。これは、法人税等の支払5,767百万円などの支出に対し、税引前当期純利益14,684百万円などの収入と、減価償却費2,375百万円、差入保証金償却費502百万円、減損損失537百万円などの非資金項目があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、26,057百万円の支出(前事業年度比38.0%増)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出18,622百万円および貸付による支出3,989百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、10,782百万円の収入(前事業年度比114.6%増)となりました。これは、長期借入の返済による4,676百万円の支出、配当金の支払額511百万円などに対し、長期借入による収入16,105百万円などがあったことによるものであります。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
該当事項はありません。
(2) 受注状況
該当事項はありません。
(3) 販売実績
当社の販売実績は、全てビジネスホテル関連事業に関する金額であるため、記載を省略いたしております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針につきましては、「第4 経理の状況 1 財務諸表 重要な会計方針」に記載しております。
なお、見積りが必要な事項につきましては、過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
(2) 財政状態の分析
① 流動資産
当事業年度の流動資産は、前事業年度末比362百万円減少して、33,617百万円(前事業年度末33,980百万円)となりました。減少の主な要因は、日本放送協会との放送受信料訴訟に係る供託金の差入等により流動資産のその他が905百万円増加した一方、現金及び預金が763百万円、短期貸付金が841百万円、それぞれ減少したことによるものです。
② 固定資産
当事業年度の固定資産は、前事業年度末比23,022百万円増加して、93,465百万円(前事業年度末70,444百万円)となりました。増加の主な要因は、建物の取得および建設による増加10,661百万円、土地の取得による増加3,979百万円、建設仮勘定の増加1,996百万円および関係会社長期貸付金の増加4,705百万円によるものです。
③ 負債
当事業年度の負債は、前事業年度末比12,889百万円増加して、61,024百万円(前事業年度末48,135百万円)となりました。増加の主な要因は、一年内返済予定長期借入金が1,558百万円減少した一方で、長期借入金が13,124百万円増加したことによるものです。
④ 純資産
当事業年度の純資産は、前事業年度末比9,770百万円増加して、66,058百万円(前事業年度末56,288百万円)となりました。これは主に、当期純利益を10,256百万円計上したことによるものです。
当社は、2020年の東京オリンピックの開催を見据え、特に都市圏を中心とした出店ピッチを高めていく方針の下、自社保有案件の開発にも積極的に取り組んでいることから、上述の通り、有形固定資産(主に建物・土地)および長期借入金の当事業年度末残高は、前事業年度末と比較して大幅に増加いたしました。
この点につきましては、自社保有案件の開発(土地の取得、ホテルの建設)に係る金融機関からの資金調達について、返済期間を長期化(原則として15年程度)し、開発案件が常軌化する目安としての期間(3~5年程度)を大幅に上回る水準とすることにより、財務リスクの軽減を図っております。
また、当事業年度末の自己資本比率は52.0%となり、前事業年度末から1.9ポイントの低下となりましたが、依然として当社が安定性の目安と考えている50%水準を上回っており、引き続き健全な財政状態を維持しているものと考えております。
(3) 当事業年度の経営成績の分析
① 売上高
当事業年度の我が国の経済は、上昇傾向に一服感は見られるものの、比較的堅調に推移いたしました。ホテル業界では、訪日外国人数が引き続き増加傾向を示す一方で、東京オリンピックに向けて、異業種の参入も含めた客室数の急増に伴う競争の激化が顕著な状況となりました。
このような経営環境のもと、全店舗の平均稼働率は83.5%と、前年対比で1.7ポイント低下したものの、新規出店による総客室数の増加と、平均客室単価が堅調に推移したことにより、当事業年度の売上高は84,859百万円(前事業年度比3.5%増)となりました。
② 営業損益
売上原価、販管費ともに経費削減に取り組んだ一方で、人員不足や待遇改善に伴う人件費の上昇や、新規出店に係るコスト増、ホテル設備のメンテナンスを重点的に実施したこと等により、営業利益は15,448百万円(前事業年度比10.3%減)となりました。
③ 営業外損益
営業外収益は、主に為替差益が155百万円減少した一方で、不動産賃貸料が323百万円増加したことにより、前事業年度に比べ128百万円増加して2,850百万円となりました。また、主に支払保証料51百万円の計上により、営業外費用は前事業年度に比べ141百万円増加して2,630百万円となりました。以上の結果、経常利益は15,668百万円(前事業年度比10.2%減)となりました。
④ 特別損益
特別利益は、主に圧縮未決算特別勘定戻入額の計上がなかったことにより、前事業年度に比べ421百万円減少して11百万円となりました。特別損失は、主に減損損失537百万円および過去勤務費用償却額315百万円を計上した一方で、訴訟損失引当金繰入額および固定資産圧縮損の計上がなかったことにより、前事業年度に比べて1,725百万円減少して996百万円となりました。
以上の結果、税引前当期純利益は14,684百万円(前事業年度比3.1%減)となりました。
⑤ 当期純損益
法人税、住民税及び事業税4,677百万円および法人税等調整額△249百万円を計上した結果、当期純利益は10,256百万円(前事業年度比3.8%増)となりました。
当社は、「稼働率80%の堅持」と、前事業年度を上回る売上高、経常利益の達成を目指し、当事業年度の経営に取り組んでまいりました。稼働率は前事業年度対比で1.7ポイント低下となったものの80%は維持し、売上高は前事業年度対比3.5%の増収となった一方で、経常利益は前事業年度比10.2%の減益となりました。
この点は、新規出店による総客室数の増加と平均客室単価水準が堅調に推移したことにより売上高が増加した一方で、経常利益の減益は、特に客室規模の大きな店舗に係る新規出店コストや人件費の上昇が想定を上回り、売上原価が増加したことが主な要因であると考えております。
このような状況に対応するため、新規出店コストのより一層の見える化を図るとともに、特に大型店のコスト構造の精緻な分析を行うことで、コスト削減を図ってまいります。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の事項が発生した場合には、売上高の減少、費用の増加、資金の支出等が発生する可能性があり、その場合は経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
(5) 経営戦略の現状と見通し
当事業年度は、「清潔・安心・値ごろ感」の「東横INN QUALITY」を提供するという従来からの経営理念を貫くことを基本方針に、厳しい環境に対応できる積極的な営業姿勢で経営に取り組んでまいりました。
翌事業年度においては、この方針を堅持しつつ、支配人の営業力の強化やコスト構造の的確な分析、改善を重点課題として、いかなる環境の変化にも耐えうる経営基盤の構築を図ってまいります。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
当事業年度における現金及び現金同等物は、前事業年度に比べ2,801百万円減少し、15,412百万円となりましたが、現在必要とされる資金水準を満たす流動性を保持していると考えております。詳細は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
② 資金需要
当社の資金需要の主なものは、運転資金、設備資金、差入保証金の差入、法人税等の支払、借入金の返済、利息の支払等であります。これらの資金の源泉としては、主に金融機関からの借入および営業活動によるキャッシュ・フローにより、必要とする資金を調達することを基本的な方針としてまいります。
③ 財務政策
当社の財務運営の方針及び目的は、効率的な営業活動及び資産活用を図るとともに、キャッシュ・フローのバランスを確保することにより、財務基盤の健全化を図ることであります。当事業年度においては、既存借入金の返済を進める一方で、物件取得に係る新規の資金調達を積極的に行ったことにより、有利子負債(リース債務を除く)は、43,903百万円と前事業年度に比べて11,467百万円の増加となりました。
翌事業年度においては、東横INN新富士駅南口や東横INN中部国際空港Ⅱ等の自社開発案件の竣工に係る資本的支出を予定しており、その資金の調達源は、主に金融機関からの借入金を予定しております。
当社は、今後も引き続き、ホテルの稼働率向上等により自己資金の充実を図ることと併せて、更なる財務基盤の安定に向けて取り組んでまいります。
(7) 経営者の問題意識と今後の方針について
当社の経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、当社を取り巻く事業環境は、さらに厳しさを増すことが予想されます。このような状況の中で、当社は、事業計画の必達を命題に、収益拡大と財務体質の安定化を最大の課題と認識し、経営基盤の強化に努めてまいります。