有価証券報告書(少額募集等)-第37期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/29 11:00
【資料】
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【項目】
93項目
(業績等の概要)
(1) 業績
当事業年度における我が国の経済は、新型コロナウィルスの感染拡大を受けて緊急事態宣言や蔓延防止措置法が断続的に発出されたことで、個人消費が低迷し景気停滞を繰り返す状況が続きました。ホテル業界におきましては、引き続きコロナ禍の深刻な影響を受けております。お客様の行動様式の変化、WEB会議の普及、出張の減少などにより、宿泊需要は減少し稼働率が低下している状況が続いております。特に大都市圏では、ここ数年のホテル新設による客室数の増加とコロナ禍での宿泊者数の減少により、稼働率の低迷に加えて客室料金の価格破壊が起きております。その一方で、2022年3月以降は、全国規模での新型コロナウィルス感染症の新規陽性者数は概ね減少傾向にあり、宿泊需要も緩やかな回復基調にあります。足元の動向としては、3月21日に蔓延防止等重点措置が全面的に解除されるとともに「県民割」が再開し、宿泊者数は徐々に回復傾向にあります。
このような状況の下において、当社は、従業員の雇用と安全を守りながら、コロナ禍での多様化するお客様ニーズに応えるべく、創業以来の「清潔・安心・値ごろ感」の東横INN QUALITYを堅持し、更なるサービスの向上、社会インフラとしての役割を果たしてまいりました。
具体的には、
・資金繰りの安定化
事業が正常化するまで、あらゆる場面を想定し、どんな事態にも耐えうる盤石な資金基盤を築き上げ、また、前向きな投資をサポートできるように、引き続き財政面の柔軟性および安定化を図ってまいりました。
・中期経営計画の策定と本社体制の見直し
2022年4月から始まる3ヶ年の新しい経営の指針として「中期経営計画」を策定いたしました。事業環境が大きく変化する中で、当社の目指す姿として「強いブランド力」「2024年度売上高1,045億円」「100年続く会社」を掲げ、競争優位や成長を追求してまいります。また、経営スピードの向上、社員の意識、組織体質の強化を図るため、本社組織体制を見直しました。
・予約管理システム刷新とマーケティングの強化
税率や政策変更に迅速に対応するとともに、店舗の業務効率化と標準化を図り、データマーケティングを推進するため、新システムの導入準備を本格化しました。
・ブランドの再定義と新たなサービスの実践
当社のビジネスモデルが今や業界のスタンダードとなり、競合他社が付加サービスで差別化を図る中、当社にとって新たなサービスの企画と実践が喫緊の課題であるとの認識のもと、強みである個店の営業活動に加えて、東横INNのアイデンティティの再確立を推進してまいりました。
・各店舗の個性を見つけて伸ばす
全国スケールで標準化された「清潔・安心・値ごろ感」の宿泊サービスを維持しつつ、各店舗で異なる立地や客層、地域特性を活かした施設や商品づくりを行ってまいりました。
・各店舗の採用強化と定着の工夫
コロナ禍において、現場スタッフの離職と採用の休止により人手不足になっている店舗の人員確保とともに、今後の需要回復を見据え、時間をかけて優秀な人材を確保、育成し、定着させる工夫に取り組んでまいりました。また給与水準の改善を行いました。
当事業年度においては、以上のような様々な施策を実施してまいりました結果、上半期は通常営業店舗の稼働率は低迷したものの、7月23日から開催された東京2020オリンピック・パラリンピックや、新型コロナウィルス無症状・軽症者の受け入れに伴う一棟貸等店舗の増加が稼働率を下支えし、緊急事態宣言が解除された10月以降は、通常営業店舗の稼働率も回復し、通期の平均客室稼働率(一棟貸を含む)は66.5%となりました。
以上の結果、当事業年度の売上高は、48,687百万円(前事業年度比13.3%増)、営業損失は、11,464百万円(前事業年度比、損失が28.7%減)、経常損失は、9,768百万円(前事業年度比、損失が28.8%減)となりました。また、一棟貸等による収益26,518百万円などの特別利益27,587百万円、投資損失引当金繰入額7,112百万円、事業再編損失引当金繰入額1,189百万円および減損損失759百万円などの特別損失10,067百万円、法人税、住民税及び事業税5,910百万円、法人税等調整額△1,188百万円を計上した結果、当期純利益は、3,031百万円(前事業年度は当期純損失7,527百万円)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物は、25,491百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、21,555百万円の収入(前事業年度は、5,876百万円の支出)となりました。これは、税引前当期純利益7,752百万円の計上に加えて、減価償却費3,920百万円、投資損失引当金の増加7,112百万円などの非資金項目があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、3,598百万円の支出(前事業年度比51.3%減)となりました。これは、有形固定資産の売却による収入3,172百万円を計上した一方で、有形固定資産の取得による支出4,431百万円、貸付による支出2,140百万円および無形固定資産の取得による支出1,135百万円などを計上したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、12,993百万円の支出(前事業年度比451.4%増)となりました。これは、長期借入による収入3,582百万円があった一方で、短期借入金の減少による10,000百万円の支出および長期借入金の返済による6,059百万円の支出などがあったことによるものであります。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
該当事項はありません。
(2) 受注状況
該当事項はありません。
(3) 販売実績
当社の販売実績は、全てビジネスホテル関連事業に関する金額であるため、記載を省略いたしております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたっては、会計方針の選択、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと相違する場合があります。
詳細は、「第4 経理の状況 1 財務諸表 注記事項 重要な会計方針、(重要な会計上の見積り)に記載しております。
(2) 財政状態の分析
① 流動資産
当事業年度の流動資産は、前事業年度末比4,832百万円増加して、41,268百万円(前事業年度末36,436百万円)となりました。増加の主な要因は、未収還付法人税等1,368百万円の計上がなくなった一方で、現金及び預金が5,099百万円増加したことによるものです。
② 固定資産
当事業年度の固定資産は、前事業年度末比4,812百万円減少して、125,285百万円(前事業年度末130,096百万円)となりました。減少の主な要因は、関係会社長期貸付金が6,630百万円増加した一方で、投資損失引当金7,112百万円の計上による減少および長期貸付金が2,788百万円、土地が1,773百万円、それぞれ減少したことによるものです。
③ 負債
当事業年度の負債は、前事業年度末比3,012百万円減少して、90,564百万円(前事業年度末93,577百万円)となりました。減少の主な要因は、未払法人税等が5,285百万円増加した一方で、短期借入金が10,000百万円、一年内返済予定の長期借入金が1,332百万円および長期借入金が1,087百万円、それぞれ減少したことによるものです。
④ 純資産
当事業年度の純資産は、前事業年度末比3,032百万円増加して、75,988百万円(前事業年度末72,956百万円)となりました。これは主に、当期純利益を3,031百万円計上したことによるものです。
当社では、当事業年度においては、新型コロナウィルス感染症の長期化という状況の下、財務基盤をより安定化させるべく、前事業年度より引き続き自社保有案件の開発スケジュールの全面的な見直しを行うとともに、開発が見通せない不動産の売却を進めるなど、借入金残高の抑制に努めてまいりました。また、同感染症の長期化に伴う世界的な先行き不透明感を勘案し、主に海外現地法人に対する出資および貸付金に対し投資損失引当金を計上するとともに、不動産については減損損失を計上する等、財務健全性の確保に取り組んでまいりました。
なお、引き続き自社保有案件の開発(土地の取得、ホテルの建設)に係る金融機関からの資金調達については、返済期間を長期化(原則として15年程度)し、開発案件が常軌化する目安としての期間(3~5年程度)を大幅に上回る水準とすることにより、財務リスクの軽減を図っております。また、新型コロナウィルス感染症の長期化に伴う不透明な経営環境に対応するため、開発案件の進捗計画のコントロールについては、従前以上に慎重な判断のもとで実施してまいります。
以上により、当事業年度末の自己資本比率は45.6%となり、前事業年度末から1.8ポイントの上昇となりました。当該数値は依然として適正水準であると考えておりますが、一方で、今後の経営方針の策定および実行に際しては、安定的な財政状態を引き続き維持すべく、当該指標を注視しつつ進めてまいる所存です。
(3) 当事業年度の経営成績の分析
① 売上高
当事業年度の我が国の経済は、特に下半期以降、新型コロナウィルス感染症については経済社会活動の段階的な引き上げに伴って明るさが見られるものの、中国の輸出および生産活動の低迷や、ロシアによるウクライナ侵攻等の不安定な国際情勢により、先行き不透明な状況で推移いたしました。
このような経営環境のもと、全店舗の平均客室稼働率(一棟貸を含む)は66.5%と、前年対比で20.7ポイントの大幅な上昇となり、新規出店による総客室数の増加も寄与し、当事業年度の売上高は48,687百万円(前事業年度比13.3%増)となりました。
② 営業損益
新型コロナウィルス感染症の拡大の鎮静化による稼働率の上昇により、人件費負担が増大したことに加えて、感染症対策として従業員や宿泊のお客様の安全、安心を守るためのコスト負担などによって、営業損失は11,464百万円(前事業年度比、損失が28.7%減)となりました。
③ 営業外損益
営業外収益は、主に為替差益の計上1,255百万円(前事業年度242百万円)および助成金収入の計上1,104百万円(前事業年度2,181百万円)により、前事業年度に比べ140百万円減少して4,921百万円となりました。また、主に支払利息の計上1,263百万円(前事業年度1,080百万円)により、営業外費用は前事業年度に比べ516百万円増加して3,224百万円となりました。以上の結果、経常損失は9,768百万円(前事業年度比、損失が28.8%減)となりました。
④ 特別損益
特別利益は、主に新型コロナウィルス無症状・軽症者の受け入れに伴う一棟貸等による収益26,518百万円の計上により、前事業年度に比べ17,322百万円増加して27,587百万円となりました。特別損失は、主に投資損失引当金繰入額7,112百万円および事業再編損失引当金1,189百万円の計上により、前事業年度に比べて4,712百万円増加して10,067百万円となりました。
以上の結果、税引前当期純利益は7,752百万円(前事業年度は、税引前当期純損失8,818百万円)となりました。
⑤ 当期純損益
法人税、住民税及び事業税5,910百万円および法人税等調整額△1,188百万円を計上した結果、当期純利益は3,031百万円(前事業年度は、当期純損失7,527百万円)となりました。
当社は、新型コロナウィルス感染症の長期化という状況下、従業員の雇用と安全を守りながらも、創業以来の「清潔・安心・値ごろ感」の東横INN QUALITYを堅持し、社会インフラとしての役割を果たすべく努めてまいりました。特に下半期における経済社会活動の段階的な引き上げに加えて、東京2020オリンピック・パラリンピックの開催や、新型コロナウィルス無症状、軽症者の受け入れに伴う一棟貸等により、稼働率は66.5%(前事業年度対比で20.7ポイントの上昇)と回復し、売上高も前事業年度対比13.3%の増加、営業損失、経常損失ともに前事業年度対比で損失金額が減少(営業損失が28.7%減、経常損失が28.8%減)、当期純損益は、前事業年度の損失計上から、当事業年度は当期純利益を計上することとなりました。
コロナ禍ゆえのニーズを捉えるため、従業員及び宿泊のお客様の安全と安心に細心の注意を払いつつ、リモートワークや通勤を避けるための宿泊ニーズに対応すべく努めてまいりました。また、新型コロナウィルス無症状・軽症者のための宿泊療養施設として国および地方公共団体への一棟貸を積極的に行うことにより、当社が掲げる社会インフラとしての役割を果たしつつ、業績の回復を図る取り組みを行ってまいりました。
引き続き、不透明な先行きに対応するため、ホテル品質のさらなる向上を図り、新型コロナウィルスの感染に対するお客様の安心感を高める様々な工夫を行うと同時に、変化するニーズを的確に把握、分析し、東横INNブランドの再定義、アイデンティティの再確立を進めることを通じて、より一層、お客様に選んでいただけるホテルづくりを図ってまいります。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の事項が発生した場合には、売上高の減少、費用の増加、資金の支出等が発生する可能性があり、その場合は経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
(5) 経営戦略の現状と見通し
当事業年度は、「清潔・安心・値ごろ感」の「東横INN QUALITY」を提供するという従来からの経営理念を堅持するとともに、新しい生活様式に合わせた店舗づくりを模索し、さらには財務基盤の安定化を図ることで、厳しい環境に対応しうる経営体制の構築に取り組んでまいりました。
翌事業年度においては、これらの方針を堅持しつつ、お客様のニーズに寄り添う店舗づくりに努めるとともに、「東横INN」ブランドの再定義、アイデンティティの再確立を推進することにより、引き続きいかなる環境の変化にも耐えうる経営基盤の構築を図ってまいります。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
当事業年度における現金及び現金同等物は、前事業年度に比べ5,139百万円増加して25,491百万円となり、現在必要とされる資金水準を満たす流動性を十分に保持していると考えております。詳細は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
② 資金需要
当社の資金需要の主なものは、運転資金、設備資金、差入保証金の差入、法人税等の支払、借入金の返済、利息の支払等であります。これらの資金の源泉としては、主に金融機関からの借入および営業活動によるキャッシュ・フローにより、必要とする資金を調達することを基本的な方針としてまいります。
③ 財務政策
当社の財務運営の方針及び目的は、効率的な営業活動及び資産活用を図るとともに、キャッシュ・フローのバランスを確保することにより、財務基盤の健全化を図ることであります。当事業年度においては、一部の自社開発案件に係る新規の資金調達を行った一方で、遊休不動産の売却による返済を含む既存借入金の返済を進めたことにより、有利子負債(リース債務及び割賦未払金を除く)は、64,875百万円と前事業年度に比べて12,570百万円の減少となりました。
翌事業年度においては、東横INN京都二条城南等の自社開発案件の竣工に係る資本的支出を予定しており、その資金の調達源は、主に金融機関からの借入金を予定しております。
当社は、新型コロナウィルスの感染状況を注視し、自社開発案件の進捗計画を、適時適切にコントロールしつつ、ホテルの稼働率向上等により自己資金の充実を図ることと併せて、更なる財務基盤の安定に向けて取り組んでまいります。
(7) 経営者の問題意識と今後の方針について
当社の経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、新型コロナウィルスの感染長期化の状況に加えて、競合他社との競争激化の状況など、当社を取り巻く事業環境は、一層厳しさを増すことが予想されます。このような状況の中で、当社は、経常損益の黒字化と財務体質の安定化を最大の課題と認識し、経営基盤の強化に努めてまいります。

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