有価証券報告書(少額募集等)-第35期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(業績等の概要)
(1) 業績
当事業年度における我が国の経済は、企業収益や雇用環境などに支えられ、緩やかな回復基調で推移した一方で、相次いで発生した自然災害、10月の消費税率引き上げ、さらにはEUや米中間の通商摩擦などの影響により、先行き不透明な状況で推移いたしました。そのような状況下、年明け以降は新型コロナウィルス感染症の世界的な拡大によって景気は急速に後退し、先行きの見通しが難しい局面にあります。
ホテル業界におきましては、景気回復とインバウンド需要の増加を背景に客室数が急増、競合他社との競争も激化し、人材不足の状況が続いておりましたが、年明け以降は渡航制限によるインバウンドの激減、イベント自粛による宿泊の取り消しなどにより、営業活動の大幅な縮小を余儀なくされる一方で、人材の逼迫感は緩和されつつあります。
このような環境の中において、当社は、新規出店を加速させながらも、「清潔・安心・値ごろ感」の「東横INN QUALITY」を維持しつつ、より多くのお客様に「期待通り」はもちろん「期待以上」と思っていただけるホテルづくりに努め、お客様に選んでいただけるホテルを目指してまいりました。
具体的には、
・人不足への対応
事前決済・キャッシュレス化・自動チェックインシステムの導入により、お客様の利便性を高め、さらには大型店舗の人員増負担の軽減を図ってまいりました。
一方で、勤務形態の多様化により採用範囲の拡大を進めるとともに、多様な働き方への柔軟な対応や、いわゆる働き方改革関連法への万全な対応を期し、店舗の総務・経理業務の効率化を行うなど、店舗業務の改善を図ってまいりました。
・品質の向上
スタッフ教育の見直しを行い、お客様アンケートの指摘事項を把握し、改善することで、真のホスピタリティを追求してまいりました。また、地域において、競合他社の強み・弱みを分析し、地域活動に積極的に参加することで、地域No.1を目指す取り組みに努めてまいりました。
新型コロナウィルス感染症への対応においては、いち早く朝食サービスを個包装に切り替えるとともに、通常清掃に加えてアルコール消毒を徹底してまいりました。
・オープン支援
当事業年度は、25店舗、6,196室の新店をオープンさせ、エリアを挙げての採用・営業活動を推進してまいりました。
新店のオープン・キャンペーン期間を「お客様目線で発見した不具合を早期に集中是正する期間」と位置づけ、全社を挙げて早期解決に取り組み、キャンペーン期間終了後は、お客様に満足いただける万全のホスピタリティの実現に努めてまいりました。
当事業年度において、以上のような様々な試みを通して、特に上半期においては、既存店は好調な稼働率を維持し、順調に業績を積み上げており、新店は運営面において短期間で安定化できたことにより、比較的早期から業績への寄与効果が見られました。一方、年明け以降は、新型コロナウィルスの感染拡大の影響を大きく受け、稼働率は前年同月対比で大きく下落する結果となりました。
また、品質の向上に向けたスタッフ教育の見直しや、地域No.1を目指したさまざまな取り組みは、徐々に各ホテルにおいて根付き始めており、多様な働き方への柔軟な対応への取り組みと合わせて、新型コロナウィルスの感染収束に伴う稼働率の上昇局面において、当社の強みとなってその成果が表れるものと考えております。
以上の結果、当事業年度の売上高は、94,759百万円(前事業年度比3.8%増)、営業利益は、12,101百万円(前事業年度比17.6%減)、経常利益は、11,360百万円(前事業年度比22.2%減)となりました。また、訴訟損失引当金戻入益78百万円などの特別利益97百万円、投資損失引当金繰入額1,084百万円および減損損失216百万円などの特別損失1,537百万円、法人税、住民税及び事業税3,120百万円、法人税等調整額358百万円を計上した結果、当期純利益は、6,443百万円(前事業年度比32.5%減)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物は、36,063百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、13,059百万円の収入(前事業年度比13.6%減)となりました。これは、法人税等の支払4,306百万円などの支出に対し、税引前当期純利益9,920百万円などの収入と、減価償却費3,956百万円、差入保証金償却費815百万円などの非資金項目があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、23,797百万円の支出(前事業年度比38.3%増)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出16,204百万円、貸付による支出4,428百万円および差入保証金の差入による支出3,269百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、25,175百万円の収入(前事業年度比182.1%増)となりました。これは、長期借入の返済による5,828百万円の支出、配当金の支払額511百万円などに対し、短期借入による収入20,000百万円および長期借入による収入11,704百万円などがあったことによるものであります。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
該当事項はありません。
(2) 受注状況
該当事項はありません。
(3) 販売実績
当社の販売実績は、全てビジネスホテル関連事業に関する金額であるため、記載を省略いたしております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたっては、会計方針の選択、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと相違する場合があります。
詳細は、「第4 経理の状況 1 財務諸表 注記事項 重要な会計方針、(追加情報)に記載しております。
(2) 財政状態の分析
① 流動資産
当事業年度の流動資産は、前事業年度末比14,005百万円増加して、45,822百万円(前事業年度末31,816百万円)となりました。増加の主な要因は、売掛金が1,280百万円減少した一方で、現金及び預金が14,023百万円、短期貸付金が1,932百万円、それぞれ増加したことによるものです。
② 固定資産
当事業年度の固定資産は、前事業年度末比13,053百万円増加して、129,419百万円(前事業年度末116,365百万円)となりました。増加の主な要因は、建物の竣工による増加5,545百万円、土地の取得による増加1,671百万円、建設仮勘定の増加2,896百万円、および差入保証金の差入による増加2,290百万円によるものです。
③ 負債
当事業年度の負債は、前事業年度末比21,186百万円増加して、94,306百万円(前事業年度末73,120百万円)となりました。増加の主な要因は、訴訟損失引当金1,753百万円、1年内返済予定長期借入金1,010百万円、未払金1,442百万円および未払法人税等1,187百万円などの減少があった一方で、短期借入金が20,000百万円および長期借入金が6,836百万円、それぞれ増加したことによるものです。
④ 純資産
当事業年度の純資産は、前事業年度末比5,873百万円増加して、80,935百万円(前事業年度末75,062百万円)となりました。これは主に、当期純利益を6,443百万円計上したことによるものです。
当社では、当事業年度においても、引き続き自社保有案件の開発に積極的に取り組んできたことから、上述の通り、有形固定資産(主に建物・土地)、貸付金および長期借入金の当事業年度末残高は、前事業年度末と比較して大幅に増加いたしました。
また、新型コロナウィルスの感染拡大に伴う経営環境の変化に対応し、財務基盤をより安定化させるべく、2020年3月に主要金融機関3行から総額200億円の借入を行ったことにより、現金及び預金、短期借入金の当事業年度末残高は、それぞれ前事業年度末と比較して大幅に増加いたしました。
自社保有案件の開発(土地の取得、ホテルの建設)に係る金融機関からの資金調達について、返済期間を長期化(原則として15年程度)し、開発案件が常軌化する目安としての期間(3~5年程度)を大幅に上回る水準とすることにより、財務リスクの軽減を図っております。また、新型コロナウィルス感染症の拡大に伴う不透明な経営環境に対応するため、開発案件の進捗計画のコントロールについては、従前以上に慎重な判断のもと、行ってまいります。
以上により、当事業年度末の自己資本比率は46.2%となり、前事業年度末から4.5ポイントの低下となりました。当該数値は依然として高水準であり、コロナ渦の現状においてはやむを得ない低下であるとも考えておりますが、一方で、今後の経営方針の策定および実行に際しては、安定的な財政状態を引き続き維持すべく、当該指標を注視しつつ進めてまいる所存です。
(3) 当事業年度の経営成績の分析
① 売上高
当事業年度の我が国の経済は緩やかな回復基調で推移した一方、自然災害や消費税増税、さらに年明け以降は新型コロナウィルスの感染拡大により、急速に悪化いたしました。ホテル業界では、ラグビーワールドカップ日本大会の開催に伴う需要増はあったものの、新型コロナウィルスの感染拡大による訪日外国人数の激減や、東京オリンピック・パラリンピックの開催延期、各種イベントや県外移動の自粛要請などによる悪影響が極めて大きく、厳しい環境となりました。
このような経営環境のもと、全店舗の平均稼働率は75.7%と、前年対比で7.3ポイントの大幅な低下となったものの、新規出店による総客室数の増加と、稼働率の落ち込みに比して平均客室単価は比較的堅調に推移したことにより、当事業年度の売上高は94,759百万円(前事業年度比3.8%増)となりました。
② 営業損益
売上原価、販管費ともに経費削減に取り組んだ一方で、人員不足や待遇改善に伴う人件費の上昇、新規出店に係るコスト増、自社開発案件の増加に伴う減価償却費および租税公課等の増加、さらには新型コロナウィルス感染症に対応するためのコスト増などにより、営業利益は12,101百万円(前事業年度比17.6%減)となりました。
③ 営業外損益
営業外収益は前事業年度に比べ149百万円増加して2,818百万円となった一方で、主に為替差損の増加656百万円により、営業外費用は前事業年度に比べ809百万円増加して3,559百万円となりました。以上の結果、経常利益は11,360百万円(前事業年度比22.2%減)となりました。
④ 特別損益
特別利益は、主に訴訟損失引当金戻入益78百万円の計上により、前事業年度に比べ97百万円増加して97百万円となりました。特別損失は、固定資産除却損が259百万円減少した一方で、減損損失216百万円および投資損失引当金繰入額1,084百万円の計上により、前事業年度に比べて1,175百万円増加して1,537百万円となりました。
以上の結果、税引前当期純利益は9,920百万円(前事業年度比30.3%減)となりました。
⑤ 当期純損益
法人税、住民税及び事業税3,120百万円および法人税等調整額358百万円を計上した結果、当期純利益は6,443百万円(前事業年度比32.5%減)となりました。
当社は、「稼働率80%の堅持」と、前事業年度を上回る売上高、経常利益の達成を目指し、当事業年度の経営に取り組んでまいりました。稼働率は、新型コロナウィルスの感染拡大に加えて、競合他社との競争激化などの要因もあり、75.7%(前事業年度対比で7.3ポイントの低下)と目標に未達となりました。売上高は、新規出店による客室増と堅調な平均客室単価に支えられ、前事業年度対比3.8%の増収となった一方で、経常利益は、新型コロナウィルスの感染拡大を主な要因として、前事業年度比22.2%の大幅な減益となりました。
この点は、新規出店による総客室数の増加と平均客室単価水準が堅調に推移したことにより売上高が増加した一方で、経常利益の減益は、新型コロナウィルス感染症対応に伴うコスト増のほか、新規出店コストや人件費の上昇に起因する売上原価の増加、自社開発案件の増加による減価償却費や租税公課等の販管費の増加が主な要因であると考えております。
このような状況に対応するため、ホテル品質のさらなる向上を図り、新型コロナウィルスの感染に対するお客様の安心感を高める様々な工夫を行うことで、お客様に選んでいただけるホテルづくりを図ると同時に、変化する費用構造を的確に把握、分析することを通じて、より一層のコスト管理に努めてまいります。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の事項が発生した場合には、売上高の減少、費用の増加、資金の支出等が発生する可能性があり、その場合は経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
(5) 経営戦略の現状と見通し
当事業年度は、「清潔・安心・値ごろ感」の「東横INN QUALITY」を提供するという従来からの経営理念を貫くことを基本方針とし、さらに、店舗業務の効率化やスタッフ教育の見直し、新店オープン支援の強化を図ることで、厳しい環境に対応できる積極的な営業姿勢で経営に取り組んでまいりました。
翌事業年度においては、これらの方針を堅持しつつ、新型コロナウィルス感染症に対応し、お客様に安心感を持っていただけるよう様々な取り組みを実施するとともに、「東横INN」の社会インフラとしての価値を再認識し、引き続きいかなる環境の変化にも耐えうる経営基盤の構築を図ってまいります。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
当事業年度における現金及び現金同等物は、前事業年度に比べ14,043百万円増加して36,063百万円となり、現在必要とされる資金水準を満たす流動性を十分に保持していると考えております。詳細は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
② 資金需要
当社の資金需要の主なものは、運転資金、設備資金、差入保証金の差入、法人税等の支払、借入金の返済、利息の支払等であります。これらの資金の源泉としては、主に金融機関からの借入および営業活動によるキャッシュ・フローにより、必要とする資金を調達することを基本的な方針としてまいります。
③ 財務政策
当社の財務運営の方針及び目的は、効率的な営業活動及び資産活用を図るとともに、キャッシュ・フローのバランスを確保することにより、財務基盤の健全化を図ることであります。当事業年度においては、既存借入金の返済を進める一方で、物件取得に係る新規の資金調達を行ったことに加えて、新型コロナウィルスの感染拡大による経営環境の悪化に伴い、財務基盤をより安定化させるため200億円の短期借入をおこなったことにより、有利子負債(リース債務を除く)は、78,989百万円と前事業年度に比べて25,679百万円の増加となりました。
翌事業年度においては、東横INN宇都宮駅前Ⅱ(仮称)や東横INN奈良王寺駅南口(仮称)、東横INN大月駅前(仮称)、東横INN広島球場前(仮称)等の自社開発案件の竣工に係る資本的支出を予定しており、その資金の調達源は、主に金融機関からの借入金を予定しております。
当社は、新型コロナウィルスの感染状況を注視し、自社開発案件の進捗計画を、適時適切にコントロールしつつ、ホテルの稼働率向上等により自己資金の充実を図ることと併せて、更なる財務基盤の安定に向けて取り組んでまいります。
(7) 経営者の問題意識と今後の方針について
当社の経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、新型コロナウィルスの感染拡大の状況に加えて、競合他社との競争激化の状況など、当社を取り巻く事業環境は、一層厳しさを増すことが予想されます。このような状況の中で、当社は、事業計画の必達を命題に、収益の維持、拡大と財務体質の安定化を最大の課題と認識し、経営基盤の強化に努めてまいります。
(1) 業績
当事業年度における我が国の経済は、企業収益や雇用環境などに支えられ、緩やかな回復基調で推移した一方で、相次いで発生した自然災害、10月の消費税率引き上げ、さらにはEUや米中間の通商摩擦などの影響により、先行き不透明な状況で推移いたしました。そのような状況下、年明け以降は新型コロナウィルス感染症の世界的な拡大によって景気は急速に後退し、先行きの見通しが難しい局面にあります。
ホテル業界におきましては、景気回復とインバウンド需要の増加を背景に客室数が急増、競合他社との競争も激化し、人材不足の状況が続いておりましたが、年明け以降は渡航制限によるインバウンドの激減、イベント自粛による宿泊の取り消しなどにより、営業活動の大幅な縮小を余儀なくされる一方で、人材の逼迫感は緩和されつつあります。
このような環境の中において、当社は、新規出店を加速させながらも、「清潔・安心・値ごろ感」の「東横INN QUALITY」を維持しつつ、より多くのお客様に「期待通り」はもちろん「期待以上」と思っていただけるホテルづくりに努め、お客様に選んでいただけるホテルを目指してまいりました。
具体的には、
・人不足への対応
事前決済・キャッシュレス化・自動チェックインシステムの導入により、お客様の利便性を高め、さらには大型店舗の人員増負担の軽減を図ってまいりました。
一方で、勤務形態の多様化により採用範囲の拡大を進めるとともに、多様な働き方への柔軟な対応や、いわゆる働き方改革関連法への万全な対応を期し、店舗の総務・経理業務の効率化を行うなど、店舗業務の改善を図ってまいりました。
・品質の向上
スタッフ教育の見直しを行い、お客様アンケートの指摘事項を把握し、改善することで、真のホスピタリティを追求してまいりました。また、地域において、競合他社の強み・弱みを分析し、地域活動に積極的に参加することで、地域No.1を目指す取り組みに努めてまいりました。
新型コロナウィルス感染症への対応においては、いち早く朝食サービスを個包装に切り替えるとともに、通常清掃に加えてアルコール消毒を徹底してまいりました。
・オープン支援
当事業年度は、25店舗、6,196室の新店をオープンさせ、エリアを挙げての採用・営業活動を推進してまいりました。
新店のオープン・キャンペーン期間を「お客様目線で発見した不具合を早期に集中是正する期間」と位置づけ、全社を挙げて早期解決に取り組み、キャンペーン期間終了後は、お客様に満足いただける万全のホスピタリティの実現に努めてまいりました。
当事業年度において、以上のような様々な試みを通して、特に上半期においては、既存店は好調な稼働率を維持し、順調に業績を積み上げており、新店は運営面において短期間で安定化できたことにより、比較的早期から業績への寄与効果が見られました。一方、年明け以降は、新型コロナウィルスの感染拡大の影響を大きく受け、稼働率は前年同月対比で大きく下落する結果となりました。
また、品質の向上に向けたスタッフ教育の見直しや、地域No.1を目指したさまざまな取り組みは、徐々に各ホテルにおいて根付き始めており、多様な働き方への柔軟な対応への取り組みと合わせて、新型コロナウィルスの感染収束に伴う稼働率の上昇局面において、当社の強みとなってその成果が表れるものと考えております。
以上の結果、当事業年度の売上高は、94,759百万円(前事業年度比3.8%増)、営業利益は、12,101百万円(前事業年度比17.6%減)、経常利益は、11,360百万円(前事業年度比22.2%減)となりました。また、訴訟損失引当金戻入益78百万円などの特別利益97百万円、投資損失引当金繰入額1,084百万円および減損損失216百万円などの特別損失1,537百万円、法人税、住民税及び事業税3,120百万円、法人税等調整額358百万円を計上した結果、当期純利益は、6,443百万円(前事業年度比32.5%減)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物は、36,063百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、13,059百万円の収入(前事業年度比13.6%減)となりました。これは、法人税等の支払4,306百万円などの支出に対し、税引前当期純利益9,920百万円などの収入と、減価償却費3,956百万円、差入保証金償却費815百万円などの非資金項目があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、23,797百万円の支出(前事業年度比38.3%増)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出16,204百万円、貸付による支出4,428百万円および差入保証金の差入による支出3,269百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、25,175百万円の収入(前事業年度比182.1%増)となりました。これは、長期借入の返済による5,828百万円の支出、配当金の支払額511百万円などに対し、短期借入による収入20,000百万円および長期借入による収入11,704百万円などがあったことによるものであります。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
該当事項はありません。
(2) 受注状況
該当事項はありません。
(3) 販売実績
当社の販売実績は、全てビジネスホテル関連事業に関する金額であるため、記載を省略いたしております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたっては、会計方針の選択、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと相違する場合があります。
詳細は、「第4 経理の状況 1 財務諸表 注記事項 重要な会計方針、(追加情報)に記載しております。
(2) 財政状態の分析
① 流動資産
当事業年度の流動資産は、前事業年度末比14,005百万円増加して、45,822百万円(前事業年度末31,816百万円)となりました。増加の主な要因は、売掛金が1,280百万円減少した一方で、現金及び預金が14,023百万円、短期貸付金が1,932百万円、それぞれ増加したことによるものです。
② 固定資産
当事業年度の固定資産は、前事業年度末比13,053百万円増加して、129,419百万円(前事業年度末116,365百万円)となりました。増加の主な要因は、建物の竣工による増加5,545百万円、土地の取得による増加1,671百万円、建設仮勘定の増加2,896百万円、および差入保証金の差入による増加2,290百万円によるものです。
③ 負債
当事業年度の負債は、前事業年度末比21,186百万円増加して、94,306百万円(前事業年度末73,120百万円)となりました。増加の主な要因は、訴訟損失引当金1,753百万円、1年内返済予定長期借入金1,010百万円、未払金1,442百万円および未払法人税等1,187百万円などの減少があった一方で、短期借入金が20,000百万円および長期借入金が6,836百万円、それぞれ増加したことによるものです。
④ 純資産
当事業年度の純資産は、前事業年度末比5,873百万円増加して、80,935百万円(前事業年度末75,062百万円)となりました。これは主に、当期純利益を6,443百万円計上したことによるものです。
当社では、当事業年度においても、引き続き自社保有案件の開発に積極的に取り組んできたことから、上述の通り、有形固定資産(主に建物・土地)、貸付金および長期借入金の当事業年度末残高は、前事業年度末と比較して大幅に増加いたしました。
また、新型コロナウィルスの感染拡大に伴う経営環境の変化に対応し、財務基盤をより安定化させるべく、2020年3月に主要金融機関3行から総額200億円の借入を行ったことにより、現金及び預金、短期借入金の当事業年度末残高は、それぞれ前事業年度末と比較して大幅に増加いたしました。
自社保有案件の開発(土地の取得、ホテルの建設)に係る金融機関からの資金調達について、返済期間を長期化(原則として15年程度)し、開発案件が常軌化する目安としての期間(3~5年程度)を大幅に上回る水準とすることにより、財務リスクの軽減を図っております。また、新型コロナウィルス感染症の拡大に伴う不透明な経営環境に対応するため、開発案件の進捗計画のコントロールについては、従前以上に慎重な判断のもと、行ってまいります。
以上により、当事業年度末の自己資本比率は46.2%となり、前事業年度末から4.5ポイントの低下となりました。当該数値は依然として高水準であり、コロナ渦の現状においてはやむを得ない低下であるとも考えておりますが、一方で、今後の経営方針の策定および実行に際しては、安定的な財政状態を引き続き維持すべく、当該指標を注視しつつ進めてまいる所存です。
(3) 当事業年度の経営成績の分析
① 売上高
当事業年度の我が国の経済は緩やかな回復基調で推移した一方、自然災害や消費税増税、さらに年明け以降は新型コロナウィルスの感染拡大により、急速に悪化いたしました。ホテル業界では、ラグビーワールドカップ日本大会の開催に伴う需要増はあったものの、新型コロナウィルスの感染拡大による訪日外国人数の激減や、東京オリンピック・パラリンピックの開催延期、各種イベントや県外移動の自粛要請などによる悪影響が極めて大きく、厳しい環境となりました。
このような経営環境のもと、全店舗の平均稼働率は75.7%と、前年対比で7.3ポイントの大幅な低下となったものの、新規出店による総客室数の増加と、稼働率の落ち込みに比して平均客室単価は比較的堅調に推移したことにより、当事業年度の売上高は94,759百万円(前事業年度比3.8%増)となりました。
② 営業損益
売上原価、販管費ともに経費削減に取り組んだ一方で、人員不足や待遇改善に伴う人件費の上昇、新規出店に係るコスト増、自社開発案件の増加に伴う減価償却費および租税公課等の増加、さらには新型コロナウィルス感染症に対応するためのコスト増などにより、営業利益は12,101百万円(前事業年度比17.6%減)となりました。
③ 営業外損益
営業外収益は前事業年度に比べ149百万円増加して2,818百万円となった一方で、主に為替差損の増加656百万円により、営業外費用は前事業年度に比べ809百万円増加して3,559百万円となりました。以上の結果、経常利益は11,360百万円(前事業年度比22.2%減)となりました。
④ 特別損益
特別利益は、主に訴訟損失引当金戻入益78百万円の計上により、前事業年度に比べ97百万円増加して97百万円となりました。特別損失は、固定資産除却損が259百万円減少した一方で、減損損失216百万円および投資損失引当金繰入額1,084百万円の計上により、前事業年度に比べて1,175百万円増加して1,537百万円となりました。
以上の結果、税引前当期純利益は9,920百万円(前事業年度比30.3%減)となりました。
⑤ 当期純損益
法人税、住民税及び事業税3,120百万円および法人税等調整額358百万円を計上した結果、当期純利益は6,443百万円(前事業年度比32.5%減)となりました。
当社は、「稼働率80%の堅持」と、前事業年度を上回る売上高、経常利益の達成を目指し、当事業年度の経営に取り組んでまいりました。稼働率は、新型コロナウィルスの感染拡大に加えて、競合他社との競争激化などの要因もあり、75.7%(前事業年度対比で7.3ポイントの低下)と目標に未達となりました。売上高は、新規出店による客室増と堅調な平均客室単価に支えられ、前事業年度対比3.8%の増収となった一方で、経常利益は、新型コロナウィルスの感染拡大を主な要因として、前事業年度比22.2%の大幅な減益となりました。
この点は、新規出店による総客室数の増加と平均客室単価水準が堅調に推移したことにより売上高が増加した一方で、経常利益の減益は、新型コロナウィルス感染症対応に伴うコスト増のほか、新規出店コストや人件費の上昇に起因する売上原価の増加、自社開発案件の増加による減価償却費や租税公課等の販管費の増加が主な要因であると考えております。
このような状況に対応するため、ホテル品質のさらなる向上を図り、新型コロナウィルスの感染に対するお客様の安心感を高める様々な工夫を行うことで、お客様に選んでいただけるホテルづくりを図ると同時に、変化する費用構造を的確に把握、分析することを通じて、より一層のコスト管理に努めてまいります。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の事項が発生した場合には、売上高の減少、費用の増加、資金の支出等が発生する可能性があり、その場合は経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
(5) 経営戦略の現状と見通し
当事業年度は、「清潔・安心・値ごろ感」の「東横INN QUALITY」を提供するという従来からの経営理念を貫くことを基本方針とし、さらに、店舗業務の効率化やスタッフ教育の見直し、新店オープン支援の強化を図ることで、厳しい環境に対応できる積極的な営業姿勢で経営に取り組んでまいりました。
翌事業年度においては、これらの方針を堅持しつつ、新型コロナウィルス感染症に対応し、お客様に安心感を持っていただけるよう様々な取り組みを実施するとともに、「東横INN」の社会インフラとしての価値を再認識し、引き続きいかなる環境の変化にも耐えうる経営基盤の構築を図ってまいります。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
当事業年度における現金及び現金同等物は、前事業年度に比べ14,043百万円増加して36,063百万円となり、現在必要とされる資金水準を満たす流動性を十分に保持していると考えております。詳細は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
② 資金需要
当社の資金需要の主なものは、運転資金、設備資金、差入保証金の差入、法人税等の支払、借入金の返済、利息の支払等であります。これらの資金の源泉としては、主に金融機関からの借入および営業活動によるキャッシュ・フローにより、必要とする資金を調達することを基本的な方針としてまいります。
③ 財務政策
当社の財務運営の方針及び目的は、効率的な営業活動及び資産活用を図るとともに、キャッシュ・フローのバランスを確保することにより、財務基盤の健全化を図ることであります。当事業年度においては、既存借入金の返済を進める一方で、物件取得に係る新規の資金調達を行ったことに加えて、新型コロナウィルスの感染拡大による経営環境の悪化に伴い、財務基盤をより安定化させるため200億円の短期借入をおこなったことにより、有利子負債(リース債務を除く)は、78,989百万円と前事業年度に比べて25,679百万円の増加となりました。
翌事業年度においては、東横INN宇都宮駅前Ⅱ(仮称)や東横INN奈良王寺駅南口(仮称)、東横INN大月駅前(仮称)、東横INN広島球場前(仮称)等の自社開発案件の竣工に係る資本的支出を予定しており、その資金の調達源は、主に金融機関からの借入金を予定しております。
当社は、新型コロナウィルスの感染状況を注視し、自社開発案件の進捗計画を、適時適切にコントロールしつつ、ホテルの稼働率向上等により自己資金の充実を図ることと併せて、更なる財務基盤の安定に向けて取り組んでまいります。
(7) 経営者の問題意識と今後の方針について
当社の経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、新型コロナウィルスの感染拡大の状況に加えて、競合他社との競争激化の状況など、当社を取り巻く事業環境は、一層厳しさを増すことが予想されます。このような状況の中で、当社は、事業計画の必達を命題に、収益の維持、拡大と財務体質の安定化を最大の課題と認識し、経営基盤の強化に努めてまいります。