有価証券報告書-第32期(平成30年3月1日-平成31年2月28日)

【提出】
2019/05/28 15:01
【資料】
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【項目】
110項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針および経営戦略等
当社グループは、介護用品および福祉用具の開発・製造・販売を通じて高齢者がいつまでも健やかに、元気に、生きがいを持って、クオリティ・オブ・ライフ(QOL)の向上に寄与できる社会の構築により、社会貢献の実現を目指しております。
当社グループは、「中期経営計画TacaoF100」を策定し、経営ビジョンとして「シニアの未来を創る」、ミッションとして「培ってきた技術と最新テクノロジーの融合によって、明るく元気なシニアライフをサポートする福祉用具を創造する」を掲げ、「1.海外事業の推進」、「2.ブランド戦略(新商品シリーズの開発)」、「3.介護ロボットの事業化」を経営方針として事業活動を進めております。
「1.海外事業の推進」では、台湾において2018年に介護給付を目的とした制度の導入が開始し、同国に対する営業活動を強化しております。また、すでに老人長期療養保険制度(日本の介護保険制度に相当する制度)が導入されている韓国では、韓国農業協同組合中央会(略称:農協中央会)から大口の受注を獲得するなど、海外からの受注が堅調に推移しております。また、「2.ブランド戦略(新商品シリーズの開発)」では、「GENTIL MARRONE(ジェンティルマローネ)」ブランドとして2017年11月に発売を開始したロレータ型歩行車「Michele(ミケーレ)」については、2018年8月に一部製品に不具合が発生したため自主回収を実施いたしましたが、その後、徐々に採用が決まり受注が戻りつつあります。さらに、「3.介護ロボットの事業化」につきましては、国立研究開発法人産業技術総合研究所と共同開発により介護施設内での転倒を防止する屋内用ロボット歩行車の開発を2021年2月度の上市に向けて開発を進めております。なお、株式会社MJIとの共同開発による介護施設向け見守り支援ロボット「Nurse Tapia(ナースタピア)(仮称)」につきましては、共同開発を中止し、自社単独による「見守り支援型コミュニケーションロボット」の開発を進めております。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが、経営上の目標とする指標(数値)は、以下のとおりとなっております。
会計年度2020年2月期
(目標)
売上高6,140百万円
営業利益150百万円
経常利益169百万円
親会社株主に帰属する
当期純利益
218百万円

(3)経営環境
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなか、各種政策の効果もあり、景気は緩やかな回復基調が続いております。また、世界経済も緩やかに回復しているものの、中国を始めとするアジア新興国の経済の先行き不安や政策に関する不確実性による影響、また、金融資本市場の変動の影響等が懸念されております。
また、高齢者人口は、「団塊の世代」が65歳以上となった2015年に3,387万人となり、「団塊の世代」が75歳以上となる2025年には3,677万人に達すると見込まれております。その後も高齢者人口は増加傾向が続き、2042年に3,935万人でピークを迎え、その後は減少に転じると推計されております。総人口が減少するなかで高齢者が増加することにより高齢化率は上昇を続け、2036年に33.3%で3人に1人が高齢者となり、2042年以降に高齢者人口が減少に転じても高齢化率の上昇傾向が続き、2065年には38.4%に達し、国民の約2.6人に1人が65歳以上の高齢者となる社会が到来すると予想されております。当社グループが属する介護用品・福祉用具業界におきましては、このような高齢化の進展にともない市場の拡大が期待されております。
なお、2018年度に改正となった介護保険制度について、2016年12月に開催されました社会保障審議会介護保険部会において、財政制度審議会から建議されておりました「軽度者(要介護2以下)を中心とした保険給付割合の大幅な引き下げ」は見送られ、介護福祉用具貸与・販売事業者の需要が回復しつつあります。
(4)事業上および財務上の対処すべき課題
当社グループは、永続的な発展のための礎となる経営基盤の強化と確立に向けて、以下の事項を重要な経営課題と認識し、今後、取り組んでまいります。
①販売チャネルおよび取扱製商品領域の拡大
当社グループは、これまで、介護用品(介護保険対象外商品)についてホームセンターや量販店を中心に販路を広げてきました。2018年11月に当社連結子会社(当社株式持分51%)株式会社ネクストケア・イノベーションを設立し、2019年1月に株式会社ネクストより、EC事業の承継を受け、インターネット販売を開始しました。また今後、さらなる成長に向けて、百貨店、病院売店、ドラッグストアおよびかばん専門店など、販路の拡大を進めてまいります。
さらに、当社グループは、歩行車、シルバーカーおよび歩行補助杖など歩行系の介護用品・福祉用具を強みとして、事業を展開してまいりました。2019年3月に、株式会社シクロケアを100%出資の連結子会社としております。同社は、介護保険における住宅改修用品および介護保険貸与(レンタル)の対象となる手すりやスロープ、また、介護保険販売の対象品目となる特定福祉用具の入浴補助具(すのこ)等の製造・販売を行っております。同社の事業を当社グループに加えることによって、当社グループが取り扱う介護保険分野における製商品の領域の拡大、品揃えを強化することができております。今後も事業の成長を加速するため、販売チャネルおよび取扱製商品領域の拡大を行ってまいります。
②シニア関連事業の拡大
当社グループは、2019年3月に有限会社パムック(貸与事業所3店舗、デイサービス2棟)および株式会社あっぷる(貸与事業所1店舗、デイサービス1棟)を100%出資の連結子会社としております。
有限会社パムックは、デイサービス事業、福祉用具のレンタル・販売事業および車いすのオーダーメイド事業を展開しております。自立支援を目的としたデイサービス事業、ご利用者の住環境に合わせた福祉用具を、ご利用者の視点に立って提案する福祉用具レンタル事業、そして、一人ひとりの体型やニーズに合わせて製作する車いすのオーダーメイド事業により、地域の介護福祉に貢献し、さらなる事業の拡大を目指します。また、株式会社あっぷるは、デイサービス事業および福祉用具レンタル事業を展開しております。同社のテリトリーは有限会社パムックのテリトリーに隣接しており、事業展開においてドミナントを形成し、両社の相乗効果によって効率的な経営を行うことが可能となり、両社の事業の拡大を図ってまいります。さらに、当社グループの強みは、市場からいち早くニーズを吸い上げ、製品化する開発力にあります。今後の市場における優位性の確保には開発力が重要であるという認識のもと、その経営資源の強化を課題として取り組んでまいります。
③介護ロボットの事業化
当社グループは、2015年10月に電動アシスト機能付歩行車「リトルキーパス」を発売し、2016年4月には、軽量コンパクトで人気の機種「テイコブリトルスリム」に電動アシスト機能を搭載した「リトルキーパスS」を発売しております。この「リトルキーパス」は、厚生労働省社会保障審議会(介護給付費分科会)におきまして、日本で初めて介護ロボットとして介護保険のレンタル対象商品の認定を受けました。また、社会的ニーズが明確であるなどの理由から経済産業省と一般社団法人日本機械工業連合会が主催する「第7回ロボット大賞」にて「最優秀中小・ベンチャー企業賞(中小企業庁長官賞)」を受賞いたしました。また、2017年5月には東京、新橋に「ロボティクスR&Dセンター」を新設し、使用される現場のニーズに合致した「自立支援型転倒防止ロボット歩行車」の2021年2月期での上市を目指して開発に取り組んでおります。
今後は、従来の技術では解決できなかった介護の現場における問題を解決するため、ロボット技術を利用した製品の開発を強化し、介護ロボット製品市場の開拓に取り組んでまいります。
④海外事業の推進
当社グループは、今後、高齢化社会を迎える東アジアおよび東南アジア地域(韓国、中国、台湾、香港、インドネシア、タイ)におきまして、介護用品・福祉用具の販売の強化に取り組んでおります。台湾におきましては、2018年に介護給付を目的とした制度の導入が開始されており、同国に対する営業活動を強化しております。また、すでに老人長期療養保険制度(日本の介護保険制度に相当する制度)が導入されている韓国では、韓国農業協同組合中央会(略称:農協中央会)から大口の受注を獲得するなど、海外からの受注が堅調に推移しております。当社グループは、海外でのこのような状況を踏まえ、積極的に海外における展示会に出展を行うことなどにより、海外事業の拡大に取り組んでまいります。
⑤品質管理体制の強化
当社グループでは、ロレータ型歩行車「Michele(ミケーレ)」の自主回収により、2019年2月期において大きな損失を計上することとなりました。その反省に立ち、お取引先およびご利用者の信頼を回復すべく、設計プロセス、開発プロセスさらに生産プロセスにおけるすべての品質管理体制の見直しを実施いたしました。今後も安心・安全かつ高品質を担保するため、不良率の低減に向けた品質管理体制の構築に取り組んでまいります。
⑥生産管理体制の強化
東莞幸和家庭日用品有限公司(当社連結子会社)において、部材等の調達原価の低減、生産工程内での不良率の低減および当社からの発注予測情報(フォーキャスト)の共有による生産リードタイムの短縮など、効率的な生産管理体制の強化に取り組んでまいります。
⑦組織機能の向上および人材の育成
当社グループは、持続的な企業価値の向上を図るため、また、あらゆる経営課題を克服するためにグループ内の組織機能の関連性を強化し、継続して向上させることが課題と認識しております。当社グループはこれらの組織機能を支える重要な要素である人材について、かねてよりOJTや社内外の研修を通じてその育成に努めておりますが、今後も経営環境の変化に対して機動的に対応できる人材の確保および育成は、継続的な課題であると認識しております。

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