有価証券報告書-第65期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/28 13:12
【資料】
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【項目】
132項目

対処すべき課題

文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営指針等
(経営指針)
ビジョン(Vision)あらゆる服づくりの舞台裏に私たちがいる
ミッション(Mission)新たな道を切り拓き、未来を紡ぐ
原点(Values)お客様の全てのニーズに応える

(行動基準)
・ 事実を確認せよ(情報に惑わされるな 現物・現場・現実主義)
・ 決め打ちするな、選択肢を示せ
・ すぐに断らず、諦めず、できる方法を考え抜け
・ 間違ってもよい、すぐに報告し改善せよ
・ 問題は起きる、原因を究明し再発を防げ
・ 情報を閉じ込めるな、早く広く共有せよ
・ 人とは違う発想で、新しい目標にチャレンジせよ
当社グループは、様々な経営環境の変化を見極め、柔軟かつ迅速に対応できる組織を目指し、2021年度から2025年度を計画期間とする中期経営計画「ビジョン2025」を策定いたしました。この中期経営計画では、新ビジョンとして「あらゆる服づくりの舞台裏に私たちがいる」を掲げました。縫製、加工から製品企画まで一貫して関わりながら、お客様が求める素材や新商品を提案できる組織に変革します。
(2)経営環境及び優先的に対処すべき事業上の課題
当社グループの主要取引先であるアパレル業界における当連結会計年度は、以前からの天候不順や消費税増税、アパレル業界の低迷や市場の縮小に加え、世界的に一気に広がった新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けた1年となりました。コロナ禍において、テレワークやステイホームが日常化し、消費者は便利で快適なストレッチやニット素材、イージーケア・ホームランドリー、耐久性といった機能面を重視するとともに、低価格志向も強まりました。またサステナビリティに配慮したファッションがクローズアップされ、人権やトレーサビリティといった製品の生産背景にも目が向けられるようになりました。メーカーにおいては、コロナ感染の長期化により、アパレル製品の需要急減から受注が減少しました。また、国によっては、現地政府による休業要請で工場が操業停止し、それが生産地振替の新たなニーズに繋がりました。加えて、コロナ禍では様々な制約があり、新規顧客開拓といった営業活動に苦心する等、業界をとりまく環境は総じて厳しい状況にありました。そうした中、当社グループが優先的に取り組む課題は以下のとおりです。
・ 既存顧客への企画提案強化、新規顧客開拓の注力
・ 固定費用削減の取り組み
・ リスクに備え、海外生産体制の多元化を更に加速
・ グループ一丸での利益率向上への取り組み及び目標管理の徹底
(3)経営戦略等
当社グループは、この度2021年度から2025年度を計画期間とする中期経営計画「ビジョン2025」を策定いたしました。コロナ禍による影響が長期化するなか、当社グループをとりまく環境は、依然として先行き不透明な状況が続くとみております。計画期間である2021年度からの5年間を2段階に分け、2021年度から2022年度の2年間をウィズコロナに対応する第1期、2023年度からの3年間をアフターコロナの第2期と位置づけました。このうちファーストステップである第1期につきましては、様々な環境変化に対応するための内部改革や、営業力・企画力の強化を図り、組織の基盤づくりに注力し、第2期に繋げてまいります。第2期におきましては、第1期の準備期間でしっかりと体制の整備、強化を行い、それを基盤として更に成長を加速していくことを目指しております。
第1期におきましては、下記の3点を基本戦略と定め、重点的に取り組んでいくことといたしました。
① 主力OEM事業における営業力の強化
子会社工場の稼働率向上を図るべく、新商品の企画提案力の強化を含む営業力を強化し、既存顧客との取り組みを深耕させ、また新規顧客の更なる開拓に取り組む。
② 新素材開発及び新たな製品開発への取組推進
内外素材メーカーと連携した新素材開発と同時に、同分野のグループ子会社による機能性資材の開発を推進し、これらを活用した製品開発に取り組む。
③ サプライチェーン(生産拠点網)の更なる多元化推進と、「良質なものづくり」の一層の強化
ASEAN地域等の地政学的変化に対応しうる柔軟で強靭なサプライチェーンを整備し、子会社工場が安定的に良質なものづくりを維持向上できるよう取り組む。
また、これまで当社グループでは「CSRへの取り組み」として、社会的責任を果たす活動を経営に取り込んでまいりましたが、持続可能な社会の実現に向けた課題解決に対する企業責任への要請の高まりを受け、新たにESGやSDGsを視野に入れたサステナビリティ推進の取り組みを開始いたします。