有価証券届出書(新規公開時)
(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当社は御用聴き事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
① 経営成績の状況
第29期事業年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)
当事業年度(2023年3月1日~2024年2月29日)における我が国経済は、雇用環境、所得環境が改善する中で緩やかな景気の回復がみられました。また新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、社会活動の正常化、インバウンド需要の回復がみられるようになり、株価も史上最高値を更新するなど景気は堅調に推移しました。しかしながらロシア、ウクライナ情勢など依然混沌とした状況が続いており、資源・エネルギー価格の高止まりの状態が継続しております。
このような環境の中、管理会社サポート事業においては、建物定期巡回サービスの巡回受託棟数が堅調に推移しました。また、企業出張などの再開により、マンスリーマンションサポートサービスにおいても、既存顧客及び新規顧客において設営、退去後清掃ともに受託件数が増加しました。インテリア・トータルサポート事業においては、当社取引先であるハウスメーカー及び家具メーカーの販売復調傾向の進捗が芳しくない状況が続いており、依然としてコロナ禍前の水準には戻らない状況が続いております。
この結果、当事業年度の売上高は4,491,921千円(前年同期比12.1%増)となり、営業利益は337,551千円(前年同期比14.9%増)、経常利益は341,749千円(前年同期比16.2%増)、当期純利益は235,220千円(前年同期比16.2%増)となりました。
第30期中間会計期間(自 2024年3月1日 至 2024年8月31日)
当中間会計期間におけるわが国経済は、国内外の人流の活発化に伴うインバウンド需要の回復や、雇用・所得環境の改善から、社会経済活動の正常化が進み緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、長引く物価高の影響から消費者の節約志向が高まりつつあり、個人消費はやや低調に推移しております。加えて、エネルギー資源や原材料、資材等の価格高騰が依然として続いており、今後も国内経済の動向に関しては世界的な金融政策や為替の動向など外部環境の変化を注視していく必要があります。
このような環境の中、当社の各事業は次のとおり推移いたしました。
管理会社サポート事業におきましては、マンスリーマンションサポートサービスのワンストップで可能なサービスが評価され、新規顧客からの設営、退去後清掃業務ともに受託件数が増加し、売上が堅調に推移しております。建物定期巡回サービスにおいても、入居率向上のため室内の整備に加え建物の管理に力を入れる企業が増加しており、当社の巡回棟数も増加しております。
インテリア・トータルサポート事業におきましては、当社取引先であるハウスメーカーや家具メーカーからの共同配送依頼件数が伸び悩む状況が続いておりますが、既存取引先以外への営業強化により対象地域が広域化した結果、共同配送の売上はコロナ禍前の水準に回復しております。加えてインテリアフェア運営企画事業も始まり、さらなる売上増、配送件数の増加に貢献いたしました。今期は特注家具受注の大型案件も相まって当事業の売上を押し上げる結果となっております。
利益におきましては、お客様に高品質で付加価値の高いサービスを継続的に提供するために、業務改善の継続と従業員に対する人財育成を推進した結果として、受付業務、現場管理体制の対応力が強化され労働生産性が向上し利益率の上昇につながりました。今後も事業拡大のために積極的に人財の採用及び共育を進めてまいります。
これらの結果、当中間会計期間の売上高は2,662,936千円(前年同期比21.4%増)となり、営業利益は282,295千円(前年同期比52.6%増)、経常利益は282,298千円(前年同期比50.4%増)、中間純利益は184,674千円(前年同期比50.7%増)となりました。
※当社では人材こそが最大の経営資源であるという考えから人材を人財と表しており、教育を「教えて育つのではなく、共に育つ」との考えから共育と表しております。
第30期第3四半期累計期間(自 2024年3月1日 至 2024年11月30日)
当第3四半期累計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善、インバウンド需要の増加等により緩やかな回復の動きが見られる一方で、長引く物価高の影響から消費者の節約志向が高まりつつあり、個人消費はやや低調に推移しております。加えて、エネルギー資源や原材料、資材等の価格高騰が依然として続いており、今後も国内経済の動向に関しては世界的な金融政策や為替の動向など外部環境の変化を注視していく必要があります。
このような環境の中、当社の各事業は次のとおり推移いたしました。
管理会社サポート事業の建物定期巡回サービスにおきましては、当社が独自開発した不動産巡回管理システム「じゅん君」の顧客への訴求力が高まり、巡回棟数が増加しております。マンスリーマンションサポートサービスにおきましては、旅行者、企業の研修が増加傾向にあり、マンスリーマンション運営会社の稼働率が上がり清掃件数に加え新規にマンスリーマンション向けの居室設備を整える案件も増加しました。
インテリア・トータルサポート事業におきましては、ハウスメーカーによるインテリアフェアが多く開催され、ハウスメーカーや家具メーカーからの共同配送依頼件数が伸び、加えて営業強化により既存顧客の受注増加、新規顧客獲得も進み、売上が堅調に推移しております。
利益におきましては、お客様に高品質で付加価値の高いサービスを継続的に提供するために、業務改善の継続と従業員に対する人財育成を推進した結果として、受付業務、現場管理体制の対応力が強化され労働生産性が向上し利益率の上昇につながりました。今後も事業拡大のために積極的に人財の採用及び共育を進めてまいります。
これらの結果、当第3四半期累計期間の売上高は3,890,586千円(前年同期比15.9%増)となり、営業利益は361,661千円(前年同期比30.8%増)、経常利益は363,982千円(前年同期比30.1%増)、四半期純利益は234,946千円(前年同期比28.8%増)となりました。
② 財政状態の状況
第29期事業年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は1,544,549千円で、前事業年度末に比べ51,689千円減少しております。商品の増加21,487千円、売掛金の増加17,522千円及び現金及び預金の減少99,823千円が主な変動要因であります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は585,082千円で、前事業年度末に比べ89,651千円増加しております。投資有価証券の増加52,000千円及びソフトウエア仮勘定の増加29,080千円が主な変動要因であります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は669,189千円で、前事業年度末に比べ64,192千円増加しております。未払費用の増加37,358千円及び未払法人税等の増加20,794千円が主な変動要因であります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は412,219千円で、前事業年度末に比べ124,226千円減少しております。役員退職慰労引当金の増加27,337千円及び長期借入金の減少151,512千円が主な変動要因であります。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は1,048,223千円で、前事業年度末に比べ97,995千円増加しております。当期純利益の計上による利益剰余金の増加235,220千円、自己株式の増加107,900千円及び配当金の支払による利益剰余金の減少29,325千円が変動要因であります。
第30期中間会計期間(自 2024年3月1日 至 2024年8月31日)
(流動資産)
当中間会計期間末における流動資産の残高は1,688,917千円で、前事業年度末に比べ144,367千円増加しております。売掛金の増加103,212千円、前渡金の増加62,828千円及び商品の減少16,402千円が主な変動要因であります。
(固定資産)
当中間会計期間末における固定資産の残高は621,994千円で、前事業年度末に比べ36,911千円増加しております。ソフトウエア仮勘定の増加32,800千円、繰延税金資産の増加11,126千円及び特許権の減少5,068千円が主な変動要因であります。
(流動負債)
当中間会計期間末における流動負債の残高は698,191千円で、前事業年度末に比べ29,001千円増加しております。未払法人税等の増加38,363千円、賞与引当金の増加14,919千円、1年内返済予定の長期借入金の減少19,334千円及び役員賞与引当金の減少16,080千円が主な変動要因であります。
(固定負債)
当中間会計期間末における固定負債の残高は395,772千円で、前事業年度末に比べ16,447千円減少しております。役員退職慰労引当金の増加27,349千円及び長期借入金の減少43,796千円が変動要因であります。
(純資産)
当中間会計期間末における純資産の残高は1,216,947千円で、前事業年度末に比べ168,724千円増加しております。中間純利益の計上による利益剰余金の増加184,674千円及び配当金の支払による利益剰余金の減少15,950千円が変動要因であります。
第30期第3四半期累計期間(自 2024年3月1日 至 2024年11月30日)
(流動資産)
当第3四半期会計期間末における流動資産の残高は1,714,215千円で、前事業年度末に比べ169,665千円増加しております。商品の増加91,079千円、売掛金の増加58,433千円及び前渡金の増加17,924千円が主な変動要因であります。
(固定資産)
当第3四半期会計期間末における固定資産の残高は649,995千円で、前事業年度末に比べ64,912千円増加しております。ソフトウエア仮勘定の増加48,000千円及び繰延税金資産の増加22,470千円が主な変動要因であります。
(流動負債)
当第3四半期会計期間末における流動負債の残高は752,523千円で、前事業年度末に比べ83,334千円増加しております。未払費用の増加46,970千円、賞与引当金の増加44,031千円、未払法人税等の増加21,596千円、1年内返済予定の長期借入金の減少20,044千円及び役員賞与引当金の減少16,080千円が主な変動要因であります。
(固定負債)
当第3四半期会計期間末における固定負債の残高は363,610千円で、前事業年度末に比べ48,609千円減少しております。役員退職慰労引当金の増加32,355千円及び長期借入金の減少80,964千円が変動要因であります。
(純資産)
当第3四半期会計期間末における純資産の残高は1,248,077千円で、前事業年度末に比べ199,853千円増加しております。四半期純利益の計上による利益剰余金の増加234,946千円及び配当金の支払による利益剰余金の減少35,090千円が変動要因であります。
③ キャッシュ・フローの状況
第29期事業年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は884,810千円(前事業年度末比99,823千円減少)となりました。各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は308,408千円(前年同期は350,547千円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益341,899千円、減価償却費47,405千円、未払費用の増加額34,339千円及び法人税等の支払額98,194千円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は122,739千円(前年同期は128,005千円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出55,714千円及び投資有価証券の取得による支出52,000千円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は288,737千円(前年同期は160,137千円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出151,512千円及び自己株式の取得による支出107,900千円によるものです。
第30期中間会計期間(自 2024年3月1日 至 2024年8月31日)
当中間会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は878,274千円で前事業年度末に比べ6,536千円減少となりました。各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は122,305千円(前年同期は160,504千円の収入)となりました。これは主に、税引前中間純利益282,401千円、役員退職慰労引当金の増加額27,349千円、減価償却費24,429千円、売上債権の増加額103,212千円、法人税等の支払額70,490千円及び前渡金の増加額62,828千円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は48,446千円(前年同期は95,174千円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出35,878千円及び有形固定資産の取得による支出12,704千円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は79,080千円(前年同期は87,831千円の支出)となりました。これは、長期借入金の返済による支出63,130千円及び配当金の支払額15,950千円によるものです。
④ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当社は生産の形態をとらないため、該当事項はありません。
b.受注実績
当社の事業については、その形態から受注金額と販売金額がほぼ同等となるため、記載を省略しております。
c.販売実績
第29期事業年度、第30期中間会計期間及び第30期第3四半期累計期間の販売実績を示すと、次のとおりです。
当社は御用聴き事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(単位:千円)
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積に用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会社上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績等の状況の分析
経営成績等の状況の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況及び② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性
a. キャッシュ・フローの状況
「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. 資金の需要
当社の資金需要の主なものは、営業人員及び管理部門人員の人件費等の販売費及び一般管理費の営業費用によるものであります。
c.当社の運転資金につきましては、短期的な預金等の内部資金より充当し、不足が生じた場合は銀行からの短期借入金及び長期借入金での調達を基本としております。
⑤ 経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標
当社は、「我々は御客様第一であり、企業の繁栄は御客様を増やす以外にないのである。常なるサービスは御客様の為であり、御客様の要望を満足させるべく会社を変化、発展させる事こそ我が社の唯一の道である。」という経営理念のもと、不動産管理会社及びマンスリーマンション運営会社並びにハウスメーカー及び不動産流通会社等の顧客から汲み取った要望を全社で共有し、解決に向け対処することによりサービスを拡充し、企業価値を向上させることで、社会に貢献するとともに、サービスの提供に伴う売上によって利益拡大の実現を推進しております。
経営目標の達成状況を判断する具体的な指標として、売上高成長率、営業利益率の確保を重視しております。
当該指標の達成状況の内容は以下のとおりとなっております。
(注)当該有価証券報告書に記載された将来に関する事項については、その達成を保証するものではありません。
また、企業が抱えるノンコア業務や多様な課題を解決するパートナーとして着実に成長を続けている「御用聴きカンパニー」です。これまでに培ってきたBtoB事業での豊富な実績と高い信頼を基盤に、現在は新たにBtoC市場へ進出し、さらなる成長機会を追求しています。当社は、個人・企業を問わず、多様な「お困りごと」に対応することで、人々の日常生活やビジネスに寄り添い、社会全体に価値を提供する存在を目指しています。
当社の成長戦略においては、売上高と成長率を主要な判断指標として掲げています。さらに、事業を2つのカテゴリーに分け、それぞれの特性に応じた指標を設定することで、事業ごとの目標達成状況を的確に評価できる仕組みを構築しています。
以下が当社が設定する主要な指標になります。
※1 2021年2月期を基準とした成長率
※2 平均単価=年間売上÷年間配送件数
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当社は御用聴き事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
① 経営成績の状況
第29期事業年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)
当事業年度(2023年3月1日~2024年2月29日)における我が国経済は、雇用環境、所得環境が改善する中で緩やかな景気の回復がみられました。また新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、社会活動の正常化、インバウンド需要の回復がみられるようになり、株価も史上最高値を更新するなど景気は堅調に推移しました。しかしながらロシア、ウクライナ情勢など依然混沌とした状況が続いており、資源・エネルギー価格の高止まりの状態が継続しております。
このような環境の中、管理会社サポート事業においては、建物定期巡回サービスの巡回受託棟数が堅調に推移しました。また、企業出張などの再開により、マンスリーマンションサポートサービスにおいても、既存顧客及び新規顧客において設営、退去後清掃ともに受託件数が増加しました。インテリア・トータルサポート事業においては、当社取引先であるハウスメーカー及び家具メーカーの販売復調傾向の進捗が芳しくない状況が続いており、依然としてコロナ禍前の水準には戻らない状況が続いております。
この結果、当事業年度の売上高は4,491,921千円(前年同期比12.1%増)となり、営業利益は337,551千円(前年同期比14.9%増)、経常利益は341,749千円(前年同期比16.2%増)、当期純利益は235,220千円(前年同期比16.2%増)となりました。
第30期中間会計期間(自 2024年3月1日 至 2024年8月31日)
当中間会計期間におけるわが国経済は、国内外の人流の活発化に伴うインバウンド需要の回復や、雇用・所得環境の改善から、社会経済活動の正常化が進み緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、長引く物価高の影響から消費者の節約志向が高まりつつあり、個人消費はやや低調に推移しております。加えて、エネルギー資源や原材料、資材等の価格高騰が依然として続いており、今後も国内経済の動向に関しては世界的な金融政策や為替の動向など外部環境の変化を注視していく必要があります。
このような環境の中、当社の各事業は次のとおり推移いたしました。
管理会社サポート事業におきましては、マンスリーマンションサポートサービスのワンストップで可能なサービスが評価され、新規顧客からの設営、退去後清掃業務ともに受託件数が増加し、売上が堅調に推移しております。建物定期巡回サービスにおいても、入居率向上のため室内の整備に加え建物の管理に力を入れる企業が増加しており、当社の巡回棟数も増加しております。
インテリア・トータルサポート事業におきましては、当社取引先であるハウスメーカーや家具メーカーからの共同配送依頼件数が伸び悩む状況が続いておりますが、既存取引先以外への営業強化により対象地域が広域化した結果、共同配送の売上はコロナ禍前の水準に回復しております。加えてインテリアフェア運営企画事業も始まり、さらなる売上増、配送件数の増加に貢献いたしました。今期は特注家具受注の大型案件も相まって当事業の売上を押し上げる結果となっております。
利益におきましては、お客様に高品質で付加価値の高いサービスを継続的に提供するために、業務改善の継続と従業員に対する人財育成を推進した結果として、受付業務、現場管理体制の対応力が強化され労働生産性が向上し利益率の上昇につながりました。今後も事業拡大のために積極的に人財の採用及び共育を進めてまいります。
これらの結果、当中間会計期間の売上高は2,662,936千円(前年同期比21.4%増)となり、営業利益は282,295千円(前年同期比52.6%増)、経常利益は282,298千円(前年同期比50.4%増)、中間純利益は184,674千円(前年同期比50.7%増)となりました。
※当社では人材こそが最大の経営資源であるという考えから人材を人財と表しており、教育を「教えて育つのではなく、共に育つ」との考えから共育と表しております。
第30期第3四半期累計期間(自 2024年3月1日 至 2024年11月30日)
当第3四半期累計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善、インバウンド需要の増加等により緩やかな回復の動きが見られる一方で、長引く物価高の影響から消費者の節約志向が高まりつつあり、個人消費はやや低調に推移しております。加えて、エネルギー資源や原材料、資材等の価格高騰が依然として続いており、今後も国内経済の動向に関しては世界的な金融政策や為替の動向など外部環境の変化を注視していく必要があります。
このような環境の中、当社の各事業は次のとおり推移いたしました。
管理会社サポート事業の建物定期巡回サービスにおきましては、当社が独自開発した不動産巡回管理システム「じゅん君」の顧客への訴求力が高まり、巡回棟数が増加しております。マンスリーマンションサポートサービスにおきましては、旅行者、企業の研修が増加傾向にあり、マンスリーマンション運営会社の稼働率が上がり清掃件数に加え新規にマンスリーマンション向けの居室設備を整える案件も増加しました。
インテリア・トータルサポート事業におきましては、ハウスメーカーによるインテリアフェアが多く開催され、ハウスメーカーや家具メーカーからの共同配送依頼件数が伸び、加えて営業強化により既存顧客の受注増加、新規顧客獲得も進み、売上が堅調に推移しております。
利益におきましては、お客様に高品質で付加価値の高いサービスを継続的に提供するために、業務改善の継続と従業員に対する人財育成を推進した結果として、受付業務、現場管理体制の対応力が強化され労働生産性が向上し利益率の上昇につながりました。今後も事業拡大のために積極的に人財の採用及び共育を進めてまいります。
これらの結果、当第3四半期累計期間の売上高は3,890,586千円(前年同期比15.9%増)となり、営業利益は361,661千円(前年同期比30.8%増)、経常利益は363,982千円(前年同期比30.1%増)、四半期純利益は234,946千円(前年同期比28.8%増)となりました。
② 財政状態の状況
第29期事業年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は1,544,549千円で、前事業年度末に比べ51,689千円減少しております。商品の増加21,487千円、売掛金の増加17,522千円及び現金及び預金の減少99,823千円が主な変動要因であります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は585,082千円で、前事業年度末に比べ89,651千円増加しております。投資有価証券の増加52,000千円及びソフトウエア仮勘定の増加29,080千円が主な変動要因であります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は669,189千円で、前事業年度末に比べ64,192千円増加しております。未払費用の増加37,358千円及び未払法人税等の増加20,794千円が主な変動要因であります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は412,219千円で、前事業年度末に比べ124,226千円減少しております。役員退職慰労引当金の増加27,337千円及び長期借入金の減少151,512千円が主な変動要因であります。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は1,048,223千円で、前事業年度末に比べ97,995千円増加しております。当期純利益の計上による利益剰余金の増加235,220千円、自己株式の増加107,900千円及び配当金の支払による利益剰余金の減少29,325千円が変動要因であります。
第30期中間会計期間(自 2024年3月1日 至 2024年8月31日)
(流動資産)
当中間会計期間末における流動資産の残高は1,688,917千円で、前事業年度末に比べ144,367千円増加しております。売掛金の増加103,212千円、前渡金の増加62,828千円及び商品の減少16,402千円が主な変動要因であります。
(固定資産)
当中間会計期間末における固定資産の残高は621,994千円で、前事業年度末に比べ36,911千円増加しております。ソフトウエア仮勘定の増加32,800千円、繰延税金資産の増加11,126千円及び特許権の減少5,068千円が主な変動要因であります。
(流動負債)
当中間会計期間末における流動負債の残高は698,191千円で、前事業年度末に比べ29,001千円増加しております。未払法人税等の増加38,363千円、賞与引当金の増加14,919千円、1年内返済予定の長期借入金の減少19,334千円及び役員賞与引当金の減少16,080千円が主な変動要因であります。
(固定負債)
当中間会計期間末における固定負債の残高は395,772千円で、前事業年度末に比べ16,447千円減少しております。役員退職慰労引当金の増加27,349千円及び長期借入金の減少43,796千円が変動要因であります。
(純資産)
当中間会計期間末における純資産の残高は1,216,947千円で、前事業年度末に比べ168,724千円増加しております。中間純利益の計上による利益剰余金の増加184,674千円及び配当金の支払による利益剰余金の減少15,950千円が変動要因であります。
第30期第3四半期累計期間(自 2024年3月1日 至 2024年11月30日)
(流動資産)
当第3四半期会計期間末における流動資産の残高は1,714,215千円で、前事業年度末に比べ169,665千円増加しております。商品の増加91,079千円、売掛金の増加58,433千円及び前渡金の増加17,924千円が主な変動要因であります。
(固定資産)
当第3四半期会計期間末における固定資産の残高は649,995千円で、前事業年度末に比べ64,912千円増加しております。ソフトウエア仮勘定の増加48,000千円及び繰延税金資産の増加22,470千円が主な変動要因であります。
(流動負債)
当第3四半期会計期間末における流動負債の残高は752,523千円で、前事業年度末に比べ83,334千円増加しております。未払費用の増加46,970千円、賞与引当金の増加44,031千円、未払法人税等の増加21,596千円、1年内返済予定の長期借入金の減少20,044千円及び役員賞与引当金の減少16,080千円が主な変動要因であります。
(固定負債)
当第3四半期会計期間末における固定負債の残高は363,610千円で、前事業年度末に比べ48,609千円減少しております。役員退職慰労引当金の増加32,355千円及び長期借入金の減少80,964千円が変動要因であります。
(純資産)
当第3四半期会計期間末における純資産の残高は1,248,077千円で、前事業年度末に比べ199,853千円増加しております。四半期純利益の計上による利益剰余金の増加234,946千円及び配当金の支払による利益剰余金の減少35,090千円が変動要因であります。
③ キャッシュ・フローの状況
第29期事業年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は884,810千円(前事業年度末比99,823千円減少)となりました。各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は308,408千円(前年同期は350,547千円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益341,899千円、減価償却費47,405千円、未払費用の増加額34,339千円及び法人税等の支払額98,194千円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は122,739千円(前年同期は128,005千円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出55,714千円及び投資有価証券の取得による支出52,000千円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は288,737千円(前年同期は160,137千円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出151,512千円及び自己株式の取得による支出107,900千円によるものです。
第30期中間会計期間(自 2024年3月1日 至 2024年8月31日)
当中間会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は878,274千円で前事業年度末に比べ6,536千円減少となりました。各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は122,305千円(前年同期は160,504千円の収入)となりました。これは主に、税引前中間純利益282,401千円、役員退職慰労引当金の増加額27,349千円、減価償却費24,429千円、売上債権の増加額103,212千円、法人税等の支払額70,490千円及び前渡金の増加額62,828千円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は48,446千円(前年同期は95,174千円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出35,878千円及び有形固定資産の取得による支出12,704千円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は79,080千円(前年同期は87,831千円の支出)となりました。これは、長期借入金の返済による支出63,130千円及び配当金の支払額15,950千円によるものです。
④ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当社は生産の形態をとらないため、該当事項はありません。
b.受注実績
当社の事業については、その形態から受注金額と販売金額がほぼ同等となるため、記載を省略しております。
c.販売実績
第29期事業年度、第30期中間会計期間及び第30期第3四半期累計期間の販売実績を示すと、次のとおりです。
当社は御用聴き事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(単位:千円)
サービスの名称 | 第29期事業年度 (自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) | 前事業年度比 (%) | 第30期中間会計期間 (自 2024年3月1日 至 2024年8月31日) | 前年同期比 (%) |
管理会社サポート事業 | 3,308,873 | +14.1 | 2,024,780 | +24.9 |
インテリア・トータルサポート事業 | 1,153,245 | +5.9 | 623,909 | +11.7 |
その他 | 29,802 | +51.4 | 14,246 | △4.1 |
合計 | 4,491,921 | +12.1 | 2,662,936 | +21.4 |
サービスの名称 | 第30期第3四半期 累計期間 (自 2024年3月1日 至 2024年11月30日) | 前事業年度比 (%) |
管理会社サポート事業 | 2,939,653 | +20.1 |
インテリア・トータルサポート事業 | 929,452 | +4.8 |
その他 | 21,481 | △4.1 |
合計 | 3,890,586 | +15.9 |
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先 | 第29期事業年度 (自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) | 第30期中間会計期間 (自 2024年3月1日 至 2024年8月31日) | ||
販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
エリアリンク株式会社 | 562,090 | 12.5 | 285,043 | 10.7 |
株式会社マックスファシリティーズ | 531,765 | 11.8 | 372,684 | 14.0 |
相手先 | 第30期第3四半期累計期間 (自 2024年3月1日 至 2024年11月30日) | |
販売高(千円) | 割合(%) | |
株式会社マックスファシリティーズ | 538,578 | 13.8 |
エリアリンク株式会社 | 436,867 | 11.2 |
株式会社マイナビ | 422,931 | 10.9 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積に用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会社上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績等の状況の分析
経営成績等の状況の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況及び② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性
a. キャッシュ・フローの状況
「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. 資金の需要
当社の資金需要の主なものは、営業人員及び管理部門人員の人件費等の販売費及び一般管理費の営業費用によるものであります。
c.当社の運転資金につきましては、短期的な預金等の内部資金より充当し、不足が生じた場合は銀行からの短期借入金及び長期借入金での調達を基本としております。
⑤ 経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標
当社は、「我々は御客様第一であり、企業の繁栄は御客様を増やす以外にないのである。常なるサービスは御客様の為であり、御客様の要望を満足させるべく会社を変化、発展させる事こそ我が社の唯一の道である。」という経営理念のもと、不動産管理会社及びマンスリーマンション運営会社並びにハウスメーカー及び不動産流通会社等の顧客から汲み取った要望を全社で共有し、解決に向け対処することによりサービスを拡充し、企業価値を向上させることで、社会に貢献するとともに、サービスの提供に伴う売上によって利益拡大の実現を推進しております。
経営目標の達成状況を判断する具体的な指標として、売上高成長率、営業利益率の確保を重視しております。
当該指標の達成状況の内容は以下のとおりとなっております。
第28期事業年度 | 第29期事業年度 | 第30期事業年度(目標) | ||
自 2022年3月1日 至 2023年2月28日 | 自 2023年3月1日 至 2024年2月29日 | 自 2024年3月1日 至 2025年2月28日 | ||
売上高 | (百万円) | 4,007 | 4,491 | 5,004 |
営業利益 | (百万円) | 293 | 337 | 355 |
売上高成長率 目標 実績 | (%) | 110.3 110.4 | 109.1 112.1 | 111.4 - |
営業利益率 目標 実績 | (%) | 7.0 7.3 | 7.8 7.5 | 7.1 - |
(注)当該有価証券報告書に記載された将来に関する事項については、その達成を保証するものではありません。
また、企業が抱えるノンコア業務や多様な課題を解決するパートナーとして着実に成長を続けている「御用聴きカンパニー」です。これまでに培ってきたBtoB事業での豊富な実績と高い信頼を基盤に、現在は新たにBtoC市場へ進出し、さらなる成長機会を追求しています。当社は、個人・企業を問わず、多様な「お困りごと」に対応することで、人々の日常生活やビジネスに寄り添い、社会全体に価値を提供する存在を目指しています。
当社の成長戦略においては、売上高と成長率を主要な判断指標として掲げています。さらに、事業を2つのカテゴリーに分け、それぞれの特性に応じた指標を設定することで、事業ごとの目標達成状況を的確に評価できる仕組みを構築しています。
以下が当社が設定する主要な指標になります。
2021年2月期実績 | 2024年2月期実績 | ||
全社 | 売上高 | 35億円 | 45億円 |
成長率※1 | - | 8.2% | |
管理会社サポート事業 | 売上高 | 24.3億円 | 33.1億円 |
成長率※1 | - | 10.7% | |
クライアント数 | 308社 | 339社 | |
賃貸住宅管理戸数 | - | 142,327戸 | |
パートナー数 | 125名 | 255名 | |
インテリア・トータルサポート事業 | 売上高 | 10.7億円 | 11.5億円 |
成長率※1 | - | 2.4% | |
クライアント数 | 210社 | 241社 | |
平均単価※2 | 18,672円 | 24,805円 |
※1 2021年2月期を基準とした成長率
※2 平均単価=年間売上÷年間配送件数
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。