有価証券報告書-第18期(2023/04/01-2024/03/31)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
また、当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されておりますが、この連結財務諸表の作成に当たっては、当社経営陣により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがあります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績)
当連結会計年度における我が国経済は、物価上昇、地政学リスク及び世界的な金融引き締めによる海外経済の影響や物価上昇による景気への下押し圧力があったものの、雇用、所得環境の改善等により全体的には緩やかな回復傾向にあります。
当社グループが主に事業を行う介護業界においては、異業種からの新規参入による競争の激化や人材採用難の状況が継続していることにより、全体として厳しい状況が続いております。この結果、介護事業所の再編が加速しており、M&Aによる事業承継への需要が高まっている状況にあります。また、我が国の高齢化率(総人口に占める65歳以上人口の割合)は年々上昇し、介護サービスの需要が拡大していることを背景として、介護高齢者マーケットへの参入意欲は引き続き旺盛であります。
このような環境のもと、当社グループは商談型展示会を開催することによって、単体事業としても収益を上げながら、来場者である介護事業者と出展社である各種サプライヤー(*1)、双方の決裁権限者の情報並びに業界特有の課題・ニーズに直接アクセスできる利点を活かし、M&A仲介を含む様々なサービスを提供していく独自のビジネスモデルを展開しております。
当連結会計年度においては、展示会事業とM&A仲介サービスに加え、2023年4月1日付で株式会社リアライブの全株式を取得し、新たに人材採用支援事業を注力事業として、これらの育成に努めております。
展示会事業のうち介護分野におきましては、「CareTEX(*2)」及び商品ジャンル特化型展示商談会「CareTEX One」を東京都、大阪府、福岡県、宮城県、愛知県、神奈川県、北海道の全国合計7エリアで開催するため、来場者及び出展社への販促活動を行ってまいりました。また、新型コロナウイルス感染症を契機に大きく変容した社会・ビジネス環境の中で、介護・健康施術事業者と介護・健康施術関連サプライヤーに効率的かつ安全に配慮した新たな商談・マッチング機会を提供すべく、オンライン展示会「CareTEX365オンライン」及び「からだケアEXPO365オンライン」を開催しております。
また、展示会事業のうちIT分野におきましては、オンライン展とリアル展をシームレスに融合させ、双方の強みを活かした、新発想のハイブリッド展示会「DXPO(読み:ディーエクスポ)」を東京、大阪、福岡及びオンライン上で開催するため、来場者及び出展社に対する販促活動を行ってまいりました。
M&A仲介事業につきましては、案件の成約に注力するとともに、新分野である建設・IT等の各分野への横展開を本格化するための営業活動を実施いたしました。また、前年度に引き続き、M&Aコンサルタントを大幅に増員するための採用活動を実施いたしました。
人材採用支援事業につきましては、新卒向け採用イベント「ジョブトラ」の開催・運営及び求人企業への人材紹介を行う一方で、引き続き当社のノウハウである教育体制の整備・仕組化に注力いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は4,414,344千円、営業利益は916,243千円、調整後営業利益(*3)は1,103,743千円、経常利益は911,112千円、親会社株主に帰属する当期純利益は608,367千円となりました。
なお、当社個別の経営成績は、売上高は3,640,999千円(前年度比19.5%増)、営業利益は1,017,556千円(前年度比7.6%増)、経常利益は1,011,830千円(前年度比7.2%増)、当期純利益は706,065千円(前年度比13.6%増)となりました。
以上により、グループ体制となったことにより売上高は過去最高を記録し、当社個別業績でも、売上高、営業利益、経常利益及び当期純利益が、いずれも過去最高となりました。
当連結会計年度における各セグメントの概況は、以下のとおりです。なお、当連結会計年度より、「商談型展示会事業」と「ハイブリッド展示会事業」の2つの報告セグメントを「展示会事業」に変更しております。
また、株式会社リアライブを子会社化したことに伴い、「人材採用支援事業」を新しい報告セグメントとしております。
当社は当連結会計年度より連結財務諸表を作成しております。前年同四半期、当連結会計年度及び前連結会計年度との比較分析は行なえませんが、参考のため、前年度の当社個別決算との比較を行っております。
(イ)展示会事業
展示会事業のうち介護分野においては、商談型展示会である「CareTEX」及び商品ジャンル特化型展示商談会「CareTEX One」並びにオンライン展示会「CareTEX365オンライン」及び「からだケアEXPO365オンライン」の運営を行っております。当連結会計年度においては、6月に横浜展、7月に札幌展、8月に仙台展、10月に福岡展、11月から12月にかけて大阪展、1月に名古屋展、3月に東京展を開催いたしました。
展示会事業のうちIT分野においては、オンライン展とリアル展をシームレスに融合させ、双方の強みを活かした、新発想のハイブリッド展示会である「DXPO」の開催・運営を行っております。
ハイブリッド展示会「DXPO」とは、オンライン展の開設期間中(365日24時間)に並行してリアル展を年複数回開催し、リアル展の会期前1ヵ月及び会期後1ヵ月は、オンライン展でも集中的にマッチングすることで、「見込客獲得の量」と「商談の質」を高めつつ、かつ、年間を通じて継続的なマッチングの機会を提供するサービスです。
当連結会計年度においては、「バックオフィスDXPO」及び「営業・マーケ/広告・販促/店舗・EC DXPO」をオンライン上で開催するとともに、8月に東京展、10月に九州初となる福岡展、2月から3月にかけて大阪展を開催いたしました。
また、展示会関連サービスとして、ブース施工・運営支援のサービスを提供してまいりました。
[展示会開催スケジュール] ※展示会名が、赤文字=介護・健康施術分野、青文字=IT分野

以上の結果、当連結会計年度における展示会事業の売上高は1,903,183千円(前年度比49.7%増)、セグメント利益は635,226千円(前年度比75.4%増)、出展小間数は3,768小間(前年度比36.4%増)となり、売上高及びセグメント利益ともに過去最高を記録しました。
(ロ)M&A仲介事業
M&A仲介事業は、事業承継ニーズを有する介護・医療・福祉・建設・IT関連事業者等に向け、M&A仲介サービスの提供を行っております。当該事業におきましては、ウェブサイトのコンテンツ充実、セミナーの開催、ダイレクトメール及び地域金融機関等との業務提携によって案件獲得を強化するとともに、案件の成約に注力いたしました。
また、当連結会計年度においては、当連結会計年度はもとより翌年度に向けた大幅な売上拡大を見据え、①建設・IT分野を始めとした新分野における売主・買主の開拓及び案件成約のために主力のコンサルタントの一定数を投入したほか、②事業部門全体で、介護分野も含めた案件のソーシングに注力したことにより、上半期の案件の成約に遅れが生じておりました。これに加えて、当連結会計年度に発覚した元従業員の不正に関連する処分に伴い、コンサルタントの人員数が当初の計画を下回ったことにより案件成約の遅れが発生し、当連結会計年度の成約組数は、151組(前年同期比4.9%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度においては、M&A仲介事業の売上高は1,736,696千円(前年度比2.0%減)、セグメント利益は813,113千円(前年度比19.9%減)となりました。
(ハ)人材採用支援事業
人材採用支援事業においては、新卒向け採用イベント「ジョブトラ」の開催・運営及び求人企業への人材紹介を行っております。
当連結会計年度においては、当社のノウハウである教育体制の整備・仕組化を浸透させるなど、社内体制の強化を図るとともに、事業の育成に注力いたしました。
以上の結果、当連結会計年度においては、人材採用支援事業の売上高は773,766千円、セグメント利益は157,755千円となりました。
(*1)介護用品メーカー、機械浴槽や建材等の設備備品メーカー及び介護ソフトや配食等の施設向けサービス事業者等
(*2)「CareTEX」のうち東京展及び大阪展については、複数の専門展により構成される「ケアウィーク」の総称にて開催。
(*3)2021年2月1日を割当日とする新株予約権の行使条件となる利益であり、連結損益計算書(連結損益計算書を作成していない場合、損益計算書とする。)に記載の営業利益から、のれん償却費、顧客関連資産償却費及び新株予約権に係る株式報酬費用の影響を排除した金額です。
2023年4月1日に行われた株式会社リアライブの株式取得について、第1四半期連結会計期間において取得原価の配分が完了しておらず、暫定的な会計処理を行っておりましたが、当連結会計年度末に確定しております。この結果、顧客関連資産及び繰延税金負債を新たに認識し、顧客関連資産償却費を計上いたしました。当社は、のれん償却費同様、新たに認識した顧客関連資産償却費は新株予約権の行使条件となる利益には影響させないため、調整後営業利益は、連結損益計算書に記載の営業利益から、顧客関連資産償却費の影響も排除することとしております。
調整後営業利益=営業利益+のれん償却費+顧客関連資産償却費+株式報酬費用
(資産)
当連結会計年度末の総資産は4,856,768千円となり、流動資産は3,300,014千円となりました。主な内訳は、現金及び預金3,117,773千円等です。固定資産は1,556,753千円となりました。主な内訳は、のれん854,753千円、無形固定資産その他387,535千円等です。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は2,650,446千円となり、流動負債は1,564,785千円となりました。主な内訳は、前受金523,246千円、1年内返済予定の長期借入金372,640千円等です。固定負債は1,085,661千円となりました。主な内訳は、長期借入金1,010,950千円等です。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は2,206,321千円となりました。主な内訳は、利益剰余金1,992,715千円等です。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、3,118,275千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は、774,298千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上および法人税等の支払額等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は、833,213千円となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は、660,007千円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出、自己株式の取得による支出によるものであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
④ 生産、受注及び販売の実績
(イ)生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
(ロ)受注実績
当社は受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
(ハ)販売実績
当連結会計年度の事業領域ごとの販売実績は、次のとおりであります。
(注)1 当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合に
ついては、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。
2 「人材採用支援事業」については、当連結会計年度に株式会社リアライブを子会社化したことに
伴い新しく報告セグメントとしたため、前期との比較はおこなっておりません。
3 展示会事業並びにM&A仲介事業については、当社の前年度の展示会事業並びにM&A仲介事業
との比較を行っております。
(2) 資本の財源と資金の流動性及び調達状況について
(資金需要)
当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、展示会会場の会場使用費用、ソフトウエア開発、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。投資を目的とした資金需要の主なものは、事業拡大に向けた株式取得(子会社化)によるものです。
(財政政策)
当社は、運転資金及び投資を目的とした資金については、内部資金及び金融機関からの借入により調達しております。なお、2024年3月末時点の長期借入金残高(1年以内返済予定を含む)は1,383,590千円、現金及び預金は3,117,773千円となっており、現状、金融機関からの借入はありますが、現金及び現金同等物の残高が借入金を超過しております。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗状況
① 経営計画の達成状況
当連結会計年度において、展示会事業においては介護分野・IT分野ともに展示会の規模が拡大し出展小間数が増加したため、期首目標を達成いたしました。M&A仲介事業においては新分野へのリソース注入や介護分野も含めた案件のソーシングに注力したこと、元従業員の不正に関連する処分による案件成約の遅れが発生し、成約組数は前年より増加したものの、期首目標を下回りました。人材採用支援事業においては、当連結会計年度においては当社のノウハウである教育体制の整備・仕組化へ注力いたしました。
以上の結果、連結の売上高は4,414,344千円(計画比6.6%減)、営業利益は916,243千円(計画比10.0%減)、営業利益率は20.8%(計画比0.8ポイント減)となりました。
② 主要な経営指標
当社の経営成績に影響を与える主要な経営指標として、展示会事業については、主な収入である出展料が出展小間数×小間単価となり、小間単価に大きな変動がないため、出展小間数(出展社に貸し出すために仕切られたスペースの単位)を重要な指標としております。M&A仲介事業については、主な収入である仲介手数料が成約組数×手数料単価となり、手数料単価においては、成約組数における中大型案件の割合の増加に伴い逓増傾向にあるものの、中小型案件を効率よく成約する『回転寿司モデル』を採用していることから、成約組数を重要な経営指標としております。また、人材採用支援事業については、採用イベント開催数を重要な経営指標としております。それぞれの経営指標の推移及びその変動要因は以下のとおりです。
(ⅰ)展示会事業
展示会事業のうち介護分野においては、展示会の早期全国展開を進めることで、知名度を高めるとともに全国の決裁権限者のリスト化を図り、M&A仲介サービス等の付加サービスを創出・提供しております。当連結会計年度においては、商談型展示会である「CareTEX」及び商品ジャンル特化型展示商談会「CareTEX One」の運営を行っており、6月に横浜展、7月に札幌展、8月に仙台展、10月に福岡展、11月から12月にかけて大阪展、1月に名古屋展、3月に東京展を開催いたしました。
展示会事業のうちIT分野においては、オンライン展とリアル展をシームレスに融合させ、双方の強みを活かした、新発想のハイブリッド展示会である「DXPO」の開催・運営を行っております。
ハイブリッド展示会「DXPO」とは、オンライン展の開設期間中(365日24時間)に並行してリアル展を年複数回開催し、リアル展の会期前1ヵ月及び会期後1ヵ月は、オンライン展でも集中的にマッチングすることで、「見込客獲得の量」と「商談の質」を高めつつ、かつ、年間を通じて継続的なマッチングの機会を提供するサービスです。当連結会計年度においては、「バックオフィスDXPO」及び「営業・マーケ/広告・販促/店舗・EC DXPO」をオンライン上で開催するとともに、8月に東京展、10月に九州初となる福岡展、2月から3月にかけて大阪展を開催いたしました。
この結果、当連結会計年度に開催した全ての展示会の総出展小間数は3,768小間(前事業年度比36.4%増)となりました。
出展小間数の推移
(注) 小間数は、各事業年度に開催したリアル展の出展小間数を記載しております。
(ⅱ)M&A仲介事業
介護・医療・福祉・建設・IT関連事業者等を対象としたM&A仲介サービスの提供を行っております。当連結会計年度においては、新分野における売主・買主の開拓及び案件成約のために主力のコンサルタントの一定数を投入したほか、事業部門全体で、介護分野も含めた案件のソーシングに注力したことにより、上半期の案件の成約に遅れが生じておりました。これに加えて、当連結会計年度に発覚した元従業員の不正に関連する処分に伴い、コンサルタントの人員数が当初の計画を下回ったことにより案件成約の遅れが発生し、成約組数は期首目標を下回る151組(前事業年度比4.9%増)となりました。
M&A成約組数の推移
(注) 成約組数は、各事業年度に成約したM&A組数を記載しております。
(ⅲ)人材採用支援事業
新卒向け採用イベント「ジョブトラ」の開催・運営及び求人企業への人材紹介を行っております。当連結会計年度においては、当社のノウハウである教育体制の整備・仕組化を浸透させるなど、社内体制の強化を図るとともに、事業の育成に注力いたしました。この結果、当連結会計年度に開催した採用イベント開催数は305回となりました。
(4) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社が今後の業容を拡大し、より良いサービスを継続的に展開していくためには、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております各種課題に対応していくことが重要であると認識しております。それらの課題に対応するために、経営者は、市場動向をはじめとした外部環境の構造やその変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を確認し、その間の課題を認識すると同時に最適な解決策を推進していく方針であります。
また、当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されておりますが、この連結財務諸表の作成に当たっては、当社経営陣により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがあります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績)
当連結会計年度における我が国経済は、物価上昇、地政学リスク及び世界的な金融引き締めによる海外経済の影響や物価上昇による景気への下押し圧力があったものの、雇用、所得環境の改善等により全体的には緩やかな回復傾向にあります。
当社グループが主に事業を行う介護業界においては、異業種からの新規参入による競争の激化や人材採用難の状況が継続していることにより、全体として厳しい状況が続いております。この結果、介護事業所の再編が加速しており、M&Aによる事業承継への需要が高まっている状況にあります。また、我が国の高齢化率(総人口に占める65歳以上人口の割合)は年々上昇し、介護サービスの需要が拡大していることを背景として、介護高齢者マーケットへの参入意欲は引き続き旺盛であります。
このような環境のもと、当社グループは商談型展示会を開催することによって、単体事業としても収益を上げながら、来場者である介護事業者と出展社である各種サプライヤー(*1)、双方の決裁権限者の情報並びに業界特有の課題・ニーズに直接アクセスできる利点を活かし、M&A仲介を含む様々なサービスを提供していく独自のビジネスモデルを展開しております。
当連結会計年度においては、展示会事業とM&A仲介サービスに加え、2023年4月1日付で株式会社リアライブの全株式を取得し、新たに人材採用支援事業を注力事業として、これらの育成に努めております。
展示会事業のうち介護分野におきましては、「CareTEX(*2)」及び商品ジャンル特化型展示商談会「CareTEX One」を東京都、大阪府、福岡県、宮城県、愛知県、神奈川県、北海道の全国合計7エリアで開催するため、来場者及び出展社への販促活動を行ってまいりました。また、新型コロナウイルス感染症を契機に大きく変容した社会・ビジネス環境の中で、介護・健康施術事業者と介護・健康施術関連サプライヤーに効率的かつ安全に配慮した新たな商談・マッチング機会を提供すべく、オンライン展示会「CareTEX365オンライン」及び「からだケアEXPO365オンライン」を開催しております。
また、展示会事業のうちIT分野におきましては、オンライン展とリアル展をシームレスに融合させ、双方の強みを活かした、新発想のハイブリッド展示会「DXPO(読み:ディーエクスポ)」を東京、大阪、福岡及びオンライン上で開催するため、来場者及び出展社に対する販促活動を行ってまいりました。
M&A仲介事業につきましては、案件の成約に注力するとともに、新分野である建設・IT等の各分野への横展開を本格化するための営業活動を実施いたしました。また、前年度に引き続き、M&Aコンサルタントを大幅に増員するための採用活動を実施いたしました。
人材採用支援事業につきましては、新卒向け採用イベント「ジョブトラ」の開催・運営及び求人企業への人材紹介を行う一方で、引き続き当社のノウハウである教育体制の整備・仕組化に注力いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は4,414,344千円、営業利益は916,243千円、調整後営業利益(*3)は1,103,743千円、経常利益は911,112千円、親会社株主に帰属する当期純利益は608,367千円となりました。
なお、当社個別の経営成績は、売上高は3,640,999千円(前年度比19.5%増)、営業利益は1,017,556千円(前年度比7.6%増)、経常利益は1,011,830千円(前年度比7.2%増)、当期純利益は706,065千円(前年度比13.6%増)となりました。
以上により、グループ体制となったことにより売上高は過去最高を記録し、当社個別業績でも、売上高、営業利益、経常利益及び当期純利益が、いずれも過去最高となりました。
当連結会計年度における各セグメントの概況は、以下のとおりです。なお、当連結会計年度より、「商談型展示会事業」と「ハイブリッド展示会事業」の2つの報告セグメントを「展示会事業」に変更しております。
また、株式会社リアライブを子会社化したことに伴い、「人材採用支援事業」を新しい報告セグメントとしております。
当社は当連結会計年度より連結財務諸表を作成しております。前年同四半期、当連結会計年度及び前連結会計年度との比較分析は行なえませんが、参考のため、前年度の当社個別決算との比較を行っております。
(イ)展示会事業
展示会事業のうち介護分野においては、商談型展示会である「CareTEX」及び商品ジャンル特化型展示商談会「CareTEX One」並びにオンライン展示会「CareTEX365オンライン」及び「からだケアEXPO365オンライン」の運営を行っております。当連結会計年度においては、6月に横浜展、7月に札幌展、8月に仙台展、10月に福岡展、11月から12月にかけて大阪展、1月に名古屋展、3月に東京展を開催いたしました。
展示会事業のうちIT分野においては、オンライン展とリアル展をシームレスに融合させ、双方の強みを活かした、新発想のハイブリッド展示会である「DXPO」の開催・運営を行っております。
ハイブリッド展示会「DXPO」とは、オンライン展の開設期間中(365日24時間)に並行してリアル展を年複数回開催し、リアル展の会期前1ヵ月及び会期後1ヵ月は、オンライン展でも集中的にマッチングすることで、「見込客獲得の量」と「商談の質」を高めつつ、かつ、年間を通じて継続的なマッチングの機会を提供するサービスです。
当連結会計年度においては、「バックオフィスDXPO」及び「営業・マーケ/広告・販促/店舗・EC DXPO」をオンライン上で開催するとともに、8月に東京展、10月に九州初となる福岡展、2月から3月にかけて大阪展を開催いたしました。
また、展示会関連サービスとして、ブース施工・運営支援のサービスを提供してまいりました。
[展示会開催スケジュール] ※展示会名が、赤文字=介護・健康施術分野、青文字=IT分野

以上の結果、当連結会計年度における展示会事業の売上高は1,903,183千円(前年度比49.7%増)、セグメント利益は635,226千円(前年度比75.4%増)、出展小間数は3,768小間(前年度比36.4%増)となり、売上高及びセグメント利益ともに過去最高を記録しました。
(ロ)M&A仲介事業
M&A仲介事業は、事業承継ニーズを有する介護・医療・福祉・建設・IT関連事業者等に向け、M&A仲介サービスの提供を行っております。当該事業におきましては、ウェブサイトのコンテンツ充実、セミナーの開催、ダイレクトメール及び地域金融機関等との業務提携によって案件獲得を強化するとともに、案件の成約に注力いたしました。
また、当連結会計年度においては、当連結会計年度はもとより翌年度に向けた大幅な売上拡大を見据え、①建設・IT分野を始めとした新分野における売主・買主の開拓及び案件成約のために主力のコンサルタントの一定数を投入したほか、②事業部門全体で、介護分野も含めた案件のソーシングに注力したことにより、上半期の案件の成約に遅れが生じておりました。これに加えて、当連結会計年度に発覚した元従業員の不正に関連する処分に伴い、コンサルタントの人員数が当初の計画を下回ったことにより案件成約の遅れが発生し、当連結会計年度の成約組数は、151組(前年同期比4.9%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度においては、M&A仲介事業の売上高は1,736,696千円(前年度比2.0%減)、セグメント利益は813,113千円(前年度比19.9%減)となりました。
(ハ)人材採用支援事業
人材採用支援事業においては、新卒向け採用イベント「ジョブトラ」の開催・運営及び求人企業への人材紹介を行っております。
当連結会計年度においては、当社のノウハウである教育体制の整備・仕組化を浸透させるなど、社内体制の強化を図るとともに、事業の育成に注力いたしました。
以上の結果、当連結会計年度においては、人材採用支援事業の売上高は773,766千円、セグメント利益は157,755千円となりました。
(*1)介護用品メーカー、機械浴槽や建材等の設備備品メーカー及び介護ソフトや配食等の施設向けサービス事業者等
(*2)「CareTEX」のうち東京展及び大阪展については、複数の専門展により構成される「ケアウィーク」の総称にて開催。
(*3)2021年2月1日を割当日とする新株予約権の行使条件となる利益であり、連結損益計算書(連結損益計算書を作成していない場合、損益計算書とする。)に記載の営業利益から、のれん償却費、顧客関連資産償却費及び新株予約権に係る株式報酬費用の影響を排除した金額です。
2023年4月1日に行われた株式会社リアライブの株式取得について、第1四半期連結会計期間において取得原価の配分が完了しておらず、暫定的な会計処理を行っておりましたが、当連結会計年度末に確定しております。この結果、顧客関連資産及び繰延税金負債を新たに認識し、顧客関連資産償却費を計上いたしました。当社は、のれん償却費同様、新たに認識した顧客関連資産償却費は新株予約権の行使条件となる利益には影響させないため、調整後営業利益は、連結損益計算書に記載の営業利益から、顧客関連資産償却費の影響も排除することとしております。
調整後営業利益=営業利益+のれん償却費+顧客関連資産償却費+株式報酬費用
(資産)
当連結会計年度末の総資産は4,856,768千円となり、流動資産は3,300,014千円となりました。主な内訳は、現金及び預金3,117,773千円等です。固定資産は1,556,753千円となりました。主な内訳は、のれん854,753千円、無形固定資産その他387,535千円等です。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は2,650,446千円となり、流動負債は1,564,785千円となりました。主な内訳は、前受金523,246千円、1年内返済予定の長期借入金372,640千円等です。固定負債は1,085,661千円となりました。主な内訳は、長期借入金1,010,950千円等です。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は2,206,321千円となりました。主な内訳は、利益剰余金1,992,715千円等です。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、3,118,275千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は、774,298千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上および法人税等の支払額等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は、833,213千円となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は、660,007千円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出、自己株式の取得による支出によるものであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
④ 生産、受注及び販売の実績
(イ)生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
(ロ)受注実績
当社は受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
(ハ)販売実績
当連結会計年度の事業領域ごとの販売実績は、次のとおりであります。
| 事業領域の名称 | 販売高(千円) | 前期比増減率(%) |
| 展示会事業 | 1,903,183 | +49.7% |
| M&A仲介事業 | 1,736,696 | △2.0% |
| 人材採用支援事業 | 773,766 | - |
| その他 | 697 | △82.7% |
| 合計 | 4,414,344 | - |
(注)1 当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合に
ついては、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。
2 「人材採用支援事業」については、当連結会計年度に株式会社リアライブを子会社化したことに
伴い新しく報告セグメントとしたため、前期との比較はおこなっておりません。
3 展示会事業並びにM&A仲介事業については、当社の前年度の展示会事業並びにM&A仲介事業
との比較を行っております。
(2) 資本の財源と資金の流動性及び調達状況について
(資金需要)
当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、展示会会場の会場使用費用、ソフトウエア開発、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。投資を目的とした資金需要の主なものは、事業拡大に向けた株式取得(子会社化)によるものです。
(財政政策)
当社は、運転資金及び投資を目的とした資金については、内部資金及び金融機関からの借入により調達しております。なお、2024年3月末時点の長期借入金残高(1年以内返済予定を含む)は1,383,590千円、現金及び預金は3,117,773千円となっており、現状、金融機関からの借入はありますが、現金及び現金同等物の残高が借入金を超過しております。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗状況
① 経営計画の達成状況
当連結会計年度において、展示会事業においては介護分野・IT分野ともに展示会の規模が拡大し出展小間数が増加したため、期首目標を達成いたしました。M&A仲介事業においては新分野へのリソース注入や介護分野も含めた案件のソーシングに注力したこと、元従業員の不正に関連する処分による案件成約の遅れが発生し、成約組数は前年より増加したものの、期首目標を下回りました。人材採用支援事業においては、当連結会計年度においては当社のノウハウである教育体制の整備・仕組化へ注力いたしました。
以上の結果、連結の売上高は4,414,344千円(計画比6.6%減)、営業利益は916,243千円(計画比10.0%減)、営業利益率は20.8%(計画比0.8ポイント減)となりました。
| 指標 | 2024年3月期 (実績) | 2024年3月期 (計画) | 2024年3月期 (計画比) |
| 連結売上高 | 4,414百万円 | 4,728百万円 | △314百万円 (△6.6% ) |
| 連結営業利益 | 916百万円 | 1,018百万円 | △102百万円 (△10.0% ) |
② 主要な経営指標
当社の経営成績に影響を与える主要な経営指標として、展示会事業については、主な収入である出展料が出展小間数×小間単価となり、小間単価に大きな変動がないため、出展小間数(出展社に貸し出すために仕切られたスペースの単位)を重要な指標としております。M&A仲介事業については、主な収入である仲介手数料が成約組数×手数料単価となり、手数料単価においては、成約組数における中大型案件の割合の増加に伴い逓増傾向にあるものの、中小型案件を効率よく成約する『回転寿司モデル』を採用していることから、成約組数を重要な経営指標としております。また、人材採用支援事業については、採用イベント開催数を重要な経営指標としております。それぞれの経営指標の推移及びその変動要因は以下のとおりです。
(ⅰ)展示会事業
展示会事業のうち介護分野においては、展示会の早期全国展開を進めることで、知名度を高めるとともに全国の決裁権限者のリスト化を図り、M&A仲介サービス等の付加サービスを創出・提供しております。当連結会計年度においては、商談型展示会である「CareTEX」及び商品ジャンル特化型展示商談会「CareTEX One」の運営を行っており、6月に横浜展、7月に札幌展、8月に仙台展、10月に福岡展、11月から12月にかけて大阪展、1月に名古屋展、3月に東京展を開催いたしました。
展示会事業のうちIT分野においては、オンライン展とリアル展をシームレスに融合させ、双方の強みを活かした、新発想のハイブリッド展示会である「DXPO」の開催・運営を行っております。
ハイブリッド展示会「DXPO」とは、オンライン展の開設期間中(365日24時間)に並行してリアル展を年複数回開催し、リアル展の会期前1ヵ月及び会期後1ヵ月は、オンライン展でも集中的にマッチングすることで、「見込客獲得の量」と「商談の質」を高めつつ、かつ、年間を通じて継続的なマッチングの機会を提供するサービスです。当連結会計年度においては、「バックオフィスDXPO」及び「営業・マーケ/広告・販促/店舗・EC DXPO」をオンライン上で開催するとともに、8月に東京展、10月に九州初となる福岡展、2月から3月にかけて大阪展を開催いたしました。
この結果、当連結会計年度に開催した全ての展示会の総出展小間数は3,768小間(前事業年度比36.4%増)となりました。
出展小間数の推移
| (単位:小間数) |
| 第15期 | 第16期 | 第17期 | 第18期 | |
| 決算月 | 2021年3月 | 2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 |
| 介護分野 | 1,185 | 1,384 | 1,565 | 1,884 |
| IT分野 | ― | ― | 1,197 | 1,884 |
| 合計 | 1,185 | 1,384 | 2,762 | 3,768 |
(注) 小間数は、各事業年度に開催したリアル展の出展小間数を記載しております。
(ⅱ)M&A仲介事業
介護・医療・福祉・建設・IT関連事業者等を対象としたM&A仲介サービスの提供を行っております。当連結会計年度においては、新分野における売主・買主の開拓及び案件成約のために主力のコンサルタントの一定数を投入したほか、事業部門全体で、介護分野も含めた案件のソーシングに注力したことにより、上半期の案件の成約に遅れが生じておりました。これに加えて、当連結会計年度に発覚した元従業員の不正に関連する処分に伴い、コンサルタントの人員数が当初の計画を下回ったことにより案件成約の遅れが発生し、成約組数は期首目標を下回る151組(前事業年度比4.9%増)となりました。
M&A成約組数の推移
| (単位:組数) |
| 第15期 | 第16期 | 第17期 | 第18期 | |
| 決算月 | 2021年3月 | 2022年3月 | 2023年3月 | 2024年3月 |
| 成約組数 | 85 | 129 | 144 | 151 |
(注) 成約組数は、各事業年度に成約したM&A組数を記載しております。
(ⅲ)人材採用支援事業
新卒向け採用イベント「ジョブトラ」の開催・運営及び求人企業への人材紹介を行っております。当連結会計年度においては、当社のノウハウである教育体制の整備・仕組化を浸透させるなど、社内体制の強化を図るとともに、事業の育成に注力いたしました。この結果、当連結会計年度に開催した採用イベント開催数は305回となりました。
(4) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社が今後の業容を拡大し、より良いサービスを継続的に展開していくためには、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております各種課題に対応していくことが重要であると認識しております。それらの課題に対応するために、経営者は、市場動向をはじめとした外部環境の構造やその変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を確認し、その間の課題を認識すると同時に最適な解決策を推進していく方針であります。