有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2021/05/25 15:01
【資料】
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【項目】
154項目
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、「企業を芯から元気にする」という経営理念に基づき、継続的に企業価値を向上させ、株主、取引先、従業員等のステークホルダーの信頼と期待に応え、企業としての社会的責任を果たすためには、コーポレート・ガバナンスの確立が必要不可欠であると考えております。
具体的には、法令等の遵守、取締役の監督責任の明確化やコンプライアンス体制の強化を通じた経営の健全性の確保とステークホルダーへの説明責任を果たすための適時・適切な情報開示による経営の透明性の確保を意識し、企業活動を行ってまいります。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は、2017年9月27日開催の臨時株主総会における定款変更により、2017年10月1日より監査等委員会設置会社に移行し、取締役会、監査等委員会及び会計監査人を設置しております。独立性の高い社外取締役3名及び監査等委員会による監督、監査機能の充実により、経営における透明性の高いガバナンス体制を維持し、継続的に企業価値を向上させることができると考え、現在の体制を採用しております。
当社の企業統治の体制の模式図は次のとおりであります。

a.取締役会
当社の取締役会は、代表取締役社長 湯浅智之が議長を務め、取締役 齋藤武一郎、取締役 千田勇一、取締役 大山拓也、社外取締役 増田宗昭、社外取締役(常勤監査等委員)永井浩明、社外取締役(監査等委員)髙野利雄、及び取締役(監査等委員)瓜生健太郎の取締役8名(うち社外取締役3名)で構成され、法令又は定款の定めるところにより取締役等に委任できない事項及び経営戦略等の重要事項について審議・決定し、それらについて定期的にチェックする機能を果たしております。取締役会は、原則として月1回の開催とし、必要に応じて臨時取締役会を開催しています。
なお、意思決定の迅速化と業務執行体制の強化を図りながら、より機動的かつ効率的な業務運営を行うために執行役員制度を採用しており、13名の執行役員(監査等委員でない取締役兼任者を含みます。)が業務執行にあたっております。
b.監査等委員会
監査等委員会は、社外取締役(常勤監査等委員)永井浩明が委員長を務め、社外取締役(監査等委員)髙野利雄、及び取締役(監査等委員)瓜生健太郎の3名(うち社外取締役2名)の監査等委員である取締役で構成されております。ガバナンスのあり方とその運営状況を監視し、取締役の職務の執行を含む日常的活動の監査を行っております。監査等委員会は、原則として月1回の開催とし、必要に応じて臨時監査等委員会を開催し、監査計画の策定、監査実施状況の報告、監査結果等の検討、及び監査等委員間の相互の情報共有を図っております。また、監査等委員は、内部監査室及び会計監査人と定期的に会合を開催し、監査結果や抽出された課題等の情報共有を行い、相互に連携を図っております。
c.経営会議
当社では、業務執行取締役及び常勤監査等委員で構成される経営会議を設置し、原則として月に1度開催しております。経営会議は職務権限上の意思決定機関であり、会社業務の円滑な運営を図ることを目的としております。具体的には、取締役会付議事項の協議や職務権限に基づく決定が行われております。加えて、全社的なリスク・コンプライアンス事案の分析・検討、重要事項の指示・伝達の徹底を図り、経営課題等の認識の統一を図る機関として機能しております。
③ 企業統治に関するその他の事項
イ.取締役会において決議した内部統制システムの整備に係る基本方針
当社では、会社法及び会社法施行規則に基づき、以下の業務の適正性を確保するための体制整備の基本方針として、取締役会において、「内部統制システム構築の基本方針」を定める決議を行い、当該基本方針に基づいた運営を行っております。
a.取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(ア)コンプライアンス体制の基盤となる「倫理規程」及び「コンプライアンス規程」を定め、全ての役職員は職務の執行にあたって関係法令、社会規範及び社内諸規程等を遵守することを徹底する。
(イ)法令違反行為を早期に発見、是正するため、これらの行為を発見した場合に会社へ情報提供するための内部通報体制を構築する。
(ウ)法令違反行為が発見された場合には、取締役会において迅速に情報を把握するとともに、外部専門家と協力しながら適正に対応していく。
(エ)取締役会は、法令、定款及び社内諸規程に基づき、経営に関する重要事項を決定するとともに、取締役の職務執行を監督する。
(オ)監査等委員である取締役は、内部監査室と連携し、当社の法令遵守体制及び内部通報制度の運用に問題があると認めるときは、意見を述べるとともに、改善策の策定を求めることができる。
(カ)財務報告の信頼性を確保するため、金融商品取引法に基づく内部統制が有効に行われる体制を構築し、内部統制システムの整備及び運用を行うとともに、その仕組みが適正に機能することを継続的に評価し、必要な是正を行う。
(キ)「反社会的勢力対応規程」を定め、反社会的勢力からの不当な要求等を受けた場合には、毅然とした姿勢で組織的に対応し、いかなる場合においても、反社会的勢力との取引を行わず、金銭その他の経済的利益を提供しない。
b.取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
(ア)取締役会の議事録並びに稟議書その他取締役の職務執行に係る重要な書類(電磁的記録を含む)については、法令及び「文書管理規程」の定めに基づき適切に管理する。
(イ)取締役は、いつでも、前項の情報を閲覧することができる。
(ウ)「個人情報保護規程」を定め、情報資産の保護・管理を行う。
c.損失の危険の管理に関する規程その他の体制
(ア)損失の危険に対処するため、社内諸規程を整備し、適宜適切に見直しを行う。
(イ)取締役会及び経営会議等において、業務執行に関わる重要な情報の共有を行い、リスクの早期発見と未然防止に努める。
(ウ)不測の事態が発生した場合には、代表取締役社長を責任者として、全社的な対策を検討する。
d.取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
(ア)取締役会は原則として毎月1回開催する他、必要に応じて臨時取締役会を開催するものとし、適切な職務執行が行える体制を確保する。
(イ)職務執行に関する権限及び責任は、「業務分掌規程」、「組織規程」及び「職務権限規程」等において明文化し、適宜適切に見直しを行う。
(ウ)当社は、取締役会の事前審議機関として経営会議を設置し、取締役会の意思決定に必要な情報について十分な検討、事前協議を行う。
(エ)業績管理については、事業計画を定め、会社として達成すべき目標を明確化し、月次決算において達成状況を確認・検証し、その対策を立案・実行する。
e.当社並びにその子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
(ア)当社は「経営理念」に基づき、グループ全体のコンプライアンス体制の構築に努める。
(イ)当社内部監査室は、「内部監査規程」に基づき、グループ子会社に対して監査を実施する。
f.監査等委員会及び監査等委員である取締役の職務を補助すべき使用人に関する事項、その使用人の取締役(監査等委員である取締役を除く)からの独立性に関する事項並びに監査等委員会の当該取締役及び使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
(ア)監査等委員である取締役が職務遂行について補助すべき使用人を求めた場合、必要な人員を配置する。
(イ)当該使用人は監査等委員である取締役の指揮命令に従い、人事考課、異動等については監査等委員である取締役の同意を受けた上で決定することとし、取締役(監査等委員である取締役を除く)からの独立性を確保する。
g.当社及び子会社の取締役(監査等委員である取締役を除く)及び使用人又はこれらの者から報告を受けた者が監査等委員会に報告するための体制
(ア)取締役(監査等委員である取締役を除く)及び使用人は、法令に違反する事実、会社に著しい損害を与えるおそれのある事実を発見したときは、監査等委員である取締役に対して当該事実に関する事項を速やかに報告する。
(イ)取締役(監査等委員である取締役を除く)及び使用人は、監査等委員である取締役の要請に応じて、職務執行の状況等について速やかに報告する。
(ウ)子会社の取締役、監査役及び使用人(当該取締役、監査役及び使用人から報告を受けた者を含む)は、子会社各社の業務の適正を確保する上で当社の監査等委員会に報告することが適切と判断する事項が生じた場合、直接当社の監査等委員に報告することができる。
h.監査等委員会へ報告した者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
当社は、当社グループの当該取締役(監査等委員である取締役を除く)及び使用人又はこれらの者から報告を受けた者が、監査等委員会へ報告・通報したことを理由として、不利な取扱いを受けないことを確保するための体制を整備する。
i.監査等委員の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
当社は、監査等委員の職務執行について生ずる費用の前払い又は償還の手続き等について、速やかに当該費用又は債務を処理する。
j.その他監査等委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
(ア)当社は、監査等委員の要請に基づき、当社及びグループ子会社の会議に出席する機会を確保する等、監査等委員会の監査が実効的に行われるための体制を整備する。
(イ)当社は、監査等委員である取締役が会計監査人及び内部監査人と面談できる環境、必要に応じて意見交換等を行える環境を整備する。
ロ.リスク管理体制の整備状況
当社のリスクマネジメントに関する事項を定め、リスク発生時の的確な対応及び再発防止を図ることを目的として、リスク管理規程を制定しております。社内体制としては、経営会議を全社的なリスクマネジメントの推進機関として位置づけ、識別されたリスクについての影響の評価、防止策の検討を行っております。
また、監査等委員会による監査や内部監査の実施によりリスクの発見に努め、必要に応じて会計監査人や顧問弁護士等の外部専門家からリスク対応についての助言を受けられる体制を整備し、リスクの軽減に努めております。
ハ.子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況
当社は子会社に関する業務の円滑化を図り、子会社を育成強化するとともに、相互の利益と発展をもたらすことを目的として、関係会社管理規程を定め、以下の管理方針に基づき子会社の業務の適正を確保する体制を整備しております。
経営関与については、当社は子会社の経営についてはその自主性を尊重しつつも、当社役職員を子会社の取締役として意思決定機関に参画させており、子会社との取引においては取引基本契約等を締結することで相互の責任の明確化を図る等を基本方針としています。利益還元については、当社の子会社は、事業基盤を確立する途上にある会社が多く、現在においては先行投資の時期と考えているため、当面は財務体質の強化及び成長戦略の一環として再投資を実施するため、配当等を受け取る予定はございません。
なお、関係会社管理規程に基づき、当社の内部監査室が子会社の内部監査を実施し、その結果を被監査会社の社長に通知し、改善を要する場合にはその改善を指示するとともに、その改善結果を報告させる体制を整備しております。
ニ.取締役の定数
当社の取締役(監査等委員である者を除く。)は、10名以内、監査等委員である取締役は5名以内とする旨を定款に定めております。
ホ.取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別し、株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数の決議によって選任する旨を定款に定めております。また、取締役の選任決議は累積投票によらないものとする旨を定款に定めております。
へ.株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の特別決議の要件について、会社法第309条第2項に基づき、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行うこととしております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。
ト.責任限定契約の内容の概要
当社と取締役(業務執行取締役等である者を除く。)は、会社法第427条第1項に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく責任の限度額は法令が規定する額としています。
チ.取締役の責任免除
当社は、会社法第426条第1項の規定により、任務を怠ったことによる取締役(取締役であった者を含む。)の損害賠償責任を、法令の限度において、取締役会の決議によって免除することができる旨を定款に定めております。これは、取締役が、期待される役割を十分に発揮すること等を目的とするものであります。
リ.自己株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議をもって、自己の株式を取得することができる旨を定款に定めております。これは、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするため、市場取引等により自己の株式を取得することを目的とするものであります。
ヌ.中間配当
当社は、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として、中間配当をすることができる旨を定款に定めております。これは、剰余金の配当等を取締役会の権限とすることにより、株主への機動的な利益還元を行うことを目的とするものであります。