有価証券報告書-第21期(2022/01/01-2022/12/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルスの感染症の再拡大があったものの、各種制限等の段階的な緩和が進み、景気は緩やかに持ち直しの動きを見せております。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化、原材料価格の高騰、世界的な金融引き締め等、景気の下振れリスクが懸念され、依然として先行きは不透明な状態が続いております。
当社グループを取り巻く事業環境においては、新型コロナ感染症対策としての行動制限が緩和の方向にありますが、都内企業のテレワーク実施率は52.4%と依然として高水準であり、多くの企業がリモートワークを継続しています(東京都産業労働局 2023年1月11日発表『テレワーク実施率調査結果』)。法人営業活動においても標準的な営業スタイルとしてインサイドセールスが本格的に導入され、その定着や拡大を進める企業が増えています。一方でこのような本格的なインサイドセールス導入に際しては、多くの企業が依然として新規顧客へのアプローチシナリオの策定と改善、デジタルマーケティング機能や組織との連携、インサイドセールス活動に必要なスキル向上等の課題を抱えており、インサイドセールス関連サービス提供の需要は引き続き高まっております。また企業内で自社の価値創造を進めるDX(※1)時代の人材戦略-リスキリング(※2)の必要性の高まりも継続しており、研修市場の拡大が見込まれています。
このような環境のもと、当社グループはそれぞれの事業拡大に注力した結果、当連結会計年度の売上高は、6,707百万円(前年同期比19.9%増)、営業利益は881百万円(同36.8%増)、経常利益は886百万円(同36.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は594百万円(同20.5%増)となりました。
※1「DX」:Digital Transformation デジタルトランスフォーメーションの略。企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。
※2「リスキリング」:経済産業省が推奨する、コロナ禍による働き方の変化・デジタル時代の到来に対応した人材育成を企業が従業員に対して行う取り組み。
当社グループの各事業のサービス別業績の概要は、以下のとおりであります。
・インサイドセールス事業
インサイドセールス関連サービスの需要は引き続き高く、当社のアウトソーシングサービスの導入をきっかけとしたインサイドセールス組織の立ち上げや、インサイドセールスの活動領域の拡大により関連するCRM(※)システムの追加開発の需要も高まっています。
このような環境のもと、主要サービスであるアウトソーシングサービスは、既存・新規ともに堅調に伸び当連結会計年度の売上高は、4,128百万円(前年同期比13.6%増)、コンサルティングサービスは、128百万円(同8.8%増)、システムソリューションサービスは、CRM等受託開発が232百万円(同33.2%増)と好調に伸び、AIを活用した営業活動支援ツール「SAIN(サイン)」の自社クラウドツール提供サービスは64百万円(同17.7%増)と伸び、システムソリューションサービス全体としては、416百万円(同23.6%増)となりました。インサイドセールス事業全体では、当連結会計年度における売上高は、4,673百万円(同14.3%増)、セグメント利益については576百万円(同18.9%増)となりました。
※「CRM」:Customer Relationship Managementの略。企業内でその顧客の属性やコンタクト履歴を記録・管理することにより、それぞれの顧客に応じた対応を可能にし、顧客満足度を向上させる取り組みを行うための情報システムを指します。
・研修事業
当社グループの研修事業が属する、企業向け研修市場の2022年度市場規模予測は、オンライン研修など、コロナ禍に対応した研修サービスが新たな需要を創出しながら、5,320億円にまで成長すると推計されており、2023年以降もDX推進リーダー人材を対象とした研修や、現有社員の能力向上及び、生産性向上・業務効率向上を目指すリスキリング強化の需要の高まりから、コロナ禍前以上のマーケットサイズに拡大すると予測されています(矢野経済研究所「企業向け研修サービス市場の実態と展望 2022」)。
当社グループの研修事業も、主に国内のIT事業者・システムインテグレーター企業におけるリスキリング強化の流れを受け、当連結会計年度における研修事業の売上高は、2,034百万円(前年同期比35.2%増)、セグメント利益は、305百万円(同91.6%増)となりました。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は3,462百万円となり、前連結会計年度末に比べ663百万円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が410百万円増加したこと、売掛金及び契約資産が182百万円増加したことを要因としたものであります。
当連結会計年度末における固定資産は1,183百万円となり、前連結会計年度末に比べ118百万円の減少となりました。これは主に、有形固定資産が20百万円増加したものの、無形固定資産が106百万円減少したことを要因としたものであります。
これらの結果、総資産は4,646百万円となり、前連結会計年度末の4,101百万円から544百万円の増加となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は1,086百万円となり、前連結会計年度末に比べ51百万円の増加となりました。これは主に、未払法人税等が25百万円増加したこと、賞与引当金が25百万円増加したことを要因としたものであります。
当連結会計年度末における固定負債は21百万円となり、前連結会計年度末に比べ103百万円の減少となりました。これは主に、長期借入金が100百万円減少したことを要因としたものであります。
これらの結果、負債合計は1,107百万円となり、前連結会計年度末の1,159百万円から52百万円の減少となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は3,539百万円となり、前連結会計年度末の2,941百万円から597百万円の増加となりました。これは主に、当連結会計年度末に親会社株主に帰属する当期純利益594百万円を計上したことにより利益剰余金が594百万円増加したことを要因としたものであります。
この結果、自己資本比率は76.2%(前連結会計年度末は71.7%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ410百万円増加(前年同期比23.4%増)し、2,168百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、716百万円の収入(同20.9%減)となりました。この主な内訳は、税金等調整前当期純利益886百万円、減価償却費234百万円、売上債権及び契約資産の増加額182百万円、法人税等の支払額227百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、194百万円の支出(同44.0%減)となりました。この主な内訳は、有形固定資産の取得による支出114百万円、無形固定資産の取得による支出69百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、110百万円の支出(前年同期は112百万円の収入)となりました。この主な内訳は、長期借入金の返済による支出99百万円、リース債務の返済による支出13百万円であります。
③生産、受注及び販売の実績
(a)生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
(b)受注実績
当社グループのサービス提供の実績は、販売実績とほぼ一致しておりますので、受注実績に関しては販売実績の項をご参照ください。
(c)販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
| サービスの名称 | 当連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) | |
| 販売高(千円) | 前年同期比(%) | |
| アウトソーシングサービス | 4,128,301 | 13.6 |
| コンサルティングサービス | 128,366 | 8.8 |
| システムソリューションサービス | 416,587 | 23.6 |
| インサイドセールス事業 計 | 4,673,254 | 14.3 |
| 研修事業 計 | 2,034,490 | 35.2 |
| 合計 | 6,707,745 | 19.9 |
(2)経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、期末日における資産・負債の数値、及び決算期における収益・費用に影響を与える見積りや判断を行う必要があります。
これら見積りや判断には不確実性が存在するため、見積った数値と実際の結果の間には乖離が生じる可能性があります。なお、当社グループの連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項」に記載しております。
②経営成績等
(a)財政状態の分析
財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(b)経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は6,707百万円となり、前年同期に比べ1,114百万円増加いたしました。これは主に、研修事業が「リスキリングの必要性」や「人的資本の強化」の流れで売上が好調に推移したこと、及びインサイドセールス事業の日本企業での本格的な導入が進んだことで、売上が堅調に推移したことによります。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は4,545百万円となり、前年同期に比べ680百万円増加いたしました。これは主に、売上高の増加に伴い労務費が258百万円の増加、外注委託費が254百万円の増加等によるものであります。
この結果、当連結会計年度の売上総利益は2,162百万円となり、前年同期に比べ433百万円増加いたしました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は1,280百万円となり、前年同期に比べ196百万円増加いたしました。これは主に、本社の一部移転等に伴う一過性の費用増加や、事業規模拡大に伴う業務委託費の増加、給料及び手当の増加、採用広告費の増加等によるものであります。
この結果、当連結会計年度の営業利益は881百万円となり、前年同期に比べ237百万円増加いたしました。また、当連結会計年度の売上高営業利益率は13.1%となり、前年同期と比べ1.6ポイント上がっております。
(営業外損益、経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は7百万円となり、前年同期に比べ大きな増減はありません。
当連結会計年度の営業外費用は2百万円となり、こちらも前年同期に比べ大きな増減はありません。
この結果、当連結会計年度の経常利益は886百万円となり、前年同期に比べ237百万円増加いたしました。
(特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別利益は発生せず、前年同期に比べ増減はありません。
当連結会計年度の特別損失は発生せず、前年同期に比べ35百万円減少いたしました。
この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は594百万円となり、前年同期に比べ100百万円増加いたしました。
(c)キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金及びシステム開発等にかかる設備投資によるものであります。当社グループの運転資金につきましては、自己資金(利益等の内部留保資金)で賄っており、資金の流動性は確保できております。また、自己資金で手当てできない場合は、金融機関からの借り入れによる資金調達となりますが、借入先・借入金額等の条件は所定の手続きにより資金調達を行うことになります。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照ください。当社グループでは売上高及び営業利益を重要な指標としております。
当連結会計年度における売上高は前年同期に比べて1,114百万円増加し、6,707百万円となりました。また、営業利益は、前年同期に比べて237百万円増加し、881百万円となりました。引き続きこれらの指標について増加するよう取り組んでまいります。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境の変化や組織体制の整備等、さまざまなリスク要因が当社グループの成長や経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社グループは、常に新技術の動向や市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保育成し、顧客ニーズを満たす製品・サービスを提供していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因の低減を図ってまいります。
⑥経営戦略の現状と見通し
当社グループは今後も拡大されることが予想されるIT市場において、競争優位性を確保するために、顧客企業に対して高付加価値を提供するサービスの創造に鋭意努めてまいります。また、より強固なポジションを獲得するために、開発体制及び営業体制の強化を重要な経営戦略と認識し、事業の拡大に取り組んでまいります。
⑦経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループが今後事業を拡大し、より高品質なサービスを継続提供していくためには、経営者は「2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していく必要があると認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は常に市場におけるニーズや事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を認識したうえで、当社グループの経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。